【令和4年版】住宅ローンを分かりやすく解説!金利やお得な制度も紹介

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すまい給付金などの施策や住宅ローン減税の拡充により、住宅を購入する人が増えています。この記事では住宅ローンについて一から解説します。金利タイプや支払い方法、団体信用生命保険等の保険やフラット35ついて紹介しています。住宅ローン控除等お得な制度も解説しています。

▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンについて一から知りたい人
  • 金利などの仕組みを知りたい人
  • 住宅ローンの金利計算について知りたい人
  • 住宅ローン控除など、お得な制度について知りたい人

内容をまとめると

  • 住宅ローンの返済額は「ローン元金(借入金額)+利息=返済額」で計算できる
  • 令和4年は住宅ローン減税が改正。変動金利の大きな動きはない
  • 住宅ローンには「公的ローン」「民間ローン」「フラット35」がある
  • フラット35は全期間固定金利で、融資の基準が優しいというメリットがある
  • 住宅ローンの金利タイプには「変動金利」「固定金利」「固定金利期間選択型」がある
  • 住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」「元金均等返済」の2種類ある
  • 住宅ローンに関わる保険は「団体信用生命保険」「火災保険」「地震保険」の3種類
  • 住宅ローンの不安はマネーキャリアの無料FP相談で解決しよう!

目次を使って気になるところから読みましょう!

住宅ローンとは?金利と利息の違いなど一から解説!


マイホームを購入する時に利用する住宅ローンは、契約者本人や家族が居住するための住宅を取得するための費用として活用することができるローンです。


住宅は生活に必要不可欠なものなので、住宅ローンは一般的なローンと比べると金利が低めに設定されています。その分、長期にわたって安定的な返済が求められます。


住宅ローンの金利は一般的なローンと比べると低く設定されていますが、返済が長期にわたることが多いため、住宅ローン選びでは金利が大切なポイントになります。


金利が高いということは、借入金額に対する利息の割合が多いということです。それだけ利息の支払い額も大きくなるため、金利を確認することが大切です。


たとえば借入金額3,000万円、返済期間35年の住宅ローン(全期間固定金利・元利均等返済・ボーナス返済なし)の場合、毎月の返済額と返済総額はこのようになります。


金利(年率)毎月の返済額返済総額
1.0%84,685円35,567,804円
1.5%91,855円38,579,007円
2.0%99,378円41,738,968円


借入の金利が0.5%上がると、毎月の返済額は約7,000円、返済総額は約300万円上がります。1.0%増えた場合は、毎月の返済額が約14,000円、返済総額が約600万円増と大きく変わります。金利の違いで返済額がこれだけ変わることを覚えておきましょう。


住宅ローンは住宅を担保にし、細かい個人情報から調査を行っているため、他のローンよりも低い金利で借り入れをすることができます。


それに加えて、近年の日本では日本銀行が行っているゼロ金利政策マイナス金利政策など、金融政策の影響で「超低金利時代」を迎えています。そのため、住宅ローンの金利も低水準で推移している状況です。


この記事では住宅ローンの種類や借入先、手続きの流れなど、住宅ローンについて一から解説していきます。

毎月の支払い金額の計算方法

住宅ローンの返済額は

  • ローン元金(借入金額)+利息=返済額

という計算式で計算できます。


住宅ローンはマイホームの購入資金を金融機関から借りることです。そのため、お金を借りる人は金融機関に対し、借りた金額(ローン元金)とは別に、「利息」を払う必要があります。ローン元金と利息の合計額を毎月少しずつ返済していくのが住宅ローンです。


利息を計算する時に使われるのが、住宅ローンの「金利」です。金利は、元金に対して支払う利息の割合のことを言います。「●%」と表記されることが一般的で、この金利の変動の仕方によっていくつかのタイプがあります。


例えば100万円を5%の金利(利率)で借りた場合、5万円の金利(利息)が発生し、返済する金額は元金と利息の合計の105万円となります。


住宅ローンは大きな金額を借り入れるので、金利が1%だったとしても大きな金額になります。金利のタイプを理解し、返済額や家族構成等、自分の状況に合う住宅ローンを選ぶことが大切です。

【令和4年度】住宅ローン最新情報


それでは、未だコロナの影響が色濃く残る令和4年度の住宅ローンの動向はどのようになっているのでしょうか。


ここでは今年度の住宅ローンの動向について

  1. コロナの影響で住宅ローン減税が延長
  2. 変動金利に大きな動きはない

こちらの2点について解説します。

①コロナの影響で住宅ローン減税が延長

住宅ローン控除とは、家を買う時に住宅ローンを利用した場合、一定の条件を満たせばローンの残高の0.7%相当額が、納付した所得税や住民税から戻ってくる制度です。


住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」と言います。住宅ローン減税と呼ばれることもありますが、同じものだと理解しましょう。


