更新日:2022/12/06
海外旅行保険で歯科治療も補償する場合に知っておくべきこととは
海外旅行保険に歯科治療の補償を付けたいと思う方は少なくありません。しかし、一般的に海外旅行保険では歯科治療は補償適用外となっています。ここでは、歯科治療の補償を付ける場合に知っておきたいことや気を付けるべきことについてご説明していきます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 海外旅行保険に歯科治療は補償されるの?
- 歯科治療は海外旅行保険において”補償対象外”の場合が多い(クレジットカード付帯も含む)
- 慢性的な持病とみなされ、日本の歯医者での治療が可能だと認識される
- ただし、事故などで歯を負傷した場合は補償の対象となる場合もある
- 歯科治療を海外旅行保険で補償できるタイプもある
- 海外旅行保険でカバーするには保険料が高額
- 長期留学や滞在者向けである
- 海外旅行保険に”緊急歯科治療費用補償特約”をつけることも可能
- 保険会社によっては”90日以降に発症”した場合に対応
- 保険会社によっては歯科疾病のうち突然悪化した場合、費用の50%を負担
- まとめ:海外旅行保険においての歯科疾病はできるだけ国内を検討
目次
海外旅行保険に歯科治療は補償されるの?
出国前は痛みもなく何ともなかったはずなのに、海外で急に痛み出すことも十分に考えられます。
「でも、海外旅行保険に加入しているから歯科治療も補償されるはず」と思っている方は注意が必要です。
一般的に海外旅行保険で補償されている項目の中には歯科治療は含まれていないことが多いです。
しかし、歯科治療を補償できるタイプのものもありますが、保険料が非常に高いという難点があります。
海外で医療機関にかかると高額な医療費を請求されるということを耳にしたことがあるかと思いますが、これは歯科治療にもそのまま当てはまります。
ここでは、海外旅行保険に歯科治療の補償も付ける場合について知っておくべき事について詳しくご説明します。
歯科治療は海外旅行保険において”補償対象外”の場合が多い(クレジットカード付帯も含む)
保険会社から販売されている保険だけでなくクレジットカードに付帯されている保険も同じです。
しかし、中には歯科治療も補償対象となる商品が販売されていますが、適用するための条件が厳しいなど、利用しづらいという状況です。
どうしても海外で歯科治療を受けなければならない場合は、現地で一度治療費を全額支払う必要があります。
帰国後、海外療養費として申請すればお金は戻ってきますが、支払った金額全部が戻ってくるわけではなく、同じ治療を日本で受けた場合にかかる治療費分しか戻ってきません。
慢性的な持病とみなされ、日本の歯医者での治療が可能だと認識される
実は、歯の痛みなどは「慢性的な持病」とみなされており、保険で適用すべき「病気やケガ」には該当しないとされています。
そもそも慢性的な持病であれば日本で定期的に通院し治療を行っているはずなので、海外で急を要する病気やケガのような扱いとは異なると解釈されています。
ただし、事故などで歯を負傷した場合は補償の対象となる場合もある
【治療費用補償】
支払い対象期間中において、ケガや病気で医療機関を受診した場合に要した費用を補償する
【救援者費用補償】
支払い対象期間中において、ケガや病気で入院した際に、家族などが日本から現地まで異動するために要した交通費や宿泊費を補償する
これはあくまでも例外的なケースとなり、通常の虫歯のような痛みの治療には適用されません。
補償対象されるケースは商品の種類によって異なりますので、海外旅行保険を検討する際には歯科治療の適用範囲について詳しく確認することが大切です。
歯科治療を海外旅行保険で補償できるタイプもある
海外旅行保険でカバーするには保険料が高額
海外での歯科治療は日本での治療に比べて高額となることが多く、数倍から数十倍の治療費を支払うことになるケースもあります。
これ程高額な歯科治療の補償をする必要が出てくると、やはり保険料が高額になってしまうのは仕方がないことといえます。
なるべく万全な補償を確保しておくことは大切なことではあります。
しかし、海外旅行がどの位の期間のものかによりますが、その期間の歯科治療の備えとして高額な保険料を支払うのはコストパフォーマンス的にどうなのか検討することが大切です。
長期留学や滞在者向けである
「言葉が通じなかったどうしよう?」「食事が合わなかったらどうしよう?」「スリにあったらどうしよう?」と同じくらい「ケガや病気で高い治療費を払うことになったらどうしよう?」と心配する方が多いようです。
そのためもあり、海外旅行保険に歯科治療も含まれる商品は、主に長期滞在者や留学をする方を対象に販売されています。
長期滞在の場合は日本にいるときのように日常的に歯のメンテナンスができないため、歯科治療に不安を抱く方が少なくありません。
日本にいるときは口内に異常がなくても海外で食事や環境の変化により口内に何らかの異常をきたすことは大いに考えられます。
海外旅行保険に”緊急歯科治療費用補償特約”をつけることも可能
そのような方は海外旅行保険に「緊急歯科治療費用補償特約」を付帯することをおすすめします。
緊急歯科治療費用補償特約が付帯されていれば、海外で急に歯の痛みなどがあっても治療に要した費用を補償してもらえます。
ただし、加入の際の告知欄で「現在、未治療の歯科疾病があるか、そしてその痛みを抑えるために鎮痛剤などを利用しているか」を記入する項目があり、もし鎮痛剤を飲むほどの歯の痛みがある場合は加入することができません。
保険会社によっては”90日以降に発症”した場合に対応
商品によっては補償対象となる期間を制限している場合がありますので注意が必要です。
よく見られるケースとしては次のような制限が挙げられます。
「責任期間(*)中に歯科疾病を発病し、保険期間の初日からその日を含めて90日を経過した日の翌日の午前0時以降の歯科治療が補償対象となる。」
つまり、海外旅行の初日から90日間は補償対象外となってしまいます。
海外旅行保険に歯科治療の補償を付帯する場合は、このような期間の制限についてもよく確認しましょう。
(*)責任期間:保険期間中でなおかつ旅行行程中の期間
保険会社によっては歯科疾病のうち突然悪化した場合、費用の50%を負担
仮に虫歯の治療に8万円かかったとしたら、補償され手元に戻ってくる分は4万円になります。
せっかく高い保険料を支払っても50%しか補償されないのは残念に思う方もいる一方、海外での高い治療費の半分でも戻ってくると助かると思う方もいらっしゃいます。
加入する際には、「保険料」と「50%しか補償されないという状況」をよく考慮することが大切です。
まとめ:海外旅行保険においての歯科疾病はできるだけ国内を検討
特約で歯科治療も補償対象に加えることも可能ですが、保険料は高額になってしまいます。
海外旅行にはできるだけ万全の補償を付けて出発したいものですが、歯科治療の補償を付けると保険料の負担が大きくなってしまいます。
そこで、虫歯などの歯科疾患は出発前に国内で治療を済ませておくことをおすすめします。
歯の痛みは本当につらいものです。
治療を済ませて不安を解消すれば、心から海外旅行を楽しめることでしょう。