住宅ローンを妻名義に変更するデメリット!共働き世帯に最適な手段も

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住宅ローンを妻名義で組むことはできるのか?女性の社会進出を背景に、夫婦の考えやローンの組み方も多様化してきています。そこでここでは妻名義にするメリット・デメリット、夫から妻へ現在の住宅ローンを名義変更できるのか、共働き世帯に最適な手段などをお話します。


▼この記事を読んでほしい人
  • 妻の収入が高いご夫婦
  • 何らかの理由で、夫がローンを組めない方
  • 現在のローンを妻名義にできるのか知りたい方
  • 妻名義にする場合の注意点を知りたい方

内容をまとめると

  • 住宅ローンを妻名義にすると、妊娠や育児で退職する可能性、夫を連帯保証人にする必要性、妻単独だと審査に通りにくいなどのデメリットがある 
  • 住宅ローンを妻名義にすると、離婚や相続のトラブルになりにくい、不動産を単独で売却できるなどのメリットがある 
  • 共働きにおすすめのローンの組み方は「収入合算」と「ペアローン」がある
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住宅ローンを妻名義にする5つのデメリット


コロナ禍の収入の変化などにより、いま女性が家計を支えるケースは増え、住宅ローンを妻名義で借りたいという話もよく聞かれるようになりました。


しかし、いまだ世間一般ではローンは夫が支払うものという根強い風潮が残り、実際、妻名義での借入は受け付けていない金融機関も少なくありません。


妻名義での住宅ローン借入に風当たりが強い中では、妻名義でローンを組むことには、デメリットも多く生じてきそうです。


では、住宅ローンを妻名義にすることに、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?

  • デメリット①:妊娠や育児で退職する可能性がある
  • デメリット②:団体信用保険の被保険者が妻になる
  • デメリット③:住宅ローン控除は妻が受ける
  • デメリット④:夫が連帯保証人になる場合がある
  • デメリット⑤:妻の単独名義だと審査に通りにくい

以上の点について、ここから解説していきます。

デメリット①:妊娠や育児で退職する可能性がある

女性にとって妊娠出産は、大きなライフイベントのひとつ。女性の社会進出が進む中でも、妊娠をきっかけに辞職したり、育休中の時間のやりくりのため時短勤務や非正規雇用を選択したりという方は少なくありません。 


しかし、住宅ローンを妻名義にするのであれば、退職や育休中であっても住宅ローンの返済を休むことはできません。その期間夫の収入で家計を支えられる目処がなければ、滞りなく返済していくことは難しいでしょう。


実際、妊娠中、育休・産休中は住宅ローン借入をNGとする金融機関が多いことからも、金融機関側からしても妊娠・育児は融資回収のリスクがあると捉えていることがわかります。


金融機関は、融資をする際に「返済を続けていけるかどうか」を厳しく審査しています。どんな原因であろうと、育児と仕事の両立ができずに辞職した場合、その時点で収入は絶たれてしまうわけですから、金融機関側としてもシビアにならざるを得ないのが実情です。


妊娠・出産を控える女性にとっては、妊娠・出産は、住宅ローンを妻名義で組むデメリットのひとつになります。

デメリット②:団体信用保険の被保険者が妻になる

多くの金融機関では、住宅ローンの借入の際に、「団体信用生命保険(団信)」への加入を推奨しています。


団体信用生命保険とは、住宅ローン返済中に、万が一債務者が亡くなってしまったり、高度障害になってしまった場合に、住宅ローンの支払いが免除される生命保険の一種です。


妻名義で住宅ローンを組む場合は、当然団体信用生命保険の対象者も妻のみとなりますので、たとえ夫が亡くなり収入が減少したとしても、今後も妻一人で住宅ローンを支払い続けることになります。


夫が亡くなり妻と子が残されたとなれば、妻ひとりで子育てをしながらローンを支払うだけの収入を得ることが難しくなるかもしれません。


そのようなリスクに備えるために、妻名義で住宅ローンを組むのであれば、夫の生命保険額を見直すなどの対応も必要です。万が一のことがあっても、まとまった額の保険金が下りれば、ローンや生活費に充てることもできますし、住宅ローンの残債までをカバーできる生命保険額にしておけば、より一層安心感があるでしょう。

デメリット③:住宅ローン控除は妻が受ける

住宅ローン減税」は、住宅ローンの毎年末の残高の1%を10年間にわたり所得税・住民税から控除が受けられるという減税措置です。会社員の場合、給料より引かれた税金が、控除という形で手元に戻ってきます。