年末の段階で残高が3,000万円の場合、0.7%の21万円が納付した所得税や住民税から戻ってきます。住宅ローン控除は、所得金額から引いて税金を計算する所得控除ではなく、納める税金額から直接引く税額控除になります。


もし、控除額が納付した所得税額よりも多く控除しきれない場合は、一部住民税からも控除される場合があります。


13年間と長期にわたって、大きな金額を税金から戻すことができるので、住宅ローン控除を含めてローン返済計画を立てている人も多くいます。


その住宅ローン減税制度が、令和4年度から改正されました。


元々の住宅ローン控除はローン残高の1%相当額を10年間に渡って税額控除する制度でした。これが消費税の増税に伴い、令和元年度より控除期間が最大13年間に延長されています。


令和4年度の改正では、控除期間の3年間延長はそのまま継続されますが、控除率が1%から0.7%へ縮小されました。この変更によって、同じ住宅ローン残高でも控除される税額が下がることになります。


控除額は縮小されましたが、対象となる借入限度額の上限額は省エネ性能により4段階に分けて上乗せされることになりました。


省エネ性能借入限度額の上限
長期優良住宅
低炭素住宅
5,000万円
ゼロ・エネルギー・ハウス
(ZEH水準省エネ住宅)
4,500万円
省エネ基準適合住宅4,000万円
その他の住宅3,000万円


新築住宅は省エネ性能を高くするほど借入限度額が高くなり、住宅ローン控除での減税額が大きくなります。


これはメリットが大きいように感じますが、省エネ性能が高い住宅は建築費が高くなったり、申請費用が余分にかかることもあります。その点に注意し、ローン返済計画もしっかり立てながら住宅購入を考える必要があります。

②変動金利に大きな動きはない

令和4年の住宅ローン金利の動向として、変動金利に大きな動きは見られません。


住宅ローン金利には「短期プライムレート」が大きく影響します。


プライムレートとは、銀行が優良企業に融資を行う際の優遇金利のことで、日銀が決める金融政策の影響を大きく受けます。


プライムレートは融資の期間によって短期と長期に分かれ、住宅ローンの変動金利は短期プライムレートに連動しています。そのため、景気が良くなると住宅ローン金利は上がり、景気が後退すると金利は下がります。


この短期プライムレートですが、2009年以降、1.475%から変動がありません。住宅ローンの変動金利は毎年4月と10月の半年ごとに短期プライムレートに応じて見直されますが、2022年4月も大きな変動はありませんでした。


ここ数年は新型コロナウイルスの影響で経済状況も思わしくないので、日銀も現在の金融政策を継続する可能性が非常に高く、変動金利、固定金利は大きな変動はないと思われます。

住宅ローンの種類3つ


住宅ローンには大きく分けて3種類あります。


  1. 財形住宅融資、自治体融資などの公的ローン
  2. 民間金融機関が提供している民間ローン
  3. 民間の金融機関と公的機関が共同で提供しているフラット35


それぞれのローンの特徴について解説していきます。

①公的ローン

公的ローンは、公的機関が行う融資で、財形住宅融資自治体融資などの種類があります。


財形住宅融資の特徴はこちらです。

  • 財形貯蓄を1年以上継続している
  • 財形貯蓄残高が50万円以上ある
  • 融資額は財形貯蓄の残高の10倍以内で最高4000万円まで
  • 5年ごとに適用金利を見直す5年固定金利型


財形貯蓄はサラリーマンが給料から天引きをして行う貯蓄なので、財形住宅融資はサラリーマンを対象とした融資と言えます。


融資額は建設費、購入価額、リフォーム費用の90%までなので、残りの10%分は頭金として自分で準備するか、民間ローンから借り入れる必要があるので注意が必要です。


自治体融資は、全国の都道府県、市町村などの地方自治体が行う融資です。自治体融資は全国すべての自治体が実施しているわけではなく、実施している場合でも融資内容や融資条件は自治体によって異なります。


実施している自治体の多くが、一定期間以上の居住や勤務、収入条件などを定めていることが多いようです。

②民間ローン

民間ローンは、都市銀行や地方銀行のほか、生命保険会社やノンバンクなどの民間機関が行っています。民間ローンは「提携ローン」「非提携ローン」の2つに大きく分けられます。


