住宅ローンの相場は?金利の種類と金利によって異なる返済例を紹介

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住宅ローンを検討する時に金利の相場がどれくらいか気になると思います。住宅ローンの金利は固定金利・変動金利・フラット35などがあり、それぞれ特徴も金利の相場も違います。金利の種類の特徴と、それぞれの金利の種類のよる返済例を紹介します。



▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンの金利の相場を知りたい人
  • 住宅ローンの金利の種類を知りたい人
  • 住宅ローンの決め方を知りたい人

内容をまとめると

  • 住宅ローンの金利相場は変動金利が最も低い
  • 2021年の金利相場は新規・借り換えともに上昇傾向
  • 返済方式によって返済額に占める利息と元金の割合が異なる
  • 住宅ローンを契約する時は金利だけで判断しない
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住宅ローンの金利の種類と相場を紹介


住宅ローンを組む際に、金利が気になる人は多いのではないでしょうか。


もちろん、住宅ローンは金利だけを見て決めるべきではありません。しかし、金利は返済額に大きく関わる問題のため、住宅ローン選びで欠かせないポイントです。


そこで本章では、住宅ローンの金利について、

  • 種類
  • 金利相場
以上の2点を解説します。

金利の種類や相場を知っておくことで、金融機関選びがしやすくなります。自分に合った種類を選んで金利の低い金融機関を探してみましょう。

住宅ローンの種類

住宅ローンの種類は金利タイプによって大きく3つに分けられます。主な種類と特徴を簡単にまとめると以下のとおりです。

特徴
変動金利返済開始当初から定期的に金利が変動
金利は最も低いが上昇リスクがある
選択期間型固定金利返済開始当初から一定期間は金利が一定
固定期間終了後は金利が跳ね上がる可能性がある
全期間固定金利返済開始から終了まで金利が一定
他の2つと比べると金利は高め
いずれもメリット・デメリットがあるため、家計状況やライフプランに合わせて選択することが大切です。本記事ではそれぞれの詳しい特徴や向いている人も後述するため、住宅ローンの種類を選ぶ際の参考にしてみてください。

住宅ローンの金利相場

住宅ローンの金利相場は種類によって異なります。2022年5月現在の種類別金利相場は以下のとおりです。

相場
変動金利約0.423%
選択期間型固定金利(10年)約0.990%
全期間固定金利(35年)約0.996%
以上の結果から、金利相場が最も低いのは変動金利です。なお、選択期間型固定金利の場合は固定期間が長いほど金利相場が上がる傾向にあります。

金融機関や商品ごとに金利にはかなりばらつきがあるため、住宅ローンを組む際は様々な金融機関・商品を比較・検討することが重要です。また、住宅ローンを決める際は金利だけに注目するのではなく、
  • 諸費用(事務手数料・保証料など)
  • 家計状況
  • ライフプラン
  • 利用しやすさ
なども含めて総合的に考えて判断しましょう。

住宅ローンの金利相場の推移


住宅ローンの金利は政策や世界情勢などの影響を受けるため、将来的に上昇するか下落するかの正確な予測はできません。そのため、過去からの金利の推移を知り、長期的な目線で金利を選ぶことが大切です。


そこで本章では、

  • 新規借り入れ金利
  • 借り換えの金利
以上の2つに分けて金利相場を見ていきましょう。

2021年新規借り入れ金利は上昇傾向

新規借り入れ金利は全体的に上昇傾向にあります。


住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」によると、選択期間型固定金利は上昇傾向です。変動金利についてはほぼ横ばいですが、若干の上昇傾向にあります。


全期間固定金利に関しては、フラット35の2018年〜2022年の同月における最高金利を比較してみましょう。

金利
2018年3月1.940%
2019年3月1.910%
2020年3月1.820%
2021年3月2.140%
2022年3月2.350%


以上の結果からわかるとおり、全期間固定金利でも2021年から新規借り入れ金利が上昇しています。

現在の金利は「下げ止まり」と囁かれるほどの低水準です。新型コロナウイルスによる経済的打撃を受けてもフラット35の金利が1.820%だったことを踏まえると、基本的に下がる余地はほとんどなく上がり幅の方が大きいと予測されます。

