更新日:2022/06/06
住宅ローン本審査を複数申し込むデメリットとは?期間や行数まで解説
確実に住宅ローンの本審査を通過するために複数の金融機関に審査を申し込む方法があります。本審査を複数申し込むメリットやデメリット、何行に申し込むべきかなどについて解説します。住宅ローン本審査の内容や期間などの基礎知識や、本審査に落ちる原因や対策なども解説します。
- 住宅ローンの本審査を確実に通過したい人
- 住宅ローンの本審査を複数申し込むべきか悩んでいる人
- 審査期間や審査内容など住宅ローン本審査に関する知識を得たい人
- 本審査に落ちる原因や万一落ちてしまった場合の対策を知りたい人
内容をまとめると
- 住宅ローンの本審査を確実に通過したいなら複数申し込みがおすすめ
- 複数申し込みにはデメリットは少なくメリットは多い
- 仮に本審査に落ちても対策することは可能
- 住宅ローンに関する悩みはマネーキャリアでFPに無料で相談できる
- マネーキャリアはスマホ一つで相談できて便利
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 住宅ローンの本審査の概要
- 住宅ローンの本審査に複数申し込むデメリット2つ
- デメリット①:マイホーム購入自体をキャンセルすると手付金は返却されない
- デメリット②:本審査における印象が悪くなってしまうリスクがある
- 住宅ローンの本審査に複数申し込むメリット4つ
- メリット①:スケジュールのズレが小さくなる
- メリット②:本審査通過後にキャンセルも可能
- メリット③:本審査をやり直す手間を少なくできる
- メリット④:本審査申し込みまでの時間ロスを防げる
- 住宅ローンの本審査は複数申し込みして問題ない
- 本審査の複数申し込みは3〜4行がおすすめ
- 本審査の複数申し込みをさせる不動産会社もある
- 住宅ローンの借り換えも複数申し込み可能
- 本審査の期間は1〜3週間
- 本審査の審査内容は6種類
- 種類①:年齢
- 種類②:年収
- 種類③:勤続年数
- 種類④:健康状態
- 種類⑤:連帯保証
- 種類⑥:返済負担率
- 本審査に必要な書類は4種類
- 種類①:住民票
- 種類②:本人確認の資料
- 種類③:収入を証明する資料
- 種類④:物件についての確認資料
- 事前審査と本審査の違い
- 住宅ローンの本審査に複数通過した後の行動2ステップ
- ステップ①:自分に合うプランを選ぶ
- ステップ②:住宅ローンと抵当権設定を契約する
- 住宅ローンの本審査に落ちる5つの原因
- 原因①:事前審査と申告内容が違う
- 原因②:新たにローンを組んでしまう
- 原因③:書類の記載内容に誤りがある
- 原因④:審査通過前に退職・転職をする
- 原因⑤:健康状態の都合で団信に加入できない
- 住宅ローンの本審査に落ちた時の対策2つ
- 対策①:借入金額を少なくする
- 対策②:フラット35・ワイド団信を検討する
- 住宅ローンで不安なことはマネーキャリアで相談
目次
住宅ローンの本審査の概要
住宅ローンの契約をするまでに2度の関門があります。事前審査と本審査です。
事前審査は申込者の返済能力を主な審査対象とする暫定的な審査です。審査項目も少なく短時間で結果がでます。ただし事前審査をパスしただけでは大きな意味はありません。本審査を通過してはじめて住宅ローンの契約が可能になります。
一方、本審査の審査項目は多岐に渡ります。住宅ローンを契約する際には抵当権を設定したり団体信用生命保険へ加入したりする必要があるため、物件の担保価値や申込者の健康状態なども審査されます。これらは基本的に事前審査には無い審査項目で、ローン返済が確実に行われるかどうか、より多角的に判断されると言えます。
慎重に審査が行われると聞くと本審査は厳しい結果が出やすいと思われるかもしれませんが、事前審査で返済能力があることは一応確認されているので、実際には多くの場合は問題なく通過できます。しかし本審査は、事前審査とは違った角度からも融資可能か否かが判断されますから、本審査になって落ちる可能性も決してゼロではありません。
住宅ローンの本審査に複数申し込むデメリット2つ
結論から申し上げると、住宅ローンの本審査は、複数申し込むメリットが大きいです。基本的には3~4行に複数申し込むことをおすすめします。