提携ローン金融機関と不動産会社やハウスメーカーが提携して、提供される住宅ローンです。


提携ローンは不動産会社やハウスメーカーと長く付き合いのある金融機関が提供していることが多く、契約手続きの際には不動産会社が間に入って代行のサポートをしてくれます。


通常の金利よりも優遇された低い金利で融資を受けることができるなどのメリットもありますが、利用できる金融機関が少ないことがデメリットです。


また、自分の勤務先が提携している金融機関から融資を受けることで、金利優遇を受けることができる場合があります。自分の勤務先の制度を確認してみることもおすすめです。


非提携ローンは提携ローン以外の住宅ローンのことを言います。民間ローンでは様々な金融機関が、様々な金利タイプの住宅ローンを提供しています。


選択肢が多く、自分に合った商品を選べるのが最大のメリットです。


しかし非提携ローンは提携ローンのように不動産会社やハウスメーカーが間に入ってくれることはないので、自分で選び、手続きをしないといけません。


選択肢が多い中から自分で選ぶので、より良い条件の住宅ローンを見つけられる可能性もあります。


民間の住宅ローンの資金用途は、住宅に関わるものに限定されています。最大の融資額も建設費、購入価額、リフォーム費用の90%までの商品や、100%融資を受けられるものなど様々です。


非提携ローンは一般販売されていて、金融機関のホームページなどで詳細を確認できます。利用時はしっかり比較検討しましょう。

③フラット35

フラット35は民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供するハイブリット型の住宅ローンです。


フラット35の大きな特徴は全期間固定金利ということです。


後で解説しますが、住宅ローンの金利には金利が変動する変動型と、一定期間金利が固定されている固定型があります。


フラット35は全期間固定金利なので、一度ローンを組むとローン完済までの支払額が確定することが特徴です。


固定金利のため変動型より金利は高い傾向がありますが、今後金利の状況がどうなるか分からないので固定金利型を好む人には人気があります。


一般的なフラット35は民間金融機関が販売し、住宅金融支援機構が直接債権者になる「買取型」の仕組みとなっています。金融機関はあくまで代理店というポジションなので、買取型の場合は基本的な商品性はどの金融機関で申し込んでも同じです。


一方、保証型は少数の金融機関でしか取り扱いが無いタイプで、債権者が民間金融機関になります。


保証型は商品内容に関しても金融機関によって大きく異なるので、利用する時は利用条件や金利等をしっかり確認することが大切です。

フラット35について初心者向けにわかりやすく説明!


前項では住宅ローンの種類について解説しました。ここではフラット35についてもう少し詳しく解説していきます。


フラット35のポイントはこちらの2点です。

  • フラット35のメリット・デメリット
  • 優良住宅支援制度「フラット35S」

フラット35は全期間固定金利という大きな魅力がありますが、他の金利タイプに比べて金利が高い傾向にあります。そのデメリットを解消するための一つの方法として、「フラット35S」について紹介します。

フラット35のメリット・デメリット

フラット35のメリットは

  1. 全期間固定金利なので、返済期間中は金利が一定
  2. 契約者の年収や職業基準が優しく、自営業、非正規雇用者でも利用しやすい

ということです。


変動金利型は固定金利型よりも金利が低い傾向がありますが、もし住宅ローン金利が上昇していくと支払額が増えていきます。月々の支払いが増える可能性もあるので、そうした不安を嫌う方には固定金利型が人気です。


年収や職業基準が民間ローンより優しいのもフラット35の特徴です。


自営業の場合、民間ローンだと3回分の確定申告書の提出が必要になります。独立したばかりの自営業者の場合、審査すらしてもらえないことよくありますが、フラット35であれば独立して間もない自営業者も審査の対象となります。


非正規雇用者でも安定的な収入があれば融資の対象となるので、民間ローンの審査に落ちてしまった場合はフラット35を検討するのもいいでしょう。


フラット35のデメリットは、融資額が物件価格の90%までということです。


住宅ローンとして融資を受けられるのが物件価格の90%までなので、上限まで融資を受けたとしても残り10%は自己資金か他の融資で賄う必要があります。


フラット35の代理店で国内最大手のARUHIの場合、残り10%分をARUHIから融資してもらうプランがあります。


その場合の金利は変動金利となり、金利も高い傾向にありますが、自己資金無しで住宅を購入したい方は代理店の商品をうまく併用するのも一つの方法です。


また、フラット35を利用する場合は、融資を利用する物件に対して独自の基準を設けています。


住宅ローンの融資には適合証明というものが必要になり、そのために第三者の検査が必要になるということを覚えておきましょう。


手間は増えますが、フラット35の融資が受けられる物件ということは、その住宅の品質がいい証拠でもあります。工務店やハウスメーカーの完了検査と同時に行ってもらえば大した手間ではありません。あまりネガティブにとらえる必要はないでしょう。