2021年借り換えの金利もやや上昇傾向

借り換えの金利に関してもやや上昇傾向にあります。


例えば、大手金融機関の金利は過去5年間で以下のように推移しています。

変動金利選択期間型固定金利全期間固定金利
2018年3月2.475%3.30%
1.76%
2019年3月2.475%3.30%1.61%
2020年3月2.475%3.15%1.38%
2021年3月2.475%3.35%1.63%
2022年3月2.475%3.55%1.65%
以上のように、変動金利は過去5年間で全く変動がありません。一方で固定金利は2020年にコロナショックで下がった後、2021年、2022年とやや上昇している状況です。

変動金利の特徴と向いている人


変動金利とは、一定期間ごとに金利が変動するタイプの住宅ローンです。変動金利の特徴は以下のとおりです。

特徴
メリット金利相場が固定金利よりも低い
金利の急上昇時に125%ルールが適用される
デメリット金利が上昇すると返済額が高くなる

一般的に金利は半年に一度見直され、5年ごとに適用されます。その際、たとえ大幅に金利が上昇しても、125%ルールにより直前の返済額の1.25倍までしか増えません。


以上の特徴を踏まえ、変動金利に向いているのは以下のような人です。

  • 返済額が増えても対応できる経済的余裕のある人
  • 返済期間が短い人・借入額が少ない人(金利変動の影響が小さいため)
  • まめに金利動向をチェックできる人

上記に当てはまる場合は、変動金利の利用を検討してみてください。

変動金利の住宅ローン5社を紹介

変動金利の住宅ローンから、以下の5社を紹介します。

商品名特徴金利
auじぶん銀行住宅ローン(全期間引下げプラン(新規借入、au金利優遇割)・変動金利)業界トップクラスの低金利
年0.310%
みずほ銀行みずほネット住宅ローン(全期間重視プラン、ローン取扱手数料型)・変動金利ライフイベントの家計の収支に合わせて返済額が増減できる年0.375%
新生銀行住宅ローン(変動金利半年型タイプ・変動フォーカス(新規借入)・変動金利)事務手数料が5.5万円〜と安価年0.380%
三菱UFJ銀行ずーっとうれしい金利コース(変動金利)7大疾病保障付住宅ローン〈3大疾病保障充実タイプ〉なら三大疾病になると残債がゼロになる年0.475% 
三井住友銀行変動金利型(最後までずーっと引き下げプラン)ライフステージに合わせた特典がある年0.475%

変動金利の住宅ローンを組む際は参考にしてみてください。

選択期間型固定金利の特徴と向いている人


選択期間型固定金利とは、返済開始当初から5年・10年など一定期間にわたり金利が固定される住宅ローンです。選択期間型固定金利の特徴は以下のとおりです。

特徴
メリット固定期間中は返済額が一定
全期間型よりも低金利
デメリット固定期間終了後に金利が跳ね上がることが多い
125%ルールが適用されない
一般的には固定期間終了後は変動金利に移行、あるいは再度固定期間を選択することになります。固定金利終了後の金利変動には125%ルールが適用されないため、金利が1.5倍・2倍などになる可能性がある点には注意しましょう。

以上の特徴を踏まえ、選択期間型固定金利に向いているのは以下のような人です。
  • 固定期間終了後に収入が増える・支出が減る見込みがある人
  • ライフイベントに合わせて一定期間だけ返済額を抑えたい人
上記に当てはまる場合は利用を検討してみてください。

選択期間型固定金利の住宅ローン5社を紹介

選択期間型固定金利の住宅ローンから、以下の5社を紹介します。なお、金利は固定期間10年として算出しています。

商品名特徴金利
中国銀行クイック(住宅ローン 住まーと!プラン/期間金利10年固定)所定の条件を満たすことで完済まで金利が最大年1.0%引下げ年0.500%
auじぶん銀行住宅ローン(当初期間引下げプラン)「au回線」と「auでんき」をセットで申し込むと最大年0.1%引き下げ年0.705%
ソニー銀行住宅ローン(新規借入、頭金10%以上)・10年固定がん診断を受けた際に残債が50%になる年0.750%
PayPay銀行住宅ローン(固定金利(10年)/当初期間引下型)

