住宅ローン変動金利の仕組みは?返済額の急増や未払い利息のリスクも

住宅ローン変動金利の仕組みは?返済額の急増や未払い利息のリスクも-サムネイル画像

本記事では住宅ローンの変動金利の仕組みについて解説します。5年ルールと125%ルールを説明した上で、返済額の急増や未払い利息のリスクについても解説します。さらに変動金利のメリット・デメリットや最新の動向・相場についてもご紹介します。


▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンの変動金利の仕組みについて知りたい方
  • 住宅ローンの変動金利の5年ルールと125%ルールの詳細について知りたい方
  • 住宅ローンの変動金利のメリットとデメリットについて知りたい方
  • 住宅ローンの変動金利の最新の動向や相場について知りたい方

内容をまとめると

  • 住宅ローンの変動金利には、5年ルールと125%ルールの適用あり
  • 住宅ローンの変動金利を選択した場合、金利が急上昇したとしても返済額が一気に増えることはないが、未払い利息が発生する可能性あり
  • 住宅ローンの変動金利は、金利上昇時のリスクに要注意
  • 住宅ローンについて不安や疑問をお持ちの方は、マネーキャリアの無料相談がおすすめ!
  • マネーキャリアは顧客満足度93%で、スマホ1つで簡単予約できるから安心で便利!
  • マネーキャリアについての詳細は、こちらのボタンをクリック!

目次を使って気になるところから読みましょう!

住宅ローンの変動金利で返済額が一気に変わることはある?


変動金利とは、住宅ローンの借入期間中に適用される金利が変動するタイプの金利です。適用金利の見直しは、半年に一度行われることが一般的です。


変動金利は各金融機関において比較的人気の金利タイプではありますが、金利が上がったときは返済が苦しくなってしまうリスクもあります。そのため、変動金利を選択すべきかどうか悩んでしまう方も多いかと思います。


果たして、住宅ローンの変動金利で返済額が一気に変わることはあるのでしょうか?

返済額は一気に増えない

冒頭でも述べた通り、変動金利は金利上昇時に返済額が増えてしまうリスクがありますが、実は返済額が一気に増えることはありません。


というのも、変動金利において月々の返済額が見直されるのは5年ごとと定められているからです。加えて、5年に一度の返済額の見直し時においても、新たな返済額は前回の125%を上限とするルールもあるからです。


そのため、たとえどんなに金利が上昇したとしても、変動金利においては返済額が一気に増えることはないのです。


なお、これらのルールが適用されるのは、返済方法として元利均等返済(詳細は後述)を選択することが条件となりますので、ご注意ください。

変動金利が上がるのは固定金利より後

住宅ローンの金利タイプには、変動金利の他にも適用される金利が固定されている固定金利がありますが、実は変動金利が上がるのは固定金利よりも後になります。

変動金利の金利は、短期プライムレート(詳細は後述)を基に半年に一度見直されます。一方、固定金利の金利は、国債の利回りを基に毎月見直されます。
基準見直しタイミング
変動金利短期プライムレート半年に一度
固定金利国債の利回り毎月
国債の利回りは投資家の行動が大きく影響しますが、投資家は将来の市場動向を予測して行動するため、変動金利よりも早い段階で金利が変動します。そのため、変動金利が上がるときには固定金利は既に上がっている状態であることがほとんどなのです。

よって、金利が上がったころに変動金利から固定金利への切り替えを検討するのでは遅いと言えますので、十分にご注意ください。

住宅ローンの変動金利の仕組みは?変動金利が決まるまでの流れ


変動金利は5年ごとに月々の返済額が見直され(5年ルール)、しかも見直し後の返済額は前回の125%を上限とするルールも定められています(125%ルール)。

とはいえ、そもそも住宅ローンの変動金利はどのように決まるのでしょうか?変動金利のリスクに備えるためにも、変動金利の仕組みを正しく理解しておく必要があるでしょう。


そこで本章では、変動金利が決まるまでの流れについて解説します。

①短期プライムレートが決まる

住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートが基になります。


プライムレートとは銀行が優良企業に対して融資を行う際の優遇金利のことで、そのうち1年未満の短期貸出のものを短期プライムレートと言います。


短期プライムレートの変動に影響を与えているのは、日本銀行が決める政策金利です。日本銀行は日本の景気動向等を見ながら政策金利を決定しています。


そのため、住宅ローンの変動金利は日本銀行の政策金利によって変動することになり、景気が良くなると住宅ローンの金利は上がり、反対に悪くなると金利は下がることになります。

