世帯年収別の住宅ローンの借入目安は?共働き世帯はいくら借りてる?

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住宅ローンの借入目安はいくらか知っていますか?住宅ローンの借入目安は世帯年収によって異なります。そこで、世帯年収別の借入目安や、無理のない返済額などをチェックしてみましょう。また、本記事では共働き世帯の住宅ローンの借り方なども解説します。



▼この記事を読んでほしい人
  • 世帯年収に見合った住宅ローンの借入の目安を知りたい人
  • 住宅ローンの返済額の決め方が知りたい人
  • 無理のない毎月の返済額の目安が知りたい人

内容をまとめると

  • 住宅ローンの借入目安は年収倍率・借入限度額・無理のない返済額などから考えられる
  • 借入限度額ギリギリまで借りると負担が重くなり返済が滞る可能性がある
  • 無理のない返済額は年収の20%程度
  • 共働きで住宅ローンを組む場合は、どちらか片方だけが借りる・ペアローン・収入合算などの方法がある
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平均から考える住宅ローン世帯年収別の借入目安!


住宅ローンの借入目安を考える方法として、年収倍率という指標があります。年収倍率とは、住宅購入価額が年収の何倍に当たるかを表す数値です。


住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」によると、住宅購入価額の年収倍率の平均は5.5〜7.4倍です。このデータを元に借入額の目安を、

  • 世帯年収300万円~400万円
  • 世帯年収500万円~600万円
  • 世帯年収700万円~900万円

以上の3パターンに分けて考えてみましょう。

世帯収入300万円~400万円の場合の借入目安

世帯年収300万円~400万円の場合、おおよその手取りは225万〜340万円程度です。この手取り年収に前述の年収倍率を掛けると、1200万〜2500万円程度が借入目安になります。


融資区分別の借入目安は以下のとおりです。

借入目安
土地付注文住宅1665万〜2516万円
マンション1575万〜2380万円
建売住宅1530万〜2312万円
注文住宅1508万〜2278万円
中古マンション1305万〜1972万円
中古建売1238万〜1870万円
世帯年収300万円~400万円の二人以上世帯の場合、生活費や教育費などで生活にあまり余裕がない人も少なくないのではないでしょうか。年収倍率が増えるほど返済負担が重くなるため、住宅ローンを組む場合は無理のない範囲で借入額を設定することが大切です。

年収倍率は地域によっても差があります。例えば新築マンションの場合、首都圏が7.5倍に対して東海圏は6.5倍です。そのため、年収倍率による借入目安はあくまでひとつの指標として、安定して返せる金額を慎重に判断しましょう。

世帯収入500万円~600万円の場合の借入目安

世帯年収500万円~600万円の場合、おおよその手取りは375万〜510万円程度です。この手取り年収に前述の年収倍率を掛けると、2000万〜3300万円程度が借入目安になります。


融資区分別の借入目安は以下のとおりです。

借入目安
土地付注文住宅2775万〜3774万円
マンション2625万〜3570万円
建売住宅2550万〜3468万円
注文住宅2513万〜3417万円
中古マンション2175万〜2958万円
中古建売2063万〜2805万円
世帯年収300万円~400万円と比べると借入目安が1000万円近く上がるため、購入できる物件の幅が広くなります。ただし、無闇に高額な物件を購入することは危険です。

借入額を決める際は、現在の収支だけでなく将来の収支も想定する必要があります。将来的に病気やケガで働けなくなり収入が減ったり、親の介護などで支出が増えたりする可能性はゼロではありません。

万が一住宅ローンの返済期間中にこのような事態に陥ると、住宅ローンの返済が滞る恐れがあります。そのため、現在と家計状況が変わっても安定して返済していけるような、余裕を持った資金計画を組むことが大切です。

世帯収入700万円~900万円の場合の借入目安

世帯年収700万円~900万円の場合、おおよその手取りは525万〜765万円程度です。この手取り年収に前述の年収倍率を掛けると、2800万〜5600万円程度が借入目安になります。


