住宅ローンの頭金を増やすメリット4選!デメリットや金利優遇も解説

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住宅ローンの頭金の増額には利息を減らすこと以外にもメリットがあります。頭金のあるなし、頭金の金額を変えての試算結果も交えながら住宅ローンの頭金のメリット、デメリットを解説していきます。頭金の意味についてきちんと理解して賢い住宅ローンを組みましょう。



▼この記事を読んでほしい人 
  • 住宅ローンの頭金を増やすべきか悩んでいる人
  • 住宅ローンの頭金を入れるか入れないか悩んでいる人
  • 住宅ローンの無理のない借入金額と決め方を知りたい人

内容をまとめると

  • 教育資金が必要になる場合住宅ローンの頭金は増やした方がよい
  • 住宅ローンの頭金が用意できない場合審査が厳しくなる
  • 頭金なしの住宅ローンは住宅ローン控除の効果大
  • 賃貸の人は頭金の貯金がないなら頭金なしの方がいい場合もある
  • 住宅ローンのシミュレーションはお金の専門家に任せるのが効率的
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目次を使って気になるところから読みましょう!

住宅ローンの頭金を増やした方がいい人


住宅ローンの頭金問題。頭金をどれぐらい入れたらいいのか決めかねている人も多いと思います。


頭金を多く払えば借入額を低くできるというメリットがあるのは重々わかってはいるものの、限られた貯蓄の中から多額の頭金をポンと出すのはなかなかむずかしいことですよね。


住宅ローンの頭金を増やした方がいい人とはどんな人なのでしょうか。

  1. 教育資金が必要な人
  2. 収入の見通しが立たない人
  3. 住宅ローン控除の影響が少ない人 

ひとつずつ見ていきましょう。

増やした方がいい人①:教育資金が必要な人

お子さんがいて教育資金が必要となる人は、頭金を多めに準備した方がよいでしょう。お子さんの人数、進学する学校の種類にもよりますが、進学先が私立文系で400万円ほど、私立大学理系ともなると800万円ほど必要になると言われています。


教育費用を準備していかなければならない家庭では、住宅ローンの返済と教育資金用の積立の両方を前提にしてマネープランを立てる必要があります。


ある家族の事例を見てみましょう。夫35歳、妻35歳、長女8歳、二女5歳の4人家族を想定します。この家族がお子さん2人の大学資金のために積立貯金をするとします。

親の年齢子の根鈴積立額→累計積立額
35歳8歳、5歳0円
45歳18歳、15歳月4万円積立→528万円
月5万円積立→660万円
48歳21歳、18歳月4万円積立→672万円
月5万円積立→840万円

子どもが大学受験する18歳の頃に、仮に500万円を貯めようとすると、月々4万円の貯蓄が必要となってきます。


このように月々数万円の貯蓄が必要になってくることをふまえると、住宅ローンの頭金を増やしておき、毎月の支払いを低めに設定することが望まれます。

増やした方がいい人②:収入の見通しが立たない人

夫が転職を考えている、妻に退職の予定があるなど、将来の収入の見通しが立たない場合、頭金を多く用意しておかなければなりません。頭金を多めに入れると月々の返済額が減るため、収入の少ない時期があっても住宅ローンの返済に窮することは少なくなります。


安定した収入が想定できない場合、頭金をできるだけ増やし月々の返済額を低く設定すると同時に、住宅の購入価格を控えめにすることも考慮しましょう。


住宅ローンの計画はまず収入ありきです。頭金、月々の返済額ともに、実際の収入に対して無理のないよう計画を立てるようにしましょう。

増やした方がいい人③:住宅ローン控除の影響が少ない人

住宅ローンの利用者対象の「住宅借入金等特別控除」という減税対策があります。通称住宅ローン控除と呼ばれています。この制度は、ローン残高に対して一定の割合で税金を免除してくれるというものです。


