更新日:2020/06/17
老後破産する人の原因と回避する方法!破綻した人の実例と現実は?
老後破産というのをご存知ですか?定年後に年金だけでは足りず、老年の資金が尽きてしまうことをいいます。珍しいことではありませんので、今のうちに老後破産しないために対策をすることが重要です。破産してしまう人には原因があります。ぜひ最後までご覧ください。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 老後破産する人の原因としないためにできる対策とは?
- そもそも老後破産とは?
- 定年後に必要となる貯金はいくらくらい?
- 老後破産をしている人の割合は?
- 老後破産の実例と現実はどのようなもの?
- 老後破産して生活保護を受けている人の体験談
- 老後破産のデメリットとは
- 老後破産する人の原因と共通点
- 老後の計画をよく立てていない
- 貯蓄が少ない
- 住宅ローンの負担が大きい
- 子供が自立しない
- 親の介護費用が重なる
- 老後破産しないために今からできる対策
- 家計の見直しをし必要であればプロに相談する
- 老後の資金を蓄える
- できるだけ長く働く
- 働き方を見直す
- サラリーマンやエリートでも老後破産をする可能性がある?
- 老後破産しないために早めに専門家にライフプラン相談する
- まとめ:年金難民にならないために老後資金を貯めよう
目次
老後破産する人の原因としないためにできる対策とは?
「老後のお金をうまく貯蓄できておらず、年金だけでは生活が不安」「老後破産しないためには、どのように資産を残したり、資金を用意すればいいの分からない」など、老後の生活に不安を抱えている人は多いでしょう。
そこで今回のこの記事のポイントは、
- 近年増えている老後破産とは
- 定年後に安心して生活するための必要資金
- 実際に老後破産をしている人の実例や生活保護を受けている人の体験談
- 老後破産をする人の具体的な特徴
以上のことを中心に解説していきます。
実際に定年を迎えて収入が減ってからでは、老後破産を回避することは困難になります。
早い時期から住宅ローンや保険の見直し、投資、資産運用、自分が年金をどのくらい受け取れるのかを知っておき、老後に安心した暮らしができるようにしましょう。
ほけんROOMでは、ほかにも読んでおきたい老後のお金に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
そもそも老後破産とは?
高齢化社会となっている今、年金だけでは生活をやりくりできる老後にお金が尽きてしまう人も少なくありません。
老後破産とは、年金だけでは生活がうまくやりくりできず資産を失い家計が赤字になってしまうことです。働いているときは収入があるため生活が安定していた人でも、収入がゼロになると年金だけではお金が足りず最終的に資産をすべて失う場合もあります。
日本では平均寿命が延び、90歳を超えても元気に過ごしている人はたくさんいますよね。「自分は長生きしないから、老後資金はあまり必要ない」と思っている人でも、何歳まで生きるから誰にも分かりません。
老後破産しないためには、老後資金はどのくらい必要なのか?貯蓄(お金を貯めるだけでなく、投資や保険に入るなど)は進んでいるか?などを見直す必要があるでしょう。
定年後に必要となる貯金はいくらくらい?
結婚し子どもが生まれると「住宅を購入したい」「子どもにいい教育を受けさせたい」など、住宅購入や教育費などにお金をかける人が多く、定年後の生活にまで計画を立てて貯金を進める人は少ないかもしれませんね。
しかし、老後を迎えてから「お金がない」と焦っても、残念ながら手遅れです。実際に定年後に必要となる貯金を知り、コツコツ貯金をすることが大切でしょう。
定年後に必要となる貯金は、2000~3000千万円ともいわれていますよね。
しかし、これは住宅は持ち家か、夫婦共働きでどちらも厚生年金に入っているか、自営業者で国民年金のみの加入かなど、その家庭の状況によって定年後に必要な貯金は違います。
老後破産をしている人の割合は?
近年老後破産する人は増加傾向にありますが、実際のどのくらいの人が老後破産をしているのか気になりますよね。
2017年のデータによると、約214万人の生活保護受給者の中で65歳以上は52.4%ということが分かりました。
2018年においても高齢者世帯で生活保護を受給している世帯は53%に及び、2019年では55.1%と高齢世帯が高い割合を占めています。
老後破産の実例と現実はどのようなもの?
