更新日:2022/05/24
住宅ローンを夫のみが組むデメリットとは?妻の借金は審査対象外?
夫婦で住宅ローンを契約するときに、収入の柱である夫のみが住宅ローンを組む方も多いのではないでしょうか?本記事では、住宅ローンを夫のみが組むメリット・デメリットや、夫婦で住宅ローンを組むときにどんなことが影響するのか、審査基準や最適なプランを解説します。
- 夫のみの住宅ローンを考えている方
- 夫婦ともに住宅ローンを組むこととの違いを知りたい方
- 自分に最適な住宅ローンの組み方を探している方
内容をまとめると
- 夫のみで住宅ローンを組む場合は、安定した収入とライフプランが重要
- 共働きの夫婦であればペアローンも検討をおすすめ
- 住宅ローンの審査に影響するのは申込者の情報のみ
- 単独名義が不安な方は共有名義で申し込む方法もある
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 住宅ローンを夫のみが組む際ポイント2つ
- ポイント①:安定した収入を得ているか
- ポイント②:ライフプランを見通しているか
- 住宅ローンを夫のみが組む際のデメリット
- デメリット①:借入金額が低い
- デメリット②:住宅ローン控除対象が1人である
- 住宅ローンを夫のみが組む際のメリット
- メリット①:離婚や相続のトラブルが起こりにくい
- メリット②:収入が減っても返済を継続しやすい
- 共働きの夫婦ならペアローンの選択肢もある
- ペアローンのメリット①:借入金額が高い
- ペアローンのメリット②:住宅ローン控除を2人分受けられる
- ペアローンのデメリット①:諸費用が高い
- ペアローンのデメリット②:妻(夫)の退職が難しくなる
- 妻の借金は住宅ローンの審査に影響するのか
- 夫に影響がなければ審査は通る
- 住宅ローンの妻名義は審査に不利である
- 住宅ローンに関わる3つの審査基準
- 審査基準①:収入
- 審査基準②:借入金額
- 審査基準③:個人信用情報
- 単独名義が不安な方は共有名義2種類を検討しよう
- 共有名義①:連帯保証型
- 共有名義②:連帯債務型
- 共有名義の注意点2つ
- 注意点①:贈与税が発生する
- 注意点②:マイホームの売却が難しい
- まとめ:住宅ローンを夫のみが組むことについての疑問や不安はマネーキャリアへ!
目次
住宅ローンを夫のみが組む際ポイント2つ
夫婦でマイホームを考えていると、住宅ローンをどう組めばいいかに悩みませんか?
特に、収入が夫のみであったり妻の収入が少ない夫婦であると、住宅ローンの契約も夫のみが行うことが多いです。
住宅ローンを夫のみが組む際のポイントは、以下の2つです。
- 安定した収入を得ているか
- ライフプランを見通しているか
夫のみが住宅ローンを組むのであれば、必ず知っておくべきポイントですので、ぜひ参考にしてください。
ポイント①:安定した収入を得ているか
1つ目のポイントは、安定した収入を得ているかです。
夫のみが住宅ローンを組む場合、夫に安定した収入があることが望ましいです。
理由としては、以下の2点に関わります。
- ローン審査
- 借入金額
- 返済への影響
ポイント②:ライフプランを見通しているか
2つ目のポイントは、ライフプランを見通しているかです。
夫婦でのマイホームの購入はライフプランの中でも大きなライフイベントです。
しかし、夫婦でのライフプランには他にも、
- 妊娠
- 出産
- 子育て
- 転勤
- 車の購入
といったたくさんのライフイベントを控えている方も多いのではないでしょうか。
現時点で住宅ローンを支払う余裕があっても、ライフイベントによって今後のライフプランが変化することも考えられます。
その際に現在の収入のままでいられるかどうかはわかりません。
ライフプランの変化によって収入に影響が出たり、ライフイベントに資金がかかって住宅ローンを払えなかったりしないか、事前に計画を立てておくことが望ましいです。
住宅ローンを夫のみが組む際のデメリット
では、夫のみが住宅ローンを契約するとして、どんなデメリットがあるのでしょうか。
住宅ローンを夫のみが組む(単独ローン)のデメリットは以下の2つです。
- 借入金額が低い
- 住宅ローン控除対象が1人である
デメリット①:借入金額が低い
1つ目のデメリットは、借入金額が低いことです。
夫のみの単独名義であると、住宅ローン契約時に借りることのできる金額の基準は夫のみの収入になります。
そのため、夫と妻の両者がローンに関わる共有名義よりも借り入れることのできる金額が低くなるというデメリットがあります。
借り入れることのできる金額が低いと、夫婦で購入を考えている物件の金額に手が届かないということもあり、マイホームの選択を妥協しなければならない可能性もあります。
夫に多くの収入がある場合であれば問題ないですが、それでも2人で契約するときよりは借入金額が少ない可能性があることも知っておきましょう。