②短期プライムレートに1%上乗せした金利が基準金利になる

基準金利とは各金融機関の住宅ローンの原則的な金利のことで、店頭金利とも言います。一般的な商品の「価格」に該当するものと捉えると、わかりやすいかもしれません。


各金融機関は、短期プライムレートに1%を上乗せした金利を基準金利に設定しています。

③基準金利から適用金利の優遇や上乗せされる

前述の通り、基準金利は短期プライムレートに1%を上乗せした金利であるため、その値は各金融機関で共通となります。そのため、基準金利から各金融機関が独自に設定した適用金利(優遇金利)を差し引くことによって、実際の住宅ローンの変動金利が決定します。


以上の点をまとめると、住宅ローンの変動金利を決定する計算式は下記の通りになります。

基準金利(短期プライムレート+1%)-優遇金利=住宅ローンの変動金利

例えば短期プライムレートが1.5%、優遇金利が1.8%だとすると、基準金利は2.5%(短期プライムレート+1%)となり、そこから優遇金利の1.8%を差し引いた0.7%が住宅ローンの変動金利となるのです。


優遇金利の設定は金融機関によって異なるため、優遇金利が高い金融機関ほど返済額が少なくなることになります。

住宅ローン変動金利の5年ルールとは?未払い利息が発生する仕組み


住宅ローンの変動金利は、景気の動向などによって半年に一度に見直されるのが一般的です。一方、住宅ローンには5年ルールがあるため、金利が上昇しても5年間は返済額が変わりません。


したがって、返済額が変わらない5年間に急激な金利上昇が起きたときに、半年に一度の金利見直しによって適用金利が引き上げられると、利息部分の金額が返済額を上回ってしまい未払い利息が発生する可能性があります。


上記のような流れが、住宅ローンの変動金利における未払い利息が発生する仕組みとなります。

①金利が上昇しても5年間は返済額が変わらないルール

そもそも5年ルールとは、住宅ローンの毎月の返済額が5年に1度しか見直されないというルールです。そのため、金利が上昇しても5年間は返済額が変わらず、返済額が変わるのは6年目以降になります。


しかも、6年目以降も返済額が125%までしか上がらないというルールがあるため、急激に返済の負担が増えるということはありません。


よって、子どもの教育費や車のローンを抱えている方にとっては、5年ルールは大きなメリットになるでしょう。

②変動金利のみに適用される

なお、5年ルールには適用範囲があり、金利の種類によってその範囲は異なります。


住宅ローンの金利には以下の3種類が存在しますが、

  1. 変動金利型:返済期間中に定期的に(半年に一度)金利が見直されるタイプ
  2. 固定金利型:返済開始時から完済まで金利が変わらないタイプ
  3. 固定期間選択型:返済開始時に一定期間(3年・5年・10年など)の固定金利期間を選択し、期間終了後は自動的に変動金利に移行するタイプ
このうち5年ルールが適用されるのは変動金利のみです。固定金利型と固定期間選択型(※)には5年ルールの適用はありませんので、ご注意ください。

※…固定期間選択型は一定期間経過後の変動金利に移行したとしても、5年ルールの適用はありません。

③元金均等返済には適用されない

また、5年ルールは返済方法によっても適用範囲が異なります。


住宅ローンの返済方法には以下の2種類が存在しますが、

返済の方法特徴
元利均等返済元金と利息を合わせて
均等に返済する
毎月の返済額が同じになる
元金均等返済元金のみを均等に返済する返済額が徐々に少なくなる
(最初がいちばん多い)

このうち5年ルールが適用されるのは元利均等返済のみで、元金均等返済には5年ルールは適用されません。元金均等返済を選択すれば未払い利息が発生することはありませんが、金利が上昇するたびに返済額も青天井で増加してしまうため、ご注意ください。

もし返済方法の選択も含めて住宅ローンについてお悩みであれば、こちらのボタンをクリックし、プロに無料で相談できるマネーキャリアを有効活用してみてください。

住宅ローン変動金利の125%ルールとは?