住宅ローン控除が適用されるのは、基本的にローンを組んだ人(債務者)のみとなるため、妻名義でローンを組んだときは、控除対象者は妻のみとなり、夫は対象外になります。


もし、連帯保証型ローンを利用したとしても、妻が主債務者のケースでは妻が対象者になり、連帯保証人である夫には適用されません。


後程解説しますが、住宅ローン減税を夫婦2人とも適用したい場合は、借入額を分け合う形で、夫婦それぞれが住宅ローンを契約する必要があります(ペアローン)。2人で契約すれば、2人とも控除対象者になるペアローンに対し、名義人が妻であろうと夫であろうと単独名義で組む住宅ローンには、デメリットがあると考えられます。

デメリット④:夫が連帯保証人になる場合がある

先にお話しした通り、いまだ多くの金融機関において、妻単独名義で住宅ローンを組むことが認められていません。


妻名義で住宅ローン審査を認めている金融機関でさえ、たとえ夫より収入が高くても妻の年収が世間一般より低い場合は、ローン審査が通らないこともあります。


住宅ローンを組む際には、年収に占める返済負担率(年間返済額の割合)をひとつの基準として審査が行われます。妻の年収が低く返済負担率が高いにも関わらず、妻名義で申し込んだとなれば、多くの場合において夫を名義人にしない理由を調査されることになるでしょう。


このように妻の収入が低い場合においては、夫を連帯保証人とすることを条件に、住宅ローン審査を承認するというケースが多くあります。その際には、夫の収入なども調査の対象となりますので、例えば夫が無職、借金がある、収入が不安定ということが発覚すれば、妻名義でも住宅ローンを組むことは難しいかもしれません。

デメリット⑤:妻の単独名義だと審査に通りにくい

妻単独名義の申請を行うと、なぜ夫を名義人にしないのか、金融機関は借金や収入の有無などを、個人情報や信用情報と照会して調査します。夫を単独名義人とする場合は、妻の調査を行うケースは少ないのに対して、この不公平性は住宅ローンを妻名義にする最大のデメリットといえます。


しかし、夫に借金があったり収入が不安定であっても、妻が高収入の場合は単独名義で承認されるケースもありますし、夫を連帯保証人とすることを条件に承認される場合もあり、こればかりは申請先の金融機関次第というところです。


もともと妻単独名義でのローン申請を認めている金融機関もあるため、事前に下調べをしておくことが大切です。住宅金融支援機構が融資するフラット35などは、連帯保証人不要のため、妻名義でも審査が通りやすい住宅ローンのひとつです。

住宅ローンを妻名義にする3つのメリット


住宅ローンを妻名義にするデメリットを解説してきましたが、一方でメリットとしてはどのようなことがあるのでしょうか?


住宅ローンを妻名義にするメリットには、

  • メリット①:離婚時にトラブルになりにくい
  • メリット⓶:相続時にトラブルになりにくい
  • メリット③:妻の意思のみで自由に売却できる

などが挙げられます。


妻名義にすると、離婚や相続、家の売却などの先々起こりうる可能性のある場面において、メリットを感じる可能性があります。詳しく見ていきましょう。

メリット①:離婚時にトラブルになりにくい

万が一、離婚しなくてはならなくなったというケースでは、妻単独名義の住宅ローンであればトラブルになりにくい傾向があります。

まず、所有権がひとつであり明確である「単独名義」は、トラブル時にメリットを発揮しやすいことが特徴です。住宅ローンを返済している不動産を売却する際の手続きも、単独名義の方が共有名義より手続きが簡単であることが多いです。

とはいっても、離婚するにあたっては、結婚生活の中で築いたすべての財産は「財産分与の対象」となるため、妻に所有権がある物に対し、夫に一切の権利がないわけではありません。妻名義であっても、結婚中に購入した不動産は離婚するときに分与する必要が出てきます。

離婚時の精算方法としては、その家を売って売却額を夫婦で分け合うか、離婚後もどちらかが住み続ける際は、家の名義人が名義をもっていない方に対して現金を支払い解決することが多いようです。

メリット②:相続時にトラブルになりにくい

名義人が妻であったとしても夫であったとしても、住宅ローンを単独名義にしておくと、共有名義の場合より、一般的に相続時にトラブルになりにくいといわれています。


共有名義の場合、名義人が亡くなったとすると、不動産の相続人は親族であることが一般的なため、相続を繰り返すうちに普段交友のない遠くの親族などが、どんどん共有名義に加わることがあります。