もっともデメリットも無いわけではありません。複数に申し込むことに躊躇している方の中にはデメリットが気になるという方も多いと思われますので、先にデメリットについて解説します。
- 購入自体をキャンセルすると手付金が返却されない
- 本審査を受ける際の印象が悪くなる
の2点があります。
デメリット①:マイホーム購入自体をキャンセルすると手付金は返却されない
マイホームを購入する際には、住宅価格の5~10%程度の手付金を支払うのが一般的です。売買契約が成立すると、手付金は売買代金の一部になります。
問題は売買契約が成立しなかった場合です。この場合、通常手付金は戻ってきません。手付金には、それを放棄すれば契約を解除できるという性質があり、マイホーム購入をキャンセルすることには、手付金を諦める代わりに契約をなかったことにするという意味があるのです。
もっともこの点は実は本審査を1行だけ申し込んだ場合も同じですから、複数申し込みの際に限られません。
ただ条件が良い第1希望の銀行の本審査に落ちて、本当はお金を借りたくないと思っている金融機関の本審査にしか通らなかった場合でも、マイホーム購入自体をキャンセルすると手付金が戻ってこないことには注意すべきです。
複数申し込みが可能だとは言っても、軽い気持ちで適当な金融機関にいくつも申し込むと、このようなデメリットが生じる可能性があります。
デメリット②:本審査における印象が悪くなってしまうリスクがある
もう一つのデメリットは、審査の際に与える負の印象です。あまり沢山の金融機関に住宅ローン審査を申し込んでいると、良くない印象を与える可能性があります。
住宅ローンの審査を申し込むと、各金融機関は個人情報信用機関に個人信用情報の照会を行います。このとき機関には記録が残ります。残った照会記録の多さから何度も審査を申し込んでいることが分かり、何度も審査に落ちているのではないかと返済能力に関して懐疑的に見れられてしまう可能性があるのです。
なお照会がなされた記録の情報は、照会から6ヶ月間提供され、1年後には削除されます。
このように本審査を複数申し込みことにはデメリットもあります。ただ少し気を付ければ避けることができるもので、デメリットとして大きなものではありません。
上の解説でも住宅ローンに関する不安が拭えないときは、マネーキャリアを使うことも考えてみてください。スマホを使ってFP(ファイナンシャルプランナー)に手軽に相談できて、相談料は無料です。
住宅ローンの本審査に複数申し込むメリット4つ
デメリットの次はメリットについて解説します。本審査を複数申し込むことには、デメリットよりメリットの方が多いです。
具体的には
- 本審査に落ちてもスケジュールのズレを小さくできる
- 本審査を通過した後でもローン契約はキャンセル可能
- 最初から準備をやり直すより手間が省ける
- 1社に絞ることによる時間のロスを避けられる
というような点がメリットとして挙げられます。
メリット①:スケジュールのズレが小さくなる
複数の金融機関の本審査に申し込んでおけば、仮に1行の審査で期待通りの結果が出なかったとしても、他の金融機関で審査に通過できる可能性が高いです。申し込んだ内のどこかの審査に通過できれば住宅ローンは組めますから、マイホーム計画のスケジュールには影響しません。
そもそも事前審査を通過している場合には、本審査も通過できる可能性はかなり高いです。本審査で落ちるのは数パーセントといわれています。複数に申し込んで、そのすべてに落ちるというのはかなりのレアケースなので、複数申し込みをしておけばスケジュールのズレは最小限に留めることができるのです。
メリット②:本審査通過後にキャンセルも可能
本審査に通過したとしても、それは住宅ローンの契約が可能になったことを意味するだけです。つまり本審査通過だけでは、契約が成立したことにはなりません。本審査通過後であっても自由にキャンセルできます。住宅ローンの契約は後日正式に結びます。
複数審査を通過できた場合は、自分にとって条件が良い金融機関を選びます。それ以外はお断りすることになりますが、何ら問題ありません。
住宅ローンは契約する当人にとっては極めて重大な契約ですから、本審査まで申し込んでおいてキャンセルすることに申し訳なさを覚える人もいるかもしれません。しかし金融機関にとっては本審査も日常業務の一つに過ぎません。気遣いは無用です。
