更新日:2022/06/21
50年の住宅ローンを徹底解説!デメリット解説やシュミレーションあり
住宅ローンの返済期間は35年までが主流ですが、50年借りられる住宅ローンがあることを知っていますか?本記事では住宅ローンを50年借りた場合のシミュレーションや、長期間の借り入れを行うメリット・デメリットなどを解説します。
- 住宅ローンを50年借りたい人
- 50年借りられる住宅ローンを探している人
- 50年借りられる住宅ローンのメリット・デメリットが知りたい人
内容をまとめると
- 50年借りられる住宅ローンには、フラット50と西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」がある
- 50年借りられる住宅ローンは金利が高く元金の返済が進まない
- 住宅ローンを長期間借りると毎月の返済額が減り審査も通りやすくなる
- 住宅ローンを長期間借りると損をする可能性があるため、返済期間の長さだけで決めるのは危険
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 50年間借りられる住宅ローンとは?取り扱い銀行は?
- ①フラット50
- ② 西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」
- 住宅ローンを50年借りた場合のシミュレーション
- 毎月の返済額は減らせるが元金の返済が進まない
- 50年まで借りられる!フラット50の特徴
- 最長50年の全期間固定金利
- 住宅ローン付きで売却が可能
- フラット35やフラット20との併用可能
- フラット50を利用する際のポイント
- ①9割まで借り入れ可能
- ②債務継承ができる
- ③長期優良住宅が対象
- ④フラット35よりも金利が高い
- 住宅ローンを長期間借りるメリット
- ①毎月の返済額を抑えられる
- ②若い世代もローンを組みやすくなる
- ③住宅ローンの審査に通りやすくなる
- 住宅ローンを長期間借りるデメリット
- ①利息や保証料が高くなる
- ②老後資金が足りなくなる恐れがある
- ③金融機関の選択肢が少ない
- まとめ:ライフプランの相談はマネーキャリアへ
目次
50年間借りられる住宅ローンとは?取り扱い銀行は?
住宅ローンは返済期間が35年以内なのが一般的です。35年では月々の返済額が大きく、借入が難しい人もいるのではないでしょうか。しかし、実は返済期間を最長50年までに設定できる住宅ローンがあることをご存知ですか?
主な商品は以下の2つです。
- フラット50
- 西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」
本章では、上記で挙げた住宅ローンについてそれぞれ紹介します。
①フラット50
フラット50とは、長期優良住宅の取得をする際に利用できる全期間固定金利型住宅ローンです。
長期優良住宅とは国土交通省の定める基準を満たし認定を受けた、長期にわたり良好な状態で使用できる優良な住宅を指します。
フラット50の特徴を簡単にまとめると以下のとおりです。
特徴 | |
---|---|
返済期間 | 最長50年 |
申込時の年齢 | 44歳未満 |
金利 | 固定 |
借入額 | 100万円以上8,00万円以下(建設費・購入価格の90%まで) |
その他 | フラット35と併用なら建設費・購入価格の100%まで借入可能 ローン付きでも住宅の売却が可能 |
フラット50単体では住宅の購入費用全額を借りることができません。しかし、フラット35と併用することで全額の借入を希望できます。
② 西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」
西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」とは、借換やリフォームにも対応した住宅ローンです。住宅ローンの種類としては、
- NCB建築名人
- NCB借換応援住宅ローン
西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」の特徴を簡単にまとめると以下のとおりです。
特徴 | |
---|---|
返済期間 | 建築から最長50年 |
申込時の年齢 | 満20歳以上満70歳以下 ※完済時の年齢が満81歳以下 |
金利 | 金利選択型 全期間固定型 |
借入額 | 50万円以上2億円以内(1万円単位) |
その他 | 育休・産休中は最大5年間の元金返済据置が可能 金利+0.1%で11疾病も保障 カードローン等の借換資金も含めて申込可能 |
