iDeCoの掛金はいくらから始めるべき?シミュレーションからわかりやすく解説!!

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iDeCoの掛金はいくらから始めるべきでしょうか。多ければ多いほどいいのも事実ですが、日々の生活に支障が出る金額は好ましくありません。ここでは、iDeCoの掛金の決め方やiDeCoの特徴などを解説するので、iDeCoを検討している人はぜひお読みください。



▼この記事を読んで欲しい人
  • iDeCoの掛金をいくらにすべきか悩んでいる人
  • 掛金が少額でも効果があるのか不安な人
  • iDeCoへの加入を検討している人

内容をまとめると

  • iDeCoの掛金上限は、職業(被保険者区分)により異なる
  • iDeCoの掛金は、必要な老後資金から運用利回りを考慮して逆算する
  • できる限り手数料が安いネット証券を選ぶべき
  • iDeCoに関する相談は、相談満足度93%のマネーキャリアへ!

iDeCoの掛金をいくらまで設定できるかは加入区分ごとに違う【会社員・個人事業主】

iDeCoには上限があるのは知っていますか?国民年金の加入者区分によって上限金額は異なります。

  • 第1号被保険者(個人事業主):月6.8万円
  • 第2号被保険者(会社員・公務員):月1.2~2.3万円
  • 第3号被保険者(専業主婦/夫):月2.3万円
iDeCoは私的年金制度として、年金が少ない個人事業主に老後の資産を準備させるためにできたものなので、第1号被保険者の上限金額が多くなっています。

第2号被保険者のうち、公務員の上限は全員月1.2万円です。会社員の場合は、所属する会社の年金制度の状況により異なります。
  • 企業型DC(確定拠出年金)もDB(確定給付年金)もない:月2.3万円
  • 企業型DCだけがある:月2万円
  • 企業型DBがある:月1.2万円
iDeCoの最低掛金は、月5000円で全員共通です。

iDeCoの掛金をいくらから始めるべきかは老後資金の必要額次第

iDeCoの掛金をいくらから始めるべきかは、人によって異なります。iDeCoは私的年金制度なので、老後資金がどれくらい必要かで変わります。


ここでは、老後資金や目標積立額の計算方法や、無理のない掛金の設定方法をご紹介します。

  • 老後資金
  • iDeCoでの目標積立額
  • 無理のない掛金

老後資金の計算方法

一般的な老後資金の計算方法は、毎月の平均生活費から平均年金受給額を引き、生きる年数分をかけて算出するものです。


将来、年金が減る可能性はあるものの、大まかな老後資金の計算は以下の通りです。以下の式は老夫婦での計算なので、単身者は異なります。

{27万円(毎月の平均生活費)-19万円(夫婦の年金受給額)}×25年=2400万円

ただし、月27万円は老夫婦の平均的な生活費であり、あなたの生活費もこの金額になるわけではありません。年金の受給額も、平均的な会社員+専業主婦の受給額を想定しているため、自営業者など国民年金しかもらえない人は参考にならないです。


国民年金しかもらえない人は、平均受給額である一人当たり5.6万円で計算し直してください。また、生活費については以下を目安で計算し直しましょう。

  • 今より豊かな暮らしがしたい:現役時代の生活費×1.2倍
  • 今と同じくらいの暮らしでいい:現役世代の生活費
  • 今より慎ましい暮らしでいい:現役世代の生活費×0.8倍
普段の生活費に、一時的な出費を加えれば老後資金の合計になります。一時的な出費は、家の修繕費・リフォーム費が該当します。

iDeCoでの目標積立額の計算方法

iDeCoの目標積立額は、老後資金をベースに計算します。老後資金が仮に3000万円必要で、退職金が1000万円見込めるなら目標積立額は2000万円です。


目標積立額2000万円をiDeCoで達成する場合は、運用利回りも考慮して決めます。実際には毎年同じ利回りで運用するのは不可能ですが、目標利回りとして以下のように設定します。

  • 株式に投資する投資信託メインの運用:5%
  • 債券に投資する投資信託メインの運用:1%
  • 双方のバランスをとった運用:2~3%
iDeCoで30年間積み立て、2000万円を作る場合は毎月2.4万円前後必要になります。

iDeCoの掛金は会社員の場合最大でも2.3万円、公務員の場合は1.2万円しかありませんので、残りはつみたてNISAなどで補いましょう。

無理のない掛金の設定方法

iDeCoは、一度掛金を拠出すると60歳まで引き出せません。生活が苦しくなっても出金できないので、無理のない掛金設定が重要です。


全く貯金がない、または10万円未満の貯金額でiDeCoを始めるのは早計です。貯金額が少ない人は、まずは家計の見直しをして毎月一定額の貯金が作れるようにしましょう。