親戚付き合いが希薄化している現代では、共有持分が細分化していくにつれ、共有者間の話し合いがまとまらない可能性は高く、不動産が放置されたり、管理の責任をめぐって揉めるケースなどがよく見られます。


しかし、単独名義であれば、相続しても共有持分が複雑化していくことが少ないため、トラブルになりにくい傾向があります。

メリット③:妻の意思のみで自由に売却できる

不動産を売却するにあたっても、単独名義であれば大きなトラブルになる可能性は低いと考えられます。


共有名義がトラブルになりやすいのは、2人の意見が一致しないと共有不動産の売却賃貸をすることが難しいという点です。 


まず売却にあたっては、民法において「共有物の処分については共有者全員の同意が必要である」と定められているため、もう一方の同意が必要となります。


また、どちらかが共有不動産を第三者に賃貸したいと考えても、単独では賃貸借契約を締結できないことがあるため注意が必要です。


しかし一方で、単独名義のローンであれば、自分の意思のみで不動産を自由に活用できますし、売却や賃貸をするにしても速やかに手続きを進めることができます。

原則として住宅ローンの名義の変更はできない


夫の収入の減少などを理由に、返済が難しくなった方のなかには、住宅ローンの名義を妻に変えたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。


しかし結論から言うと、住宅ローンの名義変更は、原則としてできないということに注意が必要です。


住宅ローンは、収入や勤務先、他の借入状況などを厳正に審査し承認されるため、契約途中でこのような審査を受けていない人に名義変更することは原則として認められていません。認められる場合でも、非常に限定されたケースであるため、よっぽどの事情でない限りできないということを知っておきましょう。


次からは、

  • 単独名義で返済が困難になった
  • 離婚して名義を変える必要がある

という名義変更ができる、2つのケースについて見ていきます。

名義変更が認められる場合①:単独名義で返済が困難になった

もし、夫単独名義で組んだ住宅ローンの返済が困難になったなら、名義変更が可能な場合があります。


夫から妻への名義変更を求めるのであれば、認められる条件としては、借入時の夫の収入と同等の収入が妻にもあるということです。当然ながら夫が住宅ローンを組んだときのように、妻の収入や勤務先、他の借入状況などを審査され、返済可能と判断された場合のみ、承認されます。


注意したいのは、不動産の名義変更をあわせて行う場合は、夫から妻への「財産分与」とみなされるため、新名義人である妻へ贈与税が課税されるという点です。

名義変更が認められる場合②:離婚して名義を変える必要がある

離婚して、夫が家を出て妻が住み続ける場合は、妻が住宅ローンの名義人となる必要が出てきます。


単独名義で契約しているのであれば、名義変更には借り換えという方法が検討できます。この場合は、単独名義での返済が困難になった場合と同様に、妻に十分な返済能力があれば、新たにローンを組むという形で、名義変更が認められます


一方で共有名義でローンを組んでいる場合は、やや複雑です。まず、ローンは契約者が不動産に住んでいることが前提になるため、共有名義である夫が出ていくとなれば、その時点で契約違反となってしまいます。


契約違反とならないためには、たとえ夫が離婚後もローンを負担し続ける場合においても、妻を単独名義にローンを借り換える必要があります。そうなると、妻単独の収入が契約当初の合算収入額に届かず、なかなか審査に通らないというケースが非常によく見られるため、共有名義の方は注意が必要です。

共働き世帯におすすめ!住宅ローンの組み方2選!


女性の社会進出が進み、夫婦共働き世帯は、年々増加傾向にあります。総務省統計局の労働力調査によると、1999年以降は共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、2021年には共働き世帯1,247万世帯、専業主婦世帯566万世帯と、共働き世帯が専業主婦世帯の約2.2倍を占める結果になっています(※)。


夫婦2人ともに安定した収入があり、可能であれば2人で住宅ローンを組みたいと考えているご家庭も多いのではないでしょうか?