メリット③:本審査をやり直す手間を少なくできる
本審査を申し込む際には、準備しなければならない書類が色々あります。複数の金融機関に提出する書類を一度に揃えれば、何度も準備する場合よりも手間が省けます。
準備する書類の中には役所で発行してもらう必要があるものもあり、市役所であったり税務署であったりというように複数の役所を行き来して集める必要があります。審査に落ちた場合に本審査申し込みからやり直すのは面倒です。
ただでさえマイホーム購入の時期には、決めなければいけないことや必要な事務手続きも色々あり時間が足りません。省ける手間は省くべきでしょう。
メリット④:本審査申し込みまでの時間ロスを防げる
本審査申し込みを1つの金融機関に絞ると時間のロスが生じる場合があります。1つしか申し込まないということは、申し込み先を厳選することになり、決定までに時間がかかるからです。あまり多くの金融機関に申し込むのはおすすめできませんが、3~4行程度なら時間をかけて迷わずに、複数申し込みをすれば時間のロスが防げます。
例えばA銀行とB銀行で迷っている場合、もしA銀行の審査で落ちてしまえば、B銀行との選択に迷った時間は無駄な時間だったことになります。
申し込み先の選択に迷うくらいなら、複数申し込みをして審査に通過した後で比較検討すれば時間のロスをなくせます。
住宅ローンの本審査は複数申し込みして問題ない
複数申し込みのメリットとデメリットを解説しました。メリットは多く、デメリットは少ないことがお分かりいただけたのではないかと思います。
もっとも本審査を通過できる確信がある場合にまで複数申し込みをする必要はありません。審査内容などについても、この後解説しますので、それらを踏まえて本審査に落ちる可能性がほとんどないと判断できるなら、1行だけの申込みに絞ってもいいでしょう。
本審査の内容などの解説の前に、複数申し込みについて以下の点を補足します。
- 複数申し込みをするのは3~4行がおすすめ
- 複数申し込みを後押しする不動産会社も
- 住宅ローンの借り換えの際も複数申し込みが可能
本審査の複数申し込みは3〜4行がおすすめ
複数申し込みをする場合でも、3~4行までにすることをおすすめします。あまり申し込みの数を増やすべきではない理由は以下の通りです。
あまり沢山の金融機関に申し込みをすると印象がよくありません。この点は、複数申し込みのデメリットとしてご説明しました。また申し込みをやり直すよりも手間がかからないとはいえ、沢山申し込むと証明書の類を何枚も用意することになりますし、用紙に記入するのも大変です。
万一審査に落ちてしまった場合に備えつつ、余計な手間がかかり過ぎないようにバランスを取るという観点からは、3~4行が丁度いいといえます。
本審査の複数申し込みをさせる不動産会社もある
複数申し込みを不動産会社から勧められるケースもあります。不動産会社は顧客に住宅ローンを組んでもらう必要がありますから、より確実性を高めるために複数申し込みを勧めるのです。
また本審査は主に保証会社が行うので、1つの銀行で保証会社が異なる住宅ローンを複数扱っている場合、銀行に複数申し込みを勧められる場合もあります。
なお事前審査に関しては、1度に複数の審査に一括申し込みができるサイトもあります。住宅本舗の複数審査申し込みがその例です。審査できる金融機関は限られますが、便利なサイトです。
住宅ローンの借り換えも複数申し込み可能
新規で住宅ローンを申し込む場合だけでなく、住宅ローンを借り換える場合も複数申し込みが可能です。
住宅ローンの借り換えというのは、現在借りている金融機関とは別の金融機関で住宅ローンを組んで、現在借りている住宅ローンは一括返済することをいいます。金利の低いローンに借り換えることで返済負担を下げられる場合があるため利用される仕組みです。
借り換えにあたっては、改めて審査が行われます。借り換えをする時には購入した物件は中古になっていて価値が下がっている場合が多いです。また資産状況などに変動がある場合もあり、新規申し込みの際に審査を通過できた人でも、借り換えの際は落ちてしまう可能性もあります。
借り換えの際は、新規申し込みの場合以上に複数申し込みによって審査通過の可能性を高める必要性が高いといえます。
