TSマークの付帯保険は加入する必要なし?補償内容や特徴を紹介します

赤色TSマーク、青色TSマーク、緑TSマークなどTSマーク保険には種類があったりと意外と知らない人は多いと思います。この記事では自転車保険とTSマークの違いや補償内容加入する前に注意すべきポイント、契約年数などを詳しくご紹介します。

TSマークの付帯保険には加入すべき?


近年、ニュースなどで自転車による交通事故を目にすることが多くなりました。そのため、自転車も自動車と同じように保険加入することが義務化となりつつあるのが現状です。


万が一、自分が自転車に乗っている際に接触事故を起こしてしまった場合、被害者に対して大変な責任が生じてしまいますよね。そういった際のリスクを抑えるために、実際に自転車保険へ加入する人は年々増加しているのです。


この記事では、「TSマークの付帯保険」について以下のポイントを解説していきます。

  • TSマークの付帯保険には加入しなくてもよい
  • TSマーク保険とは
  • TSマーク付帯保険の補償される内容や特徴
  • TSマークの加入率
  • TSマーク以外の保険
  • TSマークは業務中にも補償されるの?

この記事をご覧いただくことで、自転車に貼られているのを目にする機会があるかもしれない「TSマーク」について知ることができますので、是非最後までご覧ください。

TSマークの付帯保険には加入しなくてもよい

TSマークの付帯保険に加入することは義務ではありません。実際に、街中でTSマークが貼付されていない自転車を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。


後程詳しく解説をしていきますが、TSマークの付帯保険以外にも自転車への補償を付ける方法がありますので、そちらの保険へ加入している場合は補償内容が重複するTSマークの付帯保険に加入しなくても大丈夫です。


また、先述したように自転車は保険への加入が法律で義務化されていませんので、そもそもどの保険にも加入していないという方もいるのではないでしょう。


しかし、自転車事故が増加傾向にある昨今では、保険に入っておいた方が万が一の時のリスクを抑えることができますで、できれば何らかの保険には入っておいた方が安心できるでしょう。

TSマーク保険って何?

「TS」とは、「交通安全」を英語にした【TRAFFIC SAFETY】の頭文字から名付けられています。


ここで、TSマーク保険の3つのポイントを見ていきたいと思います。


【TSマーク保険とは】

  • TSマーク保険に加入し、自転車安全整備士によって点検された自転車には「TSマーク」というシールが貼付され、整備をした日から1年間の保険有効期間が設けられる
  •   TSマーク保険に加入する事で、傷害保険賠償責任保険・また、被害者見舞金に対しても補償が受けられるようになる
  • TSマーク保険の種類によって保障内容や対象となる自転車の種類が異なるため、自転車に貼付されるシールには「青色マーク」「赤色マーク」「緑色マーク」の3種類がある

自分の自転車が保険に入っているかわからないという方は、まずはこのシールが貼付されているかを確認してみましょう。

TSマーク付帯保険の補償される内容や特徴は?


ここからは、赤色マーク・青色マーク・緑色マーク、それぞれのTSマーク付帯保険の補償される内容やその他の特徴について以下の点を詳しく解説していきたいと思います。

  • TSマーク付帯保険の補償内容
  • 示談交渉サービスがない
  • 補償される範囲が限定的
  • 会社やレンタルサイクルにはもってこい
  • コスパは良い
尚、「第三種TSマーク(緑色マーク)」の対象となるのは、国家公安委員会によって認定を受けた電動アシスト自転車(駆動補助付自転車)に貼付され、付帯保険の補償内容と補償額が第二種TSマーク(赤色マーク)が同じです。

TSマーク付帯保険の補償内容

TSマークの付帯保険の補償内容は以下の通りです。


【TSマーク付帯保険の補償内容】

対象項目青色マーク赤色マーク
緑色マーク
傷害補償入院
(15日以上)
1万円10万円
傷害補償死亡・重度後遺障害
(1~4級)
30万円100万円
被害者見舞金入院
(15日以上)
-10万円
賠償責任補償死亡・重度後遺障害
(1~7級)
1000万円1億円
※平成29年度10月1日
以前に点検整備を行ったも
のは5,000万円

