更新日:2022/05/01
住宅ローンの借入期間は最長何年?最長年齢や返済期間について解説!
住宅ローンを検討で、借入期間でお悩みの方は必見!最長借入期間から、返済期間について最新の金融機関事情を踏まえて丁寧に解説いたします。借入開始時の年齢に合わせ目安のシミュレーションも作成しましたので、ぜひ住宅ローン選びにお役立てください。
- 住宅ローンの最長借入期間を知りたい方
- 自分の最適な借入期間を知りたい方
- 最長何年まで借りられるかを知りたい方
- 年齢別の最長借入期間を知りたい方
内容をまとめると
- 借入期間は35年が一般的
- 借入期間が40年の住宅ローンも近年増えてきた
- 最長期間はフラット50の50年
- 返済期間を長期にするメリット・デメリット
- 借入期間は「毎月の返済額」「必要にある一時金」「返済完了年齢」で
- 住宅ローンについての悩みはマネーキャリアのFP相談がおすすめ!
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 住宅ローンの返済期間は最長何年?
- ①35年のケースが一般的
- ②40年のローンも近年増えている
- ③最長50年「フラット50」
- 注意点:50年の借り入れは30歳未満の人が対象
- 住宅ローン完済時の最長年齢は?
- 75歳までの場合が多い
- 80歳までのパターンもある
- 50年間借り入れ可能!フラット50の特徴
- ①長期優良住宅が対象
- ②フラット35よりも金利が高い
- ③9割まで借り入れ可能
- ④債務継承ができる
- 返済を長期間行うメリット
- ①毎月の返済額を抑えられる
- ②若い世代もローンを組みやすくなる
- ③住宅ローンの審査に通りやすくなる
- 返済を長期間行うデメリット
- ①利息や保証料が高くなる
- ②老後資金が足りなくなる恐れがある
- ③金融機関の選択肢が少ない
- 住宅ローンの借入期間を見極めるポイント
- ①毎月の返済額
- ②返済中に必要になる一時金
- ③返済完了年齢
- 【年齢別】住宅ローン借入期間の目安をシミュレーション!
- ①30歳に借り入れ開始
- ②45歳に借り入れ開始
- ③60歳に借り入れ開始
- まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!
目次
住宅ローンの返済期間は最長何年?
人生の三大支出のひとつといわれる住宅資金。自宅を購入するとき、ほとんどの方が金融機関などから住宅ローンとして借り入れをします。
住宅ローンの借り入れ額は大きいものになるため、人によっては30年以上の長期間を掛けて返済していきます。
借入期間を決める際には、返済期間中や完済時の年齢を考慮し、自身のライププランと照らし合わせます。ご自身のお仕事や家族の成長を考え、移出の増加や収入の低下など、今後人生に起こりそうな出来事や、将来実現したい計画を考慮します。
ここでは住宅ローンの一般的な借入期間と、最長何年まで組めるのか、ご説明いたします。
①35年のケースが一般的
住宅ローンを組む方の借入期間は35年が一般的です。不動産会社や金融機関で住宅ローンの支払いについて相談をすると、最初に提案されるのは35年返済のプランです。
35年返済とは、返済回数でいうと420回払いです。不動産は購入するためには多額な借入が必要になりますが、420回の分割にすることにより、毎月の支払いは家賃並みの額になります。
不動産会社や金融機関が数千万円の不動産の取引をするとき、住宅ローンの返済期間を35年で説明することにより、検討している方がより現実的な月々の負担額で提案できるようになるのです。
②40年のローンも近年増えている
③最長50年「フラット50」
2009年、住宅金融支援機構が「フラット50」という住宅ローン商品を取り扱いを始めました。この商品は返済期間が最長で50年に設定されたものです。返済期間が長くなれば、利息分を合わせた支払総額は増えますが、月々の返済額が減らすことが可能です。
返済期間が長い住宅ローンが生まれた背景には、借主の毎月の返済負担額を考慮してということもありますが、もう一つは住宅性能の向上が挙げられます。
近年では、地震や水害など過去に日本全国で起きた災害情報が蓄積されてきました。その情報を分析し、建物の建築技術にフィードバックされることにより、長く安心して住める家が増えてきました。
金融機関にとっても長く住み続けられる丈夫な家が増えたということは、長期間に渡り資産価値が担保されるということでもあるため、返済期間を延ばすことができたのです。
注意点:50年の借り入れは30歳未満の人が対象
フラット50は誰もが利用できるわけではなく、債務者の完済年齢が80歳未満と設定されています。そのため、返済期間を最長50年に設定する場合は、申し込み時の年齢が30歳未満である必要があります。
その他のフラット50の主な利用条件は次のようになります。
- 長期優良住宅を建築または購入する人
- 融資額は、100万円以上8,000万円以下
- 購入金額の90%以内
- フラット35やフラット20との併用は可能
住宅ローン完済時の最長年齢は?
