住宅ローンの優遇金利とは?金利の比較や交渉が可能か徹底解説

住宅ローンの優遇金利とは?金利の比較や交渉が可能か徹底解説-サムネイル画像

住宅ローンの金利は種類がいくつかあります。中でも優遇金利はお得な住宅ローン設計のために押さえておきたい用語です。住宅ローンの金利はわかりづらいとお嘆きの方も優遇金利の仕組みを理解すればたちまち金利の見方がわかるようになります。金利の交渉術についても解説します。

▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンの優遇金利についてくわしく知りたい人
  • 変動・固定などの金利タイプと優遇金利の関係を知りたい人
  • 住宅ローンの金利は交渉値引きできるのか知りたい人

内容をまとめると

  • 優遇金利は金利の「割引」のこと
  • 全期間優遇される「通期優遇」とはじめの一定期間だけ優遇される「当初優遇」がある
  • 金利交渉は銀行なら可能だがフラット35ではNG
  • 住宅ローンのシミュレーションはお金のプロに依頼するのが安心安全
  • 顧客満足度93%のマネーキャリアの無料相談を使えばあなたに合ったシミュレーションをしてもらえる
  • 経験豊富なFPがじっくりヒアリングしてくれるマネーキャリアの無料相談はこちらをクリック!

住宅ローンの優遇金利について


住宅ローンを組もうとするとき、金利については悩ましい人も多いのではないしょうか。


いろんなタイプの金利があり、いろんな言葉で説明があるため混乱しやすいのが金利の話です。


住宅ローンを調べている方は「優遇金利」という言葉を見たことがある人も多いでしょう。優遇金利は住宅ローンを攻略する上で最低限理解しておきたい言葉です。


優遇金利が理解できると住宅ローンの説明書やネット情報もかなりわかりやすくなると思います。

  • 優遇金利とは借入の際に受けられる割引のこと
  • 店頭金利と実行金利の違い 

それではひとつずつ解説していきます。

優遇金利とは借入の際に受けられる割引のこと

優遇金利とは、金利の「割引」のことです。

住宅ローンの金利は、
  1. 銀行が住宅ローンの店頭金利を決める
       ↓
  2. 優遇金利(基準金利から割引される金利)を決める
       ↓
  3. 実際の住宅ローンに適用される実行金利が決まる

このような順序で決まります。


住宅ローンの金利にまつわる用語を整理すると次のようになります。

用語内容他の言い方
店頭金利基準になる元々の金利基準金利
優遇金利割引引き下げ幅
実行金利借入時の金利
融資の実行時
使われる金利
適用金利
借入金利
融資利率

これらの金利は市場の動きをふまえて、金融機関が独自に決めています。


優遇を受けるにはいろいろな条件があり、クリアすると実際に優遇(割引)を受けることができます。また住宅ローンの審査ともかねあいがあり、審査状況により優遇金利が制限されることもあります。

実行金利 = 店頭金利- 優遇金利

この式は必ず覚えておくようにしましょう。

店頭金利と実行金利の違い

では、具体的にどのように店頭金利と実行金利が違うのか、変動金利を例にとり各銀行の実際の数字を見ていきましょう。
銀行名<変動金利>
店頭金利
▲優遇金利
<変動金利>
実行金利

三井住友銀行2.475%
▲2%
0.475 %
三菱UJF銀行2.475%
▲2%
0.475 %
みずほ銀行2.475%
▲1.8~2.1%

ローン取扱手数料型
0.375~
0.675%

りそな銀行2.475%
▲2.005%
融資手数料型
0.470%
auじぶん銀行2.341%
▲1.931%
0.41%
PayPay銀行2.280%
▲1.9%
0.380%
住信SBIネット銀行 2.775%
▲2.335%
0.44%
※2022年5月時点の情報です。

三井住友、三菱UFJなどのメガバンクの店頭金利は2.475%と足並みがそろっていますが、auじぶん銀行などのネット銀行では銀行ごとに違った数字となっています。

変動金利の優遇金利はほぼ2%前後になっています。

金利タイプによって優遇金利に影響がある


金利タイプは変動、固定などがありますが、それぞれ優遇金利はどのように影響するのでしょうか。

  • 変動金利
  • 全期間固定金利
  • 固定期間選択型

最初の一時期だけ金利が安くおさえられているプランもありますが、利用にあたっては注意が必要です。優遇金利の特徴をよく理解してから返済スケジュールを立てなければなりません。


