相続のとき生命保険は500万円以内なら非課税?相続税の非課税枠について解説!

生命保険の保険金を相続する時、1人当たり500万円まで相続税が非課税になることはご存知だと思います。しかし、保険金が500万円以内であっても非課税枠が利用できない場合があることをご存知でしょうか?今回は、生命保険の相続で非課税枠が適用される場合を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

相続するとき生命保険は500万円までなら非課税になるのか?

生命保険に加入する際に、残された遺族のためにお金をいくら残そうか色々と考えるかと思います。


しかし、せっかく決めた死亡保険金が満額もらえるわけではなく、受け取った死亡保険金については、税金が課税されてしまいます。


その一方で、生命保険には500万円まで非課税になるという非課税枠(実際には500万円×法定相続人で計算)が用意されています。


生命保険の死亡保険金は額が大きい場合が多いので、税金も決して安くはありません。


死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人)について知識を得て、残された遺族のために少しでも支払う税金の額を抑える必要があります。


そこで、この記事では「生命保険の保険金非課税枠」について、

  • 契約形態によって税金の種類が変わり500万円の非課税枠が使えない場合がある?
  • 死亡保険金以外だと500万円の非課税枠が利用できない場合がある?

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、生命保険を活用した相続税の減税方法がわかりますので、是非最後までご覧ください。



相続税がかかるケース|生命保険の死亡保険金

生命保険の死亡保険金は契約形態によって課税される税金の種類が変わるのですが、ここでは相続税の対象になるケースを説明していきます。


そもそも生命保険は保険料を支払っている契約者の財産としてみなされます。


一方で死亡保険金の支払い対象は被保険者なので、契約者と被保険者が同一人物で、その方が亡くなったときに、死亡保険金が遺産となり、相続することになるので、相続税が発生します。


上記が基本的な契約形態になりますが、その他の契約形態の場合はどうなるのかも見ていきましょう。

生命保険の被保険者と受取人同じ時は所得税

生命保険の契約者と死亡保険金受取人が同一人物の場合は、被保険者が亡くなり、死亡保険金が発生すると、もともと契約者の財産であったものが一時的に増えたとみなされるので、所得税(一時所得)の対象になります。


つまり臨時収入を得たのと同じ扱いになります。


もちろん、500万円×法定相続人の非課税枠は適用されません。

生命保険の加入者・被保険者・受取人が異なる時は贈与税

最後に、生命保険の加入者(契約者)・被保険者・受取人がそれぞれ異なる場合についてです。


この場合は、契約者は生存しており、被保険者が亡くなることによって発生した死亡保険金を死亡保険金受取人にあげていることになるので、贈与税の対象となります。


このケースも贈与税の対象になるので、500万円×法定相続人の非課税枠は適用されません。

相続時、生命保険金が500万円以内でも非課税枠が使えないケースとは?

生命保険の死亡保険金には500万円×法定相続人の数まで非課税になるという非課税枠が設けられていますが、金額がこの範囲内であっても非課税枠が利用できない可能性があります。


ここでは以下の2点について、非課税枠に含まれないケースを説明していきます。

  • 生命保険の死亡保険金以外は非課税枠の対象ではない?
  • 個人年金保険の場合は非課税枠が利用できない可能性がある?

相続時は500万円以下でも死亡保険金以外では非課税にならない

被保険者が亡くなった際に死亡保険金以外にも、まだ受け取っていなかった入院給付金・手術給付金・通院給付金・介護給付金が支払われる場合があります。

これらのお金は本来被保険者が受け取るべきお金のため、受取額は本来の相続財産になり、受取額を含めた総額で相続税が計算されてしまいます。

つまり、非課税枠(500万円×法定相続人)が適用される保険金・給付金は、亡くなったことに起因して支払われる死亡保険金のみになります。

相続時の個人年金保険には、500万円の非課税枠は適用されない

個人年金保険は保険料払込期間まで保険料を支払い、加入時に設定した年齢に達すると、その後年金が受けとれます。


また、万が一払込期間中に亡くなった場合は、支払った保険料が戻ってくるという性質のものですが、亡くなる時期によって非課税枠(500万円×法定相続人)の取り扱いが異なります。


年金支払い開始前に亡くなった場合は、死亡保険金受取人が死亡保険金を受け取ることになります。


この場合は生命保険金を受け取った時と同様の扱いになるため、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)が適用されます。


一方で、年金の支払い開始後に亡くなった場合は、後継受取人が、年金か一時金どちらかで保険金を受け取ることになり、どちらの形で受け取っても相続税の課税対象となります。


ただし、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)を適用することはできませんので注意が必要です。

まとめ:相続時、生命保険金が500万円以下でも非課税にならない場合がある!

相続税の非課税枠について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 生命保険の死亡保険金を相続する時は「500万円×法定相続人」まで非課税になる。
  • 契約形態によって対象になる税金の種類が変わり、500万円の非課税枠が使えない場合もある。
  • 500万円以内であっても死亡保険金以外や個人年金保険では非課税枠が利用できない場合がある。

です。


生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)は、上手く利用すれば大きな節税効果があります。そのため、どういう状況であれば500万円の非課税枠が適用されて、どういう状況だと適用されないのかは事前に把握しておきましょう。


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