老後破産という言葉を耳にしたことのある人もいるかと思いますが、そんな環境に陥った人が実際にどのような生活を送っているのか、何が大変なのかなどはイメージが湧きにくいですよね。
ここでは、そんな老後破産の実態と現実についてご紹介します。老後破産になっても、いざとなれば生活保護があると安心していられるものではないということがわかります。
他人事だと思えないことでもあり、老後について真剣に考えるきっかけにもなるでしょう。
老後破産して生活保護を受けている人の体験談
老後破産をして生活保護を受けている人の経緯や生活について、週刊現代のドキュメンタリーブログ記事の内容を参考に以下でご紹介します。
- 東京都港区のアパートに住む田中樹さん(仮名/83歳)の体験談
ビール会社で正社員として23年間働いたのち、40代半ばで独立し、飲食店の経営をはじめた。だが、赤字が続いて倒産し、退職金も使い果たした。
「まさか(現実が)こんなことになるとは夢にも思っていなかったね」絵を見つめ、こうつぶやく田中さんにいまの生活で何が一番辛いか、と番組のスタッフが尋ねる。
「友達がいなくなったことだね。貧しさを知られたくないから、付き合いを避けてしまった」
年金支給日の前日、食べ物を買うカネも尽きた田中さんは、部屋で横たわったまま動かない。
「やることはすべてやったんだから、早く死にたいというのが正直なところです。でも自殺するわけにもいかないしね。いま抱えている不安をなくすためには、死んじゃったほうがマシだ……」
ということでした。
ある程度の貯蓄を準備できていたとしても、老後にどんなことが待ち受けているのかはわかりません。「こんなことになるなんて…」という人生を送っている人もいるようです。
老後破産のデメリットとは
老後破産にはデメリットしかありません。どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
- 買いたいものが買えない
- 病気やケガをしても診療を受けるお金がない
- 残っていた借金で子どもに負担をかけるかもしれない
- 介護が必要になっても介護施設や老人ホームを利用できない
- 生活保護の申請は同居していない家族にばれる
- 基本的に車や家などの資産をもつことができない
- クレジットカードが使えない
- 口座預金を管理され、嘘をついてもばれる
老後破産する人の原因と共通点
老後破産なんて自分には関係ない話だと思っている人もいるかもしれません。しかし今、老後破産で苦しんでいる人の中にも、昔はこんなことになるなんて考えもしなったという人が多いはずです。
ここでは、老後破産する人の原因と共通点をご紹介します。原因や共通点はありがちなことです。自分に該当していることや該当しそうなことがないか確認してみてください。
老後破産は遠い存在ではなく身近な存在だということを知って、しっかりと向き合っていきましょう。
老後の計画をよく立てていない
「老後のことは老後になってから考えよう」「老後のことなんて今の時期から考えたくない」などと、いずれ訪れる現実から目をそらしている人は老後破産する可能性が高くなります。
かなり先の老後について具体的な計画を立てるのは難しいことかもしれませんが、老後破産しないためには必要なことです。
何歳まで働くのか、老後の生活費は月にいくら必要になるのか、老後はどのようなことをして暮らしていきたいのかなどを考え、それに必要なお金はどのぐらいなのかを考えてみましょう。
貯蓄が少ない
働いている時期から毎月ギリギリのお金のやりくりをしている人もいるでしょう。それだと確実に老後生活のための貯蓄を増やすことはできません。
年金だけで老後の生活を安定させるのは難しいです。特に、受給できる年金額の少ない人は、収入のあるうちに貯蓄をたくさんしておくことが大切です。
貯蓄を増やしていきながらの生活は大変かもしれませんが、収入のあるときにしかできないことなので、できるうちにしっかりと計画的に貯めていくようにしましょう。
住宅ローンの負担が大きい
住宅ローンの多くは返済期間最長35年です。返済期間を長く設定することで毎月の返済額が低くなるというメリットがありますが、定年退職後の老後も住宅ローンを払い続けなければならない可能性が出てきます。
定年退職で収入が途絶えてしまっても住宅ローンの支払いが残っていると、年金に加え、これまでの貯蓄や老後の生活資金の一部にしようと考えていた退職金などで賄わなければならなくなります。
住宅ローンは節約や見直しをすることができないので、老後生活の大きな負担となります。
子供が自立しない
子供が高校や大学を卒業後に就職し、収入も安定してきているのに生活費を支払っていなかったり、ニートで収入が安定しなかったりなどで、実家で暮らし続けているケースが増えてきています。
そのうち、自立するだろうと思って見守っていると、30歳を過ぎても実家暮らしということもあるかもしれません。
自立できるのにさせずに生活費を負担し続けていると、なかなか老後の資金を貯められないのはもちろん、今の生活でもギリギリということにもなりかねません。
ほかにも、自立した子供が結婚してからも孫を連れて頻繁に帰省するため、貯蓄がなくなり自己破産するケースもあるようです。
親の介護費用が重なる
定年を迎えて自分自身の生活をどうしていくかも悩むことの多い時期に、親の介護が重なるケースもあります。
例えば、親が転んで骨を折ったり認知症を患ったりして介護が必要となるかもしれません。そうなると自宅で介護するための介護用品に費用がかかったり、介護施設や老人ホームを検討したりすることもあるでしょう。
要介護認定を受けられたとしても、出費はゼロではありません。特に、施設を利用する場合は料金が高く、利用期間が長くなると費用がかさみ、老後資金を圧迫します。
老後破産しないために今からできる対策
老後破産の現実や老後破産にありがちな原因などについてはわかったけれど、老後破産しないために自分にできる対策があるのだろうかと不安になっている方もいるのではないでしょうか。
日本人の平均寿命は延びつつあり、80代や90代まで生きるのも珍しくはない時代です。そのため多くの方が老後生活も20年~30年と長くなることが予想されます。
