更新日:2023/01/24
個人年金保険は何歳から加入して受け取るべき?加入に年齢制限はある?
個人年金保険って何歳から加入がベストなの?と加入年齢を気にしている方や、そもそも何歳から加入できるの?と若いうちから考える方も多いと思います。今回、個人年金保険をいつから始めるかについての加入タイミングと受け取りの年齢について一番お得になるポイントを探ります。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 個人年金保険は何歳から加入、受け取りがベストタイミング?
- 個人年金保険は20歳以上なら何歳からでも加入できる!
- 個人年金保険は何歳から加入すればどんなメリットがある?
- 若いうちから加入すれば毎月の保険料の負担が安く済む
- 20代から50代の働き盛りなら保険料控除の恩恵がある
- 一時払い外貨建て個人年金保険であれば、60代からでもOK
- 何歳から個人年金保険に加入したかで考えらる4つのデメリット
- デメリット1:若いうちから加入するとインフレリスクの可能性が高い
- デメリット2:景気がよくなってから加入したほうがリターンが大きい
- デメリット3:若いうちから加入すると中途解約する可能性
- デメリット4:数十年後保険会社が破綻するリスク
- 月払い・年払い個人年金保険の加入年齢制限は50~60代
- 一括払いの個人年金保険の加入年齢制限は70~80代
- 個人年金保険の受け取り年齢は何歳からにするのがベスト?
- 個人年金の積立年金は何歳からもらえる?
- 55歳支給や70歳まで据え置きを選ぶことも可能
- 60歳、65歳、70歳から受け取り始めた人の主な理由
- 個人年金保険の60歳からの受け取りが早いと思ったら受け取り期間を変更!
- まとめ:個人年金保険をいつから始める?何歳から始める?
目次
個人年金保険は何歳から加入、受け取りがベストタイミング?
まず、年齢別の個人年金保険の加入率を見てみましょう。
年齢 | 加入率 |
---|---|
20歳~29歳 | 15.3% |
30歳~39歳 | 19.3% |
40歳~49歳 | 25.5% |
50歳~59歳 | 30.2% |
これを見ればわかる通り、20歳から加入している人の割合は低いものの、20代から加入している方もいますし、40代で加入率がグンと伸びているのがわかります。
では、個人年金保険は何歳から加入すると一番お得なのでしょうか?何歳から受け取るのがベストなのかと合わせて解説していきます。
また、個人年金保険に加入しなきゃと思っているけど、まだできていないという方は、この機会にやってしまうのがおすすめです。
個人年金保険は20歳以上なら何歳からでも加入できる!
個人年金保険は何歳から加入できるかと言われれば、20歳から加入することが可能な商品が多いです。
今後は18歳で成人になるような場合もありますので、加入年齢が18歳になることもあるかもしれませんが、現状は20歳です。
個人年金の積立なので、貯蓄から支払うのではなく、自分で収入から支払いしないと加入の意味が薄く
なってしまうので、20歳というのも合理的ですよね。
もちろん、若ければ若いほど毎月の保険料は少なくなるので、負担は小さくなります。詳しくはまた後述します。
個人年金保険は何歳から加入すればどんなメリットがある?