では解説していきましょう。

タイプ①金利が変動する変動金利

まず変動金利について。固定金利よりも優遇金利が高く実行金利が低めに設定されていることから、変動金利を選ぶ人も多くなっています。


変動金利に対する優遇金利については、「全期間」について適用される金融機関が多くなっています。しかし期間限定での優遇金利となる金融機関もありますので必ずチェックする必要があります。


変動金利タイプを選んだ時点で、金利上昇リスクがあります。これに加えて限定された期間しか優遇されない(割り引きされない)のはよくありません。変動金利の優遇金利が「全期間にわたるかどうか」については必ず確認しましょう。優遇金利が最後まで適用されるか表記がはっきりしない場合もあるため、気をつけてチェックするようにしましょう。

タイプ②全期間固定金利

全期間固定金利は、ローン借入期間ずっと金利が固定されます。ローン開始時の優遇金利が最後まで適用されます。


優遇金利が時期によって上下したとしても、全期間固定金利を選んだ場合は関係なく、最初に決めた実行金利のままとなります。


全期間固定金利は、借入期間が長くなるほど高めに設定されるものの、優遇金利の動きの影響を受けず金利が一定です。返済額も一切影響を受けないため、返済プランを立てやすくなります。

タイプ③固定期間選択型

固定期間選択型は、最初一定の期間のみ固定金利とする方法です。固定期間が終わったあとは、変動金利か別の固定金利プランに切り替えていきます。


最初の固定期間は、金融機関にもよりますが3年、5年、10年、20年のように決めることができます。


たとえば、借入期間が35年の場合、

  1. 最初10年:固定金利
  2. 残り25年:変動金利

としたり

  1. 最初10年:固定金利
  2. 残り25年:別の固定金利

などのように設定します。


「1」の固定期間については、金利が一定であるため優遇金利変動の影響はありませんが、「2」についてはどうでしょうか。


「2」で切り替えたあとは優遇が小さくなり、実行金利が高くなってしまう可能性もあります。切り替え後の優遇金利がどうなるか、盲点になりやすい部分なので必ず確認するようにしましょう。

住宅ローンの優遇金利2種類


住宅ローンの金利が割引となる優遇金利。適用される期間で分けると2種類のタイプがあります。

  1. 通期優遇
  2. 当初優遇 

金融機関によって表現が違ってわかりづらい部分かもしれませんが、住宅ローンの金利を検討する際とても重要な情報になります。


それでは解説していきましょう。

種類①通期優遇

住宅ローンの期間を通してはじめから最後まで優遇金利が適用されることを「通期優遇」といいます。
  • 全期間
  • 最後までずーっと引き下げ
  • 完済まで金利が変わりません
  • 通期引下げ

金融機関によってこのように表現が異なります。ぱっと見ただけではわかりづらいのですが、最初から完済まで優遇が適用(割引・引下げ)されるのかどうか、大事なポイントになりますので必ずチェックするようにしましょう。

種類②当初優遇

通期優遇に対して、「当初優遇」があります。借入の最初の一定期間だけ限定的に金利を下げるという方法です。

  • 当初引下げ
  • 当初固定
  • 最初にぐぐっと引き下げ
  • 指定の時期まで金利を固定

当初優遇についても、いろいろな言葉で説明されているため少しわかりづらいかもしれません。


当初優遇は、

  • 借入初期は返済月額を抑えたい
  • 住宅ローンは早々に返済したい

という人に向いています。


当初優遇の方が低金利で設定されることが多く、当初優遇に飛びついてしまいたくなりますが、借入計画によってはかえって割高になることもあります。他のプランとじっくり比較しシミュレーションしながら全体的に検討していくことが重要です。


住宅ローンのシミュレーションはお金のスペシャリストにお願いしてみましょう。

マネーキャリア無料相談で住宅ローンのシミュレーションができることをご存じですか? マネーキャリアなら全国からオンライン相談可能です。

LINEでも予約可能な無料相談はこちらからクリック!

