更新日:2022/05/12
住宅ローン変動金利の今後の推移は?過去20年の推移や10年後の推移予測も
住宅ローンで借入を行う際は金利が低い変動金利での借入を考えている方が多いですが、将来的に金利が高くなるリスクがある変動金利がこれまでどのように推移してきたかを知ると、今後高金利になるリスクがどれだけあるか、将来に備えてどのように対策するべきかが見えてきます。
- 住宅ローンの変動金利が今後どのように変化するか不安な方
- 将来変動するかもしれない金利を予測する方法について知りたい方
内容をまとめると
- 学資保険の金利は現在かなりの低金利で推移しているが、市場金利は上昇しているため今後金利が上がる可能性がある
- 住宅ローンの変動金利は世界経済や株価、大手銀行の動向等の要素からある程度予測できる
- 将来的な金利上昇に備えるために繰上返済を活用して支払期間を短期化できるが、負担が大幅に増える点には注意が必要
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 住宅ローンの変動金利は近年どう推移している?
- ①店頭金利は横ばいに推移・適用金利は下がっている
- ②0.3~0.4%台の記録的な低金利
- ③市場金利は急上昇している
- 過去20年の推移は?住宅ローン変動金利の過去の動向
- ①30年前は8.5%を記録
- ②20年前は平均2.5%
- 10年後の住宅ローン変動金利の推移予測
- ①2022年~2023年までは現在の金利を維持
- ②2024年以降は変動金利が上昇
- 住宅ローン変動金利の推移を予想するためのポイント
- ①世界経済
- ②株価の動き
- ③りそな・みずほ・SBI銀行など大手銀行の動向
- 住宅ローン変動金利の推移に備えるためにすべきこと
- 繰上返済を活用する
- 参考:住宅ローンの変動金利が決まるまでの流れ
- ①短期プライムレートが決まる
- ②短期プライムレートに1%上乗せした金利が基準金利になる
- ③基準金利から適用金利の優遇や上乗せされる
- まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!
目次
住宅ローンの変動金利は近年どう推移している?
住宅ローンでは金利が継続的に変化する「変動金利」を選択できますが、たとえ借入時に低金利でも将来金利が高く推移しないか心配している方も多いでしょう。
そこでまずは、住宅ローンにおける変動金利がどのように変化しているかについて、
- 店頭金利は横ばいであり、適用金利は下降傾向にある
- 現段階でほ0.3%~0.4%台の記録的な低金利状態にある
- 市場金利は急上昇傾向にある
①店頭金利は横ばいに推移・適用金利は下がっている
住宅ローンにおける過去からの店頭金利の推移を見てみると、多少の変動はあっても全体的な推移はほぼ横ばい状態であり大きな変化はありません。
参考として三井住友銀行が公開している「超長期固定金利型の金利水準推移」をご覧ください。
適用期間 | 借入期間 10年超15年以内 | 借入期間 15年超20年以内 | 借入期間 20年超35年以内 |
---|---|---|---|
2022年1月 | 1.89 | 1.90 | 1.93 |
2020年1月 | 1.63 | 1.66 | 1.66 |
2018年1月 | 1.50 | 1.59 | 1.71 |
2016年1月 | 1.88 | 2.00 | 2.03 |
2014年1月 | 2.28 | 2.48 | 2.49 |
2012年1月 | 2.42 | 2.60 | 2.64 |
※単位:%
このように多少の変動はあるもののほぼこの10年で大きな変化はなく、10年前と比較すると店頭金利は下がっています。
また各金融機関が決定する「優遇幅」によって決まる適用金利は、金融機関同士の競争が激化しているため全体的な推移は下降傾向にあります。
ただし過去に借入を行った人の優遇幅は変わらないため、多くの人が実感できる金利推移はほぼ横ばいだといえます。
②0.3~0.4%台の記録的な低金利
現在の多くの住宅ローンでは、平均「0.3〜0.4%」という記録的な低金利で借入が行えます。
金融機関の一例としては、
- 住信SBIネット銀行:0.41%
- auじぶん銀行:0.31%
- みずほ銀行:0.375%
- ソニー銀行:0.457%
- 三菱UFJ銀行:0.475%
③市場金利は急上昇している
住宅ローンの金利が影響を受ける「市場金利(10年国債)」の推移は上昇傾向にあります。
ただしその上昇がすぐに住宅ローンの高金利に直結するというわけではなく、
- 過去のリーマンショック等の危機でも住宅ローン金利はほぼ上がらなかった
- 日本銀行の金利操作により上昇幅は許容範囲内に収まっている
- 競合が多い各金融機関の低金利競争はさらに強まっている
過去20年の推移は?住宅ローン変動金利の過去の動向
これから住宅ローンの変動金利での借り入れを考えている方は、実際に過去どのように変動金利が推移しているか知りたいという方も多いでしょう。
そこで次は受託ローン変動金利の過去の動向に関して、
- 30年前には8.5%という高金利を記録している
- 20年前の平均金利は2.5%である
①30年前は8.5%を記録
