更新日:2022/10/13
住宅ローンは担保なしでも借りられる?審査基準や建物のみの担保が可能かを解説
住宅ローンは担保なしでも借りられますが、住宅ローンの審査基準は有担保の方が通りやすいです。また、建物のみの担保は通りづらく、親の土地に建てる場合でも土地を担保に入れる方が有利に進められます。それぞれの特徴を見て、自身に合った方法でローンを組むようにしましょう。
- これから住宅ローンを組む人
- 住宅ローンに担保が必要なのかを知りたい人
- 担保なしでも住宅ローンが組めるか知りたい人
- 住宅ローンの担保は別土地や建物のみでも可能か知りたい人
内容をまとめると
- 住宅ローンは担保なしでも借りることができ、手続きが簡単で費用が安く抑えられ、担保価値が低い物件でも融資が受けやすいというメリットがある。
- 一方で、有担保と比べると利子が高く、借り入れ金額が低く、返済期間が短いというデメリットがあるので、条件に合わない場合は利用できない。
- 住宅ローンの担保は、別土地ではできないし、建物のみの担保も難しい。親の土地に建てるときも土地を担保にした方が審査は通りやすい。
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 住宅ローンは担保なし・担保提供者不要で借入可能!
- 担保なしで住宅ローンは組める
- 無担保ローンのメリット
- 無担保ローンのデメリット
- 住宅ローンは購入予定の不動産を担保にしなければならない
- 有担保・無担保ローンの審査基準
- 無担保ローンを組むときに注意したい3つのポイント
- ポイント①:高い利子を払わなければならない
- ポイント②:借り入れ上限額が低く設定される
- ポイント③:返済期間が短く設定される
- 有担保ローンを組むときに注意したい3つのポイント
- ポイント①:別の土地を担保にして住宅ローンを組むことは不可
- ポイント②:返済中の住宅ローン担保変更はできない
- ポイント③:完済後は住宅ローン担保の解除を行わなければならない
- 親の土地に建物を建てる場合も担保はあった方がいい
- 親の土地での建築時にも担保は有利
- 建物のみで住宅ローンを組むことは難しい
- まとめ:住宅ローンの担保に関する相談はマネーキャリアへ!
目次
住宅ローンは担保なし・担保提供者不要で借入可能!
子供も成長してきたので、念願のマイホームを建てたい!と家族の夢を実現するために計画を立てている方もいらっしゃることでしょう。
とは言うものの、マイホームは数千万円もの大金で購入するため、一括購入は無理なので住宅ローンを組む人がほとんどだと思われます。
その際、購入物件の住宅に抵当権をつけて担保としているのを見聞きしているので、担保は必ず必要なのか気になっているのではないでしょうか?
住宅ローンを組むときの担保と言われても初めてのことでピンとこないし、担保なしで借りられるなら内容を知りたいと思われているかもしれません。
実は、住宅ローンは、担保がなくても担保提供者がいなくても借りることができるのです。そこで次のことをお伝えします。
- 有担保ローン以外に無担保ローンもある
- 無担保ローンのメリット
- 無担保ローンのデメリット
なお、無担保で借りることはできるのですが、さまざまな条件や注意する点があるので
詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
担保なしで住宅ローンは組める
住宅ローンを組むときには、担保を必要としない無担保ローンにすることもできます。
担保がなくても、住宅ローンを組む人の年齢、年収、職業などの属性を総合的に判断して妥当な金額までのローンを組むことができるのです。つまり、それだけ信用がある人には担保なしでも貸してもらえるという訳です。
なお、担保とは住宅ローンを借りた債務者が、毎月のローン返済ができなくなったときに、債権者である金融機関側に提供するもののことです。
担保には次の2種類あります。
担保 | 種類 |
---|---|
物的担保 | 不動産・有価証券 |
人的担保 | 保証人・連帯保証人・連帯債務者 |
担保があれば、住宅ローン利用者の身辺の変化(会社の経営状態悪化や転職などで収入が減るなど)で、万一ローン返済ができなくなった場合でも、金融機関側は貸し倒れすることなく補償されることとなり安心です。
しかし、有担保ローンは不動産に抵当権の設定の手続きをしたり手続きが面倒です。
無担保ローンはその点、手続きが簡単です。
では、無担保ローンの特徴を知るために、メリット、デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
無担保ローンのメリット
無担保ローンのメリットを5つ紹介します。
- 手続きが簡単
- 抵当権がないため自宅が差し押さえられない
- 費用が安く済む
- ローン返済中でもローンが借りられる