被害者見舞金については、赤色マーク・緑色マークが対象となり、青色マークの場合は対象となりませんので覚えておきましょう。


また、入院1日目から保険金を受け取ることができる生命保険などと違い、15日以上の入院が補償の対象となりますので注意が必要です。

TSマーク保険は示談交渉サービスがない

TSマーク付帯保険には、示談交渉サービスがありません。そのため、万が一自転車に乗っているときに自分が原因で相手のいる事故を起こしてしまった場合でも、示談交渉をする場合に賠償金額を話し合ったり、実際に被害者へ賠償金や慰謝料を支払うまでの流れを全て自分で行わなければいけなくなります。


以下が示談交渉までの一連の流れです。

  1. 慰謝料や交通費など、損害の確認
  2. 示談交渉
  3. 示談書の作成
  4. 被害者へ賠償金の支払い
必ずしも被害者が示談交渉に応じてくれるとは限りません。損害が大きい場合や、示談交渉が上手くいかなかった場合は、裁判になることも考えられます。


軽い事故であっても数百万円の賠償金を支払わなければならないものがあるため、一般の方が事故に向き合ったとしても有利になることはないと言えますので、示談交渉サービスがないことはTSマーク保険のデメリットとも考えられます。

TSマーク保険は補償される範囲が限定的

TSマーク付帯保険では、自転車事故に対して補償される範囲が限定的でるため、万が一自分が原因で事故を起こしてしまった場合でも補償の対象にならないケースも多くあります。


例えば、自分が加害者となる事故で、相手がケガをしてしまい1週間入院をしたとします。TSマーク保険には入院に対しての補償がありますが、その対象となるのは被害者が15日以上入院をした場合からであるため、保険金が下りることはないのです。


その他、死亡・重度後遺障害に対しても等級が定められていたり、青色マークについては被害者見舞金の補償がされませんので、実際に必要なときに補償の対象外であるといったケースに繋がる場合があります。

TSマークは会社やレンタルサイクルにはもってこい

これまで解説をしてきたようにTSマーク付帯保険は、補償内容や示談交渉などの面で気を付けなければならない点があります。


しかし、毎日自分が乗る自転車ではなく、例えば会社に置いてある社員用の自転車や、レンタルサイクルのように、複数の人が交代で利用する自転車であった場合は、TSマーク保険に入ることで短時間である利用時間中に補償を付けることができます。


会社の自転車やレンタルサイクルの自転車にTSマークが貼付されていることで、利用者も安心して乗ることができますね。

TSマークの相場としてコスパは良い

TSマーク付帯保険の保険料は、医療保険等のように毎月保険会社へ支払うものではなく、自転車安全整備士が点検するのにかかる費用が保険料となります。


そのため、どこに点検に出すかによって費用は異なりますが、大体の目安となるのが以下の金額です。

  • 青色マーク・・・1,500円
  • 赤色マーク、緑色マーク・・・2,000円
一般的に1,000円~2,000円程度で1年間の補償を付けることができますので、保険料は安いと言えます。


保険料が安い分、補償内容や対象となる範囲が限定されていますので、TSマーク保険に入ることのメリット・デメリットの両方を知った上で検討することが大切です。

TSマーク以外にどんな保険で補償できるの?

TSマーク保険の補償内容やサービスに不安がある方は、TSマーク付帯保険以外にも自転車への補償を付ける方法があります。


ここからは、

  • 自転車保険に入る
  • 自動車保険、火災保険の特約を付ける
  • クレジットカードに個人賠償責任保険を付帯できるものもある
以上3つの方法について詳しく解説をしていきたいと思います。


また、TSマーク保険と自転車保険の両方に入る事で補償はどうなるのかについても解説をしていきますので、是非ご参考ください。

自転車保険に入る

自転車保険に入ることで、TSマーク保険よりも自転車事故に対する補償が手厚くなります。自転車保険の主な補償内容は以下の通りです。


【自転車保険の補償内容】

  1. 死亡保険金
  2. 被保険者の治療費に関する傷害保険
  3. 個人賠償責任保険
  4. 示談交渉サービス
  5. 弁護士費用の補償
  6. 自転車のロードサービス
  7. 車両盗難特約