住宅ローン控除の影響が少ない人は、頭金を増やした方がよいケースです。具体的には、

  1. 住宅ローン借入額が少ない
  2. 住宅ローン控除を使う資格がない

このような場合です。


1. 住宅ローン借入額が少ない

具体的に住宅ローン控除で減税されるケースを見てみましょう。住宅ローン控除は、一定の要件が揃えばローン残高に対して0.7%が減税されます。


<所得税額:20万円の場合>

借入残高減税額
実際に納税する
所得税額
2000万円2000万円×0.7%
14万円
20万円-14万円
6万円
3000万円3000万円×0.7%

21万円
20万円-20万円

0万円(※)

※:所得税で引けなかった額は住民税より減額されます。


このようにローン残高が少ない方が、住宅ローン控除による減税額が少なくなります。住宅ローン控除制度を効果的に活用したい人は、それもふまえて頭金、借入金を設定する必要があります。


2. 住宅ローン控除を使う資格がない

住宅ローン控除は下記の要件が必要になります。

  • 住宅ローンの返済期間が10年以上
  • 自分でその家に住んでいる
  • 広さ50m2以上
  • 半分以上が居住用
  • 所得金額が2000万円以下

この要件に合致しない人は、住宅ローン控除を受けられないため、頭金や借入金に影響がありません。

頭金を増やさないほうがいい人は?


住宅ローンの頭金は多ければよい面もありますが、あくまでその人の状況によります。無理をしてまで頭金を入れることはありません。

頭金を増やさない方がよい人とは、
  • 自己資金があまりない人 
  • 将来に渡って収入を見越せる人 

このような人です。状況を見きわめ妥当な頭金を準備することが肝要です。

では解説していきます。

増やさないほうがいい人①:自己資金があまりない人

頭金は2割ほど準備してからという通説もありましたが、今は自己資金(手もとにある現金。引き出し可能な貯金など)に関係なく組める住宅ローンもあります。


十分な頭金が貯まるまで待っていると、欲しい物件を買うタイミングを逸してしまうこともあります。


自己資金があまりなく、すぐ手に入れたい物件がある場合は頭金を増やさない方がよいと言えるでしょう。

増やさないほうがいい人②:将来に渡って収入を見越せる人

住宅ローンの効果的な返済方法として繰り上げ返済があります。


将来に渡り収入が見越せる人は、積極的に繰り上げ返済ができますので、無理に頭金を増やさなくても問題ありません。


繰り上げ返済を前提に住宅ローンを考えるときは、繰り上げ返済の条件、たとえば、

  • 繰り上げ返済できる最低金額
  • 繰り上げ返済手数料

などもチェックすることをおすすめします。条件は金融機関によって異なりますので必ず確認するようにしましょう。繰り上げ返済の手数料が無料となるフラット35を選択肢に入れるのも一案と思います。

住宅ローンの頭金で必要な費用の内訳とは?


マイホームを買う際に必要となる費用というのは、まず家そのものの購入代金、それに加えて諸費用がかかります。住宅ローンに必要となる費用を称して諸費用といいます。契約時の印紙代、銀行に支払う手数料、登記費用など多岐にわたります。


マイホームを買う費用について、住宅ローンを組む視点で見ると、

  • 住宅価格=頭金+住宅ローン
  • 諸費用

このようにあらわすことができます。

  • 住宅ローンに組み入れられる金額
  • 購入金額以外の諸費用

ここでは上の点について解説していきたいと思います。

内訳①:住宅ローンを借りる際にローンに組み入れられる金額

住宅ローンに組み入れられる費用は大きく分けて2種類です。
  • 住宅購入代金
  • 購入時手数料などの諸費用
たとえばみずほ銀行の住宅ローンの説明書を見ると「資金使途」の項で「本人居住用の土地・住宅の購入、住宅の新築・増築・改築、底地の買取資金」とあり、住宅ローンの使い道について詳細が記載されています。

auじぶん銀行では「資金使途・借入用途」の項に記載があります。住宅ローンに使える資金の用途は、諸費用など細かい項目では金融機関によって異なる場合もあるため、必ず金融機関の住宅ローン説明書の「資金使途」や「借入用途」の項目を確認するようにしましょう。

内訳②:購入金額以外の諸費用

住宅ローンを組むうえで忘れてはならないのが諸費用です。住宅ローン金額の3~10%だと言われています。3000万円借り入れるとすると、1割として300万円もかかる計算です。