がん50%保障
無料の団信保障が充実年0.830%
みずほ銀行みずほネット住宅ローン(全期間重視プラン、ローン取扱手数料型)・10年固定ライフステージに応じて返済額の見直しができる年0.950%

選択期間型固定金利の住宅ローンを組む際は参考にしてみてください。

全期間固定金利の特徴と向いている人


全期間固定金利とは、返済開始から終了まで金利が一定の住宅ローンです。全期間固定金利の特徴は以下のとおりです。

特徴
メリット返済開始時点で総返済額が決まる
金利変動リスクの心配がない
デメリット他の金利タイプよりも金利相場が高い
市場金利がどれだけ上昇しても金利が変わらないため、安定して月々の返済が行えます。また、返済開始時点で総返済額が確定するため、収支計画が立てやすいという安心感もあります。


以上の特徴を踏まえ、全期間固定金利に向いているのは以下のような人です。

  • 安定した収入のある会社員や公務員
  • 繰り上げ返済が困難な人
  • 金利変動の心配やストレスを避けたい人

上記に当てはまる場合は利用を検討してみてください。

全期間固定金利の住宅ローン5社を紹介

全期間固定金利の住宅ローンから、以下の5社を紹介します。なお、返済期間は35年としています。

商品名特徴金利
アルヒ住宅ローン(スーパーフラット5S・Aプラン(新規借入・頭金50%以上)・15〜35年固定)フラット35のシェアNO.1年1.030%
住信SBIネット銀行フラット35(保証型)(フラット35S/融資比率9割/団信加入)全ての病気やケガを保障年1.030%
イオン銀行フラット35S(Aタイプ定率・金利Aプラン(頭金10%以上)・21〜35年固定)イオンでの買い物が5年間にわたり5%オフになる年1.230%
三菱UFJ銀行住宅ローン(ずーっと固定金利コース(事務手数料型)・31〜35年固定)住宅ローンの取扱残高NO.1年1.350%
新生銀行住宅ローン(ステップダウン金利タイプ(新規借入)・31〜35年固定)事務手数料が5.5万円からと安価年1.400%

全期間固定金利の住宅ローンを組む際は参考にしてみてください。


ここまで3つの金利タイプの特徴などを解説してきましたが、どの金利タイプが合っているかを自分で判断するのは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。


適切な金利タイプで住宅ローンを組むためには専門知識が欠かせません。そのため、住宅ローンを組む前に、まずはお金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。


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フラット35の特徴を紹介


フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱う全期間固定金利型の住宅ローンです。フラット35の「35」は35年ローンであることを示しています。


多くの住宅ローンでは団信への加入が契約の際の必須条件です。しかし、フラット35は団信への加入が任意のため、持病のある人でも利用しやすい住宅ローンとなっています。


そんなフラット35の特徴は以下のとおりです。

  • 返済開始から終了まで返済額が変わらない
  • メニューによっては金利の引き下げが可能

本章では、上記の特徴についてそれぞれ解説します。

金利が全期間固定されて返済額が変わらない

フラット35は全期間固定金利のため、返済額は返済開始から終了まで変わりません。


例えば、変動金利の場合は一定期間ごとに金利が変動するため、返済額が増えたり減ったりします。一般的に住宅ローンは長期的な返済プランを組む必要がありますが、返済額が一定ではないと安定した返済プランが立てられません。


その点フラット35は返済開始の時点で

  • 毎月の返済額
  • 総返済額

以上の2つが確定します。そのため、住宅ローンを組む時点で安定した返済プランが立てやすいです。金利上昇リスクを避けたい人や安定した返済プランを立てたい人は、利用を検討してみましょう。


ただし、市場金利が下がっている状況では、金利が固定されていることで損をする可能性もあります。利用の際は金利動向や相場を必ず確認しておきましょう。

メニューによって金利が引き下げられる

フラット35には以下の4つのメニューがあり、適用することで金利が引き下げられます。
条件引き下げ幅
【フラット35】S長期優良住宅など質の高い住宅を購入する▲0.25%
【フラット35】リノベ中古住宅を購入し、一定要件を満たすリフォームを行う▲0.5%
【フラット35】維持保全型