ここで、長い老後生活を安心して過ごすために今からできる対策をご紹介しますので、できそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。
家計の見直しをし必要であればプロに相談する
少しでも多くの貯蓄をするために、日々の生活の中で無駄な支出はないか考えてみましょう。日ごろからあまりお金を使わないほうだと思っている方でも、意外な出費をしていることがあるかもしれません。
毎月家計簿をつけて支出の見える化をするのもいいですし、加入している保険やスマホプランの見直しなどをするのもよいでしょう。
一つ一つの支出は小さな金額でも1年先、10年先のことを考えると大きな効果を得ることができます。
自分で改善するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーのようなプロに相談するのもおすすめです。
老後の資金を蓄える
老後に備えて若いうちからコツコツ貯蓄しようと思っていても、モチベーションが保てず続かない方も多いでしょう。
そんなときは、自分で決めた金額を自動的に積み立てできる「積立式定期預金」や会社の給料から天引きを行う「財形貯蓄」で確実に貯蓄を増やし利息を得る方法がおすすめです。
また、より積極的に資金を増やしたい方は、「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの投資で資産を増やすのもいいでしょう。
「NISA」には非課税投資期間があり節税効果もあります。一方、「iDeCo」は掛金(上限23,000円)の全額所得控除が受けられるというメリットがあります。
できるだけ長く働く
退職後の生活は仕事による収入がないため、退職金や年金で頼みの生活になり、人によっては苦しいものになるかもしれません。
ただ、老後の生活が苦しくなったからといって高齢になってから仕事を始めるのは難しいです。
働けるうちはできる限り長く働いて貯蓄を増やしておきましょう。
夫婦共働きなら2人ともできるだけ長く働き、妻が専業主婦の家庭ならパートやアルバイトでも始めて収入を増やすといいですね。
定年後もすぐにリタイアせずに、可能なら働くようにしましょう。
働き方を見直す
収入が途絶える退職後の生活を大きくサポートしてくれるのは年金です。厚生労働省が発表している年金額についての資料を参考に一例をご紹介します。
- 新規裁定者(67歳以下の方)の年金額の例
平成30年度(月額) | 平成31年度(月額) | |
---|---|---|
国民年金 (老齢基礎年金(満額):1人分) | 64,941円 | 65,008円 (+67円) |
厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 221,277円 | 221,504円 (+227円) |
※厚生年金は、夫が平均的収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)42.8 万円)で 40 年間就
業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯が年金を受け取り始める場合の給付水準です。
2018年度については2017年度から据え置きとなっています。
年金は加入期間によって受け取り金額が変わるのはもちろんですが、加入している年金によっても受け取り金額に大きな差が出ます。
年金受給額を増やすために基礎年金+厚生年金の合計金額を受け取ることができる会社員として働く道を選ぶのも老後破産しないためにできる対策の一つです。
また、病気や体調不良による手術や通院などで出費が増えないように、無理のない働き方を見つけていきましょう。
サラリーマンやエリートでも老後破産をする可能性がある?
サラリーマンは厚生年金に加入できるため、国民年金のみの加入者に比べて老後にもらえる年金が多く、簡単に老後破産することはないでしょう。
ただ、お金の使い方を間違えれば老後破産に陥ります。
例えば、退職金を当てにした自宅のリフォームや、今まで仕事を頑張った自分へのご褒美として、大きな出費をしてしまうことです。
年金として定期的な収入はあるとしても、いつ自分やパートナーが病気になって予定外の出費があるのか分かりません。
エリートにも同じことがいえます。また、現役時代のままの生活水準のままでいると、収入はないのに出費は多いママということになるので気をつけなければなりません。
老後破産しないために早めに専門家にライフプラン相談する
老後破産を回避するためにできることはいろいろとありますが、意識して行動に移す時期が遅いと改善できる可能性は低くなります。
そのためにもできるだけ早い時期に、専門家にライフプランを相談することをおすすめします。
ライフプランとは、子供が何人ほしいのか、海外旅行に行く予定があるのか、車を買い替える予定はあるのか、マイホームを買う予定はあるのかなど、この先どのような人生を送っていきたいのかを計画することです。
専門家に相談することで、この先いつどのぐらいのお金が必要になるのか、老後の貯蓄はどのぐらいになるのか、今のままで大丈夫なのか、どこを改善すればいいのかなど、具体的なアドバイスを受けることができます。
保険ROOMでは、ライフプランについて専門家に無料で相談できる窓口がありますので、ぜひ活用してみてください。
まとめ:年金難民にならないために老後資金を貯めよう
老後破産の実態や原因について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 備えや意識がないと誰もが老後破産に陥るリスクがある
- 老後にかかる費用は予想を上回ることがある
- 生活保護受給者の中の約半分は65歳以上の高齢者というデータがある
- 老後破産しないためには早めに対策を行う必要がある
- 専門家に相談することで具体的なライフプランを練ることができる
でした。
不安に思われた人もいるかもしれませんが、できる対策を長く続けることで確実に貯蓄を増やすことはできます。
元気なうちから老後破産のことを考えたくはないですが、人生は簡単に終わらせることはできません。ゆとりのある老後生活を送るために具体的なプランを考えていきましょう。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。