まず契約時。
  • 申込金
  • 仲介手数料
  • 契約書の印紙代
印紙代は3000万円の借り入れでは1通の契約書で2万円にもなります。

家の引渡し時には、
  • 融資手数料、保証料
  • 登録免許税、登記手続き費用
  • 火災保険
  • 地震保険料 
  • 引っ越し費用
  • 家具、カーテン
このような費用が必要となります。中でも金融機関に支払う融資手数料は金融機関にもよりますが何十万円とかかることがあります。手数料といってもかなり大きな金額になるため、軽く見ずしっかり確認するようにしましょう。

住宅ローンの頭金を増やすメリット4選!


住宅ローンの頭金をいくら入れるか、非常に悩ましい問題です。頭金はまとまった金額を支払うことになります。金額が大きいだけに、その意味や効果を十分納得したうえで支払いたいものです。

頭金を増額するメリットについてあらためて考えてみることにしましょう。

  1. 借入総額の減少 
  2. 金利の優遇処置 
  3. 審査に通りやすくなる 
  4. 売却益を得られることも 

それではひとつずつ解説していきます。

メリット①:借入総額の減少

当たり前の話にはなりますが、頭金を増やすとローン部分を減らすことができます。


住宅購入額2500万円を例にとり、具体的な数字を見てみましょう。

  • 借入期間:30年
  • 金利:固定1.5%
  • 元利均等返済
  • ボーナス返済なし 

このような条件のもと、頭金を100万円、300万円、500万円として試算してみます。

頭金
ローン借入額 
返済月額 頭金を含む
支払い総額
頭金100万円
ローン2400万円
82,828円30,818,238円
頭金300万円
ローン2200万円 
75,926円
(▲6,902)
30,333,328円
(▲484,910)
頭金500万円
ローン2000万円
69,024円
(▲13,804)
29,848,426円
▲969,812

頭金100万円と500万円を比べると、頭金500万円を入れた方が支払い総額では約97万円の差が出ています。


試算結果を見ても、頭金を多く入れた方が支払い総額をかなり抑えられることがわかりました。月々の返済額を見ても、低くできればその分貯蓄に回すことができます。余裕のある家計管理のためにも頭金の増額は大きなメリットだと言えるでしょう。

メリット②:金利の優遇処置を受けれる場合がある

住宅ローンをお得に計画する上でポイントとなるのが金利です。フラット35では融資率(借入の比率)を住宅購入金額の9割以下にすることで金利が優遇されます。


<フラット35(借入期間21~35年)の金利>

銀行名実行金利
融資率9割以下
実行金利
融資率9割超
みずほ銀行
手数料定額型
1.57~1.59%1.85%
三井住友銀行
2.54%2.8%
りそな銀行
1.48%-
※2022年5月時点の情報です。

融資率を9割以下にすると金利を0.3%程度割引きされることがわかります。

ここで、みずほ銀行の金利を例にとり試算をしてみたいと思います。

<購入金額:2500万円、借入期間:30年、元利均等返済、ボーナス返済なし>
頭金を入れない①頭金を入れる②(借入金額の1割)を比較してみましょう。②は融資率9割以下のため金利が低くなっていることに注目してください。
頭金
ローン借入額
返済月額 頭金を含む
支払い総額
①頭金0円
ローン2500万円
金利 1.85% 
90,540円32,594,607円
② 頭金250万円
ローン2250万円
金利 1.57%
78,410円
▲12,130
30,727,405円
▲1,867,202

頭金250万円を入れるか入れないかの違い、つまり融資率9割以下かどうかによって、支払い総額にこのような差が出ました。頭金を含む支払い総額では約187万円の違いとなっています。頭金を入れることで返済総額を抑えるメリットは、フラット35では特に効果的にはたらくと言えるでしょう。

メリット③:審査に通りやすくなる

住宅ローンの大きなハードルが審査です。審査に通らなければ住宅ローンを利用することができません。


「審査に通るかどうか心配」という人は頭金を多く入れることをおすすめします。
頭金を十分用意できるということで銀行から信用が得られると同時に、頭金を入れることで借入金額が少なくなり、借入金を返せる能力が十分あると判断されやすいのです。