住宅ローンの優遇金利を金融機関ごとに比較


それでは、具体的に各金融機関の優遇金利(新規借り入れ)を見てみたいと思います。各銀行で違いはあるのでしょうか。

  1. みずほ銀行
  2. 三菱UFJ銀行
  3. 三井住友銀行
  4. りそな銀行
  5. auじぶん銀行 

それでは解説していきましょう。

金融機関①みずほ銀行

メガバンクのひとつ、みずほ銀行のネット住宅ローンの優遇金利を見てみましょう。みずほ銀行では店舗で契約できる住宅ローンもありますが、ネット住宅ローンの方で優遇幅が高くなっています。主な金利をピックアップしてみました。


<変動金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
変動金利
2.475%
▲1.8~2.1%

0.375~0.675%

※ローン取扱手数料型の場合。


<当初固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利10年
3.05%
▲1.8~2.1%


0.95~1.25%
固定金利20年
3.55%
▲1.8~2.1%

1.45~1.75%
※ローン取扱手数料型の場合。

<通期固定金利>
金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利35年1.94%
▲0.45~0.55%
1.39%~
1.49%

フラット35
融資率~90%
90%~100%
1.67%
▲0.08~0.1%

1.93%
▲0.08%
1.57~ 1.59%
1.85%
※固定金利35年はローン取扱手数料型の場合。フラット35は手数料定額型の場合。

変動金利や当初固定金利では1.8~2.1%といった高い割引幅となっています。中でも変動金利では、最大の優遇を受けられると0.375%という最低水準の適用金利が可能になります。

35年の通期固定金利を見ると、フラット35よりみずほ銀行の通期固定金利型の方で実行金利が低くなっているのも注目したいところですね。

※2022年5月時点の情報です。

金融機関②三菱UFJ銀行

続いて三菱UFJ銀行の優遇金利を見てみましょう。今回リストアップしたのはネット申込みのデータです。書面での申込みは優遇幅が少し低くなります。

<変動金利>
金利タイプ
借入期間

店頭金利

▲優遇金利

実行金利
変動金利2.475%
▲2%
0.475%

<当初固定金利>
金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利10年3.69%
▲2.65%
1.04% 
固定金利20年  5%
▲3.6% 
1.4%

<通期固定金利>
金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利35年-1.35%
フラット35取扱いなし-

三菱UFJ銀行の特徴は、当初固定金利に力を入れている点です。10年、20年の当初固定金利では、2~3%前後の優遇があり、1%台の実行金利を実現させています。

※2022年5月時点の情報です。

金融機関③三井住友銀行

もうひとつメガバンクの三井住友銀行の優遇金利はどうなっているでしょうか。

<変動金利>

金利タイプ

借入期間

店頭金利
▲優遇金利
実行金利
変動金利2.475%

▲1.75~2%
0.475~0.725%


<当初固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利5年3.6%
▲2.2%
1.4%
固定金利10年3.7%
▲2.2%

1.5%



<通期固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利35年
(※)
2.26%
▲0.1~0.5%
1.76~2.16%
フラット35
融資率~90%
90%~100%
-2.54%
2.8%

※借入金額5割以上の超長期 固定金利型で借り入れの場合 


三井住友銀行の当初優遇金利は期間が10年までの設定となっています。当初優遇期間は▲2.2%ですが、固定期間終了後は店頭金利より▲1.4%となります。


※2022年5月時点の情報です。

金融機関④りそな銀行

続いてりそな銀行です。

<変動金利>
金利タイプ
借入期間

店頭金

利▲優遇金利

実行金利
変動金利2.475% 
▲2.01%
0.47%

※融資手数料型の場合。


<当初固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利10年3.6% 
▲2.66%

0.945%
固定金利20年4.650% 
▲2.06%

2.595%

※融資手数料型の場合。


<通期固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利35年
(※)
-1.195%
フラット35

融資率~90%
-
1.48%

※融資手数料型の場合。


りそな銀行は、当初固定金利のうち10年の優遇率が高くなっています。りそな銀行の当初優遇期間は2、3、5、7、10、15、20年の設定がありますが、10年固定金利の優遇幅が特に際立っています。


また35年の通期固定金利の実行金利が1.1%台と非常に低く、フラット35と比較しても約0.3%割安となっています。


※2022年5月時点の情報です。

金融機関⑤auじぶん銀行

最後にauじぶん銀行です。KDDIと三菱UFJ銀行が共同で立ち上げたネット銀行です。

<変動金利>

金利タイプ
借入期間

店頭金

 ▲優遇金利

実行金利
変動金利 2.341%
▲1.931% 
0.41%


<当初固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利10年2.85%
▲1% 
1.85%
固定金利20年3.12%
▲1% 
2.12%