融資区分別の借入目安は以下のとおりです。

借入目安
土地付注文住宅3665万〜5661万円
マンション3675万〜5355万円
建売住宅3570万〜5202万円
注文住宅3518万〜5126万円
中古マンション3045万〜4437万円
中古建売2888万〜4208万円
世帯年収700万円~900万円は比較的高所得な部類に入るため、借入目安も高くなります。しかし、住宅ローンを契約する際は事務手数料などの諸費用がかかる点を忘れてはいけません。

事務手数料の金額は「借入金額×2.2%」などに設定されていることが多く、その他の費用も含めると数十万〜数百万円になる可能性があります。諸費用も考慮して借入額を設定しないと、高額な諸費用が家計を圧迫することになるかもしれません。そのため、借入額を決める際は必ず諸費用を考慮しましょう。

借入限度額から考える住宅ローン世帯年収別の借入目安!


住宅ローンは希望する金額を借りられるわけではありません。職業や年収など様々な要素から借入限度額が決められています。原則として限度額を超える借り入れはできません。


そんな借入限度額の目安は、以下の式で計算可能です。

年間返済可能額(年収×返済負担率)÷12カ月÷審査金利での100万円あたりの返済月額×1,000,000円

そこで本章では上記の式をもとに、

  • 世帯年収300万円~400万円
  • 世帯年収500万円~600万円
  • 世帯年収700万円~900万円

上記それぞれの借入限度額から借入目安を解説します。


なお、本章での計算は

  • 年収:手取りで算出(額面の75%程度)
  • 返済負担率:25%
  • 審査金利:3%
  • 返済期間:35年
  • 審査金利での100万円あたりの返済月額:3,848円

以上の条件で算出しています。

世帯収入300万円~400万円の場合の借入目安

世帯年収300万円~400万円の借入限度額は以下のとおりです。
借入限度額
世帯年収300万円約1210万円
世帯年収400万円約1620万円

借入限度額は返済負担率や審査金利、返済期間などによって前後します。世帯年収300万円~400万円は返済負担率30%程度までなら借入可能と言われているため、上記の金額は多少余裕を持った借入額です。


しかし、返済負担率30%ギリギリで借り入れを行うのは非常に危険です。世帯年収300万円~400万円は家計に余裕がないことも少なくないため、住宅ローンが家計を圧迫して経済的に破綻する可能性があります。


また、住宅を購入すると毎月の返済の他に、

  • 修繕費
  • 固定資産税
  • 管理費

など様々なお金がかかります。このような支出で家計を圧迫するのはもちろん、将来的に収入が減ったり支出が増えたりするリスクもゼロではありません。そのため、返済負担率は20〜25%くらいで設定し、余裕を持って借入額を設定しましょう。

世帯収入500万円~600万円の場合の借入目安

世帯年収500万円~600万円の借入限度額は以下のとおりです。
借入限度額
世帯年収500万円約2030万円
世帯年収600万円約2430万円

世帯年収500万円~600万円は夫婦二人世帯であれば、多少返済負担率を上げても余裕を持って生活できるかもしれません。しかし、子供が生まれて家族が増えれば、その分生活費や教育費などがかかります。そのため、限度額ギリギリまで借り入れを行うと、将来的に生活が困窮する可能性が高いです。


例えば、文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、子供が幼稚園から大学まで私立に通った場合、2000万円以上の教育費がかかるとされています。借入額を限度額ギリギリに設定してしまうと、このような高額な教育費に備えるのは困難です。また、将来必要な老後資金の準備もできなくなる可能性があります。


そのため、借入額を決める際はライフステージごとにかかるお金を考慮し、余裕のある金額に設定してください。

世帯収入700万円~900万円の場合の借入目安

世帯年収700万円~900万円の借入限度額は以下のとおりです。
借入限度額
世帯年収700万円約2840万円
世帯年収800万円約3240万円
世帯年収900万円約3650万円

世帯年収700万円~900万円は一般的に高所得世帯に分類されるため、借入限度額も高めに設定されます。また、フラット35の場合は返済負担率35%までなら借入可能です。返済負担率35%で計算すると、年収900万円の場合は返済額が月19万円程度になります。


しかし、高所得世帯であっても限度額ギリギリの借り入れは危険です。総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」を元に家計状況をシミュレーションした場合、住宅ローンを月19万円で設定すると手元にお金はほとんど残りません。


手元にお金が残らないと十分な貯蓄ができず、ライフイベントごとの支出や予期せぬ出費に対応できなくなります。そのため、高所得世帯であっても限度額ギリギリの借り入れは避けましょう。

備考①:適用金利とは?

