更新日:2022/05/31
iDeCoの加入年齢が65歳まで延長!60歳以降の受取について詳しく解説
iDeCoの法改正により、2022年5月から加入年齢が65歳まで延長されます。60歳以降、iDeCoへ加入するための条件や、積立金の受け取り方法を解説!60歳から始める場合の、積立シミュレーションも紹介するので、安心して「新iDeCo」をはじめられます!
内容をまとめると
- iDeCoに60歳以降で加入してもメリットがある
- 法改正前に60歳の誕生日を迎えても、再加入できる
- iDeCoは受け取り方法が選べるが、それぞれ控除が異なるので自分に合うものを確認することが大切
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目次を使って気になるところから読みましょう!
iDeCoが65歳まで積立可能になって知っておくべきこと
まずはじめに、現在のiDeCoの特徴を紹介します。
- 自分が拠出した掛金を、自分で運用しながら資産形成できる年金制度
- 20歳以上60歳未満の国民年金の被保険者が加入できる
- 原則60歳まで引き出せない
- 一度加入すると、途中で解約ができない
2022年5月より、年金制度が法改正されます。そのことによって、イデコへ加入できる年齢が変わります。60歳を超えても働く人が増えている現在に合った制度といえるでしょう。
これまでイデコに加入できなかった人や、加入していなかった人も、ぜひiDeCoを活用して老後資金を少しでもおおく残していきましょう!
現在、iDeCoに加入できるのは「20歳以上60歳未満」ですが、2022年5月から65歳未満となります。つまり、65歳まで積立てができるようになります。
60歳から65歳までに5年間延長されると、
- 老後資産の積立金額をさらに増やせる
- これまで積み立ててきた掛け金の所得控除期間が長くなる
という2つのメリットがあります。
イデコ初心者の人も安心して始められるように、加入できる条件や積立金の受取方法・手続きの流れについて、きちんと紹介していきます。
おさえておくべきポイントは、
- 65歳までイデコに加入できるのは、国民年金に加入していることが条件
- 自営業やフリーランスの人は、60歳以降加入できない(例外あり)
です。それぞれ詳しく確認していきます。
国民年金の加入が必要
64歳までの方は2022年5月に再加入できる
それでは、法改正される2022年5月より前に60歳の誕生日をむかえる人は加入できないのでしょうか。結論からお伝えすると、条件を満たせばiDeCoへの加入ができます!
再加入できる条件は以下の3つです。
- 国民年金に加入している
- 公的年金の繰り上げ受給や、イデコの資産を受け取っていないこと
- 2022年5月以降、あらためて金融機関に加入手続きをすること
2022年5月までに60歳になる人は、いったん「運用指図者」となります。そして法改正後、再加入の手続きをすることで、65歳になるまで掛金を出して、運用できるのです。
※運用指図者とは、新たに掛金を出さず、金融商品の運用のみ行っている人のことをいいます。
iDeCo加入済みで、2022年5月以降に60歳になる人は、この手続きは必要なく60歳以降65歳未満まで、自動的に運用されます。
iDeCoを60歳から始めた場合のシミュレーション
- 運用益が非課税になる
- 拠出した掛金が全額所得控除になるので、大きな節税効果が見込める
- 会社員(企業年金あり)
- 年収400万
- 月額掛金 10,000円
- 年利3%
- 運用5年
年120,000円×5年=600,000円
元本600,000円+利益47,358円=647,358円
所得税軽減額6,000円+住民税軽減額12,000円=税制優遇額18,000円
1年の税制優遇額18,000円×5年=5年間の税制優遇額90,000円
受取開始年齢の上限は75歳までに!iDeCoの受取でやるべきこと
- 受取可能な年齢
- どのような手数料がかかるのか
- 手続きをしてから受け取るまでの流れ
受取可能年齢の確認
iDeCoの積立額を60歳から受け取るためには、iDeCoへの加入期間が10年以上必要です。10年に満たない場合は、加入期間により受け取り可能年齢が遅くなります。
老後資金の活用を計画する人にとって、「いつ、受け取り始めることができるのか」を知ることは、とても重要です。
それでは、加入期間別の受け取り可能年齢を確認していきましょう。
iDeCo加入期間 | 受取可能年齢 |
---|---|
10年以上 | 60歳以降 |
8年以上 | 61歳以降 |
6年以上 | 62歳以降 |
4年以上 | 63歳以降 |
2年以上 | 64歳以降 |
1ヶ月以上 | 65歳以上 |
※iDeCo加入期間とは、60歳の誕生日を迎える前日までの通算となります
※60歳以上で、はじめてiDeCoへ加入する場合は、〈加入日から5年以降〉で受け取り可能となります