審査通過の点においても、頭金を増やすことは大きなメリットになるでしょう。

メリット④:売却益を得られることも

家を売るということを想定してみましょう。

家を売ろうと思ったとき、ローン完済できていたり、ローン残高が少なくなっていたりすると、売却益を得ることもできます。地価が上がっていればなおさらです。この点から見ても頭金を増やすことはメリットだと言えるでしょう。


今は手に入れたばかりのマイホームでも、将来は何が起こるかわからないものです。家を売るという可能性が少しでもあるのなら住宅ローンはできるだけ早く終わらせる方がよいでしょう。そのためにも頭金は多めに入れる必要があります。


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住宅ローンを無理なく借りる総額はいくら?


30代、40代の子育て世代はとにもかくにも物入りです。子どもが学校に入学する、塾に通う、車の買換えなどなど。そんな生活の中に住宅ローンを組み入れるとなると、無理のないローン計画がなにより重要になってきます。

今の家計で無理のない住宅ローンとは、一体どのように計画を立てればよいのでしょうか。

  • 世帯年収で無理ない借り入れを
  • パートナーの収入減も考慮すべき
  • シミュレーターで計算をする 

ここでは、収入から逆算して借入総額を試算していきたいと思います。

世帯年収で無理ない借り入れをする

月収に対してどれくらいの返済額にしたらよいかという点ですが、20%から25%が妥当であるとされています。この比率を融資負担率と言います。


月収の手取りと融資負担率が20%~25%になる金額を一覧にしてみました。

月収手取り 20%25%
20万円 4万円 5万円 
30万円 6万円 7.5万円 
40万円 8万円 10万円 
50万円 10万円 12.5万円 

この表を目安に、ご自身の月収に応じた月々のローン返済額を想定してみましょう。

パートナーの収入が無くなったときのことも考慮すべき

今は共働きの夫婦も多いので、住宅ローンは世帯収入で計画してよいと思います。ただし妻の方は出産、育児休暇で働けなくなる期間があることを想定しなくてはいけません。また、ローンが終わるまで共働きであり続ける確証もありません。住宅ローンを計画するときは、収入を多く見積もりすぎないよう注意が必要です。

では、ある家族をモデルに借入金額をシミュレーションしてみましょう。
  • 世帯収入:500万円(夫:400万円、妻:100万円) 
  • 手取り:400万円 
  • 月々の収入:33万円
妻は現在、年収200万円ほどありますが、ローンが終わるまで働き続けるか未定であるため、あえて低めの数字で見積もることにしました。

月々の返済額を融資負担率が20%~25%にあてはめて計算すると、

ローン返済額: 月収33万円×20%6.6万円

ローン返済額: 月収33万円×25%8.25万円

無理のない返済計画にするため、ここでは月額7万円(融資負担率≒21%)を目安にし、次の項ではこの数字から借入可能額を算出していきます。

シミュレーターで計算をする

では、返済月額から逆算してどれくらいの借り入れが可能なのか考えてみたいと思います。 前項で計算したとおり、支払い月額がだいたい7万円(融資負担率:21%)となるような借入期間と借入可能額を試算してみましょう。

 <固定金利:1.5%、元利均等返済、ボーナス返済なし>

借入期間返済月額

借入可能額

(返済総額)

20年72,381円1500万円
(約1700万円) 
25年71,988円1800万円
(約2200万円) 
30年69,024円2000万円
(約2500万円)
35年70,422円2300万円
(約3000万円)

固定金利1.5%で計算すると、このように最長の借入期間35年で約2300万円借り入れることができる結果となりました。


試算については、便利なツールがありますのでご紹介しましょう。


住宅ローンシミュレーション(住宅保証機構株式会社)


借入金額、借入期間、金利などを指定して計算するには「返済額の試算」ツールを使います。「返済方法」は月々の返済が同額となる「元利均等返済」を選べばよいでしょう。


今回こちらでは固定金利で試算しましたが、変動金利や期間ごとに金利を指定することもできますので、ぜひいろんな条件で試してみてください。

住宅ローンを頭金なしで借りるデメリットとは?