家賃、通信費、車、保険料など、毎月必ずかかる固定費から削減するのがおすすめです。固定費の削減だけでも、毎月1万円~2万円は浮きます。


家計の見直しが定着し、貯金が50万円~100万円になった段階でiDeCoを始めましょう。初めは毎月の貯金額の50%程度から開始し、物足りない人は70%程度まで掛金を上げてもよいでしょう。

掛金別にiDeCoの効果をシミュレーション|いくらから始めるのが得?

いくらから始めるのが得なのか、掛金ごと、積立期間ごとにiDeCoの効果をシミュレーションしてみましょう。なお、節税メリットについては年収ごとに異なるため、省略します。

  • 積立期間40年
  • 積立期間30年
  • 積立期間20年

運用期間40年の場合

20代前半からiDeCoに加入すれば、運用期間は40年以上あります。40年間積み立てた場合の積立金額、運用益、合計金額は以下の通りです。


年間利回りは少し控えめに3.6%と仮定し、手数料で差し引かれる分については考慮しないものとします。

毎月の積立額積立金額運用益 合計額
5000円240万円295万2679円535万2679円
1万円480万円590万5357円1070万5357円
1万5000円720万円885万8036円1605万8036円
2万円960万円1181万714円2141万714円

毎月5000円の掛金でも、40年あれば535万円以上になります。


リスクの高い商品を中心に運用すれば利回りも上がるので、表の金額より増える余地もあるでしょう。

運用期間30年の場合

30歳前後に加入する場合は、積み立て期間は30年間です。30年間積み立てた場合の積立金額、運用益、合計金額は以下の通りです。


年間利回りは4%と仮定し、手数料で差し引かれる分については考慮しないものとします。

毎月の積立額 積立金額運用益 合計額
5000円180万円167万247円347万247円
1万円360万円334万494円694万494円
1万5000円540万円501万741円1041万741円
2万円720万円668万988円1388万988円

毎月5000円の運用でも、340万円以上にはなります。


老後資金としては心もとないので、30年なら1万5000円以上の掛金を拠出しておくべきでしょう。

運用期間20年の場合

40歳前後に加入する場合は、積み立て期間は20年間です。


20年間積み立てた場合の積立金額、運用益、合計金額は以下の通りです。



年間利回りは少しリスクの高い運用にして6%と仮定し、手数料で差し引かれる分については考慮しないものとします。

毎月の積立額積立金額運用益合計額
5000円120万円111万204円231万204円
1万円240万円222万409円462万409円
1万5000円360万円333万613円693万613円
2万円480万円444万818円924万818円

運用期間が短いと、仮に利回りを6%にしても積立金額が少ないため、合計金額も少ないです。


iDeCoで老後資金を作りたいなら、できる限り早めに始めるのがおすすめです。

iDeCoの掛金の平均金額

iDeCoの掛金の平均額はどれくらいでしょうか。


平成30年3月末時点の平均掛金額は1万6222円です。職業別に見ると、以下の通りになります。

  • 自営業者やフリーランス:2万7270円 
  • 会社員や公務員:1万4352円 
  • 専業主婦/夫:1万6170円
自営業者やフリーランスの掛金上限は6.8万円のため、平均掛金は最も多くなっています。

iDeCoの掛金を考える前に知っておくべきこと

iDeCoの掛金を考える前に、iDeCoの仕組みや運用について最低限理解しておく必要があります。

  1. 運用商品の選び方
  2. 金融機関の選び方
  3. 資産運用の基礎知識
  4. 掛金の変更は年に1回

①運用商品の選び方

運用商品は、過去リターンや商品概要だけを見て決めてはいけません。

  • 信託報酬
  • リスク
  • 投資先の将来性
これらをしっかり確認し、あなたのリスク許容度も考慮して運用商品を決めましょう。

信託報酬は、インデックス投信が安く、アクティブ投信が高くなる傾向にあります。インデックス投信の信託報酬は年間0.1%~0.2%程度と安く、平均的な運用実績を上げています。株式に投資する投資信託なら、平均でも5~7%くらいのリターンです。

