保険料が年間1680円の県民共済の個人賠償責任保険の補償内容とは?

県民共済の個人賠償責任保険の内容はどういったものなのでしょうか。県民共済の個人賠償責任保険を検討している方に向けて補償内容や保険料、加入条件を紹介します。また、近年増えている自転車による賠償についても事例を含めて説明します。

県民共済の個人賠償責任保険とは?

県民共済の個人賠償責任保険というものをご存知でしょうか。


個人賠償責任保険とは日常生活の中で偶然に起こった事故により、他人に怪我を負わせてしまったり、他人の物を壊してしまい、法律上の損害賠償責任があるとされた場合に相手方へ賠償金を支払ってくれるという保険のことです。


実はこの保険、とても重要なものなのですが必要性を知らず加入していない方も多くいます。


ですが必要性を理解せずに加入しないままだと、あとで後悔することになるかもしれません。


この記事では県民共済の個人賠償責任保険について、

  • 補償内容
  • 保険料・補償範囲
  • 加入条件・加入方法
  • 民間の損害賠償責任保険との違い
  • 実際の事例を踏まえた加入の必要性
上記を詳しく解説していきます。

この記事を読んでいただけたら、県民共済の個人賠償責任保険についての概要や、加入の必要性について理解することができるので、個人賠償責任保険の加入を検討する材料になるかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

県民共済の個人賠償責任保険の補償内容

県民共済の個人賠償責任保険の補償内容をご存知でしょうか?

県民共済の個人賠償責任保険には、補償される事故と補償されない事故があります。


この補償内容についてしっかり理解しておかないと、補償されると思っていた事故が補償対象外で高額な負担をしなければならなくなってしまうことも十分考えられます。


ここからは、県民共済の個人賠償責任保険の補償内容について詳しく解説していきます。

補償額は3億円まで

近年、自転車事故による高額な賠償請求が増えており、1億円近い請求も少なくないようです。


県民共済の個人賠償責任保険では、そのような高額な損害賠償金を請求された場合でも困ることのないように、最大で3億円まで補償できるようになっています。


この補償金額は法律上の規定、相手方の損害額や過失の割合などによって決定されます。

また免責金額はなく、相手方へ支払わなければならない損害賠償金は全て、県民共済の個人賠償責任保険から支払われることになります。

ただ、どんな事故でも補償されるわけではありません。


県民共済の個人賠償責任保険の補償を受けられるのは、日常生活の中で偶然に起きてしまった事故で他人にケガをさせたり、他人の物を壊して法律上の損害賠償責任を負ってしまった場合のみです。


上記に該当しない場合、当たり前ですが補償金は支払われません。

ここからは補償される事故と補償されない事故について詳しく解説していきます。

他人に怪我をさせてしまった場合

まずは日常生活の中で偶然起こった事故により、他人に怪我をさせてしまった場合です。

この場合、法律上で損害賠償責任があるとされれば補償の対象になります。


では、どんな事故が対象になるのか具体的な例を見ていきたいと思います。

以下は損害賠償責任があると認められる事故の例です。

  • 自転車運転中、他人にぶつかりケガをさせた。
  • 散歩中に、犬が他人に噛みつきケガをさせた。

故意ではなく、上記のような事故を起こしてしまった場合は補償の対象となります。


ただ、他人に怪我をさせてしまったといっても、自動車での事故や仕事中に起こした事故については補償対象外となります。


自動車での事故によるものは自動車賠償責任保険、仕事中の事故については業務用の保険での補償を受けることになるためです。

他人の物に損害を与えてしまった場合

続いては、日常生活の中で偶然起こった事故により他人の物に損害を与えてしまった場合についてです。

この場合も法律上の損害賠償責任を負った際には、補償の対象となります。


補償の対象になる具体例についていくつか挙げていきます。

  •  停車している車に自転車でぶつかり、他人の車に傷をつけてしまった場合 
  • 洗濯機が水漏れをして、階下の住人に被害を与えてしまった場合 
上記のような事故で他人の物に損害を与えた場合でも、故意に起こしたものであれば補償の対象にはなりません。

