住宅ローンの手付金は返ってくる?頭金との違いや相場・フルローンも解説

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本記事では住宅ローンの手付金の概要を説明した上で、頭金との違い、相場や支払いタイミング、キャンセル時の取り扱いについて解説します。また、フルローン利用時の取り扱いや手付金を用意できないときの対処法、さらには手付金の見落としがちな注意点についても解説します。


▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンの手付金の概要について知りたい方
  • 手付金と頭金の違いについて知りたい方
  • 手付金の相場や支払いタイミング、キャンセル時の取り扱いについて知りたい方
  • フルローンの利用時や手付金の支払い後に住宅ローンの審査に落ちたときの取り扱いについて知りたい方
  • 手付金を用意できないときの対処法や手付金の見落としがちな注意点について知りたい方

内容をまとめると

  • 住宅ローンの手付金は契約成立の証拠でもあるため、物件購入の際には基本的に現金での支払いが必要
  • 手付金の相場は、売買代金の5~10%
  • 万が一住宅ローンの審査に落ちたとしても、ローン特約の適用により手付金が返金された上で契約を解除することが可能
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住宅ローンの手付金とは?一から分かりやすく解説!


手付金とは、売買契約を交わすときに契約成立の証拠として、買い主が売り主に渡す金銭のことです。

手付金を理解するためには法律的な知識も必要であり、やや難解な部分もあります。ですが、住宅ローンにおける手付金の理解は非常に重要であり、正しい知識を身につけていないと思わぬ損害を被る恐れもあります。


そこで本記事では、住宅ローンの手付金に関する部分にスポットを当てて解説していきます。

①契約の証拠として現金で支払うお金

手付金は売買契約の証拠として現金で支払うお金になります。不動産売買においての手付金は、特段の定めがない限り解約手付であると推定されます。


解約手付とは、手付の放棄によって任意に契約の解除ができる手付のことです。


そのため、契約を一方的に解除するとペナルティとして手付金は没収されるものの、逆に言えば手付金を放棄さえすれば、解約の理由に関係なく契約を解除できることになります。


しかしながら、みだりに手付放棄によって契約を解除されてしまっては、取引の安全が損なわれてしまいます。そのため、手付金はある程度の高額で設定されることが一般的です。

②支払った金額は物件価格から差し引かれる

前述の通り、手付金は売買契約の証拠金としての役割があります。証拠金は契約の成立を担保するための一時的な預り金であるため、決済・引き渡しのタイミングで手付金は買主に返還されます。


しかしながら、いちいち手付金を買主に返還していては事務的にも煩雑なため、実務上は手付金は物件価格から差し引かれる(売買代金の一部として充当される)ことが多くなっています。

手付金なしでも家は買える?頭金と手付金の違い


不動産の広告を見ていると、「頭金ゼロで買えます」という文言を見かけることも多いかと思いますが、同様に手付金ゼロでも家を買うことはできるのでしょうか?


そこで本章では、頭金と手付金の違いについて解説します。

頭金はなくても家を買える・手付金はどんな時も必要

頭金とは、高額な商品を購入する際に最初に支払うある程度まとまった金銭のことで、住宅ローンとは別に用意する自己資金のことです。


頭金を用意するメリットは、住宅ローンの借入額を減らすことによって、月々の返済の負担を減らせることです。


かつては一定の頭金がなければ、物件の購入自体ができませんでしたが、現在は頭金がなくても物件の購入は可能となっています。


一方、手付金は売買契約の証拠としての意味合いがあるため、物件購入の際は必要となります。


よって、以上の点をまとめると、

  • 頭金→あるに越したことはないが、なくても家は買える
  • 手付金→ないと家は買えない
ということになります。

皆いくら払っている?手付金の相場と支払いタイミング


前述の通り、家を買う際には手付金の支払いが必要なわけですが、世間一般では平均どれくらいの手付金を支払っているのでしょうか?


そこで本章では、手付金の相場と支払いタイミングについて解説します。

売買代金の5~10%が相場

手付金の相場は、売買代金の5~10%となっています。


よって、例えば3,000万円の物件を購入する場合であれば、150~300万円の間で手付金の額を設定するのが一般的です。


なお、不動産取引の手付金は売買代金の20%が上限と定められています。20%を超える手付金の授受は禁止されていますので、ご注意ください。

住宅ローン融資が下りる前に支払う

手付金は売買契約が成立したことの証でもあります。そのため手付金は、基本的に売買契約の成立日までに現金で支払う必要があります。

なお実務上は、売買契約と同時に手付金を支払うことになっており、その後に住宅ローン契約の締結に移るという流れになります。

このように、手付金は住宅ローンの融資が下りる前に支払う必要があるため、手付金を用意する際は注意が必要です。

手付金が返金されるケース


住宅ローンの手付金は解約手付の役割も果たしているため、契約を解除したときは基本的に手付金は返金されません。しかし場合によっては、手付金が返金されるケースもあります。