<通期固定金利>

金利タイプ
借入期間
店頭金利
▲優遇金利
実行金利
固定金利35年3.54%
▲1% 
2.54%
フラット35取扱いなし-


auじぶん銀行の特徴は、店頭金利自体が全体的に低めになっている点です。変動金利の店頭金利は他行より低い2.341%で、さらにそこから2%近い優遇があり、実行金利が0.41%とかなりの低金利を実現しています。


※2022年5月時点の情報です。

住宅ローンの優遇金利の決まり方


住宅ローンを利用する側の立場としては少しでも低い金利を、というのが正直なところですよね。利息はできるだけ節約したいというのが本音だと思います。少しでも優遇金利が有利な住宅ローンを選びたいものです。

さて住宅ローンの優遇金利はどのようにして決定されるものなのでしょうか。

  1. 決定時期
  2. 優遇金利幅

ではひとつずつ解説していきます。 

決まり方①決定時期

優遇金利は金融機関ごとに異なりますが、さらにはローンの審査結果によっても左右されます。


住宅ローンの審査は、事前審査とも呼ばれる事前審査と、事前審査が通り不動産契約を締結したあとに行われる本審査の2ステップがあります。実際の優遇金利が決まるのは事前審査のあと、という銀行がほとんどです。

  1. 事前審査(仮審査)
  2. 優遇金利が決まる
  3. 本審査

このような流れになります。


事前審査とは銀行サイドからすれば、これくらいの金利、借入金額、期間で貸付けできます、という審査でもあります。事前審査は優遇金利の見積もりだと考えるとよいでしょう。

決まり方②優遇金利幅

金利が優遇される割合、優遇金利幅が決まる要因は、

  1. 住宅ローン審査結果
  2. 変動か固定か
  3. 優遇期間

などが挙げられます。


1.住宅ローン審査結果

優遇金利は住宅ローンの審査結果も加味されます。安定して返済できる人だと判断された場合は、優遇金利幅も大きくなります。

逆に審査において厳しくジャッジされ、割引が少なくなることもありますが、それよりも借入額の減額となることが現実には多くなっています。


2.変動か固定か

3.優遇期間

固定よりも変動金利が、また優遇期間が短い方が、金利の割引率がより高くなる傾向にあります。

銀行の立場になって考えると、ローン契約者が変動金利を選んだ場合、銀行側は金利変動のリスクを負わなくてすみます。また、貸付期間が短ければ固定金利でも銀行にとっては金利変動リスクを負う時期が短くてすみます。銀行にとってリスクが低くなるほどその分優遇幅が大きくなるというわけです。

住宅ローンの金利交渉可能なのか


住宅ローンの支払い利息は何百万円にものぼります。金利の値下げ交渉はできないものだろうか。一度は考えてみたりしますよね。

実際に金利の割引交渉はできないものなのでしょうか。

  • 銀行や信用金庫なら金利交渉は可能
  • フラット35は金利交渉不可能

条件によっては割引交渉できる可能性がありますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

銀行や信用金庫なら金利交渉は可能

優遇金利の交渉が可能なのは、すでに銀行や信用金庫で住宅ローンを組み返済途中であるケースです。新規の住宅ローンでは不動産会社が銀行との窓口になるため、直接交渉はむずかしいでしょう。

たとえば、このような金利交渉はよくあるケースです。
  1. 現在A銀行で住宅ローンを返済している
  2. B銀行で借り換えとして事前審査(仮審査)を受けた
  3. B銀行の金利がA銀行より安くなった
  4. A銀行に対してB銀行レベルの金利引下げを交渉
銀行にとって、住宅ローンによる売上げはとても大事です。今の住宅ローンにつなげとめようと、金利の引下げに応じる可能性があります。

金利交渉するためには、他の銀行でいくつか事前審査(仮審査)を受け、優遇金利の見積もりを取っておくとよいでしょう。それを今の銀行に見せながら交渉すると、銀行側も利用者の真剣さがわかり、乗り換えられてはならないと危機感を感じて金利交渉を受け入れるかもしれません。