このように住宅ローンは新規申し込みと借り換えの際で融資の可否が変わる可能性があります。住宅ローンの仕組みは複雑なので、なかなか自分一人で考えていても疑問点を解消できない場合もあるでしょう。
住宅ローンについて疑問点が生じたら、スマホを使ってFPに無料で相談できるマネーキャリアを利用することも検討してください。
本審査の期間は1〜3週間
ここからは住宅ローンの本審査について解説します。
審査期間は、1週間から10日程度の場合が多く、長ければ3週間程度かかります。事前審査は早ければ即日や翌日に結果が出る金融機関もあり、長くても1週間程度です。本審査は審査項目も増え慎重に審査が行われるため時間がかかるのです。
審査に時間がかかると不安になりますが、少なくとも短期間で却下されるよりは望みが持てる状態なので、焦らずに待ちましょう。追加の書類提出を求められる場合もあります。
申し込みの際に審査期間の目安を確認しておくことをおすすめします。
本審査の審査内容は6種類
次に本審査の審査内容について解説します。
審査項目は金融機関によっても異なりますが、多くの金融機関に共通する項目として以下の6種類があります。
- 年齢
- 年収
- 勤続年数
- 健康状態
- 連帯保証
- 返済負担率
上記以外には、カードローンなどの債務状況、返済履歴も確認されますし、購入する住宅には抵当権が設定されるため物件の担保価値も評価されます。
種類①:年齢
年齢は重要な審査項目です。国土交通省が実施している令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査(以下、実態調査と略します)によると、金融機関のほぼ全て99.1%が審査項目にしています。
厳密に言うと、この場合の年齢は支払いが終わる時点の完済時年齢です。同調査によると具体的な年齢としては80歳未満とする金融機関が最多です。次いで75歳未満が続きます。40歳代や50歳代の人の場合、完済時の年齢との関係から長期間の借入ができなくなる怖れがあります。
なお借入時の年齢も完済時年齢とほぼ同程度の98.2%が審査していますが、成人年齢(18歳)に達していることを要求する場合が多く、審査で問題視されることは少ないです。
種類②:年収
返済能力の有無を判断するうえで、年収が重視されるのは当然と言ってもいいでしょう。実態調査では、95.7%が審査対象にしています。
もっともそれほど高額の年収が要求されているわけではなく、150万円以上とする金融機関が最多、次いで100万円以上となっています。
実際に審査される際には、他の要素も総合的に考慮されます。同じ年収であっても勤め先の企業の安定性や雇用形態などが審査結果に影響します。具体的には、公務員や上場企業の正社員の場合より、契約社員や個人事業主は厳しく審査される傾向があります。
種類③:勤続年数
勤続年数を審査項目にしている金融機関は、95.7%です。長期間にわたってローンを返済することになる住宅ローンでは、安定した支払能力が維持され続けることが重要で、勤続年数はその指標になるからです。
勤続年数は1年以上とする金融機関が最多、次いで3年以上です。それほど長期間でなくても大丈夫ですから、勤続年数の点で審査通過が難しい人は、数年待てば審査を通過できる可能性が高くなります。
種類④:健康状態
健康状態を審査項目とする金融機関は98.2%にもなります。完済時年齢に次いで審査項目にしている金融機関が多い項目ということになります。
健康状態が重視されるのは、団信(団体信用生命保険)への加入を住宅ローン契約の必須条件にしている金融機関が多いためです。
団信の加入に関しての詳細は、本記事の最後の方の「本審査に落ちる5つの原因」のところで解説していますので、そちらを参考にしてください。
種類⑤:連帯保証
連帯保証も95.1%の金融機関が審査項目としています。連帯保証というと連帯保証人のことを想起される方もいらっしゃるかもしれませんが、住宅ローンを組む際には連帯保証人は要求されないことが多いです。
その代わりに保証会社に保証料を支払って保証契約を結びます。実態調査でも系列の保証会社あるいは外部の保証会社との保証契約を要求する金融機関が大半です。