維持保全・維持管理に配慮した住宅を購入す

既存住宅の流通に資する住宅を購入する

▲0.25%
【フラット35】地域連携型子育て支援等を行っている地方公共団体と住宅金融支援機構が連携▲0.25%
2022年5月現在のフラット35の金利は年1.480%〜年2.540%で、相場と比較するとやや高めです。しかし、メニューの適用により金利が引き下げられる上に、複数のメニューの併用もできるため、本来の総返済額よりも総返済額を抑えることができます。

ただし、メニューが適用される条件はいずれも厳しく、購入できる住宅の選択肢が少なくなる点には注意が必要です。

住宅ローンの利息の計算方法


住宅ローンの毎月の利息額の計算方法は以下のとおりです。

直前のローン残高×月利(%)

月利は年利を12ヶ月で割って算出します。ローン残高により毎月の利息額が変動するため、自力で計算すると複雑になります。各金融機関ではシミュレーションツールを提供しているため、より精度の高いシミュレーションをしたい場合は利用してみてください。


本章では、

  1. 変動金利
  2. 選択期間型固定金利
  3. 全期間固定金利

以上3パターンに分けて、計算式に当てはめて利息額の簡単なシミュレーションをします。

①変動金利の場合

以下の条件で変動金利の場合の利息を計算してみます。
  • 借入額:3000万円
  • 返済開始当初の金利:2%
  • 5年後の金利:1.5%
  • 期間:35年
  • 返済方式:元金均等返済方式
返済1回目の利息は以下のとおりです。

3000万円×2%÷12ヶ月=50,000円

続いて、2回目の利息を計算します。今回は元金均等返済方式を想定しているため、元金の返済額は毎月71,428円です。そのため、2回目は元金から71,428円引いた金額で算出します。

29,928,572円×2%÷12ヶ月=49,880円

変動金利では5年ごとに金利が変動します。金利変動適用後の5年後の利息は以下のとおりです。

25,714,320×1.5%÷12ヶ月=32,142円

今回のケースでは以上のように計算できます。以降も5年ごとに都度金利を変更して算出してください。

変動金利は半年ごとに金利が見直され、5年ごとに適用されます。そのため、変動金利の利息は5年ごとの金利予想を含めた算出が必要です。金利予想は専門知識がないと難しいため、できる限り専門家と共に行ってください。

②選択期間型固定金利の場合

以下の条件で選択期間型固定金利の場合の利息を計算してみます。

  • 借入額:3000万円
  • 固定期間:10年
  • 返済開始当初の金利:1.5%
  • 10年後の金利:2%(固定)
  • 期間:35年返済方式:元金均等返済方式

返済1回目の利息は以下のとおりです。

3000万円×1.5%÷12ヶ月=37,500円

続いて、返済2回目の計算を行います。今回も①と同様に1回目で支払った元金71,428円を引いた上で算出してください。

29,928,572円×1.5%÷12ヶ月=37,410円

10年固定金利の場合は11年目から金利が変動します。そのため、11年目以降は金利を変えて計算しましょう。

21,428,640円×2%÷12ヶ月=35,714円

以上のように、選択期間型固定金利の場合は、固定期間終了後の金利予想を含めて算出してください。


固定期間終了後の利息は将来の金利動向に左右されるため、専門家と相談しながらシミュレーションしてみましょう。

③全期間固定金利の場合

以下の条件で全期間固定金利の場合の利息を計算してみます。

  • 借入額:3000万円
  • 金利:2%
  • 期間:35年
  • 返済方式:元金均等返済方式

計算は他の2つと比べて最もシンプルです。まずは返済1回目の計算をしましょう。

3000万円×2%÷12ヶ月=50,000円

続いて、2回目の利息の計算を行います。①・②と同様に元金の返済額は毎月71,428円です。そのため、2回目は元金から71,428円引いた金額で算出します。

29,928,572円×2%÷12ヶ月=49,880円  


全期間固定金利では金利が変わらないため、3回目以降も同様に返済済みの元金の合計を引いて算出してください。

住宅ローンの返済方法と返済シミュレーション


住宅ローンの返済方法には、主に以下の2つがあります。

特徴
元金均等返済方式返済開始から終了まで、毎月返済する元金の金額が同じ(利息は変動)
元利均等返済方式 返済期間中はずっと返済額が同じ
返済方法次第で毎月の返済額や総返済額に違いがあります。そのため、家計状況やライフプランなどに合わせて慎重に検討することが大切です。