デメリット②:住宅ローン控除対象が1人である
2つ目のデメリットは、住宅ローン控除対象が1人であることです。
住宅ローンを契約すると、住宅ローン控除という税金対策を行うことができます。住宅ローン控除とは、今後支払う住宅ローンの支払金額分、所得税と住民税が非課税になるという控除です。
夫婦でローンを組んでいる方であれば、それぞれがこの控除を受けることができますが、夫のみの契約である場合は契約者1人しか対象になりません。
妻にも収入がある夫婦であればこの控除はありがたいものであると思います。
夫のみの契約であると控除は夫しか受けられず、節税効果は低いものになってしまうということを覚えておいてください。
住宅ローンを夫のみが組む際のメリット
続いて、夫のみが住宅ローンを契約するとして、どんなメリットがあるのでしょうか。
住宅ローンを夫のみが組む(単独ローン)のメリットは以下の2つです。
- 離婚や相続のトラブルが起こりにくい
- 収入が減っても返済を継続しやすい
メリット①:離婚や相続のトラブルが起こりにくい
1つ目のメリットは、離婚や相続のトラブルが起こりにくいことです。
住宅ローンは複数人の契約であると申請や仕組みが複雑になってしまいます。
その点、夫のみの契約であればシンプルな仕組みとなっており、離婚や相続の際でも物件の所有権が明確です。
夫のみの契約であれば離婚した際のマイホームの所有権は夫となり、相続についても夫から相続相手に移すだけで済みます。
物件は資産性があり離婚や相続の際にトラブルになることも多いので、その所有権を明確化しておくことは重要です。
夫婦で離婚後について話し合うのは難しいと思いますが、最悪のケースを想定するのであれば単独ローンは安心です。
メリット②:収入が減っても返済を継続しやすい
2つ目のメリットは、収入が減っても返済を継続しやすいことです。
先ほどライフプランを見通しているかがポイントであると解説しましたが、夫のみの単独ローンは比較的収入が減っても返済を継続しやすいものになります。
理由としては、住宅ローンを契約後どちらかが仕事をやめたり収入が減ったりすることによる影響は、共有名義の方が大きいためです。
単独ローンよりも多くの金額を借りていることで返済金額も大きいにもかかわらず、ライフプランの変化によって収入が減ると経済的負担は大きくなります。
住宅ローンの返済金の割合は夫婦の支出の中でも大きいものであると考えられるため、そもそも借りられる金額が共有名義よりも低い単独名義であれば返済しやすいです。
共働きの夫婦ならペアローンの選択肢もある
ここまで夫のみが契約する住宅ローンについて紹介しましたが、現在は共働きの夫婦も増加しています。
夫婦どちらも安定した収入があるのであれば、ペアローンを契約するという選択肢もあるのです。
ペアローンを契約するメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット①:借入金額が高い
- メリット②:住宅ローン控除を2人分受けられる
- デメリット①:諸費用はが高い
- デメリット②:妻(夫)の退職が難しくなる
ペアローンは夫婦それぞれが別々のローンを1本ずつ契約する方法です。
安定した収入のある共働きの夫婦であれば、夫のみで住宅ローンを契約するときのデメリットを解消することができます。
以下でメリット・デメリット合わせて詳しく解説します。
ペアローンのメリット①:借入金額が高い
ペアローンのメリット1つ目は、借入金額が高いことです。
ペアローンは夫と妻が別々のローンを1本ずつ契約するものになります。
2つのローンを契約するため、夫のみが1つのローンを契約するよりも多くの資金を借りることが可能となります。
例えば、夫と妻の両方が年収500万円であれば、夫のみの契約に比べておよそ2倍の金額を借りることができるということです。
これは夫と妻の両方が安定した収入があることが前提で、両者が別々で審査に通る必要があります。
しかし、マイホームの購入費に夫だけのローンでは資金不足であったり、妻側も安定した収入に期待できる夫婦にはおすすめなローンになります。
ペアローンのメリット②:住宅ローン控除を2人分受けられる
ペアローンのメリット2つ目は、住宅ローン控除を2人分受けられることです。
それぞれが住宅ローンを契約するため、夫婦両方が契約者となります。そのため、住宅ローン控除も2人分受けることができ、節税効果が高くなるのです。
ただし、住宅ローン控除を最大限受けられるのは借入金額が4000万円以上の時です。
夫婦で別々のローンであると、1つのローンの借入金額を低く設定する場合もあり、借入金額が低いことによって思うように節税効果を受けられない可能性もあります。
事前にシミュレーションを行い、住宅ローン控除による恩恵を最大限受けられるか確認しておくのが無難です。