事故によって被害者への損害賠償責任を負うと、高額なもので数千万円もの賠償金を支払わなければいけないこともあります。一般的な自転車保険には「個人賠償責任保険」「傷害保険」が付くものが多くありますので、賠償金や治療費に対するリスクを抑えることができるようになります。


また、「示談交渉サービス」が付いている自転車保険では、事故による損害費用を保険会社を通して決定し、示談所の作成まで行ってもらえるので万が一の時でも安心できます。

自動車保険、火災保険の特約を付ける

自動車保険や火災保険に入る際に、特約「個人賠償責任保険」を付加することで、自転車事故への補償を付けることができます。


【個人賠償責任保険とは】

  • 被保険者またはその家族が、日常生活の中で起きた偶然な事故などにより法律上の損害賠償責任を負った場合に、保険金を受け取ることができる保険。
この中の、「日常生活」に含まれているものの一つが自転車による事故です。


例えば、自転車で他人にぶつかってしまいケガをさせてしまった場合、個人賠償責任保険の対象となります。


ただし、事故によって自分が負傷した場合は補償の対象となりませんので注意が必要です。事故による自分のケガに対して補償が付くのは「傷害保険」です。

クレジットカードに個人賠償責任保険を付帯できるものもある

自動車保険や火災保険以外に、クレジットカード個人賠償責任保険を付帯できるものもあります。個人賠償責任保険を付帯することによって、自転車事故で他人にケガをさせた場合や損害を与えた際に発生する損害賠償金のリスクを抑えることができます。



また、示談交渉サービスに対応しているクレジットカードもありますので、こちらも付いていると更に安心ですね。

個人賠償責任保険付帯のクレジットカードとは?必要性を紹介

自転車保険とTSマークを合わせるとどうなるの?

自転車事故に備えて、補償を手厚くするために自転車保険とTSマーク保険の両方に加入することを考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。


例えば、傷害補償が付くTSマーク保険に入り、示談交渉サービスも付けたいと考え自転車保険にも加入する場合は、それぞれにない補償を補い合うことができます。


一方で、「個人賠償責任保険」を重複させてしまうことは良くありません。その理由は、両方からの補償を受けることができるのではなく、どちらか一方の会社からしか保険金が支払われないからです。


一つの会社からしか保険金を受けることができないのであれば、2つに加入すると保険料だけが無駄になってしまいますね。


自転車保険とTSマーク保険の補償内容を比較してみると、十分な補償を受けることができるのは自転車保険だと言えます。

TSマークは業務中にも補償されるの?

TSマーク保険に加入している自転車であれば業務中に起きた事故に対しても補償が付きます。また、従業員用に会社で準備した自転車に対してTSマーク保険に入っておくことで、搭乗者がだれであっても業務中の事故のリスクを抑えることができます。


しかし、TSマーク保険の補償内容は自転車保険と比べてとても範囲が狭いため、万が一従業員が会社の自転車で事故を起こしてしまった場合に負う損害賠償金などのリスクを考えると、保障の対象範囲が狭いTSマーク保険ではなく自転車保険入ることをおすすめします。

まとめ:TSマークで不安がある場合は自転車保険に入りましょう

ここまでTSマーク保険について解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。補償内容をみてみると、自転車保険に加入した方が万が一の事故に備えることができるということが分かります。


それでは最後に、この記事のポイントをまとめてみましょう。

  • 自転車は保険への加入が法律で義務化されていない
  • TSマーク保険に入る事で、傷害保険・賠償責任保険・被害者見舞金に対して補償が受けられるようになる
  • TSマークの保険有効期限は整備をした日から1年間
  • TSマークは15日以上の入院が補償の対象となる
  • TSマークには示談交渉サービスがない
  • 自転車保険に加入することで、自転車事故に対する補償がTSマーク保険よりも手厚くなる
  • 自動車保険、火災保険に「個人賠償責任保険」の特約を付加することで自転車事故への補償を付けることができる
  • TSマークと自転車保険を比べると自転車保険を優先して入ることがおすすめ
どの保険に入るかを検討する際には、それぞれのメリット・デメリットの両方を確認した上で検討することが非常に大切です。

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