更新日:2017/12/16
初めてでも安心!介護保険の基本の使い方を知って上手に利用!
介護保険はいつ申請すればよいのか、実際の使い方はどうするのかなど、初めての方にもわかりやすく解説します。基本的な使い方や流れを知っておくだけで安心です。また現在利用されている方も、もう一度読むことで、介護保険制度の中身を理解し、上手な使い方を身につけましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険の使い方を解説
みなさんは介護保険はご存知でしょうか?
もちろんほとんどの方はご存知だと思います。
では、実際介護保険のサービスの使い方ってどうするのでしょうか?
急にご家族が要介護状態になって、慌てて調べる方も多いのかも御しれませんが、今のうちから介護保険の使い方を知っておいたら安心かもしれません。
介護保険は健康保険のように保険証をもっていけば、すぐにサービスが受けられるものではありません。
サービスを受けたいと思う人は、下記のような手続きを踏まないといけないですね。
いざというとき慌てないためにも、これから介護保険の使い方をご紹介します。
介護保険の使い方:介護保険が利用できる条件
介護保険に加入するのは市町村の区域内に住む40歳以上の国民すべてが対象で、加入者は「被保険者」となります。
これは、その人に保険加入の意思があるなしにかかわらず、届出や手続きの必要なく保険関係が生じます(「強制適用(強制加入)」)。
第1号被保険者と第2号被保険者
介護保険法における被保険者は、次のように年齢によって2種類に分けられます。
第1号被保険者は、市町村内に住所をもつ65歳以上の者
第2号被保険者は、市町村内に住所をもつ40歳以上65歳未満の医療保険加入者
第2号被保険者は、介護が必要になった原因が、老化との間に医学的関係が認められる「特定疾病」による場合だけ、介護保険のサービスが受けられます。
16種類の特定疾病とは
第2号被保険者が要介護状態等にあると認定されるには、加齢による心身の変化に起因する以下の条件の「特定疾病」が原因となっている場合のみです。
特定疾病は、次の16種類が定められています。
- 筋委縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗しょう症
- 多系統萎縮症
- 初老期における認知症
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- パーキンソン病関連疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 関節リウマチ
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
- がん末期
介護保険の使い方:介護保険の申請からサービス利用まで
介護保険の使い方を理解する上では、まず流れを知ることが大切です。
ここでは介護保険サービスを利用する手順を見てゆきます。
- 要介護認定の申請をする
被保険者(利用希望者)は、まず市町村に申請を行い、 原則として要介護・要支援認定を受けなければなりません。
- 2.要介護認定を受ける
要介護認定申請を受理した市町村は、訪問調査員を派遣して調査を行い、30日以内に要介護度別に要介護認定を行い通知します。
- 3.ケアマネージャーがケアプランをつくる
要介護者が在宅で介護サービスを利用する場合は、ケアプランの作成を介護支援事業所(ケアマネージャー)に依頼し、その旨を市町村に届け出ます。
- 4.サービス事業者が介護サービスを提供する
サービス事業者が訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを提供します。
- 5.利用者はサービス費用の一部(1割または2割)を負担する
サービス事業者は費用の一部(1割または2割)を利用者に、一部(9割または8割)を国保連に請求します。
国保連はそれを審査して事業者に支払い、その金額を市町村から受け取ります。
介護保険の申請は市区町村の窓口へ
介護保険の申請は、「介護保険要介護認定・要支援認定申請書」に65歳以上の人は介護保険被保険者証を添えて市町村の介護保険課などに提出します。
申請書を提出すると、被保険証の代わりに「介護保険資格者証(暫定被保険者証)」が交付されます。
被保険者証は認定結果の通知とともに結果を記入したものが再度交付されます。
被保険者からの申請を受け付けた市町村は、30日以内に、介護保険が利用できる要介護状態・要支援状態にあるか、利用できない非該当(自立)であるかの認定を行わなければなりません。
要介護認定を受けて要介護度を決める
被保険者から要介護申請を受けた市町村は、次のような流れで認定作業を行います。
- ①訪問(認定)調査
市町村は、申請した人の日常生活の動作や問題行動の状況などを調べるために、被保険者の自宅に認定調査員を派遣し、訪問(認定)調査を行います。