- 融資が受けやすい
手続きが簡単
有担保ローンは抵当権設定などの手続きがあるので面倒な点があります。
また、ローンを組むにあたって借りる人の年収や職業、金融資産だけでなく、担保物件の審査も必要になり複雑です。
無担保ローンは、担保物件の審査が不要なので早く審査が終わり、ローンが早く受けられるなど手続きが簡単です。
また、金融機関によってはネット申し込みで連帯保証人も要らず、非常に簡単に手続きできるものもあります。
抵当権がないため自宅が差し押さえられない
有担保ローンには、購入物件に抵当権がつけられ、支払いが滞った場合に自宅が差し押さえられて所有権がなくなってしまう危険があります。
無担保ローンには抵当権がないので、強制的に権利行使されることはありません。
ただし、無担保ローンでも支払いが滞ると金融機関から督促されるので、結果的に自宅を売却せざるを得なくなるケースもあります。
費用が安く済む
無担保ローンは登記に必要な登録免許税や司法書士に支払う費用が不要です。
また、有担保ローンは保証料や事務手数料が必要なケースが多いですが、無担保のときは不要の場合が多いです。
そのため、諸費用がかからず安く済みます。
ローン返済中でもローンが借りられる
有担保ローンは住宅ローン返済中にローンは借りられないですが、無担保なら大丈夫借りられます。
ですから、例えば住宅が古くなってリフォームする場合や別荘購入に利用するなど利用範囲が広くなっています。
融資が受けやすい
有担保ローンが組めないくらい古い物件、つまり担保として評価が低い物件でもローンを組めるなど、融資が受けやすくなっています。
無担保ローンのデメリット
一方、無担保ローンのデメリットは次の3つです。
- 金利が高い
- 融資金額が少ない
- 返済期間が短い
担保がない分、金融機関側にとってリスクが大きいのでこのような対策が取られています。
こちらについては下記「無担保ローンを組むときに注意したい3つのポイント」で詳しく説明します。
住宅ローンは購入予定の不動産を担保にしなければならない
住宅ローンを組む際、基本的には購入予定の不動産を担保にする必要があります。
担保とは、辞書によると「債務者が債務を履行しない場合に備えて債権者に提供され、債券の弁済を確保する手段となるもの。物的担保と人的担保がある。」とあります。
参考引用:goo辞書 | 担保
住宅ローンの場合、弁済の手段は購入予定の土地と建物ということになります。
住宅ローンは35年など、長期に渡ってローンを組みます。
その間、ローンを組んだ人が亡くなった場合は、団体信用生命保険に加入していると補償してもらえ、以降のローン返済をしなくてもすみます。
しかし、失業、転職、病気など環境の変化により支払いができなくなったときに、金融機関では不動産を担保に抵当権をつけて売却し、ローンの残額返済に充てて貸し倒れを防ぐ必要がでてきます。
なお、先ほど説明していますが、不動産を担保にするのが物的担保、人を担保にするのが人的担保と言います。
人的担保には、連帯保証人や連帯債務者があり、万が一支払えなくなったときに、ローンの肩代わりをしてもらうことになります。
有担保・無担保ローンの審査基準
次に、有担保、無担保ローンの審査基準はどのように違うのかを見ていきましょう。
どちらのローンとも、借り入れする人の年収や職業などの属性を基準とするのは同じです。この収入ならどのくらいまで貸しても大丈夫かなど金融機関側で審査します。
それに加えて有担保ローンは、金融機関側が担保物件を売ればローン残額を回収できるためより安心です。
そのため、無担保よりも審査基準は通りやすくなっています。ただし、担保に入れたとしても、担保価値が低ければ審査が通りにくくなります。
ケースとしては中古物件を購入する場合です。特に一戸建て住宅の場合、築10年で資産価値が半分、築20年でゼロに近くなってしまいます。
ですから、土地が高額の場所であればそれなりの金額が借りられますが、そうでない場合は審査が通らないケースが多くなります。
一方、マンションの場合は築10年で資産価値は70~80%はありますので、中古でも審査が通りやすいと言えます。
したがって築10年以上の一戸建て物件を購入する場合は注意が必要です。
なお、新規に購入する場合の審査基準は、有担保の方が圧倒的に通りやすいことは覚えておきましょう。
無担保ローンを組むときに注意したい3つのポイント
無担保で住宅ローンを組むときには、手続きが簡単であるなどのメリットについては理解されたと思います。
しかし、担保がないということは、金融機関側に補償がないということになりますので、その分、注意しなければならない点が3つあります。
- ポイント①:高い利子を払わなければならない
- ポイント②:借り入れ上限額が低く設定される
- ポイント③:返済期間が短く設定される
これらのことを念頭において、住宅ローンを組むときの参考にしていただきたいため、ひとつずつ解説していきます。