貯金がなく頭金を用意することができない、あるいはあえて頭金なしでの住宅ローンをお考えの人もいると思います。頭金なしの住宅ローンではどのようなデメリットがあるのでしょうか。

  1. 金利の優遇を受けられないことも
  2. 支払い総額は頭金なしと比べて多い
  3. 審査に落ちる可能性も 

ではひとつずつ解説していきます。

デメリット①:金利の優遇を受けれない場合がある

フラット35は、住宅の購入金額に対する借入額の割合が9割を超えると金利が高くなります。


例えばみずほ銀行のフラット35の金利(手数料定額型)は、

  • 借入期間:21~35年
  • 融資率9割以下:1.57% ~ 1.59%
  • 融資率9割超:1.85%
    ※2022年5月時点の情報

融資率9割超の金利は0.26%から0.28%高くなっています。


具体的な数字をあてはめ、金利の違い、頭金の違いによりどのような違いが出るかシミュレーションしてみましょう。

住宅購入額を2500万円として、

  • 借入期間35年
  • 元利均等返済
  • ボーナス返済なし
  • ①頭金0円→金利 1.85%
  • ②頭金100万円→金利 1.85%
  • ③頭金250万円→金利 1.57%

上のような条件でパターン①②③の返済額を計算してみます。

住宅の
購入金額
返済月額頭金を含む
支払い総額
①頭金0円
ローン2500万円
金利 1.85%
80,904円
33,979,497円
②頭金100万円
ローン2400万円
金利 1.85%
77,668円
(▲3,236)
33,620,289円
▲359,208
③頭金250万円
ローン2250万円
金利 1.57%
69,665円
(▲11,239)
31,759,364円
▲2,220,133

▲は①との差額です。

頭金を入れない①と③頭金250万円をくらべると、支払い総額で約222万円も差が出ることがわかりました。②は頭金を100万円入れたものの融資率が9割を超え高い金利の影響を受け、約40万円の差が生じています。


金利が優遇されるためにも9割以下のローン金額で設定することをおすすめします。

デメリット②:支払う金額の総額は頭金なしと比べて多い

頭金なしで住宅ローンを組むと、その分借入元本が増えて、結果的に支払い総額が増えてしまうことになります。

住宅購入額2500万円を例にとり、具体的な数字を比較してみましょう。 

  • 借入期間:35年 
  • 金利:固定1.5%
  • 元利均等返済
  • ボーナス返済なし 

この条件のもとで頭金なし、頭金300万円の2パターンで計算してみます。

頭金

ローン借入額

返済月額頭金を含む
総支払い額
頭金0円
ローン2500万円
76,546円32,149,099円
頭金300万円
ローン2200万円
67,360円
(▲9,186)
31,291,255円
▲857,844

このように、頭金を入れるか入れないかで支払い総額では約86万円の差が生じることになりました。

デメリット③:審査に落ちる可能性も

頭金なしでも住宅ローンを組むことはできますが、金融機関によるローン審査が厳しくなる恐れがあります。


住宅ローンの審査は、契約者が滞りなく返済できるか、返済能力を重点的にチェックされます。頭金がないということは、自ずと借入金額が増え借入期間も長期化します。ローン利用者の収入に対して借入額が多くなると、審査のハードルが上がります。また、まとまったお金が準備できない=計画的な貯蓄ができないと銀行はとらえるでしょう。


住宅ローンの審査基準は金融機関により異なりますが、頭金なしでは住宅ローンの審査をクリアできない可能性がありますので注意が必要です。

頭金なしで住宅ローンを組むメリットもある


前項では頭金を入れないデメリットをお伝えしました。しかし、頭金なしのメリットも実はあるのをご存じでしょうか。

住宅ローンに頭金を入れないメリットとしては、

  1. 住宅ローン控除が多く受けられる
  2. 賃貸代金の支払いを早くストップできる 

この2点が挙げられます。賃貸の方にとって興味深い試算もしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

メリット①:住宅ローン控除が多く受けられる

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの借入金額が多ければ多いほど、そのメリットを享受することができます