- ②1次判定
訪問調査による高齢者の心身の状況調査の結果と主治医意見書の意見をコンピュータに入力し、要介護認定等基準時間を推計します。
- ③2次判定
市町村に設置されている介護認定審査会が委員の合議によって1次判定の結果を原案に、訪問調査の特記事項と主治医意見書の内容を加味して、要介護、要支援、非該当の別を認定します。
ケアマネジャーによるケアプランの作成
介護保険では、サービスを提供する側が、利用者の立場に立って、そのニーズを的確に把握したうえで、ケアプランを作成しそれを実行する介護支援サービス(ケアマネジメント)が必要です。
ケアマネジャーは、一人ひとりの利用者のニーズに応じて、支給限度額を超えないように介護サービスと適切なインフォーマルサービスを組み合わせてケアプランを作成し、利用者の意向も聞いたうえで最適なサービスの使い方を提案します。
介護保険の使い方:介護保険の要支援・要介護認定区分
介護保険では要介護状態にあると認定された被保険者を「要介護者」といいます。
要介護認定では、要介護1から要介護5まで5段階の要介護状態区分(要介護度)を確認し、介護保険から給付が受けられる上限である区分支給限度額・保険給付の額が決められます。
要支援状態にあると認定された被保険者を「要支援者」といい、要支援1と要支援2に分けて認定されます。
要支援1・要支援2
- 要支援1 日常生活の基本動作はほぼ自分で行えるが、家事や買い物などに支援が必要な状態(要介護認定等基準時間25分以上32分未満)
- 要支援2 要支援1の状態から、わずかに能力が低下し、何らかの支援が必要な状態(要介護認定等基準時間32分以上50分未満)
要介護度1~5
- 要介護1 起立や歩行などに不安定さが現れ、入浴や排泄などに一部介助または全介助が必要(要介護認定等基準時間が32~50分未満)
- 要介護2 自力での起立や歩行が困難。入浴や排泄などに一部または全介助が必要(要介護認定等基準時間が50~70分未満)
- 要介護3 起立や歩行は不可能。入浴や排泄、衣服の着脱などに全介助が必要(要介護認定等基準時間が70~90分未満)
- 要介護4 介護なしに日常生活を送ることが困難。入浴・排泄・衣服の着脱などに全介助、食事摂取に一部介助が必要(要介護認定等基準時間が90~110分未満)
- 要介護5 日常生活のほぼすべてにおいて全介助が必要(要介護認定等基準時間が110分以上)
介護保険の使い方:介護保険で使えるサービス内容
介護保険の使い方の中でも、どんなサービスがあるのかを知っておくことは大切です。ケアマネジャーに使い方は相談しながら、必要なサービスを組み合わせてゆきましょう。
介護保険で受けられるサービスは、自宅にいても受けられるサービス(居宅サービス)と施設に入所しても利用できるサービス(施設サービス)があります。それぞれのサービス内容と使い方をよく理解しましょう。
居宅サービス
訪問介護は、食事や排泄の介助などの身体介護と、調理や洗濯などの生活援助に分けられます。
訪問入浴介護は、利用者の自宅を訪問し、浴槽を提供して行います。
訪問看護は、医師の指示のもとに療養上の世話や医療処置を行います。
訪問リハビリテーションは、利用者の自宅を訪問して、心身機能の維持回復のためにリハビリテーションを行います
居宅療養管理指導は、心身が虚弱で医学的管理を必要とする利用者の自宅を訪問して行う療養上の管理です
通所介護は、老人デイサービスなどに日帰りで通って日常生活の訓練、食事や入浴の介護を受けます
通所リハビリテーションは、老健・病院・診療所などに通所してきた利用者に対し、リハビリテーションを提供します
短期入所生活介護は、要介護者が施設に短期間入所して施設入所者と同様の介護を受けるとともに、家族などの介護者の介護負担を軽くするための使い方もあります
短期入所療養介護は医学的管理が必要とする利用者が老健などに短期間入所して受ける医療系サービスです
特定施設入居者生活介護は、有料老人ホームなどに入居している利用者に提供される介護サービスです
福祉用具は、福祉用具の貸与と購入費の支給を行います
住宅改修は、自宅の段差を解消したり手すりを取り付けたりする工事に対して、住宅改修費を支給します
支援サービス
介護支援サービスは、ケアプランの作成とケアマネジメントを行います
施設サービス
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、常時介護が必要で在宅での生活が困難な要介護者が入所します
介護老人保健施設は、医療と福祉の両方のサービスを提供し、病院から在宅への橋渡しの役割を果たします
介護療養型医療施設は、療養上の管理、医学的管理下での介護や機能訓練を行う施設です
まとめ
いかがでしたでしょうか。
介護保険の使い方の参考になりましたか。
介護保険制度と使い方を、よく理解し、上手にサービスを活用しましょう。