例外的に連帯保証人が必要になるケースとしては、夫婦で収入を合算して契約する場合があります。収入合算契約では、夫婦の一方が債務者となり、もう一方が連帯保証人になる場合があるからです。また夫婦がそれぞれ債務者になり、それぞれが相手の連帯保証人になるペアローンという契約もあります。
種類⑥:返済負担率
返済負担率は、年収に占めるローン返済額の割合です。ローンの返済額には、契約しようしている住宅ローンの返済額だけでなく、自動車ローンやカードローンなどがすべて合算されます。92.1%の金融機関で審査項目とされています。
実態調査では、返済負担率の上限は45%以内とする金融機関が最も多いのですが、35%や45%とする金融機関も多いです。概ね35~45%と考えればいいでしょう。
ただ契約条件としては上限35~45%であったとしても、実際に返済を続けていく際のことを考えると35~45%というのは厳しい数字です。それぞれの家庭によって事情が異なるので一概には言えませんが、無理なく返済できるのは返済負担率25%までといわれることが多いです。住宅ローンを組む際には、無理なく返済できる範囲に収まっているかを必ず確認するようにしてください。
具体的に家計の状況から無理のない返済額がどのくらいか自分では判断が難しいときや、専門家の助言が欲しいときもあると思います。そんなときは、FPに無料で相談できるマネーキャリアの利用も検討してみてください。
本審査に必要な書類は4種類
本審査では様々な書類の提出を要求されます。ここでは主な審査書類4種類について解説します。
- 住民票
- 本人確認の資料
- 収入を証明する資料
- 物件についての確認資料
審査書類はこの4種類で全てではありません。金融機関によっても異なります。契約者の事情によって必要になる書類もあります。
実際に住宅ローンの審査を申し込む際には、必ず本審査を申し込む金融機関で確認をして、疑問点があれば問い合わせるようにしてください。
種類①:住民票
住民票は本人確認資料の一つでもあります。
注意点として本人のみが記載された住民票ではなく、家族全員と続柄の記載がある住民票である必要がある場合があります。金融機関によっても異なるので、審査申し込みの際に確認してください。外国籍の方の場合は、在留資格の記載も必要になります。
種類②:本人確認の資料
本人確認資料としては、運転免許証またはパスポートが必要になります。有効期限内のものであることが条件です。パスポートに関しては、身分事項ページや現住所記載ページなど必要なページも指定されていますので、よく確認してください。
本人確認資料として健康保険証も必要になる金融機関もあります。
種類③:収入を証明する資料
種類④:物件についての確認資料
購入する物件に関する資料も提出します。物件についての資料は、購入する物件が一戸建てかマンションか、建売住宅か注文住宅かなどによって変わる場合があります。
様々な書類が必要になりますが、代表的なものとしては不動産売買契約書、重要事項説明書があります。全ページの提出が必要です。
通常住宅ローンの本審査を申し込む際には、仮に審査を通過できなかったら売買契約を解除できるとするローン特約条項を付けた上で契約を済ませておきます。売買契約が済んでいない段階で住宅ローンを申し込む場合は、物件の販売価格や間取りなどが記載された不動産広告チラシやパンフレットなどを提出します。この場合、売買契約書を後日提出します。
注文住宅の場合は、工事請負契約書を提出します。他にも登記事項証明書や建築確認済証などが必要になる場合があるので、詳細は申し込みを行う金融機関に確認してください。
事前審査と本審査の違い
事前審査と本審査の違いについて概要をまとめると以下のようになります。
1.審査目的が違う
事前審査は申込者の返済能力を中心に審査して、融資できる可能性が高いか否かを判断します。そして本審査では可能性のレベルを超えて実際に融資できるか否かを判断します。
2.審査主体が違う
事前審査は金融機関が行いますが、本審査は保証会社が主な主体となって行う場合が多いです。
3.審査項目の数、提出書類の数が違う
審査項目、提出書類ともに本審査の方が多いです。例えば物件の担保価値を把握するための物件についての確認資料は、本審査では要求されますが事前審査では審査対象になっていません。
4.審査期間が違う