西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」では、住宅の建築・購入はもちろんのこと、リフォーム資金を含めた借換もできます。そのため、別途リフォームローンを組む場合と比べ、月々の負担の軽減が可能です。
なお、西日本シティ銀行「最長50年住宅ローン」に申し込んだ場合は、保証料の支払いが必要となります。借入額などに応じて金額には幅がありますが、保証料として数十万〜数百万円かかるため、借入時に必要な諸費用が高額になる点には注意しましょう。
住宅ローンを50年借りた場合のシミュレーション
住宅ローンを50年借りると、月々の返済額や総返済額はどのくらいになるのでしょうか。
本章ではフラット50とフラット35で住宅ローンを組んだ場合をそれぞれシミュレーションし、どのような違いがあるのかを解説します。
毎月の返済額は減らせるが元金の返済が進まない
フラット50とフラット35でそれぞれ借入した場合を以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
- 借入額:4000万円
- 返済方法:元利均等方式
- ボーナス払い:なし
シミュレーション結果は以下のとおりです。
フラット50 | フラット35 | |
---|---|---|
金利 | 1.84% | 1.32% |
月々の返済額 | 102,018円 元金:40,685円 利息:61,333円 | 118,978円 元金:74,978円 利息:44,000円 |
総返済額 | 61,210,800円 (うち利息分:21,210,800円) | 49,970,760円 (うち利息分:9,970,760円) |
以上のとおり、フラット50にすることで月々の返済額が減らせます。しかし、同じ借入額でも総返済額はフラット35の場合よりも1000万円以上多いです。
月々の返済額に注目すると、フラット50は元金分が少なく利息分が大きいため、元金の返済が進んでいないことがわかります。そのため、利息分の負担が重くなり結果的にフラット50の方が総返済額が多くなるのです。
フラット50は確かに月々の負担が軽くなりますが、総返済額が増える点に注意しましょう。
50年まで借りられる!フラット50の特徴
フラット50の特徴は以下のとおりです。
- 最長50年借りられる全期間固定金利
- 売却時に債務を購入者へ引き継げる
- フラット35・フラット20と併用できる
本章では、上記の特徴についてそれぞれお解説します。
最長50年の全期間固定金利
フラット50は最長50年の全期間固定金利の住宅ローンです。資金を受け取る際に金利が確定し、返済終了まで借入金利と返済額は変わりません。
変動金利型の住宅ローンの場合、金利がいつどのように変動するかわかりません。金利が上がることで月々の返済額が増える可能性があるため、借入期間の長い住宅ローンを組むのはリスクが高いです。
しかし、フラット50は全期間固定金利のため、金利変動リスクの影響を受けずに済みます。そのため、金利変動の不安がなく安心して資金計画を立てることが可能です。
住宅ローン付きで売却が可能
フラット50は住宅ローン付きでも住宅の売却が可能です。
一般的な住宅ローンで住宅を売却する場合は、売却時に残債があれば全て返済します。また、その物件を購入する人は新たに住宅ローンを組む必要があります。しかし、フラット50の場合は購入者に住宅ローンを引き継ぐことができるのです。
住宅ローンの引き継ぎには、
- 売り手:売却しやすい、住み替えがしやすい
- 買い手:金利上昇中なら低金利で住宅が購入できる
以上のように売り手・買い手ともにメリットがあります。なお、引き継ぐ人は住宅金融支援機構の審査を受ける必要があるため、希望通りにならない可能性がある点には注意が必要です。
フラット35やフラット20との併用可能
フラット50は同じく全期間固定金利型住宅ローンである、フラット35あるいはフラット20との併用ができます。
フラット50の借入額は物件の建設費・購入価格の9割までのため、単体では全額の借り入れができません。しかし、フラット35やフラット20と併用をすることで、全額の借り入れが希望可能です。
ただし、併用する場合は別々で契約を行う必要があります。そのため、手続きが煩雑になったり手数料がかかったりする点には注意しましょう。
フラット50を利用する際のポイント
50年借りられる住宅ローンであるフラット50には、以下の特徴があります。
- 9割まで借り入れできる
- 金利引継特約により債務継承ができる
- 対象となるのは長期優良住宅のみ
- フラット35と比べて金利が高い
①9割まで借り入れ可能
フラット50の借入可能額は8000万円以下かつ、建設費・購入価額の9割までです。
例えば、4000万円の物件を購入する場合は、
4000万円×90%=3600万円