昔と比較すると住宅ローン金利は現代の方が安くなっており、高止まりしていた頃から比べると変動金利はおよそ5%程度下がっています。
もっとも金利が高かったとされる約30年前の1990年には、店頭金利が最高で「8.5%」を記録したことがあります。その後徐々に金利は下降していき、現在の「3〜4%」の店頭金利に落ち着いています。
②20年前は平均2.5%
ただし、現在が歴史上もっとも金利が安い時代なのかというとそうではありません。
約20年前、平成8年頃から18年頃にかけては金利が平均で「2〜3%」程度であり現代よりも1%程度低かったのです。ただしそのような変化があったのは固定金利のみであり、変動金利に関しては平成8年頃から現代までほぼ完全に横ばいとなっています。
10年後の住宅ローン変動金利の推移予測
過去の金利を参考にするのも大切ですが、もっとも重要なのは「今後変動金利が大きく推移する可能性があるか」という点です。
そこで次からは将来的に変動金利がどのように推移する可能性があるか、
- 2022年~2023年までは現在の金利が維持されると予想
- 2024年以降は変動金利が上昇する可能性が高い
①2022年~2023年までは現在の金利を維持
住宅ローンの金利は、少なくともここ2〜3年のうちは現状が維持されると予想されます。
その理由としては、現代ではコロナ禍や世界情勢の影響を受けインフレが進んでいますが、日本銀行が利上げを防ぐために金利操作を行っていたり政府が経済を回すために比較的大規模な経済政策を行っているからです。
現在は国債利回りの上限が「0.25%」となっており、今後この数字が上がる可能性はあります。ただしその場合も影響を受けやすいのは新しく借り入れる際の固定金利であり、変動金利がすぐに影響を受けるわけではありません。
金融期間が住宅ローンの顧客を得ようとするために行う利下げ競争もしばらく続くと予測されるため、どの銀行もすぐに金利を上げるようなことはできないでしょう。
②2024年以降は変動金利が上昇
ただし金利の推移に関しては楽観視できないのも確かであり、2024年以降は住宅ローン金利が一斉に上昇する可能性もあります。
理由としては、
- 国債利回りの上限が上がればいずれ固定金利・変動金利の順番に上がる
- 金融機関の住宅ローン金利競争は永遠には続かない
今後国債利回りが上昇し債券価格が下がるようなことがあれば、高い確率で固定金利は引き上げられ、次に変動金利が引き上げられます。
固定金利が上がったとしても影響があるのは新規で借り入れる人だけですが、変動金利で借り入れている人は少なからず影響を受けます。
また現代の住宅ローン低金利の要因となっている銀行間の金利競争がずっと続くもの保証はなく、一斉に金利が引き上げられる可能性もあります。変動金利で借り入れる場合はこのようなリスクがあることも覚えておくべきです。
変動金利の推移について見てきましたが、住宅ローンについて一人で判断がするのが難しく感じる方もいらっしゃるでしょう。そんな方はこちらのボタンをクリックし、プロに無料で相談できるマネーキャリアを有効活用してみてください。
住宅ローン変動金利の推移を予想するためのポイント
住宅ローンが今後どのように推移するか100%的中させることは不可能ですが、いくつかのポイントをおさえておくとある程度「予想」することは可能です。
そこで次からは、住宅ローンの変動金利の推移を予想するためのポイントとして、
- 世界経済はどうなっているか?
- 株価は上昇しているか?
- 銀行は何らかの施策を行っているか?
①世界経済
住宅ローンの金利は国債利回りの影響を受けるため、必然的に世界経済の影響を受けているともいえます。
現在日本は国内のみならず世界的な不況により経済政策を打ち出しているため、金利が低く抑えられていますが、今後経済が上向きになれば現在の低金利政策が廃止または方向転換される可能性があります。
経済が上向きになると住宅ローンの金利も高くなる可能性があります。需要が低いうちは借り入れしやすいように抑えられていた金利も、需要が高まると一斉に金利が上げられる可能性が高くなるからです。
②株価の動き
一見関係ないと思われる株価も、住宅ローンの金利変動を見極める一つの要素です。
株価の変動は「景気の指標」です。基本的に景気が上向きになるのと連動して株価も上昇するため、日本銀行が利上げをする流れで株価が上昇し、住宅ローンの金利も上がる可能性が高くなります。
ただし現状はそう単純ではありません。日本ではコロナ禍による景気減退が続いているのにもかかわらず、日経平均株価は上昇傾向にあります。
そうなった一つの原因として考えられるのは、日本だけでなく世界中で銀行が多くのお金を放出する金融緩和政策が行われたことです。その結果、株式市場の流れが大きくなりたくさんの「買い」が発生したことで、たとえ経済状況が不況でも株式市場は潤っている状態のため、現状では株価は上昇傾向にあります。
そのような経済政策によって高くなっている株価が、今後経済政策が緩和されたときにどうなるかは不透明です。
③りそな・みずほ・SBI銀行など大手銀行の動向
大手銀行が住宅ローンの金利引き上げるときは要注意です。
現在住宅ローンを「0.3〜0.4%」で提供している銀行は、「auじぶん銀行」や「PayPay銀行」、「住信SBIネット銀行」などほぼ無店舗型の「ネット銀行」が多くの割合を占めており、そこから変動金利で借り入れているという方は多いでしょう。