金融機関が取り扱っている住宅ローンでは、利用者に対して年齢制限を設けております。
その年齢制限には「申込時年齢」と「完済時年齢」が要件としてあります。
この二つの要件に、先ほどお伝えした「返済年数の制限」が加わり、すべてクリアする範囲で借入可能期間が決まります。
そして、金融機関や商品によって住宅ローン完済時の最長年齢が設定されています。
ここでは完済時の最長年齢について詳しくご説明いたします。
75歳までの場合が多い
80歳までのパターンもある
先ほどご紹介した高齢者白書では、60歳以上の就業率は、令和2年現在で10年前の平成22年と比べて10ポイント以上伸びていることがわかります。
また、厚生労働省が発表した2016年における平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で、健康寿命とともに年々延びてきています。
そのため、住宅金融支援機構のフラット35や民間の金融機関であるみずほ銀行や三菱UFJ銀行などでは、完済時年齢が最長で80歳未満までと緩和されているところもあります。
しかしながら、支払期間が長すぎると、定年退職後の収入減のときに生活が困窮してしまうリスクがあります。住宅ローンの返済が滞ると最悪の場合、不動産競売なので強制的に住居を失ってしまうことにもなりかねません。まさに、「ご利用は計画的に」です。
50年間借り入れ可能!フラット50の特徴
住宅金融支援機構ではフラット50という借入期間が最長50年という金融商品を出しています。支払期間が長いため、借りられる人、購入できる物件に一定の条件が付いています。
ここではフラット50を詳しくご紹介します。
①長期優良住宅が対象
フラット50は長期優良住宅が対象です。長期優良住宅とは、国が定めた「長期優良住宅制度」の認定基準に従い、長期間に渡って住み続けられると認定された良質な住宅のことです。
金融機関にとって、返済期間中に不動産価値が下落してしまうと、担保価値が下落してしまいます。金融機関にとって、担保価値が下落するということは、返済が滞った際に、元金が回収できなくなるリスクがある、ということです。
しかし購入する不動産が長期優良住宅でしたら、将来的の価値下落が少ないと判断されるのです。
②フラット35よりも金利が高い
フラット50の利用で気をつけておくべきポイントは、返済期間が最長35年のフラット35と比べて金利が高いことです。
2022年4月時点では、フラット35(借入期間:21年以上35年以下、融資率90%)では年1.440%~年2.540%ですが、フラット50(借入期間:36年以上50年以下、融資率90%)年2.180%~年2.650%となっております。
金利が高くなることにより、月々の返済額も大きくなりますので、ご注意が必要です。
③9割まで借り入れ可能
フラット50では、建設費や物件・土地購入価格の9割まで借り入れが可能となっています。なお、借り入れのできる金額は100万円以上8000万円以下の範囲です。
これは反対に言うと、購入価格の全てを借り入れで賄うということはできないということです。 例えば、土地建物合わせて5000万円の物件を購入するとなった場合、4500万円までしか借り入れることができません。残りの1割分及び購入諸費用については自己資金を出すか、別の借入をするしかありません。
④債務継承ができる
フラット50では、ローン返済中の物件を売却した際に、残ったローンが次のローンに引き継ぐことができます。通常の住宅ローンでは売却時に、ローンの残債をすべて支払わないと売却することができません。
しかし、フラット50ではローンの残債を完済しなくても、新しい住宅ローンが組めるのです。なお、残っている残債は、同じ金利のまま返済を続けることになります。
ただし、新たに不動産を購入し、住宅ローンを組む場合は、当然審査が必要になりますので、ご注意ください。
返済を長期間行うメリット
住宅ローンは長期間に渡って返済する方がほとんどです。最長どのくらい組むか、あるいは組めるかは、検討する人や借入先金融機関により異なります。ここでは返済を長期間行うメリットをご説明いたします。
メリット・デメリットをしっかりと理解し、ご自身にあった期間を選びましょう。
①毎月の返済額を抑えられる
返済期間が長くなるということは、分割で支払う回数が多くなります。そのため、月々の返済額は抑えることができます。