また他人から預かったものや借りたものは、偶然起こった事故で壊してしまった場合でも補償対象外となります。

注意:補償されない事故

ここまで、補償される事故について見てきました。 

ただ、中には補償されない事故も存在しています。


 ここからは、県民共済の個人賠償責任保険で補償されない事故について解説していきたいと思います。


 補償されない事故の種類は、以下の通りです。 

  • 故意に起こした事故により他人に怪我や損害を与えた場合  
  • 台風・洪水・津波など自然現象による賠償責任 
  • 保険加入者と同じ世帯で生活している親族への賠償責任
  • 職務遂行による賠償責任
  • 車両の所有・管理・使用により生じた事故に対する賠償責任 
  • 他人から預かったもの・借りているものに対する賠償責任 
  • 心神喪失による賠償責任 
故意に起こした事故は当たり前ですが、補償対象外となります。 

他にも自然災害や職務遂行によるものなど、補償されない事故には様々な種類があります。 
補償されると思っていたのに補償されなかったなどと後悔することにならないように、補償内容についてはあらかじめ理解しておくことが大切です。

県民共済の個人賠償責任保険の保険料・加入条件

ここまで、県民共済の個人賠償責任保険で補償される事故、補償されない事故についてお話させていただきました。


 日常生活の中で、いつ当事者になってもおかしくない事故に関する補償をしてくれる、県民共済の個人賠償責任保険。 

最大で3億円まで補償してくれるということで、加入を検討している方もいるのではないでしょうか。 


ここからは加入を検討している方へ向け、県民共済の個人賠償責任保険の保険料や加入条件について解説していきたいと思います。

保険料は年間1680円・同居の家族全員補償(子供も含む)

県民共済の個人賠償責任保険の保険料は、年間1,680円

毎月140円の保険料を支払えば、万が一の事故で他人に怪我や損害を与えてしまった場合でも、最大3億円まで補償してくれます。


また県民共済の個人賠償責任保険では、補償を受けられる範囲も広くなっています

以下、県民共済の個人賠償責任保険での補償を受けられる範囲です。

  1. 保険加入者
  2. 保険加入者の配偶者
  3. 保険加入者またはその配偶者と同居している家族
  4. 保険加入者またはその配偶者と別居中で未婚である子供
  5. 保険加入者が未成年または責任無能力者の場合、親権者その他法定監督義務者及び監督義務者にかわって監督をする方
  6. 2~4に該当する方が責任無能力者だった場合、親権者その他法定監督義務者及び監督義務者にかわって監督をする方
県民共済の個人賠償責任保険に加入すると加入者本人だけでなく、配偶者や、本人・配偶者と同居している家族も全員補償の対象となります。

そのため、加入者の家族が事故を起こし損害賠償責任を負ってしまった場合も、焦ることなく対処することが可能です。

県民共済の個人賠償責任保険の加入条件・加入方法

保険料が安く補償も充実している県民共済の個人賠償責任保険ですが、誰でも加入できるわけではありません。

加入するには、ある条件を満たす必要があります。


ここからは、県民共済の個人賠償責任保険の加入条件、また加入する際の方法について解説していきたいと思います。


加入条件

県民共済の個人賠償責任保険へ加入するには以下いずれかの条件を満たす必要があります。

  • 都道府県民共済グループの生命共済に加入している
  • 都道府県民共済グループの新型火災共済に加入している
ここで注意してほしいのは、埼玉県民共済と神奈川県民共済に加入している方は、加入条件の対象外ということです。

埼玉県民共済は、他の都道府県民共済とコースが異なっているため加入条件の対象外となっています。
また神奈川県民共済は都道府県民共済ではなく、全国共済のため対象外となります。

加入方法

上記の加入条件を満たしている方は、県民共済の個人賠償責任保険に加入することが可能です。

加入方法には、以下2つの方法があります。
  • 生命共済・新型火災共済の加入者宛てに届くハガキに記入して郵送する方法
  • インターネットの申し込みページから加入の申し込みをする方法
加入したい方は、上記いずれかの方法で加入申し込みをしてみてください。