ペアローンのデメリット①:諸費用が高い
ペアローンのデメリット1つ目は、諸費用が高いことです。
夫婦がそれぞれ別のローンを契約するということは、単純計算すると1つのローンを契約するときよりも諸費用が2倍になってしまうということです。
契約時には手数料や諸費用が掛かるため、その分費用がかさんでしまいます。
夫のみの1つのローンでマイホームに関わる費用を十分に賄えるのであれば、わざわざ諸費用が高いペアローンを契約する必要はありません。
ペアローンによって増加する費用を払ってでも契約するメリットが大きいかどうかは確認しておく必要があります。
ペアローンのデメリット②:妻(夫)の退職が難しくなる
ペアローンのデメリット2つ目は、妻(夫)の退職が難しくなることです。
ペアローンは夫婦の両方が安定した収入がある必要があり、借りる金額はそれぞれが働いていること前提で大きい金額となっています。
審査の時には働いていても、住宅ローンを返済している途中で退職することで住宅ローンの負担は大きくなってしまいます。
収入が減ることによる経済的な負担は、借入金額が大きい分厳しいものになってしまうことは覚えておきましょう。
特に妻側は、妊娠や出産のために産休や育休、退職によって収入が減少する可能性が高いです。
今後退職する可能性のあるライフイベントを控えている場合は、ペアローンを契約することはおすすめできません。
単独ローンを組むかペアローンを組むか、どちらがあっているのかわからず悩むこともありますよね。
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妻の借金は住宅ローンの審査に影響するのか
住宅ローンを組むときに気になるのが、妻が借金している場合です。奨学金や教育ローンを妻が契約していて、借金があるという夫婦もいるかと思います。
夫のみ契約する住宅ローンの審査に影響するのかは気になりますよね。
結論として、妻の借金が審査に影響することはありません。
その理由や審査について2点知っておいてほしいポイントがあります。
- 夫に影響がなければ審査は通る
- 住宅ローンの妻名義は審査に不利である
住宅ローンを契約する際には、申し込む本人である夫の情報のみ参照されるため、妻や子供に借金があっても影響することはありません。
以下で詳しく解説します。
夫に影響がなければ審査は通る
住宅ローンの契約では、基本的に夫に影響がなければ審査は通ります。
契約時に審査されるのはあくまで契約者です。金融機関が加盟する「信用情報機関」では、参照できる情報は契約者の「個人信用情報」に限ります。
申込者本人ではない人の信用情報まで調べられることはありません。そのため、夫婦であり同居している妻や、子供に借金があるかどうかといった情報が調べられることもないため安心してください。
ただし、契約者である夫に借金がある場合は落とされる可能性があるため注意しましょう。
住宅ローンの妻名義は審査に不利である
ここで知っておいてほしいのが、住宅ローンの妻名義は審査に不利であるということです。
基本的に物件の世帯主は男性であり収入の柱である夫が多いです。そのため、妻名義で住宅ローンを契約しようとすることによって、夫の方に借金があると疑われてしまうリスクがあるのです。
もちろん収入の柱が妻の場合も考えられますが、日本では少数といわざるを得ません。
もし夫婦でどちらの名義にするか悩んでいるのであれば、なるべく世帯主である夫の名義にするようにしましょう。
住宅ローンに関わる3つの審査基準
住宅ローンを契約する際には審査がありますが、実際どんな基準があるのか、どうすれば審査に通るのか知りたい方も多いですよね。
審査基準は大きく分けて3つになります。
- 審査基準①:収入
- 審査基準②:借入金額
- 審査基準③:個人信用情報
審査基準①:収入
1つ目の審査基準は、収入です。
そもそもの年収が低いことは、審査に落ちることにつながります。住宅ローンの契約者には、安定していて平均以上の収入が求められることが多いです。
契約者が契約(派遣)社員やパートの場合、収入が安定していなかったり収入自体が少ないことで審査が通過しづらいです。また、個人事業主やフリーランスのような業種も審査の目が厳しくなる可能性があります。
こういった職種の場合は、一定期間の収入証明書があることで収入の証明に役立ちますので、事前に用意しておくことをおすすめします。
住宅ローンに契約する際には、収入が安定しているか、ある程度の年収であるかが重要です。
審査基準②:借入金額
2つ目の審査基準は、借入金額です。
希望する借入金額が高すぎると、審査に通過しない可能性があります。
借り入れることのできる金額は、契約者の収入によって異なりますので、収入があっても高すぎる借入金額を設定することはできません。
収入と借入金額のバランスが大切ですので、マイホームに必要な金額だからといって収入に見合わない金額を申請することの無いようにしましょう。