住宅ローンは組んだ当初は支払いに問題がなかったとしても、長い期間の間に自身の仕事のことや、子どもの教育資金のことなど、ライフプランに大きな変化があると支払いに影響がでてしまいます。
そのため返済額は無理をしない、ということが重要です。最近の住宅ローンは繰り上げ返済が無料、というものもありますので、資金に余裕が出たときに少しづつ繰上返済をしていく、というのも選択肢として良いと思います。
②若い世代もローンを組みやすくなる
返済額が抑えらえるということは、まだ収入が少ない、もしくは安定していない若い世代でも住宅ローンが組みやすくなります。
これから結婚や出産など家族が増える若い世代が、賃料と同額程度でローンが組めるということならば、購入という選択肢が選びやすくなります。
将来的に収入や家族が増えた際に、自宅を売却して既存ローンの残債が完了すれば、新たに住み替えも考えることができます。早い年齢で不動産を購入することは、資産形成の面からもおすすめです。
③住宅ローンの審査に通りやすくなる
返済期間が長いと、返済比率(年収から見た住宅ローンの返済額の割合)が下がります。
返済比率は、年収の額ごとに各金融機関に設定されております。
なお、フラット35の返済比率は年収が400万円未満であれば30%、400万円以上であれば35%とされています。
同じ借入額でも、返済期間が長いとローン審査の承認が下りやすくなり、より多くの借入をすることができます。借入額が多くなると、選択肢が増え、高品質な住宅や、より利便性の高い住宅を手に入れやすくなります。
返済を長期間行うデメリット
住宅ローンは金融機関でたとえ承認されたとしても、その承認枠いっぱいに使う必要はありません。
借入額もですが、借入期間も同様に最長期間にする必要はありません。ここでは、住宅ローンの返済を長期間に設定した際のデメリットをご紹介いたします。
①利息や保証料が高くなる
住宅ローンの返済期間が長期間になると、金融機関に返す元金の減りが遅くなります。金利は、元金に対してかかりますので、当然支払う利息も増えてきます。
さらに、最近の住宅ローンを借りる際には保証人などは付けず、金融機関指定の保証会社を付けます。この保証会社へ支払う保証料も増えてきます。
結果として、返済期間が長いとトータルで支払う総返済額が高くなってきてしまいます。手元資金に余裕があるときは、繰り上げ返済を行うと良いでしょう。
②老後資金が足りなくなる恐れがある
返済期間が長いと仕事をしている現役時代は良いですが、退職後の老後生活に影響が出てしまう可能性があります。定年退職後の年金生活になって、従来と同じ額の住宅ローンの返済を続けると、毎月の収支が悪化し、貯金を取り崩さなければならなくなります。
老後は、収入の下落とともに、自身や配偶者などの病気による医療負担の増加も考えられます。最悪のケースですと、生活が破綻し、今まで住み慣れてきた家を売却しなければならなくなります。
住宅ローンを組む際は、現在の状況だけではなく、老後の生活についても計算に入れておくと良いでしょう。
③金融機関の選択肢が少ない
最長40年ローン、50年ローンなどを提供している金融機関はありますが、取り扱いは地方銀行が主です。三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行などメガバンクの最長借入期間は35年です。
取り扱い金融機関を探すのも一苦労で、選択肢が限られてきます。住宅ローンが少ないということは、比較検討もしにくくなるということでもあります。金利以外に、手数料や保証料などの諸費用、団信特約、利便性など、住宅ローンでは検討することは多くあります。
借入可能な期間だけで住宅ローンを選ぶのは、リスクがあると言えます。
住宅ローンの借入期間を見極めるポイント
住宅ローンの返済期間を長期間にする場合のメリット・デメリットをご紹介しました。最長どれだけ借り入れできるかだけでなく、借入期間を決めるポイントを事前に理解しておくことが重要です。
ここでは、自身に合う借入期間の見極めるポイントをご紹介いたします。
①毎月の返済額
現在の収入と支出を考慮して、毎月住宅にいくら充てられるかを考えます。住宅ローンの返済額だけではなく、マンションの場合は管理費・修繕積立金などの別負担がありますので、そこも注意が必要です。
もしあなたが今、賃貸物件に住んでいるとしたら、その家賃を比較の目安とするといいでしょう。現在の家賃が毎月問題なく支払えているのでしたら、同額か、あるいは少し上乗せしても良いかもしれません。
