個人型確定拠出年金(iDeCo)がまた法改正!今回の改正ポイントは?

2018年も法改正で個人型確定拠出年金(iDeCo)が変わります。法改正と言うと「面倒な手続きが必用?」「デメリットもあるのでは?」という考えが浮かぶ人もいるかもしれませんが、まずは内容を良く知り、個人型確定拠出年金(iDeCo)の活用に役立てていきましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の法改正まとめ

個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度が2018年1月から変わります。


2017年に続き2年連続の法改正となりますが、今回はどのような点がかわるのでしょうか。


2017年の法改正をおさらいし、2018年の変更ポイントをまとめてみました。



個人型確定拠出年金(iDeCo)2017年の法改正

まず2017年1月の法改正で、個人型確定拠出年金(iDeCo)がどのように変わったかを振り返ってみましょう。

今まで個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用できなかった人ができるようになったことが大きな変更点ですが、それによってどのように利用方法が変わったのでしょうか。

転職や就職で年金の持ち運びがより容易になった

加入できる人が、公務員や専業主婦(夫)・会社に企業型年金があるサラリーマンにも拡大したことで、会社に企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人が転職したり、中途退職する場合の年金の持ち運びがしやすくなりました。


例えば転職先の会社に企業型DCがある場合、転職先の企業型DCに前の会社の企業型DCの資産を移すほか、個人型確定拠出年金(iDeCo)に新たに加入して前の企業型DCの資産をそこに移すこともできます(転職先の企業型DCが個人型との同時加入を認めている場合に限ります。)

転職して公務員になった場合も、それまでの企業型DCの資産を個人型確定拠出年金(iDeCo)に移し、拠出や運用を続けることができます。


また中途退職して専業主婦(夫)になった場合、個人型確定拠出年金(iDeCo)に資産を移し、60歳になるまで掛金の拠出を続けることもできるようになりました。その後新たに就職する場合は、再び就職先の企業型DCに移すことも可能です。


その他の企業年金(確定給付企業年金など)に関しても個人型確定拠出年金(iDeCo)に移せるものがありますが、条件が異なるのでよく確認するようにしましょう。

専業主婦でも国民年金にプラスして年金が受給できるようになった

国民年金保険第3号被保険者である専業主婦(夫)も、法改正により個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入可能になりました。

課税される所得がないため拠出することによる節税効果はありませんが、運用益や受給時の税制優遇は魅力的であり、将来国民年金にプラスして年金を受け取る手段として活用する人が増えています。

企業年金がある会社に勤めている人も節税メリットを受けられる

勤務先に確定給付企業年金や企業型DCなどの企業年金があるサラリーマンも、併せて個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できるようになりました。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に拠出することで、将来受け取れる年金をさらにプラスにし節税メリットも受けることができます。

ただし企業型DCに加入している場合は、企業型DCが個人型との同時加入を認めている場合に限ります。


法改正によって個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者が増加した

2017年1月の法改正以降、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者数は増加しています。

厚生労働省のデータによると2017年10月末の時点で、法改正前に比べて38万人以上の人が、新たに個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しています。その中には専業主婦(夫)である国民年金保険第3号被保険者もおよそ1万6千人含まれていて、老後の資産準備に対する関心の高さがうかがえます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)2018年の法改正のポイント

個人型確定拠出年金(iDeCo)の2018年法改正のポイントは、拠出する掛金の年単位化ならびに掛金の拠出方法の変更にあります。

拠出に対する自由度が高くなることのメリットや、今までの拠出方法の不便な点がどのように解消されるのかを確認しておきましょう。

月単位から年単位の拠出に変更になる

法改正前の2017年12月までは、掛金は月単位で拠出することになっています。しかし2018年1月からは、複数月分の掛金をまとめて拠出したり、年1回まとめて拠出することができるようになります。


拠出限度額が月単位から年単位に変更になり、拠出額は年間拠出限度額の範囲内で自由に決めることができます。

当月分の掛金は来月に納付されるため、12月から翌年11月までの12カ月が拠出の単位となります(「拠出単位期間」といいます)。


これにより、毎月の拠出では余裕がなくあまり多くの掛金を拠出できない人でも、ボーナス支給月には限度額まで拠出することができるなど、より拠出に柔軟性をもたせることができるようになります。

このように、より多くの人がなるべく多くの掛金を拠出する可能性が広がることになります。

もちろん今までと同じように、毎月決まった額の拠出を続けることも可能です。

拠出額の変更がフレキシブルになる

2017年12月まで拠出額の変更は、1月から12月の間で年1回しかできないことになっています。しかし年間の拠出額を自由に決められるようになることで、この変更がフレキシブルにできるようになります。


例えば収入が減ってしまった等の理由で、今まで通り拠出を続けられるか不安な場合などに、変更できるタイミングを待たずに減額できれば安心です。

反対に収入が増えたり臨時収入があった場合に、年間拠出限度額内であれば拠出額を増やすことができるのも魅力的です。

法改正後のシミュレーション

法改正前の個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度では、毎月の掛け金が限度額に達していなくても、実際に拠出した掛金のみが運用されます。また預金口座の残高不足などで納付ができなかった月の掛金は0円となり、翌月などに追納することはできません。


しかし2018年の法改正以降は、限度額まで掛金を拠出しなかった月の「限度額との差額」を翌月以降に繰り越しすることができるようになります。

例えば拠出限度額が月2万円×12ヶ月=年24万円の人が毎月1.5万円ずつ拠出している場合、年間24万円までできる拠出を18万円しか行っていないことになります。そこでボーナス支給月などに差額の6万円を拠出することで、限度額まで拠出することができます。

また臨時出費等で拠出が0円だった月があっても、翌月以降余裕があるときにまとめて拠出することもできます。


このように法改正によって、年間拠出限度額の範囲内であれば、ライフスタイルに合わせて自由に拠出額を設定することができるようになります。

ただし拠出しきれなかった限度額を、拠出単位期間を超えて繰り越すことはできないので注意が必用です。


まとめ

個人型確定拠出年金(iDeCo)の2018年法改正のポイントはお分かりいただけたでしょうか。

個人型確定拠出年金(iDeCo)により多くの掛金を拠出しやすくするための法改正であり、現行と変わらないスタイルで拠出を続けたい人にマイナスになることもないので、歓迎できる改正なのではと思います。

またこの法改正により、老後資産の自己準備の必要性をますます感じる人もいるのではないでしょうか。


同じく2018年1月からは「つみたてNISA」が開始され、資産形成方法の選択肢がさらに増えることになります。現在個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している人もしていない人も、今回の記事をより自分に合った資産形成の参考にしていただければと思います。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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