受取にかかる手数料の確認
以下にて受け取り方法を解説しますが、「一時金(一括)」「年金(分割)」「一時金+年金(併用)」いずれの方法でも、受け取りの都度、手数料(給付手数料)がかかります。
金融機関によって異なりますが、給付1回につき385円~440円です。
個人型確定拠出年金ナビ「iDeCoナビ」の手数料比較一覧にて確認できますので参考にしてみましょう。
【iDeCo口座開設にかかる手数料】
種類 | 金額 |
---|---|
加入時・移換時手数 | 2,829円(税込) |
口座管理手数料 | 金融機関により異なる※1 |
給付事務手数料 | 給付1回につき440円(税込) |
還付事務手数料 | 1,488円(税込)※2 |
信託報酬 | 投資信託により異なる |
※1このほか、国民年金連合会に支払う「事務手数料」と信託銀行に支払う「資産管理手数料」が、合計で年間2,052円(税込)です
※2 国民年金連合会1,048円、金融機関440円
「一時金」として受け取る場合は、給付事務手数料は1回のみですが、「年金」として受け取る場合は受け取り回数に応じて、給付事務手数料が複数回発生します。
手数料というと、「そんなに高い金額じゃない」と思うかもしれませんが、なるべくなら少しでも多く手元に資産を残したいところです。
受取手続きから受け取るまでの流れ
iDeCoで長期間にわたり積み立ててきた資産を、現金として自分の口座に振り込んでもらうまでには、大きくわけて6つのステップがあります。
手続き方法から受け取るまでの流れを以下にまとめます。
- 「受給権資格取得通知者」が届く(自宅)
- いつから・どのような受け取り方法にするのか決定する
- 開始したい時期に必要書類を取り寄せる(コールセンターやWEBにて)
- 「印鑑登録証明書」など、必要な添付書類を準備する
- 書類に記入・押印、提出する
- 金融機関が書類確認後、「給付裁定結果通知書」が届く(自宅)
受け取るまでの流れを理解したら、一番重要である「いつから・どのような受け取り方法にするのか決定する」について、きちんと確認しましょう!
なぜなら、iDeCoの受け取りにかかる税金は、受け取り方法と受け取るタイミングによって変わるからです。
適用される控除の違いについて知っておくことで、いざ受け取る時期になったときにも、焦らずに選択できます。そのため、いまから備えておくことは大切です。
iDeCoで運用した積立額の受取方法
これまで積み立てた金額は、どのように受け取ることができるのでしょうか。
受取方法を理解しておくことで、老後資金の活用計画をしっかり立てることができます。
イデコで運用した積立額を受け取る方法は3つあります。
- 一時金(一括で受け取る)
- 年金(分割して受け取る)
- 併用(一部をまとまった金額で受け取り、残りを分割で受け取るという組み合わせ)
また、年金として受け取る場合は、年に何回受け取るか(1~6回)によっても支給月が変わることも頭にいれておきましょう。
それでは、それぞれの特徴をこまかく確認していきます。
受取方法①一時金
積立金額すべてを一括で受け取ることを指します。
iDeCoの資産は受け取りのタイミングで控除を利用して節税することができます。
一括で受け取る場合、「退職所得控除」が適用されます。「退職所得控除」は、大きな金額となるので、現在ではこの方法が一番多く利用されています。
「退職所得控除」という非課税枠は、勤続年数でその枠を計算します。イデコでは、この「勤続年数」を「加入年数」におきかえて計算するのです。
イデコの退職所得控除の計算方法は以下となります。
- 加入期間が20年以内 40万円×加入期間
- 加入期間が20年以上 800万円+70万円×(加入期間-20年)
※上記の算式によって、計算した金額が80万円未満の場合は、80万円となります
※年に満たない月数は繰り上げとなります。(例:10年1ヶ月=11年)
勤続年数が長いほど「退職所得控除額」は大きくなる計算となり、20年を超えると1年あたり70万円と金額が大きくなります。
このことから、長期間にわたって積み立てたイデコの場合、「退職所得控除」が相当大きくなることがわかります。
一時金として受け取るメリットは、
- 税負担が軽くなることが多い
- 社会保険料がかからない
- 給付手数料は1回しかかからない
デメリットは、
- まとまったお金を手にすることで、無駄使いをしてしまう可能性がある
- 勤務先の退職金が多い場合は、税負担が大きくなる可能性がある
となります。
受取方法②年金
一定の金額を定期的に受け取ることを指します。
年金として分割で受け取る場合、「公的年金等控除」が適用されます。
また、受け取り期間が設けられ、イデコの場合は、5年以上20年以内で受け取り、年に1〜6回(12回の金融機関もあります)まで受け取り回数を選ぶことができます。
年齢や年収によって、控除額が変わりますので、以下の表も確認しておきましょう!
