自賠責保険を使用した患者様のレセプトの書き方とその様式を解説

自賠責保険のレセプト請求をする場合、健康保険とは別の様式があります。これら様式を用いて保険会社に治療費の請求をます。また自賠責保険のレセプトでは一部健康保険とは違う請求をすることができるものがあります。また労災との併用時や第三者請求時には別途注意点があります。

自賠責保険のレセプト(診療報酬明細書)どうやって作成したらいい?

交通事故の被害者は多くの場合、治療にかかるお金を自賠責保険を使用して払ってもらうようにします。医療機関は自賠責保険を使用する患者様の治療費を保険会社に請求しなければなりません。


ところで自賠責保険で治療費(レセプト)を請求するときは一般の診療報酬請求とは違う様式が必要なことをご存知でしょうか。


また、自賠責保険独自の請求できるレセプトがあることもご存知でしょうか。


これらを知らないでいると保険会社からの入金が滞ったり、本来受け取るべきお金を逃してしまう可能性があります。


この記事では「自賠責保険のレセプト請求」について

  • 自賠責保険でのレセプト請求の様式
  • 自賠責保険でのレセプト請求の注意点
  • 労災適用での注意点
  • 第三者請求での注意点

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、自賠責保険のレセプトの様式や請求について理解が深まると思います。ぜひ最後までご覧ください。


自賠責保険のレセプトは様式がダウンロードできる

自賠責保険のレセプトは請求する保険会社がそれぞれの様式が決まっているものがあります。自賠責保険保険金請求書と呼ばれるものは各社によって様式に違いがあります。


本来は、保険金を請求するのは加害者自身です。しかし、医療機関と保険会社間で直接金銭の受渡を行ってるのが現状です。


したがって医療機関から保険会社へ保険金の請求を行うことになります。


現在では様式が保険会社のホームページで公開されてるので、ダウンロードすることで取り寄せることができます。

自賠責保険のレセプトや診断書は様式が決まっている

自賠責保険での治療を行った場合、レセプトや診断書を請求する保険会社に提出する必要があります。


そのレセプトや診断書の様式は健康保険とは別の様式が決まっています。これらの様式はインターネットからダウンロードすることができます。


また、医療機関から提出すべき様式は以下の4つです。

  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • 後遺障害診断書(後遺障害がある場合)
  • 死亡診断書もしくは死体検案書(被害者死亡の場合)

自賠責保険ではレセプトや診断書は1ヶ月ごとに作成する

自賠責保険でのレセプト請求であっても1ヶ月ごとに作成するのが一般的です。これは健康保険による通常のレセプト請求が1ヶ月ごとに行われていることが理由にあります。


自賠責保険の請求でも第三者請求といわれる様式で請求するときは健康保険にレセプト請求するため1ヶ月ごとになります。


診断書に関してもレセプトのペースに合わせて行うようになっています。

自賠責保険のレセプトを発行するうえで確認してほしいこと

事故による医療費全てを自賠責保険で請求する場合、確認すべきポイントがあります。


  1. レセプト請求する保険会社と担当者
  2. 患者(被害者)の同意書兼委任状
  3. 警察提出用の診断書
  4. 自賠責診断書の作成

まずレセプト請求先の保険会社に間違いがないか確認してください。間違って請求すると保険会社によって様式が異なるため、その後の作業が遅れることになります。


担当者も確認することで詳細の突合せがスムーズになります。


同意書兼委任状は、本来は被害者自身が保険会社に治療費を請求し受け取ってから医療機関に支払うという流れです。ただし、現状は保険会社が直接医療機関に支払う形になっているため、被害者自身の同意が必要となります。

自賠責保険を適用させるためには、警察が人身事故であることを認める必要があります。そのとき医師による診断書が必要となります。

また、保険会社の様式に従った自賠責保険の診断書もあわせて必要です。


次では自賠責保険のレセプト請求でよくあるミスと対応方法について解説します。

レセプトの記載ミスは保険金額に関わる

よくあるレセプトの記載ミス

レセプトの記載ミスがあると被害者の保険金額に影響が出ます。


自賠責のレセプトによくある記載ミスを紹介します。

  1. 健康保険と並行して行う場合初診料・再診料は自賠責保険で請求
  2. リハビリではリハビリテーション料と消炎鎮痛を同時算定できる場合がある
  3. リハビリでは治療する部位によって様々な加算が請求できる