以上のとおり、3600万円までの融資が受けられます。適用されない残りの1割については、
- 自己資金で用意する
- フラット35やフラット20を併用する
などの方法で賄いましょう。
②債務継承ができる
フラット50は金利引継特約が付いています。これによりローンが残った状態で住宅を売却する場合に、購入者がフラット50の債務をそのまま引き継ぐことが可能です。
一般的な住宅ローンでは、住宅ローンが残った状態で売却することはできません。そのため、売却する際は残債を全て返済する必要があります。しかし、フラット50は購入者に債務を引き継げるため、売却時に住宅ローンの完済をする必要がありません。
債務をそのまま引き継げるのは、購入者側にとってもメリットのあることです。金利が上昇傾向にある時は、金利が低い頃に組んだ住宅ローンを引き継げるため、新たに住宅ローンを組むよりも金銭的な負担を減らすことができます。
なお、債務を引き継ぐ際は購入者が改めて審査を受ける必要があるため、希望通りにはならない可能性がある点には注意しましょう。
③長期優良住宅が対象
フラット50は長期優良住宅を対象とした住宅ローンです。
長期優良住宅とは、国土交通省の定める基準を満たし認定された、長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅を指します。長く住み続けられる住宅だからこそ、50年という長期にわたる住宅ローンが組めるのです。
長期優良住宅はフラット50の対象となるだけでなく、住宅ローン控除の優遇を受けられたり、「認定長期優良住宅に関する特例措置」による
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 固定資産税
などの税制優遇が受けられたりするメリットもあります。
ただし、長期優良住宅は設備や環境が整えられている分、一般的な住宅と比べると建築・購入価格が割高です。また、定期的に点検を行い住宅履歴情報を保存していないと、長期優良住宅としての認定が取り消される可能性がある点に注意しましょう。
④フラット35よりも金利が高い
フラット50はフラット35よりも金利が高めに設定されています。
2022年5月現在の金利を比較すると以下のとおりです。
フラット50 | フラット35 | |
---|---|---|
金利の範囲(9割以下) | 年1.980%~年2.450% | 年1.480%~年2.540% |
最も多い金利(9割以下) | 年1.980% | 年1.480% |
金利の範囲(9割超) | 年2.240%~年2.710% | 年1.740%~年2.800% |
最も多い金利(9割超) | 年2.240% | 年1.740% |
(住宅金融支援機構「金利情報」より※フラット35の金利は借入期間21年以上35年以下を参照)
以上のように、金利はフラット50の方が0.5%程高めです。フラット50は借入期間が長い分月々の返済額はフラット35よりも少ないですが、金利を多く支払うことになるため、総返済額はフラット50の方が多くなる可能性が高い点に注意しましょう。
住宅ローンを組んで住宅を購入する際は、借入額の返済だけでなく
- 金利
- 各種手数料
- 引越し費用
など多くのお金が必要です。購入後も定期的に修繕費や税金などが発生するため、家計に大きな負担がかかります。
これらを全て考慮して住宅ローンを組むのは難しいですよね。そのため、住宅ローンを組む際はFP(ファイナンシャルプランナー)などお金の専門家に相談しましょう。FPはお金に関する様々な専門知識を持つため、家計状況やライフプランに応じたアドバイスができます。
FP相談の顧客満足度93%のマネーキャリアなら、FPへの無料相談が可能です。予約から面談までオンラインなので、スマホひとつで時間や場所を選ばずに利用できます。マネーキャリアについて詳しくは、下記リンクをチェックしてください。
住宅ローンを長期間借りるメリット
住宅ローンを40〜50年などの長期間借りるメリットは以下のとおりです。
- 毎月の返済額が減る
- 若い世代もローンを組みやすい
- 住宅ローンの審査に通りやすい
本章では、上記のメリットをそれぞれ解説します。
①毎月の返済額を抑えられる
住宅ローンを長期間借りる1つ目のメリットは、毎月の返済額を抑えられることです。
例えば、5000万円を年率1.480%で借りた場合の毎月の返済額を、住宅金融支援機構のシミュレーションツールを用いて返済期間別に比較してみましょう。
毎月の返済額 | |
---|---|
20年 | 24.1 万円 |
35年 | 15.3万円 |
50年 | 11.8 万円 |
以上の結果、返済期間が長いほど毎月の返済額が少なくなることがわかります。