ポイント①:高い利子を払わなければならない
無担保住宅ローンは金利が高く設定されています。
金融機関側は、担保がない分、不安要素が高いためです。
有担保住宅ローンの場合、一定条件を満たしている場合引き下げ金利が適用され、年利約0.5%~1%です。
一方、無担保住宅ローンの場合、約1.0~3.0%です。
実際にどのくらいの差になるのか、シミュレーションしてみましょう。
例)借入期間・15年/借入金額・1,000万円/三菱UFJ銀行で借り入れ(2022.6.1現在)
有担保住宅ローン (新規借り入れ) | 無担保住宅ローン (ネットDEリフォームローン) | |
---|---|---|
変動金利 | 年0.475% | 年2.875% |
毎月返済額 | 57,569円 | 68,458円 |
諸費用 | 約360,000円 | 0円 |
年間返済額 | 約690,828円 | 821,496円 |
総返済額 | 10,722,420円 | 12,322,440円 |
無担保ローンは金利が高いので、1,000万円を15年間借り入れした場合、有担保と比較すると月々で約1万円、総返済額で約160万円も多く返済しなければなりません。
このように、同じ1,000万円を借り入れる場合でも、高い利子を払っていかなければなりません。
なお、有担保住宅ローンの場合、諸費用が約36万円掛かっています。
内訳は、
事務手数料(消費税込):22万円
司法書士報酬:約10万円
抵当権設定にかかる登録免許税4万円です。
この初期費用を抑えたい人や借入期間が短期間の場合は、無担保ローンを検討するのも良いと思われます。
ポイント②:借り入れ上限額が低く設定される
無担保住宅ローンの場合、借り入れ上限額が低く設定されています。
これは、担保がないため、万一のときに肩代わりするものがなく、金融機関側は債務者の返済能力が不安要素になっているためです。
有担保の場合は、借入金額に相当する土地や建物などがあるので、万一のときは競売にかけて売り、その売り上げを返済額に充当することができます。
ですから、有担保住宅ローンは、およそ1億円まで設定出来る金融機関が多いです。
一方、無担保住宅ローンの場合は、2,000万円程度までに抑えられているケースが多く、新築でマイホームを購入するとなると、実際に必要な融資額に満たない場合もでてきます。
したがって、購入時に頭金をたくさん準備できない、あるいは物件が2,000万円を超える高額の場合は、有担保住宅ローンの利用を検討しなければなりません。
ポイント③:返済期間が短く設定される
無担保住宅ローンの場合は、返済期間が短く設定されてしまうケースが多いです。
有担保住宅ローンは最長で35年まで借り入れできるケースが多いですが、無担保住宅ローンは短期間のものが多く、10年~20年までというところが多いです。
では、実際に借入金額によってどのくらい月々の返済額が変わるのか見てみましょう。
例)金利1.3%固定金利/元利均等返済/借入金額1,000万円の場合
15年 | 30年 | |
---|---|---|
月々返済額 | 33,560円 | 61,178円 |
総支払額 | 12,081,590円 | 11,011,973円 |
上記表は、1,000万円をボーナス支払いゼロで15年間と30年間、毎月支払った場合で比較しました。
30年の場合は、月々3万円台ですが、15年になると月々6万円台になります。これが2,000万円、3,000万円となると2倍、3倍の支払い額になり、家計に大きく響く場合もでてきます。
なお、短期に支払った場合、総支払額で比較すると約100万円少なくなるので、短期支払いできる人は無担保住宅ローンの方がお得ですが、長期支払いを考えて月々の支払い額を抑えたい人は有担保ローンがおすすめです。
有担保ローンを組むときに注意したい3つのポイント
借り入れ金額が大きかったり返済期間が長い住宅ローンを組みたい場合は、有担保住宅ローンの方が適していることがわかりました。
しかし、有担保ローンを組むときにも注意しなければならないことがあります。
担保を必要とするからこそ出てくる問題点でもあり、次の3つになります。
- 別の土地を担保にして住宅ローンを組むことは不可
- 返済中の住宅ローン担保変更はできない
- 完済後は住宅ローン担保の解除を行わなければならない
借り入れのことだけに目を向けていると見落としがちな点でもあるので、ひとつずつ解説します。
ポイント①:別の土地を担保にして住宅ローンを組むことは不可
住宅ローンの担保は、基本的に住宅ローンを組んだ土地および建物となるため、別の土地を担保にして住宅ローンを組むことはできません。
仮に、今回住宅ローンを組んだ物件のほかに土地やマンションなどを所有していたとしても、それを担保にすることはできませんので注意してください。