65歳未満
年間の年金収入 | 公的年金等控除額 |
---|---|
770万円〜 | 155万5千円 |
410万円〜 | 78万5千円 |
130万円~ | 37万5千円 |
70万1円〜 | 70万円 |
〜70万円 | 課税されません |
65歳以上
年間の年金収入 | 公的年金等控除額 |
---|---|
770万円〜 | 155万5千円 |
410万円〜 | 78万5千円 |
330万円〜 | 37万5千円 |
120万1円~ | 120万円 |
〜120万円 | 課税されません |
年金として受け取るメリットは、
- 受け取り完了(全額支給が終わる)まで、非課税で運用を継続することができる
- 生活費の一部をカバーするような受け取り方にすることで、無駄使いをせず管理がしやすい
デメリットは、
- 口座管理料が受け取り完了(全額支給が終わる)までかかる
- 給付手数料が受け取りの都度かかる(受け取り回数が多いほど負担)
- 一時金よりも税負担が大きくなることが多い
- 社会保険料が増える可能性がある
となります。
受取方法③一時金+年金
一部を一時金として受け取り、残りを年金として一定の金額を定期的に受け取ることを指します。
一括と分割の両者を組み合わせて受け取る場合には、「退職所得控除」と「公的年金等控除」のどちらも受けることができます。
併用することで、退職金の退職所得控除枠が残っている枠の分だけ一括で受け取り、残りを年金として受け取ることができるのです。
現在、iDeCoの受取方法として1番多く活用されているのは一時金方式です。
なぜなら、「退職所得控除」の金額は加入年数が長い人ほど、大きな金額となりお得だからです。
ですが、年金を貰いながら長期間にわたって資産運用をしていきたい人にとっては、併用を選択肢にいれることもおすすめです。
控除計算については、年収や勤続年数、年金を受け取るタイミングなどにより、異なります。個人差があるので、自分にあった受け取り方法をシミュレーションしてみましょう。
参考:60歳・65歳でiDeCoが暴落したらどうなる?
株価の暴落で資産価値が大きく減ってしまったら・・・
60歳・65歳のタイミングでイデコが暴落したらどうなるのでしょうか。
資産運用するにあたり、損失はできれば避けたいところです。
もし暴落したらまずは、慌てない・すぐに売らないことです!
株式や債券の値動きは市場の影響を受けることがあります。
例えば、リーマンショックのような金融危機、最近でいうとコロナ禍でも大きく値下がりしました。しかし、5年などの長期間でみると下落前の水準まで戻っています。
4つのポイントをおさえて、暴落時に備えましょう!
- 慌てずに、上がるのを待つこと
- 65歳や70歳まで、受け取り開始をずらすことができる
- 一時金(一括)ではなく、年金(分割)として少しずつ受け取る
- 受け取り時期が近付いたら、リスクを小さくしておく
1.値下がりをすると、「これ以上下がるなら、いま売ってしまおう」と考えるかもしれません。しかし、その場合大きく損をしてしまうといえます。
値動きするということは、上がったり下がったりする。つまり、上がることがあるということです。下がっているときに売却して損失を確定してしまうよりも、65歳・70歳のタイミングまで上がるのを待つほうが得策です。
2.70歳まで受け取り開始をずらせることを知っておけば、いざ暴落となったときも慌てずに済みます。60歳で急いで受け取る必要はなく、65歳や70歳までの期間のうち、タイミングをみて受け取ることもできます。
3.一時金(一括)で受け取ると、その時の相場で資産価値が決まりますが、年金(分割)であれば毎年定期的に受け取るので、相場の影響を受けにくくすることができます。
4.受け取り時期が近くなったら、ローリスクローリターン商品などに運用先を変更しておくことも良いといえます。
損失を回避して資産を守るために、以上のポイントをおさえておきましょう。
まとめ:iDeCoに関する悩みならマネーキャリアで無料相談!
今回、iDeCoが新しく変わった背景には、「高齢期でも働く人が増えたこと」が関係しているといえます。65歳でも、まだまだ現役として働いている人もたくさんいます。
働きながら、税優遇制度のあるイデコを運用することは、資産づくりの最大のメリットです。
老後資金の確保のためには、イデコのように資産を途中で引き出せない環境で管理できるものが適しています。
また、イデコを60歳から始める場合でも、拠出した掛金が全額所得控除になることで、所得税と住民税の負担の軽減が見込めます。そして運用益が非課税なので利益をすべて受け取ることができるのです。
つまり、60歳を超えても、節税効果があるiDeCoへの加入は検討するべきといえます。
現在もさまざまなメディアで取り上げられている「老後2,000万円問題」
イデコは老後資金づくりを実現するために、とてもオススメです!
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