5年ルールが適用される場合には、同時に125%ルールも適用されます。125%ルールについてはこれまでにも少し触れてきましたが、改めてどのようなルールなのでしょうか?


そこで本章では、住宅ローンの変動金利の125%ルールについて解説します。

金利を直前の返済額の125%(1.25倍)までしか上げないルール

125%ルールとは、5年ルール適用後の返済額は前回の1.25倍までを上限とするルールです。返済額の大幅な増加によって、借り手の破綻を防ぐために設けられています。


例えば返済開始時の返済金額が月々100,000円だった場合、どんなに金利が上昇したとしても、新たな返済額は125%ルールの適用によって125,000円(100,000円×125%)が上限となるのです。


しかしながら、125%ルールには返済額の大幅増加の防止というメリットがある反面、場合によっては元金が減らない事態に陥ること(詳細は後述)があるため、注意が必要です。

【金利下降時】住宅ローンの変動金利のメリット


変動金利は文字通り金利が変動するため、状況に応じてメリットとデメリットの両方が発生する可能性があります。

基本的に変動金利は、金利が下降するとメリットが生じ、逆に金利が上昇するとデメリットが生じることになります。将来的なリスクに備えるためにも、変動金利のメリットとデメリットについてはしっかりと理解しておく必要があります。


そこで本章では、まず住宅ローンの変動金利のメリットについてご紹介します。


具体的には、以下の2つのメリットがあります。

  1. 契約当初の金利が低い
  2. 低い適用金利で借り続けられると総返済額も少なくなる

①契約当初の金利が低い

住宅ローンの変動金利の最大のメリットは、契約当初の金利が低いということです。


同一時点で変動金利と固定金利を比較した場合、固定金利よりも変動金利の方が低く設定されているケースがほとんどです。金利が低ければその分利息も少なくなるため、返済の負担を減らすことができます。


もちろん今後金利が上がる可能性もありますが、契約当初に金利が抑えられている変動金利に魅力を感じる方は多いようです。

②低い適用金利で借り続けられると総返済額も少なくなる

住宅ローンの変動金利は金利水準と連動して利息の支払額が変わるため、金利が低くなれば毎月の支払額も減ることになります。


当初の金利から変動がなかったり金利水準が下がった場合には、低い適用金利で借り続けることができるため、結果的に総返済額も少なくなるのです。


特にここ数年の日本は、超低金利時代といわれるほど歴史的な低金利水準が続いているため、変動金利は非常に魅力的であると言えるでしょう。


もし金利の選択も含めて住宅ローンについてお悩みであれば、こちらのボタンをクリックし、プロに無料で相談できるマネーキャリアを有効活用してみてください。

【金利上昇時】住宅ローンの変動金利のデメリット


続いて、住宅ローンの変動金利のデメリットについてご紹介します。前述の通り、金利が上昇したときにデメリットが発生してくるため、注意が必要です。


具体的には、以下の3つのデメリットがあります。

  1. 金利が上昇した場合は返済額や総返済額が増える
  2. 5年ルールが適用されると元金が減らない可能性がある
  3. 未払い利息の一括返済を求められることがある

①金利が上昇した場合は返済額や総返済額が増える

住宅ローンの変動金利の最大のデメリットは、金利が上昇した場合に見直し後の返済額や総返済額が増える可能性があることです。金利が上昇すれば、その分利息も増えてしまうからです。


当然ながら、現在の低金利状態が今後もずっと続く保障はどこにもありませんので、金利が上昇した場合のケースもしっかりと想定しておきましょう。

②5年ルールが適用されると元金が減らない可能性がある

また、一般的に住宅ローンには5年ルールがあるため、5年間は返済額が変わらないことになります。そのため、金利の上昇が続いてしまうと返済額の中の利息の割合が増えてしまい、元金が減らない可能性があるのです。