そこで本章では、契約を解除しても手付金が返金されるケースについて解説します。

ローン特約が適用されたとき

ローン特約とは買主が住宅ローンを組む際に行う、「金融機関の審査に落ちたときは売買契約を白紙に戻せる(無条件で契約解除できる)」という特約です。


通常、住宅ローンの審査の流れは、

  1. ローンの仮審査
  2. 物件の売買契約
  3. ローンの本審査
となっており、仮審査通過後に物件の売買契約を交わすため、万が一その後の本審査で落ちた場合には、ローン特約の適用により手付金が返金されるのです。

なお、本審査で落ちた理由が買主の責任であった場合(虚偽の申告をしていた等)には、ローン特約が適用されず手付金も返金されないため、ご注意ください。

キャンセル時に手付金は返ってくる?


契約の解除は買主側の都合だけではなく、場合によっては売主側の都合でキャンセルされるケースもあるでしょう。では、それぞれのケースにおいての手付金の取り扱いはどうなるのでしょうか?


そこで本章では、

  • 買主の都合でキャンセル
  • 売主の都合でキャンセル
の2通りのケースの手付金の取り扱いについて解説します。

①買主の都合でキャンセル | 手付金は戻ってこない

前述の通り、手付金は解約手付の性質を持っています。よって、買主の都合でキャンセルする場合には手付金を放棄する必要があり、手付金は戻ってきません。


手付金の額は数百万円単位になるケースがほとんどでしょうから、万が一キャンセルする場合には、慎重に検討する必要があります。

②売主の都合でキャンセル | 手付金の2倍の金額が支払われる

滅多に発生することではありませんが、仮に売主の都合でキャンセルになった場合には、手付金の2倍の金額が買主に対して支払われます。


売り主の都合でキャンセルになっているので、当然ながら手付金は返金されます。さらに手付金と同額の違約金が支払われるので、結果的に手付金の2倍の金額が支払われることになるのです。

手付金の返金+違約金(手付金と同額)=手付金の2倍の金額

なお、売主に契約違反があった場合(引渡し日を守らない等)も、同様の扱いとなります。

フルローンを利用すれば手付金は払わなくていい?


フルローンとは
、頭金を用意せずに、税金や手数料などの諸経費を除いた購入費用の全てをローンに組み込むことです。


では、このフルローンを利用すれば、手付金を支払わなくてもいいのでしょうか?


そこで本章では、フルローン利用時の手付金の取り扱いについて解説します。

フルローンを組んでも手付金は現金で必要

結論から言うと、フルローンを組んだとしても、手付金は現金で必要となります。


前述の通り、手付金は売買契約の証拠としての重要な役割を果たしています。そのため、フルローンを組んだからといって手付金が不要になったのでは、取引の安全が失われてしまいます。


フルローンを組んだとしても手付金は別途、自己資金で用意する必要があるためご注意ください。

参考:フルローンは審査が厳しい

フルローンは頭金の用意が不要になるというメリットがある反面、借入審査が厳しくなるというデメリットも存在します。なぜなら融資金額が増えれば、その分金融機関も融資に慎重になるからです。


このように、フルローンは審査で落ちる可能性も十分に考えられるため、利用する場合には事前に金融機関で相談しておきましょう。

手付金の支払い後に住宅ローンに落ちたらどうなる?


手付金は住宅ローンの本審査前に支払います。そのため、手付金を支払ったのに住宅ローンの本審査に落ちてしまう可能性も0ではありません。果たしてそのような場合には、どうなるのでしょうか?


そこで本章では、手付金の支払い後に住宅ローンの審査に落ちた場合の取り扱いについて解説します。

「住宅ローンの融資利用特約」により契約を解除できる

結論から言うと、住宅ローンの本審査に落ちたとしても前述のローン特約(住宅ローンの融資利用特約)により、契約を解除できます。

ローン特約を結んでおけば、万が一金融機関の審査に落ちたとしても売買契約を無条件で契約解除できるため、手付金も返金されます。


なお、本審査で落ちた理由が買主の責任であった場合(虚偽の申告をしていた等)には、ローン特約が適用されず手付金も返金されないため、ご注意ください。

手付金を用意できないときはどうする?