個人年金保険の加入年齢については、「思い立った時」「不安になった時」に始めるのがベストタイミングだと思います。
というのも、そもそも個人年金保険をいつから始めるかよりも、保険商品の利率や保険料の払込方法の方がどれだけお得になるか、の大きな変数を握っています。また、加入タイミングのベストは、その人の性格や家庭状況にも左右されるため、一概に全員に最適なタイミングが同じではないからです。
例えば、浪費がちで貯金ができない人なら、強制的にでも老後の個人年金をロックするために若いうちから少額の積立をおすすめしますし、50代60代で稼ぎも貯蓄も十分なら一払いの外貨建て個人年金保険をおすすめします。
なので、何歳から、何歳までといった加入年齢の枠組みはあまり重要視していません。
しかし、いつ頃加入して何歳から受け取るとベストなのかを知っていれば上手に資産運用ができて、将来のための貯蓄や低金利対策、インフレ対策や節税などにも役立つこともあります。
そこで、
- 何歳から加入したらどんなメリットがあるのか
- 何歳から加入したらどんなデメリットがあるのか
- 何歳から受け取りをするのがベストか
若いうちから加入すれば毎月の保険料の負担が安く済む
若いうちから加入すれば、払込の期間が長くなるために、月々の保険料の負担は小さくなります。
保険料払込期間を60歳まで、65歳を年金開始年齢として年金総額約900万円を受け取るには、25歳男性では月払約21,000円の保険料が必要で、一方で、50歳男性では月払約75,000円が必要です。
このように同じ年金を受け取るためには、月の保険料が約3倍以上の負担増となります。
また単純な保険料の負担だけでなく、25歳で加入する場合と比較して50歳で加入する場合では、払込・積立期間が短くなるために返戻率も低くなる点、個人年金保険料控除の上限も超えてしまう点の2点から、何歳から加入するかの加入タイミングは若い方が有利です。
20代から50代の働き盛りなら保険料控除の恩恵がある
個人年金保険は条件を満たせば、所得の控除を受けることができます。(何歳からでも対象です。)
新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料)では、最大4万円の控除が旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料)では、最大5万円の控除が受けれます。
個人年金保険料控除税制適格特約に該当する必要があり、年金受取人が被保険者と同一で、かつ契約者または配偶者のいずれかであること、保険料払込期間が10年以上であること、年金支払期間が60歳以上かつ10年以上あることが条件です。
簡易な計算にはなりますが、効果は所得税、住民税の税率が10%として1年に4000円の還付、4000円の減額の効果があります。このように個人年金に若いうちから加入することで、保険料控除の恩恵を最大限に受けることができます。
詳しくは国税庁の個人年金保険の欄をみてください。
一時払い外貨建て個人年金保険であれば、60代からでもOK
40代〜60代の方が個人年金保険に加入するメリットとしては、まとまったお金を有効に活用し前納や一時払いの保険に加入することができることが挙げられます。外貨建ての保険であれば日本円よりも高い利率で運用することが可能です。
さらに、こういった商品では健康状態の告知が不要な商品もあります。年を重ねると持病で保険に入ることが難しい方も多いですが、職業告知のみで加入することができますので、そういった方にも安心です。自分自身の年金として、相続税対策として備えることは40〜60代の方でも、何歳からでも遅くはありません。
しかし、途中解約、為替リスクなどの、元本割れの可能性は自己責任となることをしっかりと理解する必要があります。資産の分散、バランスまでをしっかりと検討しましょう。
何歳から個人年金保険に加入したかで考えらる4つのデメリット
次はデメリットです。
個人年金保険は遅くなれば遅くなるほど、保険料の月負担が大きくなるため(その分収入も増えてい流場合が多いですが)、遅く加入するデメリットと言えます。
ただ、今回は若いうちから個人年金保険に加入しておくことのデメリットを列挙します。長期で積立する方にとっては、投資と同様に、資金の流動性のリスクがあります。
資金の流動性とは、今すぐに自由にそのお金を使えるかどうか、という観点になります。当然ですが、預金のように、すぐに下ろせば使える金融資産の方が一般的には優れているとされています。
デメリット1:若いうちから加入するとインフレリスクの可能性が高い
デメリット2:景気がよくなってから加入したほうがリターンが大きい
デメリット3:若いうちから加入すると中途解約する可能性
デメリット4:数十年後保険会社が破綻するリスク
月払い・年払い個人年金保険の加入年齢制限は50~60代
保険料を月払い・年払いで払うタイプの「積立型」の個人年金保険は、加入条件として、年齢制限を設けているところがあります。
多くの保険会社は、積立型の個人年金保険の年齢制限を50歳~60代に設定しています。
積立型の個人年金保険の場合は、早くから加入した方が、1回の保険料の負担が少なくすみます。
ただし、加入期間が長いとインフレの影響を受ける可能性が高まります。
年金額が一定の個人年金保険の場合、インフレになると受け取れる年金額が目減りしてしまします。
一括払いの個人年金保険の加入年齢制限は70~80代
一括払いで保険料を納める「一時払型」の場合は、年齢制限が70~80代であることが多いです。これは、公益財団法人生命保険文化センターの調べで分かっています。
積立型で支払うよりも、一括払いの年齢制限は70~80代と高くなっています。
個人年金保険の受け取り年齢は何歳からにするのがベスト?