住宅ローン控除は、借入残高に対して0.7%が所得税から減税されます。

借入残高2000万円の場合: 2000万円×0.7%=14万円

借入残高3000万円の場合: 3000万円×0.7%=21万円

このように、借入残高が多いほど減税額が多くなります。住宅ローン控除の要件に合う人(ローン10年以上、住宅50m2以上など)は積極的に利用するとよいでしょう。

ただし、住宅ローン控除は2022年から大幅に改正されています。ネット検索すると古い情報も多いので必ず最新の情報を確認するようにしましょう。

メリット②:賃貸代金の支払いを早くストップできる

マイホームを買いたい人の中には「家賃がもったいない」と思っている人も少なくないと思います。毎月毎月高い家賃を払うくらいなら、その分住宅ローンにあてた方がよいという考え方もありますよね。


ここで、賃貸の場合の試算をしてみたいと思います。

  • 35歳夫婦、子ども2人。現在家賃7万円の家に住んでいる
  • 2500万円の住宅を購入したい
  • 固定金利1.5%、元利均等返済、ボーナス返済なし

上のような条件下で、①頭金300万円を準備するために5年間月々5万円ずつ貯蓄②頭金なしのケースで試算してみました。トータルの金額でどのように違ってくるでしょうか。

年齢①頭金あり②頭金なし
35歳~
・月々家賃7万円
(5年間で420万円)
・月々5万円の貯金
(5年間で300万円)
35歳、住宅ローン開始
借入金額2500万円
借入金額35年
返済月額76,546円
40歳~
40歳、住宅ローン開始
頭金300万円
借入金額2200万円
借入金額30年
返済月額75,926円
住宅ローン返済中
70歳住宅ローン完済
借入総額27,333,328円
住宅ローン完済
借入総額32,149,099円
総支払額5年間の家賃
+頭金+借入総額=
34,533,328円
頭金+借入総額

32,149,099円

借入総額は②頭金なしの方が約480万円安いのですが、家賃・頭金も含めた総支払額を比較すると②頭金なしの方が約238万円安くなることがわかりました。


頭金を用意するため、家賃以外に月々貯蓄することは実際なかなかむずかしいものです。今回のシミュレーションのように、賃貸を早々にストップし住宅ローンへ切り替える方がよい場合もあります。賃貸にお住まいの方は、現在の家賃の支払いも含めてトータルでシミュレーションしながら住宅ローン計画を立てていくようにしましょう。

住宅ローンを頭金なしで資産運用するのはあり?


住宅ローンの頭金問題ですが、ここで違う視点から考えてみます。

たとえば200万円のまとまったお金が目の前にあるとします。頭金にあてるか、資産運用にあてるか、となった場合、あなたならどうしますか?

この200万円の使い道について、資産運用を切り口に解説していきたいと思います。

  • 資産運用も選択肢に入れるべき
  • 資金の分配を決める
  • 節税できるiDeCoやNISAを利用しよう
  • 資産運用におすすめの本 

資産運用について詳しい人もそうでない人もぜひ最後まで読んでみてください。

資産運用も選択肢に入れるべき

高校生も金融教育を受けている現在、資産運用は以前に比べてずいぶん身近な存在になってきました。やるやらないは別として、資産運用に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。


頭金に入れる200万円があるなら、資産運用に回すのもひとつの考え方です。


200万円を年利3%、5%で複利運用した場合、下のような金額になります。

預入期間年利3%年利5%
5年2,318,548円 2,552,563円
10年2,687,832円 3,257,789円 
13年2,937,067円 3,771,298円

年利3%~5%はリスクがあまり高くなく、初心者にもはじめやすいレベルです。3%の場合でも、200万円を13年複利で運用すると約100万円の利益が出ることになります。