返済期間が長くなると家計への負担が減るため、一時的な収入減や支出の増加に対応しやすくなります。そのため、収支計画に多少の不確定要素がある場合でも、安心して住宅ローンを組むことが可能です。
②若い世代もローンを組みやすくなる
住宅ローンを長期間借りる2つ目のメリットは、若い世代もローンを組みやすくなることです。
若い世代の場合は収入が少なく、毎月の返済が重い負担になる可能性があります。しかし、返済期間が長期になれば毎月の返済額が減るため、無理なく住宅ローンの返済が可能です。
若いうちは結婚や出産などの不確定要素も多いですが、金利引継特約のあるフラット50を活用すれば、いざという時の住み替えもしやすくなります。
③住宅ローンの審査に通りやすくなる
住宅ローンを長期間借りる3つ目のメリットは、住宅ローンの審査に通りやすくなることです。
住宅ローンでは審査の際に返済負担率が考慮されます。返済負担率とは年収に対する年間の返済額の割合です。計算方法は以下のとおりです。
年間の返済額÷額面年収×100
無理なく返せる借入額の目安は手取りの20~25%といわれ、比率が高くなるほど審査に通りづらくなります。
返済期間が長くなると毎月の返済額が減るため、返済負担率が小さくなります。そのため、返済期間が短いケースと比べて審査に通りやすくなるのです。
住宅ローンを長期間借りるデメリット
住宅ローンを長期間借りるデメリットは以下のとおりです。
- 利息や保証料の負担が増える
- 老後資金が不足する可能性がある
- 金融機関の選択肢が限られている
本章では、上記のデメリットをそれぞれ解説します。
①利息や保証料が高くなる
住宅ローンを長期間借りる1つ目のデメリットは、利息や保証料が高くなることです。
フラット50とフラット35の利息や返済額を比較してみましょう。条件は以下のとおりです。
- 借入額:4000万円
- 返済方法:元利均等方式
- ボーナス払い:なし
- フラット50の金利:1.84%
- フラット35の金利:1.32%
フラット50 | フラット35 | |
---|---|---|
毎月の返済額(元金) | 40,685円 | 74,978円 |
毎月の利息 | 61,333円 | 44,000円 |
総返済額 | 61,210,800円 | 49,970,760円 |
以上のようにフラット50の方が利息が高く、総返済額も1000万円以上多くなることがわかります。
また、保証料が必要な住宅ローンの場合は、借入額に応じて数十万〜数百万円が必要です。長期間の返済により高額なローンが組みやすい一方で、返済額や保証料の負担が大きくなる点には注意しましょう。
②老後資金が足りなくなる恐れがある
住宅ローンを長期間借りる2つ目のデメリットは、老後資金が足りなくなる恐れがあることです。
返済期間が50年などの長期間になると、60歳を過ぎて老後を迎えても住宅ローンを続ける必要があります。そのため、住宅ローンが老後の生活費を圧迫する可能性が高いです。
住宅ローンにより老後資金が足りなくなれば、最悪の場合は老後破綻を迎える可能性があります。老後破綻を回避するためにも、
- 老後の収入・支出の見直し
- 住宅ローンを見直し
などをFPなどお金の専門家に相談の上行いましょう。
万が一住宅ローンの支払いが困難になったら、リースバックの活用も検討してみてください。リースバックとは、自宅を売却すると同時に賃貸契約を結ぶことで、売却後も自宅に住み続けられる方法です。売却して得た資金でローンを完済できれば、家計の負担を減らすことができます。
③金融機関の選択肢が少ない
住宅ローンを長期間借りる3つ目のデメリットは、金融機関の選択肢が少ないことです。
そもそも住宅ローンの返済期間は35年以内が主流です。40〜50年などの長期間に設定できる住宅ローンを取り扱っている金融機関はわずかで、商品数も限られています。
住宅ローンは商品ごとに
- 金利
- 保証料
- 手数料
- 利便性
などに違いがあるため、様々な商品を比較・検討することが大切です。しかし、選択肢が少ないと十分な比較・検討ができません。そのため、返済期間の長さだけで住宅ローンを決めるのは避けましょう。
まとめ:ライフプランの相談はマネーキャリアへ
住宅ローンを50年借りた場合のシミュレーションや、長期間の借り入れを行うメリット・デメリットなどを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
住宅ローンの返済期間を長期にすれば毎月の返済額は減りますが、利息の負担が増えて総返済額が大きくなったり、最悪の場合は老後破綻を引き起こす恐れがあります。そのため、住宅ローンを組む際は様々な商品から比較・検討して、返済期間の長さだけで選ばないようにしましょう。
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