ただし、全く不可能というわけではなく、ローンを組んだ人の2親等もしくは3親等の親族または姻族までの制限つきで不動産を担保にできるケースもあります。
このあたりは、金融機関によってどこまで取り扱うかが異なっているので、ローンを組むときに確認をしてみてください。
しかし、他人名義の場合、本人の同意を得て書類を揃えたり、万一のときの連帯保証人になってもらったりと複雑な手続きが必要となりますので、十分注意してください。
ポイント②:返済中の住宅ローン担保変更はできない
ポイント③:完済後は住宅ローン担保の解除を行わなければならない
有担保住宅ローンの場合は、担保となる土地や建物に抵当権が設定されていますが、完済後は解除手続きを取る必要があります。
自動的には解除にはならず、自分で手続きしなければなりません。
ローン完済後、金融機関から抵当権抹消をするための書類が郵送されてきます。
金融機関から送付されてきた書類の中には、有効期間が示されているものもあるので、余り時間が経ってからの手続きとなると書類を再取り寄せしなければならないケースも出てきます。
また、手続きが終わる前に所有者が死亡して相続となった場合、手続きが煩雑になり、必要な書類も変わってしまうなど不都合が生じますので、早めに手続きを取るようにしましょう。
なお、抹消手続きの仕方は、自分で手続きする方法と司法書士に依頼して手続きする方法の2つがあります。
抹消手続きをするには、必要書類の記入や書類を揃えて法務局へ出向かなければなりません。
難しい法律用語なども出てくるので慣れないと不備も出やすく、自分で手続きするのはかなり労力が要ります。
その点、登記のプロである司法書士に依頼すると、確実に手続きをしてくれます。
費用は登録免許税を含めて約2~3万円です。専門的な手続きになりますので司法書士に依頼することをおすすめします。
親の土地に建物を建てる場合も担保はあった方がいい
家を建てる場合、親の持っている土地に建てるケースもあると思われますが、このときも担保はあった方が良いのは言うまでもありません。
また、親は身内であるため、他人の土地に建てるのとは違い、親の持つ土地へ担保設定したり、親に連帯保証人になってもらうなど、ローンを組むに際して、共同責任を取ってもらうような、通常とは少し違った捉え方があります。
そこで次の2つについて説明していきます。
- 親の土地での建築時にも担保は有利
- 建物のみで住宅ローンを組むことは難しい
親の土地に建物を建てようと思っている方は注意して読んでくださいね。
親の土地での建築時にも担保は有利
親の土地に建てる場合は、建物だけでなく、親の土地も担保に入れた方が審査が有利に進みます。
下記でもお伝えしていますが、購入物件である建物だけでは万一返済ができなくなったときのリスクが大きく、ローン返済額を補うには不十分だからです。
その点、土地を担保にするととの価値がプラスされるので、リスク回避につながります。
結果として、ローン審査がしやすくなります。
なお、仮に親の土地がほかの事の担保として利用されているときは、今回の住宅ローンの担保にはできず審査が通りにくくなりますので、ローンは組みにくいと考えてよいでしょう。
建物のみで住宅ローンを組むことは難しい
親が持っている土地に住居を建てるとき、建物のみでのローンを組むのは難しいです。
土地がすでにあって建物のみを建てる場合であっても、融資対象である建物だけに抵当権が設定されるのではなく、土地と建物両方に抵当権が設定されるケースが多いです。
金融機関側としては、建物だけでなく土地も担保に入っていれば、万一のときに建物と土地を競売に掛けることができるので、リスクが軽減されるからです。
このケースの場合、親に連帯保証人になってもらうように依頼する金融機関もあります。
そうなると、家を建てる場合、補償の責任が親にも行くわけですから、親の土地に家を建てるときには十分に親と相談する必要があります。
また、親の土地を巡って兄弟姉妹との相続のトラブルに巻き込まれないよう、事前に親族にも話しておくことが大切になります。
まとめ:住宅ローンの担保に関する相談はマネーキャリアへ!
今回の記事では、有担保と無担保の住宅ローンについてお伝えしました。
無担保でも借りられますが、担保あり・なしのそれぞれの特徴やメリットデメリットがおわかりいただけたかと思います。
しかし、住宅ローンは一生に一度のことですし、ケースバイケースで内容などが難しくて、一度読んだだけではわかりづらいこともあると思われます。
マネーキャリアなら、住宅ローンに関するお悩みをお金のプロであるFPが親切、丁寧に教えてくれます。
わざわざ訪問しなくても、ネットでお気軽に相談ができるのも魅力です。
住宅ローンを組みたいけれど、担保はどうしたらよいかなど、気になることがありましたらぜひご相談くださいね!
大切なマイホームを気持ちよくスムーズに建てる手助けができることを願っております。