適用金利とは、実際に住宅ローンを借りる際に適用される金利です。


適用金利は以下の2つがベースとなり決められます。

概要
店頭金利金融機関が独自で設定した、いわゆる「定価」にあたる金利
優遇金利店頭金利から引き下げられる金利の幅
この店頭金利から各種優遇金利が引かれることで、適用金利が決定します。

金融機関のホームページでは店頭金利と引き下げ後の金利が提示されていますが、ホームページに書かれた金利がそのまま適用されるわけではない点には注意してください。

優遇金利には注意が必要

優遇金利は当初優遇・通期優遇の2パターンがあります。それぞれの違いは以下のとおりです。
特徴
当初優遇返済当初から一定期間だけ優遇幅が大きい
通期優遇返済当初から最後まで優遇幅が同じ
ここで特に注意が必要なのが、変動金利や選択期間型固定金利で当初優遇を利用するケースです。この場合、金利が変動する際に優遇幅が減ることで、金利が大幅に上昇する可能性があります。

例えば、優遇期間・固定期間ともに10年のケースで考えてみましょう。
  • 当初10年:店頭金利2.5%-優遇金利1.8%=適用金利0.7%
  • 11年目以降:店頭金利2.7%-優遇金利0.7%=適用金利2.0%
上記のケースでは、適用金利が0.7%から2.0%に急上昇しています。このようなリスクに適切に対処するためにも、金利タイプごとの特徴などを知ることが大切です。

備考②:審査金利とは?

審査金利とは、住宅ローンの審査で借入限度額を算出する際に用いられる金利です。


この審査金利は一般的に、金利相場よりも高めの3~4%程度で設定されます。主な理由は将来の金利上昇リスクを想定しているからです。

  • 変動金利・選択期間型固定金利を利用
  • 当初優遇を利用

などのケースでは、返済期間中に適用金利が急激に上昇する可能性があります。金利上昇により返済が困難になるのは、金融機関にとっても大きなリスクです。そのため、あえて審査金利を高くすることで借入限度額を厳しめに設定しています。


なお、審査では必ずしも審査金利を使うわけではありません。借入限度額を算出する際に用いられる金利は適用金利・審査金利2通りです。


住宅金融支援機構「2021(令和3)年度住宅ローン貸出動向調査」によると、審査金利を用いているのは37.6%でした。適用金利は35.4%のため、どちらが適用されるかは半々です。どちらを適用しているかは非公開のため、審査金利に関係なく無理なく返せる借入額で住宅ローンを組みましょう。

備考③:返済負担率とは?

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。計算方法は以下のとおりです。

年間の返済額÷年収×100

一般的には手取りに対して20%〜25%程度が適正とされています。30%を超えると負担が重いと判断され、審査も落ちる可能性が高いです。ただし、年収によっても適正値は上下するため、事前にFP(ファイナンシャルプランナー)をはじめとしたお金の専門家に相談しておきましょう。


住宅ローンを組む際は、

  • 借入額
  • 返済期間
  • 金利タイプ

など多くの決めるべきことがあります。家計やライフプランに合う適切な判断をするためにも、住宅ローンに関する専門知識は欠かせません。しかし、本やインターネットなどの情報だけでは、どれが正しくどれが本当に必要な情報なのかの判断が難しいですよね。


そのため、住宅ローンを組む際はFP相談がおすすめです。お金の専門家であるFPであれば、家計やライフプランに合った無理のない住宅ローンの組み方のアドバイスができます。


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無理なく返済できる住宅ローン金額は?世帯年収別の借入目安!