基本的にこれらのネット銀行はそれぞれ資本(株式)を持つ大手銀行があり、たとえば「PayPay銀行」は大手の三井住友銀行が多くの株式を保有しています。
そのため金利を上げる場合でも、ネット銀行の方はすぐに上がらず大手の銀行から先に利上げされることが多いため、ネット銀行利用者はある程度動向を予測したうえで繰上返済や借り換え等の決定を下せます。
住宅ローン変動金利の推移に備えるためにすべきこと
金利に関して将来的な予想はある程度楽観的であっても予想は外れる可能性があるため、金利が大幅に高くなったときのために準備をしておくことは重要です。
そこで次は住宅ローンの変動金利が将来的に大きく変わることに備えて行える「繰上返済」について解説します。
繰上返済を活用する
住宅ローンは月々の返済以外で追加返済をする「繰上返済」を行うことで、支払期間を短期化し将来的な金利変動リスクに備えることができます。
繰上返済には主に2種類あり、
- 期間短縮型:返済期間が短縮される
- 返済額軽減型:月々の返済額が軽減される
返済額軽減型を選択した場合、目に見える形で月々の返済額が軽減されます。そのため繰上返済を毎月の返済負担減に直結させたいという方は返済額軽減型の方がおすすめです。ただし減る返済総額は期間短縮型よりも少ないです。
繰上返済にどれくらいメリットがあるのか理解するための一例として、
- 借入金額:50,000,000円
- 金利:1%
- 返済期間:20年
- 繰上返済年数:10年
- 繰上返済金額:5,000,000円
- 期間短縮型:返済期間が8年1カ月に短縮・利息額が468,478円減少
- 返済額軽減型:毎月返済額が44,153円減額・利息額が254,093円減少
ただし繰上返済にはデメリットもあります。繰上返済をするということは、借入前にあらかじめ計画していたであろう「1カ月で返済できる限界」を超えてしまうことにもつながるため、注意が必要です。
もともと住宅ローンの金利は低いため、家計を苦しくしてまで繰上返済を行う必要はありません。高金利に備えるためだけに、手元のお金を減らすべきなのかをよく考えるべきです。あくまで資金に余裕があり、確実に将来の利息を減らしたいという方のみ繰上返済を行いましょう。
参考:住宅ローンの変動金利が決まるまでの流れ
ここまでの内容を踏まえて、そもそも住宅ローンにおける変動金利がどのように決まるの
- 短期プライムレートの決定
- 短期プライムレートに1%上乗せした金利が基準金利
①短期プライムレートが決まる
まずは銀行が企業に対して貸し出す際の金利である「短期プライムレート」が決まります。
短期プライムレートは「無担保コール翌日物」に連動しています。無担保コール翌日物とは、その名のとおり金融機関同士が無担保・翌日満期で貸借を行う際の金利のことであり、この金利が直接住宅ローンの変動金利に影響を与えます。
実際のところ、この短期プライムレートは2009年以降「1.475%」からまったく変動がないため、その結果各銀行の変動金利も横ばいになっています。
今後も短期プライムレートはしばらく変動がないと予測されますが、やはりここでも要となるのは政府や日本銀行の政策であり、その政策次第で市場金利と連動した短期プライムレートも今後変動する可能性があります。
②短期プライムレートに1%上乗せした金利が基準金利になる
①の短期プライムレートはそのまま金利として用いられるわけではなく、1%上乗せした金利が住宅ローンにおける「基準金利」となります。
ちなみに基準金利と「店頭金利」は同じ意味です。住宅ローンの公式サイト上では両方使われていることも多く混乱しやすいですが、どちらも各住宅ローンにおいて基準となる金利のことを表しています。
③基準金利から適用金利の優遇や上乗せされる
②で決まった基準金利から、さらに金融機関が金利を下げることで決まるのが「適用金利」です。
基準金利からどれだけ金利を下げるか、という「優遇幅(優遇金利)」は各銀行が決定できるため、住宅ローンの金利も銀行ごとに違いが出るわけです。
ちなみにその優遇幅も、
- 当初期間優遇:借入当初のみ優遇幅が大きくなる
- 全期間優遇:全期間において一定の優遇幅が適用される
以上の2種類があります。
住宅ローンではこの優遇方法の違いで異なるプランが用意されていることも多いです。当初期間優遇プランでは初期の返済額を軽減できますし、全期間優遇プランでは返済期間すべてにおいて同じ返済額であるため計画が立てやすくなります。
まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!
今回は住宅ローンの変動金利の推移をテーマとしてさまざまな点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
これから住宅ローンで借入を行う方は、自分にとって変動金利と固定金利どちらが良いのか分からないという方も多いでしょう。そのような方におすすめできるサービスが、無料でFP相談ができる「マネーキャリア」です。
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