民間の損害賠償保険と県民共済の損害賠償保険の違い

損害賠償保険は、県民共済だけにあるわけではありません。

多くの保険会社では損害賠償保険が用意されています。


そこで気になってくるのが、民間の損害賠償保険と県民共済の損害賠償保険のどちらに加入した方がいいのかということではないでしょうか。


ここからは、民間の損害賠償保険と県民共済の損害賠償保険の違いについて説明していきます。


以下が、県民共済と民間保険の損害賠償保険の違いです。


  • 県民共済の方が保険料が安い
  • 民間の損害賠償保険では保険料や補償内容を選択することができる
  • 県民共済は余計な勧誘をしてこない
  • 県民共済の方が引き受け審査が通りやすい
民間の損害賠償保険の場合、年間保険料は2000~3000円が相場です。
県民共済の損害賠償保険の保険料と比べると、300~1,300円程高いことが分かります。

また民間保険だと、しつこい勧誘をしてきたりすることがありますが、県民共済の場合そのようなことはありません。

更に、民間の損害賠償保険の場合は審査が厳しいと言われています。

民間の損害賠償保険に加入する場合は、クレジットカードを作成したりする必要があるため、クレジットカードの審査に通らなければ加入することができないのです。

ただ、県民共済は保険料や補償内容などが決められてしまっているのに対し、民間の損害賠償保険は自身で保険料や補償内容を選択することが可能です。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、加入の際は比較して検討するようにしてみてくださいね。

参考:自転車事故での高額賠償金の請求が特に多い

近年、自転車事故により高額な賠償金を請求される事例が増加しています。

実際起こった自転車事故の中には、数千万円以上に上る高額な賠償金を請求されている事例もあります。


ここからは、実際にあった自転車事故での高額賠償金の請求事例についてお伝えしていきます。

まずは自転車同士の事故で、9,266万円の損害賠償請求が言い渡された事例についてです。


男子高校生が自転車で車道を横断する際、自転車横断帯よりかなり手前の歩道から斜めに横断。

その際、対向車線を自転車で直進してきていた男性の会社員と衝突してしまいます。


男性会社員には言語機能の喪失など重大な障害が残りました。

その結果、男子高校生には9,266万円という高額な賠償金請求が言い渡されています。


続いて、自転車と歩行者の事故により9,521万円の高額賠償金請求が言い渡された事例についてです。

男子小学生が夜間に自転車で走行中、歩行中の女性と正面衝突。


女性は、頭蓋骨を骨折するなどの重傷を負い、意識不明の状態となりました。

このケースでは男子小学生の親が監督責任を問われ、9,521万円の賠償金支払いを言い渡されています。


上記のケースを見ても分かるように自転車事故の加害者になることが多いのは、小学生~高校生までの年代です


これらの年代は自転車に乗る機会が多いため、安全運転をするように伝えても事故を100%起こさないとは言い切れません。


自転車を運転する機会があるのなら自転車事故を起こし、高額な賠償請求を言い渡される可能性は十分にあります。


そのため、もし自転車事故を起こしてしまっても困らないように、損害賠償責任保険に加入しておくことが大切です。

県民共済の個人賠償責任保険のまとめ

ここまで、県民共済の個人賠償責任保険の補償内容や加入の必要性について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 個人賠償責任保険とは偶然起こった事故により、他人に怪我をさせたり他人の物を壊してしまい、法律上の賠償責任があるとされた場合に補償してくれる保険
  • 個人賠償責任保険には、補償される事故と補償されない事故がある
  • 保険料は年間1680円で、最大3億円まで補償してくれる
  • 加入者本人だけでなく、家族全員補償対象となる
  • 県民共済の個人賠償責任保険は民間の損害賠償責任保険と比べてメリットが多い
  • 自転車事故での高額な賠償請求事例が増えているため、損害賠償責任保険への加入は大切
以上のことでした。

事故はいつ起こるか分からないですし、高額賠償請求事例は多くあります。
いざという時に備えて、事前に損害賠償責任保険の加入を検討しておくと良いと思います。

ほけんROOMでは他にも保険に関する記事を多数掲載しておりますので、よろしければご覧ください。

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