手付金は一括決済できる場合を除き、必ず支払わなければなりません。しかし、手付金は金額も大きい(売買代金の5~10%)ため、人によっては大きな負担になってしまうでしょう。


そこで本章では、手付金を用意できないときの対処法についてご紹介します。具体的には、以下の2つの対処法があります。

  1. 手付金を減額してもらえないか交渉する
  2. 家族などから一時的に借りる

①手付金を減額してもらえないか交渉する

手付金の金額については、上限は定められている(売買代金の20%)ものの、基本的には双方の合意により決定します。そのため、手付金を減額してもらえないか交渉することは可能です。


不動産会社に事情をしっかりと説明した上で、購入意欲が高いことをアピールできれば、手付金を減額してもらえる可能性はあります。


手付金を用意できないときは、まずは不動産会社と交渉してみましょう。

②家族などから一時的に借りる

不動産会社との交渉も難航してしまい、どうしてもお金が足りない場合は、家族などの親族から一時的に借りるという選択肢もあります。


その際のポイントとしては、親族から借りる場合であっても、きちんと借用書を取り交わしておくことです。


たとえ親族間の金銭貸借であっても、やはりお金が絡むとトラブルになりやすく、そういったトラブル回避のためにも借用書は必要です。


特に110万円を超える金銭貸借の場合は、借用書に加えて金利の設定もしておかないと贈与とみなされ、場合によっては贈与税の対象になる可能性もあるため、注意が必要です。

(参照:国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」

参考:カードローンでの借入は本審査で不利になる場合がある

なお、カードローンでの借入は本審査で不利になる場合があるため、おすすめできません。住宅ローンの審査においては、その他のローンの利用状況も審査の項目に入っているからです。


たとえ仮審査を通過していても、本審査ではカードローンでお金を借りた状態を元にして改めて審査が行われるため、本審査でひっかかる可能性は十分にあります。


よって手付金をカードローンでの借入で用意することは、なるべく避けた方がいいでしょう。

手付金に関する見落としがちな注意点


最後に手付金に関する見落としがちな注意点について解説します。


具体的には、以下の3つの注意点があります。

  1. キャンセルできるタイミング「履行に着手するまで」に気をつける
  2. 手付金は倒産や解約を考慮して低く設定する
  3. 手付金の保全措置を理解しておく
これらを見落としてしまうと思わぬトラブルに発展する可能性があるため、しっかりと確認しておきましょう。

①キャンセルできるタイミング「履行に着手するまで」に気をつける

手付金には手付解除期日(手付金を放棄することでキャンセルができる期日)が定められていますが、この解除期日にも注意が必要です。


多くの契約書では、キャンセルできるタイミングは「履行に着手するまで」と記載されていますが、この場合の履行とは、「物件の引き渡し時」や「所有権移転登記申請の手続き開始時」だけに限定されません。場合によっては、「建設会社が建築材料の発注をした時」などが履行に含まれることもあるため、要注意です。


万が一履行に着手されていると、解約手付による契約解約はできません。


その場合は多額の違約金の支払いが必要になり、場合によっては損害賠償を請求される可能性もあります。損害賠償まで請求されることは滅多にないでしょうが、違約金の支払いだけでも大損害となります。


手付金の手付解除期日については、必ず事前に確認しておきましょう。

②手付金は倒産や解約を考慮して低く設定する

手付金は倒産や解約の可能性を考慮して、なるべく低く設定するようにしましょう。


特に解約については、急な家庭事情の変化などによって、手付金を放棄して解約せざるを得ないケースも起こり得ます。その場合に解約手付の金額を低く設定していれば、その分損害も少なく済みます。


将来何が起こるかはわかりませんので、手付金の額はなるべく低く設定したおいた方が、万が一の時のリスク軽減にも繋がると言えるでしょう。

③手付金の保全措置を理解しておく

手付金の保全措置とは、不動産会社の倒産や持ち逃げなどで物件の引き渡しができなくなった場合に、支払った手付金が返還されるための措置のことです。具体的には、銀行などの第三者に保管させることで手付金の保全を図ります。


しかしながら手付金の保全措置は、全ての不動産取引に義務付けられているわけではなく、手付金の額が一定の額を超えた場合にしか保全措置は取られません。


具体的には、

  • 工事完了前の場合:売買代金の5%超もしくは1,000万円超
  • 工事完了後の場合:売買代金の10%超もしくは1,000万円超
という金額基準が設けられています。

そのため、手付金の額が売買代金の5%以下であると、保全措置を受けられなくなるのです。

手付金はなるべく低く設定すべきではありますが、倒産や持ち逃げのリスクを抑えたいのであれば、売買代金の5%超で設定する必要があります。

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!


住宅ローンにおける手付金は、物件購入の一連の取引の中でも重要なウェイトを占めており、金額も決して安くはありません。

無用なトラブルを避けるためにも、手付金に関する正しい知識を身につけて、売買契約を結ぶ前に不動産会社と内容についてしっかりと確認しておきましょう


もし住宅ローンについて少しでも疑問や不安がある方は、ぜひマネーキャリアにご相談ください。


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