月の返済額のおおよその目安が決まれば、借入額・借入期間が逆算して決めることができます。
②返済中に必要になる一時金
住宅を購入することにより、賃貸の時に必要だった契約更新料などはかからなくなります。
逆に住宅を所有することにより、増える負担もあります。毎年か、あるいは数年に一度か一時的な出費になりますので、ローン返済中でも支払いの準備のため貯えが必要になります。代表的な一時金は次のようになります。
- 固定資産税や都市計画税
- 火災保険
- 建物修繕費
固定資産税などの税金は毎年所有者に対して請求が来ます。火災保険は契約期間(最長10年)満了時に、更新の手続きが必要です。建物修繕は、マンションの場合は管理組合などで毎月修繕積立金として徴収されますが、戸建ての場合はご自身で貯えなければなりません。
そのため、毎月の負担額に余裕が持てるぐらいの借入期間が良いでしょう。
③返済完了年齢
返済期間を見極めるポイントとして、返済完了年齢から考える、というのがあります。自身とそのご家族のライフプランを考慮し、いつまでに完済したいかを踏まえ、借入期間を決めます。
現在は企業に勤めている場合は安定した収入が見込めますが、定年退職後は年金生活になり、収入が落ちてしまいます。退職金でいくらぐらい繰上返済ができるか、そしてどのくらいの金額をいつまで支払わなければならないのか、考えます。
老後に安心して暮らすためには、老後生活に負担をかけないような借入期間を設定することが重要といえるでしょう。
【年齢別】住宅ローン借入期間の目安をシミュレーション!
ここでは住宅ローンの年齢別借り入れ開始時でシミュレーションをしてみます。
金融機関による借入可能な期間=自身の借入期間ではありません。
ご自身の人生設計と年齢に当てはめて、借入期間を選ぶ参考にしてみてください。
①30歳に借り入れ開始
まずは、30歳のケースでのシミュレーションです。30歳は不動産を購入するには比較的若い年齢です。これから家族が増えたり、転職をしたり人生の転機を控えている年代と言えるでしょう。
完済時年齢が80歳未満の金融機関の場合
79歳(80歳未満)-30歳=最長49年
最長返済期間が35年の商品を利用する場合、定年を迎える65歳にちょうど住宅ローンが完済できる計算です。この年齢であれば、比較的柔軟に返済期間を選ぶことができます。現在、多くの金融機関で繰上返済手数料が無料ですので、借入期間は余裕を持って選ぶと良いでしょう。
借入期間を短くしすぎてしまうと返済額に無理が生じてしまい、実生活に影響が出たり、急な出費に対応ができなくなってしまいます。
②45歳に借り入れ開始
45歳の時住宅ローンを組んだ際のシミュレーションです。45歳という年代は、仕事では働き盛りで、プライベートでは子育てなどで充実しているという方も多いでしょう。
完済時年齢が80歳未満の金融機関の場合
79歳(80歳未満)-45歳=最長34年
最長返済期間が35年の商品を利用する場合、34年間借りることができます。 仮に20年返済で住宅ローンを利用すれば、完済時の年齢は65歳となり定年を迎える時に完済ができます。しかし、借入期間が20年というのは期間が短く、毎月の返済額の負担は多くなりがちです。借入期間を25年にすると、65歳定年の後、定年退職後5年間は預貯金や年金から住宅ローンを返済しなければなりません。その期間支払うことができる返済額かどうかを判断しなければなりません。また併せて、退職金のおおよその額も把握しておくと良いでしょう。
③60歳に借り入れ開始
60歳の時のシミュレーションです。年齢的には住宅ローンを使った最後の住宅取得を検討できる年代です。
完済時年齢が80歳未満の金融機関の場合
79歳(80歳未満)-60歳=最長19年
借入時の年齢が60歳の場合、返済期間が最長19年まで利用できます。この場合、定年後も返済が残ることになります。
この年代は、借入期間が長く取れないので、返済額が高くなりがちです。また、年齢的にも健康リスクがあります。もし住宅ローンを検討する際は、銀行審査だけではなく、事前に団信の保険会社審査を受けると良いでしょう。
まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!
住宅ローンの返済期間に関するご説明でしたが、いかがでしたでしょうか。借入期間は毎月の返済額に関係しますので、慎重に選ぶと良いでしょう。
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