個人年金保険は、保険会社が指定している期間(一般的に60歳から75歳)であれば、自分で受け取り開始年齢を設定できるので、何歳から受給したいのかあらかじめ決めておくことができます。
受け取る年齢が決められている公的年金と違って自由度が高いので、将来の家計のやり繰りを考えたり家や車のローンなども含めた金融プラン、将来の孫とのプランが立てられるのがメリットです。
ほとんどの人は、個人年金保険を何歳から受け取るか決めるとき、公的年金と同じ60歳又は65歳に設定しています。何歳から始めなければいけないというルールはないので、公的年金を補う感じで個人年金保険を使うのが一般的です。専門家も何歳からがベストかという質問には60代と回答する人がほとんどです。
個人年金の積立年金は何歳からもらえる?
個人年金保険は加入するときに何歳から受け取りたいのか開始年齢を設定しておく必要があります。給付期間も5年、10年、15年、終身と4つのタイプがあるので、給付期間と合わせて何歳からにするのかを選ぶのが一般的です。ほとんどの人は公的年金や企業年金と同じ60歳又は65歳に設定しています。
55歳支給や70歳まで据え置きを選ぶことも可能
個人年金保険は自由度の高い保険なので、50代のうちから受給を開始したり70歳を過ぎてから受け取るように設定することも可能です。
特に給付期間を10年間にしている人は70歳から受け取るケースが多く、退職金を使い切ってしまった後も個人年金保険で快適な生活を続ける人生プランになります。
何歳から受け取るか迷ったときには受給期間と照らし合わせてみるのがおすすめです。
終身コースなら50代から始めてもかなりの期間受け取ることができ、5年や10年タイプなら70代を過ぎてからでもよいので、個人年金保険を何歳からにするのか決めるなら給付期間と一緒に考えましょう。
ただし、受給期間と合わせてその時点でどのくらい貯蓄があるか、子供がいる場合は独立しているかなども踏まえて判断する必要があります。
60歳、65歳、70歳から受け取り始めた人の主な理由
- 受け取り開始年齢が60歳、またはそれより早い人
公的年金までのつなぎとして年金を受け取りたいから。
- 受け取り開始年齢が65歳の人
公的年金だけでは不安で、一緒に個人年金を受け取って、生活費に回したいから。
- 受け取り開始年齢が70歳の人
孫との遊びを充実させたいから。長生きする自信のあるから。
個人年金保険の60歳からの受け取りが早いと思ったら受け取り期間を変更!
個人年金の受け取り期間は変更することが可能です。
受け取りを遅らせられる期間は保険会社によって異なります。受け取り開始時期を遅くしても保険料の支払い期間は変わらないため、年金の受け取り総額も増やすことができます。
また、ただ受け取り開始時期を遅らせるだけでなく、受け取り期間の変更もすることができます。例えば、60歳から15年間だったものを65歳から10年間の受け取り、と変更が可能です。
いくら綿密なライフプランを描いても実際にその年齢になると事情が変わるという場合の方が多いです。そのため、よく考えて受け取り期間の変更を検討しましょう。
まとめ:個人年金保険をいつから始める?何歳から始める?
個人年金保険について、「何歳から始めるのがおすすめなのか」というテーマのもと、加入タイミングやメリットデメリット、リスクについて解説してきました。
今回の記事では以下のポイントについて説明してきました。
- 個人年金保険は、若いうちから加入するのがおすすめ
- 個人年金保険は、保険料控除の恩恵、一時払い・前納を有効活用する
- 個人年金保険は、様々なリスクを理解し判断・選択する
- 個人年金保険は、受取時期や金額について長期的に設計する必要がある
個人年金保険について、ライフプランをしっかりと考え、自分自身にあった商品に加入することがベストです。
保険商品、加入期間、加入・受取のタイミング、利率、通貨、リスクなど様々なことを検討し選択しなければなりません。
個人年金保険の選び方が知りたい方はこちらの記事もご覧ください