事前審査は数日程度で結果が出る場合が多いのですが、本審査は1週間から10日、場合によっては3週間程度かかることもあります。
住宅ローンの本審査に複数通過した後の行動2ステップ
本審査の通過率は高いので、住宅ローンの本審査を複数申し込むと複数の金融機関の審査に通過する可能性が高いです。こういった場合に取るべき行動を解説します。
大きく分けて2つのステップがあります。
- 自分に合うプランを選ぶ
- 住宅ローンと抵当権設定を契約する
ステップ①:自分に合うプランを選ぶ
複数の金融機関の本審査を通過しても、実際に住宅ローンを契約するのは1行だけです。通過した中から、自分にとって一番理想に近いプランを選択しましょう。選択基準としては、借入可能額や金利、団信の保障内容などがあります。
借入可能額に関しては減額承認が問題なります。申し込みした金額よりも少額でローン契約が承認された場合をいいます。住宅ローンの契約自体は可能ですが、他に自己資金を用意する必要が出てきます。
金利には、固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型の3タイプがあります。金利タイプを選択し適応金利を比較して有利なものを選択します。
団信の保障内容は金融機関によって差があります。保障内容を充実させると金利が若干上乗せされる場合もありますから、保証内容と金利のバランスを考えて、自分に最適なものを選択しましょう。
住宅ローンの選択に迷ったら、FPに無料で相談できるマネーキャリアを利用してみることをおすすめします。
ステップ②:住宅ローンと抵当権設定を契約する
どの金融機関と契約するかが決まったら、住宅ローンの契約をします。住宅ローンを契約する際には、抵当権の設定も行うのが通常です。法律的には2つは別個の契約で、金銭消費貸借契約と抵当権設定契約をそれぞれ結ぶ形になります。保証会社との保証委託契約も締結します。
住宅ローンで借りたお金は指定日に振り込まれます。住宅の引き渡し日に融資が実行されるのが通常です。同日に登記手続も行いますが、登記手続自体は司法書士が行うことが多いです。
住宅ローンの本審査に落ちる5つの原因
本審査に複数申し込んだ場合、そのすべてに落ちる可能性は高くありません。しかし可能性はゼロではありません。1行しか申し込まない場合はなおさらです。
住宅ローンの本審査に落ちてしまう原因としては以下の5つが主に考えられます。
- 事前審査と申告内容が違う
- 新たにローンを組んでしまう
- 書類の記載内容に誤りがある
- 審査通過前に退職や転職をしている
- 健康上の都合で団信に加入できない
もし本審査に落ちてしまった場合は、いずれかに心当たりがないか考えてみてください。
原因①:事前審査と申告内容が違う
本審査は事前審査の内容に齟齬があると虚偽の申告をしていたと判断される場合があり、本審査で落ちる原因となります。申告した年収に差がある場合などが例となります。
事前審査は仮の審査ではありますが、だからといって適当な申告をすると本審査に影響します。年収がはっきり分からないというような場合は、納税証明書などを取り寄せて正確な数字を確認してから記入するように気を付けましょう。
原因②:新たにローンを組んでしまう
新たにローンを組むのも本審査に落ちる原因となります。新しくローンを組むと年収に占める返済額の割合である返済負担率が上がります。返済負担率は住宅ローン審査における重要な審査項目ですから、それが上がれば落ちる原因となるのは当然です。
新しくローンを組めば、事前審査と本審査で申告内容が変わることにもなりますから、この点からも審査には不利に働きかねません。
例えば事前審査後に自動車ローンや教育ローンを組んだりした場合が該当します。うっかりやってしまいかねないミスですから気を付けてください。
原因③:書類の記載内容に誤りがある
書類の記載内容に不備がある場合も落ちる原因になり得ます。単なる記入ミスについては訂正すれば済む場合もありますが、審査する上で重要な項目に誤りがあれば審査に影響する可能性は否定できません。
提出書類は提出前に第三者に確認してもらうなどして、記入ミスがないようにしましょう。
原因④:審査通過前に退職・転職をする