他行で試算してもらう際には、手数料などの諸費用も含めて出してもらうことをおすすめします。諸費用も込みの試算結果の方が、より説得力のある交渉材料になるでしょう。

フラット35は金利交渉不可能

フラット35は住宅金融支援機構と各金融機関が提携して提供している固定金利の住宅ローンです。


住宅金融支援機構は独立行政法人です。つまりフラット35は半分行政が関わっている住宅ローンになるため、不平等になるような個別の金利引下げを受け入れることはできません


フラット35で金利の引下げ交渉は不可能ですが、返済に困った場合の対応策(※)はいくつか準備されています。

  • 返済期間の延長
  • 一定期間返済額を減額
  • ボーナス返済額の変更、とりやめ

借入金額が減るわけではありませんが、毎月の返済額を一時的に減らしたい場合の方策として覚えておくとよいでしょう。


フラット35 月々の返済でお困りになったときは

優遇金利は返済パターンによって支払う最大金額が変わる


ここで具体的な返済プランのシミュレーションをしてみたいと思います。ひとつは当初優遇金利、ひとつは通期優遇金利を適用し比較します。さらに借入期間が短い場合、長い場合で総返済金額にどの程度違いが出るのかを検証します。

  1. 15年で返済した場合は当初優遇がお得
  2. 35年で返済した場合は通期優遇がお得 

ポイントは、当初優遇期間の全体に対する割合です。全体の過半を占めるかどうか、この違いが大きなポイントになります。


特に期間が短めの当初優遇は割引率も高く魅力的ですが、うまく使わなければかえって割高になるケースもあり注意が必要です。

では解説していきましょう。

パターン①15年で返済した場合は当初優遇がお得

3000万円を15年で返済するケースを考えてみましょう。当初10年の優遇金利と、通年優遇(全期間を通じて一定の固定金利)の2パターンを試算してみます。

当初10年の優遇金利の場合、優遇期間が終わると割引率が低くなるため、実行金利が1%高くなると仮定しています。

<パターン①:借入金3000万円、借入期間15年、元利均等返済、ボーナス返済なし>

時期当初10年優遇通期優遇
(全期間固定金利)
1~10年金利:0.95%
返済月額:178,889円
金利:1.20%
返済月額:182,199円
11~15年金利:1.95%
返済月額:183,433円
上に同じ
返済総額32,472,658円
32,795,825円

この事例では、返済総額でくらべると当初優遇の方が約30万円安くなります。返済スケジュールのうち当初優遇金利の期間が長めになっているため、当初優遇の効果が出ています。このように短めの借入期間で半分以上当初金利をつかうと効果的に返済額を抑えることができます。

パターン②35年で返済した場合は通期優遇がお得

次は返済期間を長めにとり、3000万円を35年で返済するケースを考えてみます。

<パターン②:借入金3000万円、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし>

時期当初10年優遇通期優遇
(全期間固定金利)
1~10年金利:0.95%
返済月額:83,988円
金利:1.20%
返済月額:87,510円
11~35年金利:1.95%
返済月額:94,483円
上に同じ
返済総額38,423,459円 36,754,301円

35年の借入では、約170万円通期優遇の方で支払い総額が安くなることがわかりました。返済期間が長い場合は通期優遇の方が返済総額を抑えることができます。


当初優遇を使う場合、繰上げ返済してできるだけはやめに返済できれば、当初優遇の効果を得ることができるでしょう。

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ


今回の記事は住宅ローンの優遇金利をテーマにお届けしました。

  • 店頭金利から優遇金利を割り引いたのが実行金利
  • 当初優遇を使う場合は短めの借入期間で
  • 通期優遇は長めの返済でお得
  • 固定期間選択型は固定期間終了後の優遇金利の確認を忘れずに
  • 金利交渉は他行で優遇金利の見積もりをしてから

金利プラン選びに悩んだら、住宅ローンのシミュレーションをして具体的な返済プランをイメージしてみましょう。数字の羅列でうんざりしてしまう前にお金のプロにおまかせするのが一番です。


顧客満足度93%マネーキャリアならヒアリングの中からあなたに合った住宅ローンのシミュレーションをしてくれます。随時無料相談受付中で全国からオンライン可能です。

LINEで気軽に予約可能なマネーキャリアの無料相談はこちらをクリック!

ランキング