安易に借入限度額ギリギリまで借りてしまうと、家計への負担が重くなり返済が滞る可能性があります。「借りられる金額」と「返せる金額」は違います。そのため、借入額は無理のない範囲で設定することが大切です。


無理なく返済できる住宅ローンの金額は、手取り年収の20%程度とされています。そこで本章では、

  • 世帯年収300万円~400万円
  • 世帯年収500万円~600万円
  • 世帯年収700万円~900万円

上記3パターンの無理なく返せる毎月の返済額を解説します。

世帯収入300万円~400万円の場合の借入目安

世帯年収300万円~400万円で無理なく返せる毎月の返済額の目安は以下のとおりです。

返済額の目安
世帯年収300万円約37,500円/月
世帯年収400万円約50,000円/月
世帯年収300万円~400万円の家賃相場は6〜8万円程度のため、家賃相場と比較すると住居費は割安になります。そのため、もう少し返済額を上げても問題ないように思えますよね。

しかし、住宅ローンの返済額を家賃と同額に設定するのは危険です。住宅ローンを組むときは事務手数料などの諸費用として数十万〜数百万円がかかります。また、住宅の購入後も
  • 修繕費
  • リフォーム代
などのまとまった費用が発生します。返済額をギリギリに設定してしまうと、このような維持費が支払えなくなる可能性が高いです。

自宅が維持できなくなると、資産価値が下がったり設備が劣化して長期間暮らせなくなったりするリスクがあります。大切な自宅を守るためにも返済額は余裕を持って設定し、毎月コツコツと積み立てておきましょう。

世帯収入500万円~600万円の場合の借入目安

世帯年収500万円~600万円で無理なく返せる毎月の返済額の目安は以下のとおりです。
年間返済額の目安
世帯年収500万円約62,500円/月
世帯年収600万円約75,000円/月

世帯年収500万円~600万円であれば、高額な借り入れもできる可能性があります。借入額を高めにする場合は、

  • 返済期間を長くする
  • 頭金を入れる

などの方法で毎月の返済額を抑えることが可能です。ただし、基本的に返済期間は定年前に完済できるように設定しましょう。


近年「老後2000万円問題」が話題になったように、老後は年金とは別に個人で老後資金を準備することが重要です。しかし、長期ローンを組んで老後も住宅ローンの支払いが続く場合、大切な老後資金が住宅ローンの返済で消えてしまう可能性があります。


老後資金がなくなり生活が困窮したら、最悪の場合自宅を売却して手放すことになります。そのため、たとえ高額な借り入れができるとしても、無理な返済計画を立てることは避けましょう。

世帯収入700万円~900万円の場合の借入目安

世帯年収700万円~900万円で無理なく返せる毎月の返済額の目安は以下のとおりです。
返済額の目安
世帯年収700万円約87,500円/月
世帯年収800万円約100,000円/月
世帯年収900万円約112,500円/月

世帯年収700万円~900万円であれば、月10万円を超える返済額でも無理なく支払えます。しかし、以下のようなケースでは支払いが困難になる可能性があるため注意しましょう。

  • 共働きから片働きになる
  • 子供の教育費の負担が増える

共働きで世帯年収700万円~900万円の場合、どちらかが仕事を辞めたり時短勤務になったりすることで、収入が減るリスクがあります。そのため、借入額は一人の収入でも無理なく返済できる金額に設定することが理想的です。


また、文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まで私立に通った場合、約1,830万円の教育費がかかります。大学に進学するとさらに数百万円の費用がかかるため、教育費の負担が増えると住宅ローンの返済が苦しくなる可能性が高いです。


以上のように、ライフステージに応じて様々な経済的リスクがあります。現在十分な収入があるからと安易に高額な借り入れをするのではなく、ライフプランをしっかり立てた上で無理のない借入額を決めましょう。

共働き世帯におすすめ!住宅ローンの借り方3選!