退職したり転職したりすることも落ちる原因です。退職すれば収入に影響しますし、仮に現在の職場よりも良い条件で転職できて年収が上がったとしても、審査項目の一つである勤続年数に影響します。審査では勤務先の企業の安定性なども考慮されていますから、事前審査の際の申告内容と様々な点で齟齬が出ることにもなります。
住宅購入を機に転職を考える場合もあるかもしれませんが、本審査の結果が出るまでは退職したり転職したりすることは控えてください。
原因⑤:健康状態の都合で団信に加入できない
団信に加入できないことが本審査に落ちる原因となる場合があります。団信の制度的な仕組みから順を追ってご説明します。
団信は団体信用生命保険の略で、加入していれば契約者の死亡や高度障害の場合に、保険金で住宅ローンの残債が弁済されます。ローン返済が難しくなっても、購入した住宅を手放さずに済みます。
ただし団信も生命保険の一種ですから、健康状態が条件を満たしていなければ加入できません。住宅ローンを組む際には、団信加入が条件とされている場合が多いため、加入できないことが本審査を通過できない原因となるのです。健康状態の問題で団信に加入できない場合の対策は、この後解説します。
なお一般的な団信には、死亡か高度障害の場合に代わって住宅ローンを返済する以上の保障は付いていません。病気やケガに備えるためには、疾病特約が付いた団信を契約したり、別途保障が手厚い生命保険の契約をしたりする必要があります。
住宅ローンの本審査に落ちた時の対策2つ
審査基準はそれぞれの金融機関が独自に設定しているため、本審査で落ちたからといって他の金融機関の本審査にも落ちるとは限りません。金融機関を変えて審査を申し込めば住宅ローンが組める可能性があります。
諦めずに再度申し込みを行うというのも立派な対策の一つです。ただ具体的な対策を全く施さないまま審査を申し込んで、また落ちるのは避けたいと思う人も多いでしょう。
本審査通過の可能性を高めることができる2つの対策をご紹介します。
- 借入金額を少なくする
- フラット35やワイド団信を検討する
事前審査を通過している時点で一定の評価は得ています。あと一歩のところまで来ているので、以下の対策を実行してみてください。
対策①:借入金額を少なくする
借入金額が少なくなれば、重要な審査基準の一つである返済負担率が下がります。返済負担率が40%といった高めの数値になっている場合は、返済負担率が30~35%に収まるように借入金額を減らせば審査に通過できる可能性を高められます。
可能なら返済負担率を25%まで下げられれば、無理なく返済できますし、本審査にも通りやすくなります。
また住宅の担保価値の評価が低いことが審査落ちの原因になっている場合も、借入金額を少なくすれば担保価値の範囲に収まり、審査に通りやすくなります。
借入金額を減らすためには、頭金を増やせないか再度検討したり、購入を希望する住宅のグレードを多少下げたりすることが考えられます。借入金額を少なくできないか考えてみてください。
対策②:フラット35・ワイド団信を検討する
フラット35は団信に加入しなくても組める住宅ローンで、ワイド団信は健康上の問題があっても加入しやすい特殊な団信です。
フラット35は団信加入が融資条件になっていませんから、団信に加入できないという理由だけで本審査に落ちることがありません。団信に加入しないリスクはありますが、他の生命保険に加入するなどすればカバーできます。なお団信付きのフラット35もあります。
ワイド団信は、普通の団信よりも引き受け条件が緩和された団信です。例えば糖尿病や脂質異常症などの持病があっても加入できる場合があります。ただし無条件で加入できるわけではないので、健康上の理由で加入できない場合はあります。また金利が若干上乗せされる欠点もあります。
住宅ローンで不安なことはマネーキャリアで相談
本審査を複数申し込むことのメリットやデメリットなど、住宅ローンの本審査に関係する様々な点について解説してきました。
住宅ローンは多くの人にとって、人生で最も大切な契約の一つです。何かと不安を感じることも多いと思います。不安な点については専門家に相談して力を借りましょう。
マネーキャリアでは、住宅ローンや家計などお金に関する専門家であるFPに無料で相談できます。スマホで簡単に利用できますから、不安なことは一人で悩まず、マネーキャリアで相談してください。