更新日:2018/03/26
納得!自賠責保険って何の保険?当て逃げ・ひき逃げ事故にあったら…
交通事故被害にあった時、事故の相手が現場から逃げてしまう当て逃げやひき逃げ事故。事故にあったあなたの治療費や車の修理費は自賠責保険から払われるのでしょうか?当て逃げ・ひき逃げ事故と自賠責保険やその他の保険の関係をわかりやすく説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
自賠責保険の請求は当て逃げ・ひき逃げの場合どうなる?2パターン別に解説
スーパーで買い物を終えて自分の車に戻ったら誰かにぶつけられてドアがへこんでいた。
でも相手がわからない当て逃げ事故。このような当て逃げ事故では、車の修理代は誰に請求するのでしょう?
ウオーキングの途中、うしろから来たバイクにはねられ転倒し骨折して入院。
でもバイクはそのまま走り去ってしまった。ひき逃げ事故では治療費は泣き寝入りでしょうか?
当て逃げ/ひき逃げと自賠責保険の関係はどうなっているのでしょう?
自賠責保険は被害者救済のための社会政策的な側面を持つ強制保険
自賠責保険は法律によって加入が義務付けられている自動車やバイクの保険です。
交通事故の被害者を救済するためのもので、自動車やバイクを所有している人は強制的に入らなければならないしくみになっています(車検が通らない、罰則があるなど)。
そのため自賠責保険は通称「強制保険」と呼ばれています。自動車やバイクの種類によって保険料がさだめられ、どの保険会社・共済で加入しても補償や保険料に差はありません。
当て逃げ/ひき逃げは具体的に自賠責保険とどのようなかかわりをもつのでしょう?
自賠責保険の請求について~当て逃げの場合~
当て逃げとは、被害者にケガのない物損事故のことです。
ケガはなくても、車に損害を受ければ交通事故の被害者です。
被害者を救済するための保険なら、当て逃げによる車の損害の修理代は自賠責保険から支払われるのでしょうか?
自賠責保険はそもそも物損事故には対応できない
自賠責保険は物損(物の損害)は支払いの対象になっていません。
被害者の救済のため最低限度の損害賠償をおこなう保険ですので、補償の対象はケガ、死亡、後遺障害に限られているのです。
当て逃げ事故はケガの伴わない物損事故のこと。このため当て逃げは自賠責保険からの支払いは受けられません。
当て逃げに対応するには「車両保険」に加入しておこう!
自分の車に入っている自動車保険の補償内容を確認してみましょう。
「車両保険」をつけていれば、自賠責保険で支払われない当て逃げによる車の損害の修理代も保険から支払われます。
ただし、「車両保険」の種類によって当て逃げ事故を支払いの対象にしていないものがありますので、よく内容を確かめましょう。
また免責金額(=自己負担額)を設定している場合、保険から修理代が全額支払われないことがありますので、あわせて確認してください。
また車に対する当て逃げ事故以外に、フェンスや門扉等建物への損害については火災保険からの支払いの可能性があります。
自賠責保険の請求について~ひき逃げの場合~
自賠責保険の保険金の支払い対象はケガ、死亡、後遺障害による損害です。
ケガ120万円、死亡3000万円、後遺障害4000万円を1名あたりの上限にして保険金が支払われます。
ケガによる損害では診察料、入院費用、手術料、看護料等の治療関係費のほかにも休業損害や慰謝料も支払いの対象になっています。
当て逃げは自賠責保険の対象外でしたが、ひき逃げはケガ、死亡、後遺障害による損害を伴うので自賠責保険の支払いの対象となります。
では誰がどのように自賠責保険の支払の手続きをするのでしょうか?
自賠責保険の請求は事故の加害者が分からないとできない!
自賠責保険の支払い請求は、加害者から被害者側からどちらでも可能です。
しかしひき逃げでは加害者がわからず、請求するべき保険契約の特定ができないため、被害者からも保険の支払い請求手続きが出来ません。
こちらは被害者なのにケガの治療費も自己負担しなければならないのはあまりにもひどい話です。でもご安心ください。
そんな被害者の救済のために用意されているのが国による「政府保証事業」です。
ひき逃げの場合は「政府保障事業」が利用できる
ひき逃げや加害者の保険未加入により自賠責保険から支払いを受けられない被害者を保護するために、国が自動車損害賠償保障法に基づき「政府保障事業」を行っています。
健康保険や労災保険など社会保険からの給付等によってもなお被害者に損害が残る場合、自賠責保険と同じ内容の保障が受けられる制度です。
全国の損害保険会社の窓口で受付を行っています。
ただしひき逃げ事故でも政府保証事業での補償が受けられないことがあります。
最近よく耳にする自転車による死傷事故。自転車は自賠責保険の対象外ですので、加害者が自転車のときには政府保証事業が利用できません。
こういった場合でも、自分の車に入っている自動車保険の人身傷害保険に家族全員の交通事故全般を補償の対象とするものがあり、そこから保険金が支払われるケースがあります。
高すぎるバイク保険に加入していませんか?
バイクに乗っている方であれば、自賠責保険だけではなく、バイク保険(任意保険)にも加入しているのではないでしょうか。
自賠責保険だけでは賄えないたくさんの補償をしてくれるので、必ず入るべきですよね。
ただ、その保険料について見直したことはありますか?バイクを購入する時のショップで言われるがままに加入していたりしませんか?
実は、バイク保険は少し条件を見直すだけで年間の保険料が1万円近く安くなることがあるのです。
ただ、自分で多くの保険会社で見積もりをして比較するのは大変ですよね。
そんな時は一括比較サービスを利用してみましょう。一括比較サービスであれば、一度の入力で多くの保険会社の見積もりを取ってくれます。
しかも何度利用しても無料です。一度利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ひき逃げには政府保証事業のような救済措置がありますが、当て逃げについてはたとえ被害者であってもある程度自分で備えをしておく必要があるということになります。
現代社会にとって車や自転車は切っても切り離せない存在となり、当て逃げ/ひき逃げ事故以外にも様々な事故のリスクが我々をとりまいています。そして自分自身が被害者または加害者として事故にかかわる可能性があるのです。
自賠責保険は被害者を救済するための最低限の補償を行うためのものです。
実際に必要な賠償額は自賠責保険の上限額を超えるケースが多く、自賠責保険だけでは被害者への補償は十分とは言えません。
そのため保険会社や共済の自動車保険があるのです。
自賠責保険を強制保険と呼ぶのに対して、これらは任意保険と呼ばれています。
任意保険はケガ、死亡、後遺障害の損害を賠償する対人賠償保険のほかに、車両や建築物等他人の財産の損害を賠償する対物賠償保険、運転者自身やその家族のケガ・死亡・後遺障害を補償する人身傷害保険、自分の車の損害を補償する車両保険、その他様々な特約等、補償内容はさまざまです。
車の運転はたくさんのリスクが伴います。
自賠責保険や任意保険の内容をよく理解して、「まさかのため」の備えをしっかりとしていきましょう。