共働き世帯の場合は、夫婦二人で住宅ローンを借りようと考える人も少なくありません。しかし、住宅ローンには様々な借り方があるため、どの方法を選ぶべきか迷ってしまいますよね。


そこで本章では、共働き世帯におすすめの借り方から以下の3つを紹介します。

  1. どちらか片方だけが借りる
  2. ペアローン
  3. 収入合算

それぞれの方法には、いずれもメリット・デメリットがあります。家計状況やライフプランによって合う方法が異なるため、最適な借り方を知りたい場合はぜひマネーキャリアへご相談ください。

借り方①:どちらか片方が借りる

住宅ローンの借り方の1つ目は、どちらか片方が借りることです。


どちらか片方が借りるメリットは以下のとおりです。

  • 共働きが続けば家計に余裕ができる
  • 団信に加入していれば契約者に万が一があった場合に残債がゼロになる

どちらか片方が借りる場合は、一人でも返せる程度の金額を借りることになります。もう一人の収入は住宅ローンの返済に充てる必要がないため、家計に余裕を持って生活することが可能です。


また、住宅ローンを契約する際は一般的に団体信用生命保険(団信)に加入します。団信は住宅ローンの返済中に契約者が死亡・高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残高が保障される保険です。そのため、万が一契約者が返済中に亡くなっても、団信で住宅ローンを完済してそのまま自宅で生活を続けることができます。


ただし、どちらか片方だけが借りる場合は、借入限度額が少なくなる点に注意しましょう。一人で借りる場合は、住宅ローンの金額も当然一人分の金額になります。そのため、借入限度額は二人で借りるよりも少ないです。

借り方②:ペアローンを組む

住宅ローンの借り方の2つ目は、ペアローンを組むことです。


ペアローンとは、同居親族(夫婦など)が同じ金融機関で別々に住宅ローンを組む方法です。そんなペアローンには以下のメリットがあります。

  • 借入限度額が増える
  • 住宅ローン控除が二人とも受けられる

夫婦二人で住宅ローンを組む性質上、一人で組む場合よりも借入額を増やせます。そのため、予算を増やして高額な住宅を購入することも可能です。


住宅ローン控除は契約者のみが利用できる制度のため、どちらか片方だけで組む場合はもう一人が利用できません。しかし、ペアローンの場合は二人が契約者となるため、双方が控除の対象となります。


一方、デメリットは以下のとおりです。

  • 諸費用が二人分かかる
  • 団信の保障の効果が薄い

ペアローンは事務手数料などの諸費用が二人分かかります。諸費用は一つの契約で数十万〜数百万円かかる場合があるため、家計の大きな負担になる可能性がある点に注意しましょう。


団信にも双方が加入することになりますが、どちらか片方だけで組む場合よりも団信の効果が少なくなります。例えば夫が亡くなった場合に保障されるのは夫の契約分のみです。そのため、妻の契約した住宅ローンはそのまま残ります。どちらか片方だけで組む場合と違って完済にはならない点に注意しましょう。

借り方③:収入合算をする

住宅ローンの借り方の3つ目は、収入合算を行うことです。


収入合算とは、契約者本人とその家族(配偶者・親子など)の収入を合計して住宅ローンを組む方法です。収入合算には大きく分けて以下の2タイプがあります。

特徴
連帯債務型主債務者と連帯債務者に分かれ、双方に返済義務が生じる
連帯保証型一人が債務者、もう一人が連帯保証人となり、債務者が返済できなくなった場合は連帯保証人に返済義務が生じる

そんな収入合算のメリットは以下のとおりです。
  • 借入限度額が増える
  • 連帯債務型なら二人とも住宅ローン控除が受けられる
二人の収入を合計して借入額を決めるため、一人で住宅ローンを組む場合よりも借入限度額が増えます。また、連帯債務型は二人とも債務者になるため、どちらも住宅ローン控除が利用可能です。

ただし、収入合算には以下のデメリットがあります。
  • 連帯保証人は住宅ローン控除の対象外
  • 団信の対象になるのは主債務者だけ
連帯保証型の場合、債務者はあくまで契約者のみです。そのため、連帯保証人は住宅ローン控除が利用できません。

また、一般的に団信の対象となるのは主債務者のみです。連帯債務者に万が一があっても、団信の保障は受けられず債務はそのまま残ります。ただし、商品によっては主債務者・連帯債務者の両方が加入できる団信もあるため、必要性を感じる場合は加入を検討してみましょう。

世帯年収1000万円の住宅ローンはどれくらい?