②金融機関の選び方

iDeCoは手数料がかかりますが、金融機関によって金額が違います。iDeCoを開設してから継続的にかかる手数料は口座管理手数料ですが、最安と最高の金融機関で大きな差があります。

  • 最安の金融機関:毎月171円
  • 最高の金融機関:毎月589円
上記は毎月掛金を拠出する場合なので、年払いを利用すれば手数料を下げられます。とはいえ、1回拠出するごとに400円以上の差になり、40回拠出すれば1万6000円です。

また、拠出しなくても金融機関によっては管理手数料が別途発生するため、無料の金融機関と比べて手数料負担はさらに重くなります。

手数料の安い金融機関は、松井証券、マネックス証券、SBI証券などの大手ネット証券です。運用商品も信託報酬の安いものが厳選されています。

③iDeCo以外の資産運用の基礎知識

iDeCoは、投資信託を自分で選んで運用します。資産運用の一つですので、資産運用に関する知識は最低限覚えておく必要があるでしょう。

  • 株式・債券・REITの違い
  • 投資する国の将来性
  • ドルコスト平均法
など、長期的に投資していく上では、知識を覚えておいたほうがリターンも上がりやすくなります。

④掛金の変更は年に1回のみ。原則途中解約はできない

iDeCoの掛金は、何度も変更できるものではありません。掛金の変更は年1回だけです。


また、ごく一部の例外を除いて、解約はできません。一度開設すると、原則60歳まで引き出すことができません。


iDeCoは、掛金に対する所得控除や運用益の非課税、受け取り時も所得控除が受けられる一方、60歳まで掛金を引き出せないという制約を受ける制度です。


掛金についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

iDeCoについてよくある質問

iDeCoについてよくある質問を3つにまとめました。参考にして、iDeCoについて考えを深めてください。

  1. 誰が加入しても得をする?
  2. 最低金額で運用しても大丈夫?
  3. 分散投資をするべき?

よくある質問①iDeCoは誰が加入しても得をする?

iDeCoが得をするかどうかは、人によります。一言でいえば、収入がある人は得をします。


収入がない人は、iDeCoよりつみたてNISANISAを使うほうが得です。iDeCoのメリットをまとめると3つありますが、収入がない人は非課税メリットしか受けられません。

  • 掛金が全額所得控除
  • 運用益が非課税
  • 受け取り時も所得控除
非課税メリットしかないなら、口座に手数料がかからないつみたてNISAやNISAで運用刷る方がよいでしょう。

よくある質問②iDeCoで最低金額で運用しても大丈夫?

iDeCoは、最低金額である月5000円で運用しても効果があります。手数料の安い大手ネット証券なら節税メリットが手数料分を上回るので、最低金額でも問題ありません。


ただし、掛金に対する手数料の割合が極端に高くなり、運用利回りが大きく減ります。


たとえば、月5000円の掛金を1年間積み立てると6万円です。口座管理手数料は最低でも年2052円かかります。手数料の年率は3.42%となります。


iDeCoでの運用利回りが5%としても、手数料を除いた実質リターンは1.58%です。手数料は掛金が増えても同じなので、掛金を増やして手数料の年率を引き下げた方がよいでしょう。

よくある質問③iDeCoでも分散投資をするべき?

iDeCoで運用できる投資信託は、そもそも分散投資が考慮されているものが多いです。たとえば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)なら、米国企業500社に分散投資できます。


1本の投資信託でも十分な分散が取れているので、無理に分散する必要はありません。どうしても分散したいなら、iDeCoの掛金を減らして現金比率を高めれば十分です。


どうしても分散したいならバランス型の投資信託を選んで運用してもいいですが、信託報酬が少し高くなる上に自分でリスクを調整できません。気に入った1本に集中投資しても問題ないと考えます。

まとめ:iDeCoをいくらから始めるか迷ったらまずはマネーキャリアで無料相談!

ここまで、iDeCoの掛金について解説しました。

  • iDeCoは職業によって上限月1.2万円~6.8万円まで幅がある
  • iDeCoの平均掛金は1万6222円
  • 運用期間は長いほうが有利
  • iDeCoは最低金額でも十分な効果がある
iDeCoは、長期的な老後の資産形成に特化した制度です。60歳まで引き出せないのは不便に感じるかもしれませんが、将来ゆとりを持った老後を過ごしたい人にとっては魅力的な制度といえるでしょう。

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