そこで本章では、
  1. 元金均等返済方式の計算
  2. 元利均等返済方式の計算
以上2点をそれぞれを解説し、具体的な返済額をシミュレーションします。

①元金均等返済方式の場合

元金均等返済方式の毎月の返済額の計算方法は以下のとおりです。

借入額÷借入期間(月)+金利額(月額)

上記の計算式を使って、以下のケースでシミュレーションしてみましょう。

  • 借入額:3000万円
  • 金利:2%(全期間固定)
  • 期間:35年

まずは毎月返済する元金部分を計算します。

3000万円÷420ヶ月=71,428円

続いて、1回目の金利額を計算しましょう。

3000万円×2%÷12ヶ月=50,000円

以上2つの計算結果を足すと、以下のように返済額が計算できます。

71,428円+50,000円=121,428円

2回目以降の金利額は借入額から返済済みの元金の合計を引いて、再計算を行ってください。元金が減ることで金利額も減っていくため、返済額は少しずつ減っていきます。そのため、総返済額は元利均等返済方式よりも少ないです。

②元利均等返済方式の場合

元利均等返済方式の毎月の返済額の計算方法は以下のとおりです。

借入額×資本回収係数÷12

資本回収係数は、住宅ローンの返済を一定金額ずつ行った場合に、毎年の返済額がいくらになるのかを計算する際に用います。資本回収係数は返済期間や金利によって異なります。


上記の計算式を使って、元金均等返済方式の場合と同じ以下のケースでシミュレーションしてみましょう。

  • 借入額:3000万円
  • 金利:2%(全期間固定)
  • 期間:35年

この条件で上記の計算式に当てはめると以下のようになります。

3000万円×0.0397516÷12=99,378円

以上が毎月の返済額です。


元利均等返済方式で注意が必要なのは、返済開始から終了まで返済額が変わらない点です。例えば、上記のケースで1回目の返済の元金部分と金利額を計算すると、以下の結果になります。

3000万円×2%÷12月=金利額50,000万円

99,378円-50,000円=49,378円

元金均等返済方式では元金部分を1回目から71,428円返済しているのに対し、元利均等返済方式は49,378円しか返済できていません。つまり、返済額に占める金利額の割合が高く、ローンを完済するまでにより多くの利息を支払うことになるのです。


返済額が一定のため返済プランは立てやすいですが、負担が大きくなる点には注意しましょう。

住宅ローンに申し込むときのポイント


住宅ローンは金利だけで判断して選ぶべきではありません。金融機関・商品によって利用のしやすさや特徴は異なります。家計状況やライフプランに合った住宅ローンを組むためにも、様々な要素から総合的に検討しましょう。


住宅ローンに申し込む際のポイントは以下の4つです。

  1. 複数社に申し込みを行う
  2. 繰り上げ返済も検討する
  3. 保証料や事務手数料も含めた実質金利を見る
  4. 団信のオプションを付けることも考慮する

本章では、上記で挙げたポイントをそれぞれ解説します。

①複数社申し込む

住宅ローンに申し込む際の1つ目のポイントは、複数社申し込むことです。


一般的には3〜4社に申し込むことが多いです。もちろん、新規だけでなく借り換えの場合も複数社に申し込みできます。


複数社に申し込んだ方が良い主な理由は、複数社を同時進行で比較・検討できるからです。住宅ローンの審査には事前審査と本審査があります。審査にかかる目安の期間は以下のとおりです。

  • 事前審査:1日〜1週間
  • 本審査:2〜3週間

長ければ事前審査・本審査合わせて1ヶ月程度かかります。この結果を待ってから次に申し込むと、大幅に時間をロスしてしまいますよね。また、審査結果には有効期限があるため、1つの審査が終わってから次に進むと有効期限が切れて、再審査が必要になるかもしれません。


複数社に申し込んでおけば同時進行で比較・検討が進められるため、手続きがスピーディかつスムーズに行えます。そのため、住宅ローンには1社ずつではなく、複数社に申し込んでおきましょう。