夫のみの契約では借入金額が足りないのであれば、ペアローンや収入合算による住宅ローンを検討してみてください。
審査基準③:個人信用情報
3つ目の審査基準は、個人信用情報です。
住宅ローンを審査する側である金融機関は、「信用情報機関」に加盟しています。
この「信用情報機関」から、審査対象である申込者の「個人信用情報」を参照し、現在や過去の借金の商況を確認します。
もし今までにクレジットカードや借金の支払いを滞納したことがあったり、常習的な返済遅れなどによりブラックリストに入っていると、「個人信用情報」で金融機関に知られてしまいます。
契約者がブラック状態であると、支払い能力が疑問視され審査上不利になってしまうことがあります。
今までにこういった経験がある方は、住宅ローン以外でも金融機関からの借り入れ自体が難しい可能性もあるため注意してください。
単独名義が不安な方は共有名義2種類を検討しよう
夫のみの単独名義を考えている方でも、ここまで開設した内容を確認して、審査に通るか不安になった方もいるのではないでしょうか。
単独名義が不安だという方は、共有名義の2種類を検討してみてください。
- 連帯保証型
- 連帯債務型
共有名義①:連帯保証型
連帯保証型とは、夫婦の収入の多い方がメインの契約者となり、もう一方が連帯保証人として契約する方法です。
契約者は団体生命保険に加入していますが、連帯保証人は加入できないため、連帯保証人が死亡した際には契約者に支払い義務が残ります。
その代わり団体生命保険に加入している契約者が死亡した場合は、連帯保証人に返済義務が残ることはありません。
また、住宅ローン控除は契約者のみに適用されるため、連帯保証人は住宅ローン控除を受けることはできません。
単独ローンと違い契約者が死亡しても返済義務が残ることがデメリットですが、その分大きな金額を借りることが魅力です。
共有名義②:連帯債務型
連帯債務型とは、夫婦の収入の多い方がメインの契約者となり、もう一方が連帯債務者として契約する方法です。
連帯債務者は、ローンの契約時から契約者と同じように返済義務を負っており、連帯債務者が死亡・返済不可であっても支払い義務は残ります。
つまり、契約者と連帯債務者はともに返済の義務を負っているということです。
例外として「フラット35」であれば、夫婦連生団体信用保険を利用することで、夫婦のどちらか一方が死亡した場合に、住宅ローンを全額免除することが可能です。
また、住宅ローン控除は契約者と連帯債務者の両方が受けることができるため、夫婦両者に安定した収入がある場合は節税効果が高いです。
共有名義の注意点2つ
夫婦が共有名義で住宅ローンを契約する場合、知っておかなければならない注意点があります。
注意しておくべきポイントは以下の2点です。
- 贈与税が発生する
- マイホームの売却が難しい
注意点①:贈与税が発生する
1つ目の注意点として、贈与税が発生することが挙げられます。
不動産の共有名義の持分は、当事者が自由に決められるわけではありません。
共有名義で住宅ローンを契約するときには、夫婦の収入の割合でそれぞれが返済する金額の割合を決め、不動産登記も同じ割合で申請します。
しかし妻が仕事をやめ、夫が妻の分の返済額を肩代わりする場合には、夫が肩代わりした返済額分の資金には贈与税が発生します。
夫婦であるからといって贈与税が発生しないということはないため、共有名義の際の持ち分は贈与税にも重要な要素となることを覚えておきましょう。
注意点②:マイホームの売却が難しい
2つ目の注意点として、マイホームの売却が難しいことが挙げられます。
共有名義の場合、マイホームは2人の資産となっているため、離婚した際の財産分与が難しいです。
マイホームの売却には名義人の承認が必要であるため、離婚した夫婦両者が同意しなければ売却することはできません。
また、夫婦の一方が死亡した場合、マイホームは相続の対象になります。
死亡した名義人の親族に相続されることになるため、今後残った一方が住み続けることができるかどうかは相手の親族の考えによるのです。
もし相続人が住むことを拒否する場合は、売却しなければならなくなる可能性も考えられます。
まとめ:住宅ローンを夫のみが組むことについての疑問や不安はマネーキャリアへ!
本記事では、住宅ローンを夫のみが契約する場合のメリット・デメリットや、ペアローン・共有名義の方がおすすめな場合について解説しました。
夫婦によって最適なプランは異なるため、住宅ローンを契約する際には多くの方がどのプランが最適か悩むことになります。
夫婦で悩み続けるだけでは解決しない、自分たちにどのプランがあっているのかわからないという夫婦も多いのではないでしょうか。
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