夫婦2人で住宅ローンを組む場合は、

  • 夫婦で1つのローンを組む「収入合算」
  • 夫婦でそれぞれローンを組む「ペアローン」

という方法があります。


収入合算ペアローンの特徴を一覧で見てみましょう(それぞれ主債務者を夫とするケース)。

契約方法一人で契約収入合算契約ペアローン契約
契約する数1契約1契約2契約
主な債務者夫・妻
連帯保証人なし妻・夫
返済する人夫・妻
団体信用生命保険加入対象者夫・妻
住宅ローン控除対象者夫・妻

特に、チェックすべきは住宅ローン契約の契約本数です。1人で契約、収入合算契約の場合1契約、ペアローン契約の場合は2契約になることが大きな違いです。


※参照:https://www.stat.go.jp/library/faq/faq16/faq16a12.html

組み方①:夫婦で1つのローンを組む「収入合算」

単独名義では借入額が希望に達しない場合は、まず、夫婦2人の収入を合算できる収入合算」を検討してみることをおすすめします。

収入合算のメリットとしては、 
  • 1人での借入時よりも多くの金額を借入れられる
  • 契約時にかかる手数料は、1契約分のみ
  • 同居していれば親子でも収入合算できる
などがあります。

収入合算の場合、住宅ローンの契約は1契約となるため、夫(妻)を主債務者とした場合、妻(夫)は連帯保証人となり、2人とも審査されることになります。収入合算の審査が通れば、借入額の大幅アップが期待できるため、希望通りの不動産を購入できる可能性も高まるでしょう。

また、収入合算における対象者の条件としては、多くの銀行で「同居する配偶者または親子であること」と定められているため、共働き夫婦のみならず、安定した収入のある親などを合算対象者として、借入額を増やすことも可能です。

加えて、住宅ローン契約時にかかる諸費用や、司法書士に支払う報酬も単独名義同様、1契約分で良いこともメリットのひとつです。 

一方で、団体信用生命保険や住宅ローン控除の対象者は、主債務者のみというデメリットが生じます。連帯保証人に万が一のことがあっても残債は免除にならないため、連帯保証人の生命保険等で残債分を補填できるようにしておくなどの備えをしておくことをおすすめします。

組み方②:夫婦でそれぞれローンを組む「ペアローン」

共働きの選択肢としては、夫婦二人が別々の住宅ローンを契約する「ペアローン」という方法もあります。


ペアローンのメリットとしては、

  • 1人での借入時よりも多くの金額を借入れられる
  • 夫婦2人とも団体信用生命保険に加入できる
  • 住宅ローン控除も夫婦2人が対象者となる

などがあります。


ペアローンにある「夫婦が別々のローン契約を結ぶ」ということには、団体信用生命保険や住宅ローン控除もそれぞれが対象者とできるメリットがあります。どちらか片方に万が一のことがあったとしても、亡くなった人の分は残債が免除されるため、残債をおよそ半分にすることができます。



収入合算のときと同様、2人分の収入を合算して収入審査が行われるため、単独名義よりも多くの金額を借入れられる可能性がある点もメリットでしょう。


ペアローンでは、お互いの収入に考慮した上で、必ずしも借入額を同額にする必要がなく、それぞれが自由に毎月の返済額や返済期間を決めることも可能なため、妊娠・育休中などの働けない期間を考慮して、借入額を調整するなどの柔軟な対応もできます。


注意点としては、夫婦が別契約を結ぶため、契約時の手数料や諸経費(印紙代等)も2契約分必要となり、登記手続きを行う司法書士に支払う報酬が増えるケースもあります。


しかし、団体信用生命保険に2人で加入できる点、住宅ローン控除が2人ともに適用される点から考えても利点はとても大きいため、ペアローンはぜひ一度検討してみる価値があるでしょう。

まとめ:妻名義の住宅ローンを組むならマネーキャリアに相談を!



ここまで、住宅ローンを妻名義にするメリット・デメリット、共働き世帯におすすめの住宅ローンの組み方などをお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?


ここまでの内容をまとめると、

  • 住宅ローンを妻名義にすると、妊娠や育児で退職する可能性、夫を連帯保証人にする必要性、妻単独だと審査に通りにくいなどのデメリットがある
  • 住宅ローンを妻名義にすると、離婚や相続のトラブルになりにくい、不動産を単独で売却できるなどのメリットがある
  • 住宅ローンの名義変更は、原則できない
  • 共働きにおすすめのローンの組み方は、「収入合算」と「ペアローン」がある

などがありました。


妻名義での住宅ローン審査は厳しい金融機関も多いですが、妻の方が安定した収入がある方は、ここまでの話を参考にして、検討してみてはいかがでしょうか。


住宅ローンは家計に占める負担が大きい支出なので、ぜひ計画的に家計や返済計画の見直しをされることをおすすめします。


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