では、この運用を住宅ローンの試算に盛り込むとどうなるでしょうか。

  • 2500万円の住宅を購入
  • 借入期間35年
  • 固定金利1.5%、元利均等返済、ボーナス返済なし

上のような条件で、200万円の頭金を入れた場合、②200万円を資産運用(年利3%)して住宅ローン減税が終わる13年後に繰り上げ返済する場合を比較してみましょう。

項目①頭金 ②資産運用 
頭金 200万円0円
借入金  2200万円2500万円 
月々返済   67,360円76,546円
借入総額28,291,255円32,149,099円
【3%】13年後
繰り上げ返済
約293万円
4年4ヶ月短縮
-31,124,089円 
【5%】13年後
繰り上げ返済
約377万円
5年6ヶ月短縮
-30,881,477円
頭金を含む
総支払い額
31,291,255円
【3%】
31,124,089円
(▲167,166)
【5%】
30,881,477円

(▲409,778)

3%の年利で運用した場合は約17万円5%で運用した場合は約41万円、①頭金を入れた場合よりも支払い総額を抑えることができます。また繰り上げ返済により、返済期間も4~5年ほど短くすることができます。


このように、頭金として用意した資金を運用して繰り上げ返済にあてるという方法もあります。頭金を一括で資産運用に回すのに抵抗がある人は、積立投資というよりリスクの低い方法もありますので検討してみるのも一考でしょう。

資金をどのように分配するかを決める

資産運用をする場合、大事になるのがアセットアロケーションです。アセットアロケーションとは「資産配分」のことで、投資のリスク対策のひとつです。


投資商品には下記をはじめとしていろいろなタイプがあります。

  • 国内株式
  • 海外株式
  • 国内債券
  • 海外債券

このうち1点に集中させないことにより、リスクも分散させて資金を安全に管理していくという考え方です。


たとえば株式を持つ場合、1つの国だけではなくいろんな国の株式を持つことでリスク分散になります。株式と債券は違う動きをしますので、両方持っていることもリスク回避の面からよいとされています。


資産運用をする際には、全体の資産のうちどのようなタイプの資産をどれくらい持っているのか、分散させることがリスク対策の上で大きなポイントになります。

税制上有利なiDeCoやNisaを利用しよう

資産運用して生じた売却益や配当金などの利益には、20.315%の税金が引かれます。


たとえば、100万円の利益がでた場合、

100万円×20.315%=203,150円

約20万円もの額が税金として引かれてしまいます。


iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)は、この税金を免除してくれる制度で、投資で生じた100万円の利益は100万円のまま得ることができます。


約20%の税金が節約できるのは資産運用に大きなメリットとなります。iDeCoやNISAを組み合わせて賢いマネープランを立てましょう。

資産運用をする際におすすめの本

とはいえ、住宅ローンを考えている若い世代の方は、資産運用はまだなじみのないことかもしれません。資産運用初心者の方にもおすすめの本を紹介してみましょう。

  1. 「本当の自由を手に入れる お金の大学」両@リベ大学長(朝日新聞出版)
  2. 「お金がどんどん増える! あなたにぴったりの投資法が見つかる! マンガと図解 はじめての資産運用」小林亮平(KADOKAWA)
  3. 「これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生」頼藤太希(宝島社)

「1」は特におすすめで、お金のことに不安や悩みがある方はこれを1冊バイブルとして持っておくとよいでしょう。リベラルアーツ大学はYouTubeチャンネルもありますので、気になる方はご覧になってみてください。

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!


今回は住宅ローンと頭金をテーマにお届けしました。

  • 教育資金が必要な人は頭金を多めに準備する
  • 住宅ローンの頭金なしの場合、審査が厳しくなるデメリットもあるが、住宅ローン控除効果は大きく、賃貸の人は家賃の支払いを早くやめられるメリットもある
  • 収入の20~25%がローン返済額の目安。そこから借入金額を逆算する
  • 頭金の分を資産運用にあてる選択肢も視野に

頭金については、今までは購入費の2割を入れるのが一般的でしたが、今は頭金なしの住宅ローンも可能です。頭金なし、頭金あり、頭金を入れるとしたらいくらか…選択肢が増えた分だけ逆に悩んでしまうことがあるかもしれません。


そんなときはお金のスペシャリストに相談してさくっと解決するのが一番です。

LINEで予約可能マネーキャリア無料相談ならじっくりヒアリングのあとあなたの状況に沿った住宅ローンのシミュレーションをしてくれます。最新の住宅ローン控除制度や資産運用などわからないことはこの際まとめて質問してしまいましょう。

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