世帯年収1000万といえば、世間的に見ると高収入な部類に入ります。しかし、たとえ世帯年収が1000万円でも、住宅を購入する際は住宅ローンを利用することが一般的です。


そこで本章では、世帯年収1000万円の住宅ローンについて、

  • 借入額の目安
  • 毎月の返済額の目安

以上の2点を解説します。世帯年収が1000万円あっても無理は禁物です。適正金額を知り、無理のない範囲で住宅ローンを組みましょう。

一般的には6,000万~7,000万円が目安

世帯年収1000万円の場合の、年収倍率から見た借入額の目安は6000万~7000万円です。


住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」によると、年収倍率は6〜7倍程度とされています。年収1000万円にこれを当てはめると、

年収1000万円×年収倍率6〜7倍=6000万~7000万円

以上のように目安の借入額が算出できます。金融機関によってはより多くの金額が借りられる場合もありますが、その分返済の負担が重くなる点には注意しましょう。


なお、6000万〜7000万円であれば、一般的に高額とされているタイプの住宅の購入もできます。住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」から、融資区分別の予算相場をチェックしてみましょう。

費用
マンション4,545万円
土地付注文住宅4,397万円
注文住宅3,534万円
建売住宅3,495万円
中古マンション2,971万円
中古戸建2,480万円
以上のように、6000万~7000万円であれば様々なタイプの住宅が選択肢に入ります。ただし、高額な住宅を購入する場合はできるだけ頭金を多く入れ、毎月の負担を減らしましょう。

無理なく返せる範囲なら月13万円が目安

世帯年収1000万円の場合、無理なく返せる返済額の目安は月13万円です。


無理のない返済額を決める際は、返済負担率を一つの指針とします。返済負担率とは、手取り年収に対する返済額の割合です。一般的には20~25%程度が適正とされ、30%以上になると返済が滞るリスクが高まります。


世帯年収1000万円の手取り額を690万円と仮定し、適正な返済額を計算すると以下のとおりです。

  • 返済負担率20%:月115,000円
  • 返済負担率25%:月143,750円

上記のようになり、大体月13万円前後が適正の範囲内となります。


返済負担率は住宅ローン以外のローンも合わせて考えることが基本です。そのため、他にもローンが残っている場合は、その返済額も含めて無理のない返済額を計算しましょう。


なお、前述のように世帯年収1000万円なら高額なローンも組めますが、それに合わせて事務手数料などの諸費用も高額になる可能性がある点には注意が必要です。そのため、無理のない返済額を決めるのはもちろんのこと、それ以外にかかる諸費用についても無理がないかを検討してください。


諸費用はローンに組み込める場合もありますが、その分毎月の負担が大きくなってしまいます。可能な限り諸費用は現金で準備できるように資金計画を立てておきましょう。

まとめ:世帯年収別の借入目安の相談ならマネーキャリアへ!


世帯年収別の借入目安について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


住宅ローンには年収などに応じた借入限度額が設定されていますが、借入限度額ギリギリまで借りることは危険です。家計への負担が大きくなり返済が滞るリスクがあるため、毎月の返済額は手取りの20%程度にしましょう。


住宅ローンを組むときは将来の収支を考慮することが大切です。今は無理なく返済できても、将来的に収入が減ったり支出が増えたりすると、返済が困難になる可能性があります。


このような将来のリスクを見据えて借入額を決める場合、まずはFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。FPはお金に関する様々な知識を持つ専門家のため、家計状況やライフプランに合わせた無理のない住宅ローンの組み方のアドバイスができます。


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