同時に2つの保険に請求できないものがある

複数保険で同一の医療機関を受診する場合、初診料や再診料はどちらかの保険でしか請求できないことになっています。


普段は健康保険で受診している患者様が事故の治療も同じ医療機関を希望される場合があります。この時、初診料や再診料は自賠責保険でレセプト請求するのが一般的です。

健康保険には未請求になりますが、「他の保険で請求」という旨の記載をしておけば問題ありません。


また患者様によっては日によって「自賠責のみ・健康保険のみ・両保険併用」に分かれていることがあります。この場合は自賠責で治療を受けた日数が後の保険金計算に影響しますので、区分けする際に注意が必要です。


リハビリテーションは請求の仕方が変わる

次に、リハビリテーションに関するポイントです。

健康保険の場合、理学療法士や作業療法士などが治療を行った時に請求するリハビリテーション料は同日に消炎・鎮痛の請求ができないとされています。

ところが、交通事故でのケガは同時に多くの部位に治療が必要なことがあるため、同日に最大3部位まで個別にレセプト請求をすることができます。

リハビリテーション料と同日に消炎・鎮痛を行う場合でも合わせて2部位までレセプト請求をすることができます。

また四肢(肩から手指と股関節から足指)に対してのリハビリテーション料や消炎・鎮痛は四肢加算と呼ばれるものがあり、本来の1.5倍のレセプト請求をすることができます。

また消炎・鎮痛に対しても体幹(首から腰)に対するものに外来加算というものがあります。これらの算定を十分に確認することで十分な治療費を請求することができます。

一方で不用意なレセプトで請求をしてしまうと、受け取ることができる金額が大きく変わってしまうことがあります。交通事故によるケガでリハビリで頻繁に通院される人が多いので、注意が必要です。


※上記のレセプト請求ができるのは「自賠責診療費算定基準・新基準」を採用している医療機関に限ります

労災保険が適用される場合はレセプトの様式が異なる

通勤や勤務中の交通事故での治療では自賠責保険ではなく労災保険のどちらで行うのでしょうか。


原則として自賠責保険と労災保険の2重請求はできません。通則としては自賠責保険を優先すべきだという話になっています。


ただしこれはケースバイケースで、事故の状況などによっては労災保険を希望されることがあります。その場合、労災保険へレセプト請求をすることになります。


この時自賠責保険とは様式が異なり、厚生労働省が指定した様式で提出しなければなりません。様式は主に1号から5号の5種類あります。そして通勤労災の場合はレセプトの左上の空白部に〇の中に通の文字を明記します。


最後に自賠責保険でよくある第三者行為でのレセプト請求について解説します。

自賠責保険で第三者行為を利用する場合はレセプトに特記事項がある

第三者行為でレセプト請求する場合に必要な特記事項が2つあります。

  1. レセプトに「第三」という特記を入れる
  2. 一般の請求を合わせる際、事故外点数として記載する


第三者請求の医療費はいったん保険組合が医療機関に支払います。


そして後日、保険組合は自賠責保険に医療費を請求し、加害者の過失割合分を支払うのです。

そのため医療機関が保険組合に患者様の医療費を請求するときに事故による治療とそうでない治療とが区別されていなければ、保険組合が困るのです。

高すぎるバイク保険に加入していませんか?

バイクに乗っている方であれば、自賠責保険だけではなく、バイク保険(任意保険)にも加入しているのではないでしょうか。


自賠責保険だけでは賄えないたくさんの補償をしてくれるので、必ず入るべきですよね。


ただ、その保険料について見直したことはありますか?バイクを購入する時のショップで言われるがままに加入していたりしませんか?


実は、バイク保険は少し条件を見直すだけで年間の保険料が1万円近く安くなることがあるのです。


ただ、自分で多くの保険会社で見積もりをして比較するのは大変ですよね。


そんな時は一括比較サービスを利用してみましょう。一括比較サービスであれば、一度の入力で多くの保険会社の見積もりを取ってくれます。


しかも何度利用しても無料です。一度利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

自賠責保険でのレセプト請求について解説してきまいたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 自賠責保険のレセプトや診断書には独自の様式がある事
  • 一般の健康保険と同じく1ヶ月ごとに請求をすること
  • 保険会社と被害者、そして警察との確認がいること
  • 自賠責独自のレセプトルールがあること
  • 労災では別の様式が必要なこと
  • 第三者請求では特記事項がある事
です。

これらを留意されることで被害者は適切な治療を受けることができ、医療機関は適当なレセプト請求をし保険金を受け取ることができます。

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