前述の通り、変動金利には125%ルールがあるため、増える支払額には上限があります。そのため、元金の返済額と利息の支払い額の合計が125%の上限に達してしまうと、利息の支払いが優先されるため、その分元金の返済額が減ってしまい、結果としてなかなか元金が減らない事態が発生してしまうのです。

③未払い利息の一括返済を求められることがある

また、金利が上昇しすぎて、毎月の返済額が全て利息に充てられてしまう可能性も0ではありません。


そのような事態になってしまうと、元金は全く減らずに利息だけを延々と支払い続けることになります。最悪の場合には、月々の返済だけでは利息を支払いきれずに未払い利息が発生してしまうケースも起こり得ます。


そうなってしまうと、住宅ローンは返済期間の延長が認めていないため、金融機関によっては返済期間の終了時に元金と未払い利息の一括返済を求められることもあるのです。

【2023年最新】住宅ローンの変動金利の動向


これまで見てきた通り、変動金利は金利上昇時にリスクを伴うため、最新の動向について注視しておかないと思わぬ損害を被る恐れがあります。


そこで本章では、2023年最新の住宅ローンの変動金利の動向についてご紹介します。

①長期の変動金利は低水準が続く

住宅ローンの変動金利は、過去に8.5%というバブル期(1993年前後)もありましたが、2009年以降は2.475%のままとなっています。

(参考:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」


変動金利が実質固定化されているのは、短期プライムレートが変動していないことが要因です。


住宅ローンの金利は、将来的に多少の上昇推移はあるにしても高金利時代に突入する可能性は低く、今後も低水準が続くことが予測されます。

②短期の変動金利はマイナス金利が続く

さらに2016年には、政府がマイナス金利政策の導入を開始しました。


マイナス金利政策とは、民間の金融機関が日本銀行に預けている預金金利をマイナスにする政策のことです。マイナス金利政策によって金利には低下圧力がかかるため、結果的に住宅ローンの金利は更に加速することになりました。


コロナの影響もあり日本の景気回復の兆しはいまだ見えないため、マイナス金利は今後も当面続くことが予測されます。

住宅ローンの変動金利の相場


住宅ローンの変動金利は、新規借入時と借り換え時で異なる金利を設定している金融機関が主流です。


そこで本章では参考として、①新規借入時と②借り換え時のそれぞれのケースついて、住宅ローンの変動金利の相場をご紹介します。

①新規借入時

新規借入時における変動金利型の住宅ローン相場(2022年5月時点)は、以下の表の通りです。

新規借入時の変動金利
ARUHI年0.650%
イオン銀行年0.520%
新生銀行年0.450%
住信SBIネット銀行年0.440%
ソニー銀行年0.457%
みずほ銀行年0.375%
三井住友銀行年0.475%
三菱UFJ銀行年0.475%
楽天銀行年0.537%
りそな銀行年0.470%

※変動金利は景気の動向等によって予告なく変更される場合があるため、ご注意ください。

②借り換え時

借り換え時における変動金利型の住宅ローン相場(2022年5月時点)は、以下の表の通りです。

新規借入時の変動金利
ARUHI※固定金利のみ
イオン銀行年0.470%
新生銀行年0.450%
住信SBIネット銀行年0.428%
ソニー銀行年0.507%
みずほ銀行年0.575%
三井住友銀行年0.475%
三菱UFJ銀行年0.475%
楽天銀行年0.537%
りそな銀行年0.430%

※変動金利は景気の動向等によって予告なく変更される場合があるため、ご注意ください。

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!


住宅ローンの変動金利は契約当初の金利が低いため、一見すると魅力的です。しかしながら、住宅ローンの返済は基本的に長期にわたるため、目先の利益だけで判断するのは危険です。

金利上昇時の変動金利のデメリットも理解した上で、家計とのバランスも考慮しながら慎重に検討するようにしましょう。


もし住宅ローンについて少しでも疑問や不安がある方は、ぜひマネーキャリアにご相談ください。マネーキャリアは相談満足度93%LINE経由で簡単に予約でき、オンライン相談にも対応しています。


お金のプロに無料で相談できますので、この機会に活用してみてはいかがでしょうか?気になった方はぜひこちらのボタンをクリックしてみてください。

ランキング