②繰り上げ返済も考慮する

住宅ローンに申し込む際の2つ目のポイントは、繰り上げ返済も考慮することです。


繰り上げ返済とは、元金の一部あるいは全部を当初の予定より前倒しで返済することを指します。繰り上げ返済のタイプは大きく分けて以下の2通りです。

特徴
返済期間短縮型毎月の返済額は同じだが返済期間が短くなる
返済額軽減型返済期間は同じだが毎月の返済額が減る

一般的に繰り上げ返済は、

  • ボーナス
  • 相続
  • 子供の独立

などで余裕資金が生じた場合に行います。


繰り上げ返済を行う最大のメリットは、将来的に支払うはずだった利息を支払わずに済むことです。これにより総返済額を大幅に減らせる可能性があります。


なお、住宅ローン控除を利用している場合は注意が必要です。住宅ローン控除には「ローンの残年数が10年以上」という適用条件があります。繰上げ返済により10年を切ってしまう控除が受けられない恐れがあるため、住宅ローン控除と繰り上げ返済のどちらが得をするかを必ず確認しましょう。

③保証料や事務手数料も考慮する

住宅ローンに申し込む際の3つ目のポイントは、保証料や事務手数料も考慮することです。


住宅ローンは毎月の返済だけでなく、

  • 保証料:○万円
  • 事務手数料:借入金額×○%

といった形で初期費用がかかる場合があります。そのため、借入時に数十万〜数百万円の資金が必要になる点に注意しましょう。なお、フラット35の場合は保証料が不要です。


保証料や事務手数料を考慮する際は、実質金利を確認してください。実質金利とは、保証料や事務手数料も含めて計算した金利です。金融機関のホームページ等に書かれる金利は表面金利と呼び、保証料や事務手数料は含まれていません。


例えば、以下の2ケースで実質金利を比較してみます。

A社B社
表面金利0.380%0.375%
事務手数料借入額×2.2%借入額×2.2%+33000円
保証料0円0円
実質金利0.510%0.512%
上記のケースではB社の方が表面金利が低いため、一見するとお得なように感じます。しかし、実質金利を比較すると事務手数料の安いA社の方が低いです。

このように表面金利だけでは損か得か判断できないため、必ず金利以外にかかる諸費用も考慮した上で検討しましょう。

④必要なら団信のオプションも考慮する

住宅ローンに申し込む際の4つ目のポイントは、団信(団体信用生命保険のオプションも考慮することです。


団信とは、住宅ローンの契約者に万が一があった場合に、残債を保険金で完済してもらえる保険です。基本的に保険料は金利に上乗せされます。多くの金融機関・商品では、団信への加入が契約の前提条件です。ただし、フラット35は任意加入のため強制ではありません。


金融機関が取り扱っている団信の中には、

  • 三大疾病特約
  • 八大疾病特約
  • ガン保障特約

などのオプションを付けられる商品があります。これらのオプションを付けることで、死亡・高度障害状態でなくても、特定の疾病になった際に残債がゼロになる可能性があります。


特にがんは日本人の2人に1人が生涯のうちにかかるとされている疾病です。病気になれば働けなくなるリスクもあるため、長期ローンを組む場合は特に団信のオプションも考慮した住宅ローン選びをしましょう。


ただし、オプションを付けるとその分の保険料が金利に上乗せされます。返済額の負担が増えるため、家計状況から冷静に判断して検討してください。

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ


住宅ローンの金利タイプやその相場を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


金利相場が最も低いのは変動金利ですが、家計状況やライフプランなどによって最適な金利タイプは異なります。そのため、住宅ローンを組むときは金利だけでなく総合的な視点で考えることが大切です。


お金の専門家であるFPであれば、家計状況やライフプランに合った適切な住宅ローンの組み方のアドバイスができます。無理な住宅ローンを組んで生活が困窮することを防ぐためにも、まずは専門家に相談をしてみましょう。


FP相談の顧客満足度93%のマネーキャリアであれば、FPへの無料相談が可能です。予約から面談までオンラインなので、スマホひとつで時間や場所を選ばず利用できます。マネーキャリアについて詳しく知りたい場合は、ぜひ以下のボタンをクリックしてください。

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