更新日:2020/05/19
塗装剥がれの修理は保険の対象?全塗装適用の条件について徹底解説!
縁石に擦るなどして塗装が剥がれてしまった場合、修理に車両保険が適用されるのか気になりますよね。今回は全塗装が保険の対象になるための条件や、修理にかかる費用について解説します。また、修理の際本当に保険を使うべきなのか、どこで修理すると良いかについても紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
塗装剥がれは車両保険の範囲内?
自動車は、縁石に擦った時などのちょっとした事故で、すぐに擦り傷や塗装剥がれができてしまうものです。
その場合の全塗装などの修理が、車両保険の対象になるのか知りたいという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- 塗装剥がれの修理は保険適用されるのか
- 全塗装する場合の費用はどのくらいか
- 塗装修理はどこに頼むのが良いか
- 本当に保険を使うべきなのか
車両保険は、全塗装の補償が場合によって適用される
塗装剥がれで全塗装になった場合、条件によっては車両保険が適用される場合があります。
- 特殊な塗装を施している場合
- 自動車の美観の損害、それにより多くの価値が損なわれる場合
特殊な塗装を施している場合
- 見る角度や光によって色彩が変化する「マジョーラ塗装」
- 半透明の色を重ねて透明感のある合成色を作り出す「キャンディ塗装」
- ラメを種類やベースカラーの組み合わせにより独特のキラメキ感を出す「ラメフレーク塗装」
自動車の美観の損害、それにより多くの価値が損なわれる場合
全塗装は車両保険の対象になる?
- 部分塗装による色むら等は専門家でないとほぼ見分けられない程度
- 全塗装を認めると原状回復以上に利益を得てしまう(事故と関係のない部分まで塗装してもらえることなる)ため不当である
- 現在の塗装技術をもってすれば部分塗装であっても、再塗装で車の美観を損ねるようなことにはならない
- 全塗装費用の補償を認めると損害箇所以外の部分も塗装することとなる
塗装にはどのくらいの費用がかかるのか
車の塗装剥がれを修理しようとするとき、誰もが気になるのは、いくらかかるかということでしょう。
全塗装の場合、部品を分解すればするほどきれいな塗装ができますが、その分費用もかさみます。パーツの分解を必要最低限にして、外から見える部分のみの塗装を行う場合、目安としては30万円程度と考えましょう。
塗装は、ボンネットを開けたときの接続面など、普段は外部から見えない部分にも及んでいますが、このような箇所に塗装することを「中塗り」といいます。
ドアやトランクなどのパーツを外して中塗りまで行う場合、さらに10万円程度の上乗せを見込んでおきましょう。
部分塗装は、もちろん全塗装に比べて少ない費用で済みます。ドアを縁石などに擦ったときに、10cmほどの擦り傷の部分のみを修理する場合、修理費は3~5万円程度が目安と考えましょう。
傷が大きくなると、その分修理代も高くなります。また、車体のヘコミがあるときは、さらに数千円の増額が見込まれます。
塗装修理はどこに頼むのが良いのか
塗装剥がれの修理は、ディーラー・カーショップ・板金塗装業者に依頼できます。また、自分で修理するという選択肢もあります。
ディーラーは新車や中古車の販売業者です。車の販売が本来業務ですが、塗装を含め、修理も請け負ってくれます。大きなところでは修理全般を請け負えるだけの施設がありますが、小さなところでは下請けの修理工場に依頼しています。
カーショップは多くの店舗が修理のための施設を持ち、当日中の対応が可能です。
板金塗装業者は地域に密着した修理業者です。
また、DIYに自信がある人には、自分で塗装修理を行うという選択肢も考えられるでしょう。
それぞれに、メリットとデメリットがあるので、内容をしっかり理解し、自分に合う手段を選択できるようにしましょう。
クオリティ重視ならディーラーがおすすめ
ディーラーに塗装修理を頼む場合、
- メリットは、技術レベルの高さゆえ、非常にきれいな仕上がりになること。そのため、安心して修理を依頼することができる。
- デメリットは、値段がやや高めになること。
値段が高めになることは塗装に限らず、修理全般についての傾向です。
費用を抑えたいならカーショップがおすすめ
カーショップで塗装修理を依頼する場合、
- メリットは、比較的安価で修理を行ってくれること。
- デメリットは、技術面では少々不安があること。
カーショップは特定の車種専門の店ではないので、ディーラーに比べて仕上がりが劣るのは仕方のないことかもしれません。
また、繁忙期には長い待ち時間を耐えなければならない状況になることも考えられます。
板金塗装業者は上手に選択することが大事
板金塗装業者を利用する場合、
- メリットは安いこと。カーショップよりも安価に塗装してもらえることも少なくない。
- デメリットは、技術力のある業者ばかりでないこと。
技術の高さについては各工場の施設や技術者によります。つまり「ピンからキリ」なので、業者選びは慎重に行いましょう。
車体の塗装はDIYも可能
自分で塗装するという手段もあり、
- メリットは最も安価にできること。
- デメリットは手間がかかること。当然、仕上がりも個々人の腕次第である。
自分で塗装するときは、手順や注意点を事前に調べてから行うようにしましょう。
本当に保険を使うべきなのか
車両保険を使うことにより、塗装費用の補償をしてもらうことができます。
しかし、車体に塗装剥がれや傷ができたとしても、必ずしも車両保険を使った方がよいとは限りません。
その理由は、車両保険の使用が翌年度のノンフリート等級に影響するためです。
例えば、縁石や電柱などに擦った場合などの自損事故は「3等級ダウン事故」なので、車両保険の使用により翌年度のノンフリート等級が3等級下がり、3年間事故有係数が適用されます。
その結果、車両保険を使わなかったときに比べて保険料が高くなります。
塗装剥がれや傷の修理にかかる費用と、車両保険を使った後の保険料の額を確認しましょう。保険料の増分の方が高ければ、車両保険の使用は控え、自腹で修理した方がお得です。
「事故で車体の塗装が剥がれてしまった、では車両保険で補償してもらおう」などと短絡的に考えず、車両保険を賢く利用できるようにしましょう。
塗装剥がれを放置しておくとどうなる?
塗装剥がれを放置すると、その部分が空気中の酸素や水分などと酸化還元反応を起こし腐食物が発生します。つまり、錆びます。
車体の塗装には、鮮やかな色合いを演出するだけではなく、車体を化学反応による劣化から守るという重要な役割があります。普段、車体に錆が生じたりしないのは、塗装が空気中の酸素や水分と直に触れないように車体を守る被膜となっているためです。
よって、塗装剥がれを放置すると、すぐに化学反応が進んでしまい、車体の劣化を早めることになります。
もちろん誰もが、自分の車は大切に使い続けたいことでしょう。愛車を長く使い続けるために、車体に傷がついたり塗装剥がれが生じた時には、速やかに修理を行うことをおすすめします。
錆の修理のために余計な費用をかけないためにも、早めの対応をおすすめします。
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まとめ
今回は、塗装剥がれの修理についてご紹介しました。
ポイントは、
- 塗装剥がれの修理費用は車両保険で請求できる
- 特別なケースを除いて、車両保険で補償される塗装修理は部分塗装までである
- 塗装修理はディーラー・カーショップ・板金塗装業者に頼むことができ、自分で行うことも可能
- どの修理方法にもメリットとデメリットがあるので、手段を適切に選択することが重要
- 車両保険の使用は、ノンフリート等級のダウンによる保険料の増額を考慮して判断すべき
- 塗装剥がれを放置すると、錆が生じてしまうので、修理はできるだけ早く行った方がよい