優良住宅支援制度「フラット35S」

フラット35には質の高い住宅を取得する場合、借入金利を一定期間引き下げるフラット35Sという制度があります。


金利引き下げメニュー金利引き下げ期間金利引き下げ幅
フラット35S
(金利Aプラン)
当初10年間年▲0.25%
フラット35S
(金利Bプラン)
当初5年間年▲0.25%


フラット35Sの対象となる物件の条件は、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性の4つの性能別に定められています。


金利プランAの場合、

  • 省エネルギー性:一次エネルギー消費量等級5以上の住宅(認定低炭素住宅及び性能向上計画認定住宅を含む。)
  • 耐震性:耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
  • バリアフリー性:高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可)
  • 耐久性・可変性:長期優良住宅

このような条件があり、どれか1つ以上は基準を満たす必要があります。


金利プランBや中古住宅の場合はまた違う条件があるので、金利プランAの条件に該当しなかったとしても、他の条件に該当する可能性があるので確認しましょう。


住宅ローンは大きな金額を融資してもらうことが多いため、金利は少しでも低い方が、かなり負担が軽減されます。


質の高い住宅は建築費も高くなる傾向にあるので無理をする必要はありませんが、条件に該当するのであれば利用できるといいですね。

住宅ローンの金利3種類


住宅ローンの金利には大きく分けて3種類あります

  1. 変動金利型
  2. 固定金利型
  3. 固定金利選択型

では、どの金利タイプの住宅ローン商品を選べば良いのでしょうか。


住宅ローンの金利タイプを選択するには

  1. 金利タイプ別のメリット・デメリットを知る
  2. 金利タイプごとの返済総額の差を把握
  3. ライフプランから逆算

という、3つのポイントが大切になります。


メリット・デメリットの観点から見ていきましょう。


例えば、固定金利型の住宅ローンは借入時点で返済額を確定させて見通しを立てたい方に向いています。


一方、変動金利型は金利上昇による返済額の増加に対応できる余裕がある人や、今後の収入の高い伸びが期待できそうな人に向いています。それでも精神的な安心感を重視したい場合は固定金利を選ぶ方が良いと言えます。


金利タイプを選ぶときには、金利タイプごとに毎月の返済額や総返済額がどれくらい変わるのか、事前にシミュレーションしてみましょう。


変動金利型の商品は返済期間中に金利上昇のリスクがあります。金利上昇するケースも想定してシミュレーションしてみましょう。

住宅金融支援機構「返済プラン比較シミュレーション」


金利タイプを選ぶには、今後のライフプランを考えて選ぶことも大切です。例えばお子さんの教育費などまとまった出費が想定される場合は、返済計画が立てやすい固定金利型を選ぶのもいいでしょう。


また、変動金利型を選んで返済額を抑え、差額を貯蓄などに回しておくという考え方もあります。

①変動金利型

変動金利型は、借入時点の金利が半年に一度見直されるタイプです。


変動金利のメリットはこちらです。

  • 他の金利タイプと比べ、金利がかなり低く設定されている
  • 契約者の返済負担を抑える「5年ルール」や「125%」ルールがある

対して、デメリットはこちらになります。

  • 半年に一度、金利の見直しが行われる
  • 借入時点では総返済額がいくらになるかわからず、見通しを立てにくい

変動金利は金利設定がほかのタイプよりもかなり低めに設定されています。


しかし、金利は半年に一度見直されるため、借入時の金利が確定しているのは借り入れ当初の半年間だけなので、常に金利上昇の不安が付きまといます。


そのため、金利上昇のリスクに備えて変動金利にはこちらの2つの仕組みが用意されています

  • 5年ルール
  • 125%ルール

5年ルールは住宅ローンの毎月の返済額が、5年に1度しか見直されないというルールです。


変動金利は金利が半年に一度見直されます。5年ルールが設けられている場合、金利が見直されても、借り入れまたは前回の見直しから5年が経過していなければ、毎月の返済額は見直されません。


125%ルールは見直し後の返済額が、見直し前の返済額の1.25倍以上には増えないというルールです。見直し前の毎月の返済額が10万円の場合、見直し後の返済額は12万5,000円が上限になります。


金利が急上昇したときに5年ルールや125%ルールが適用されると、利息額が返済額を上回わることがあります。


上回った利息額は「未払利息」として翌月以降の返済に繰り延べされます。繰り延べされ続けて最終回の返済日に未払利息や返済元本が残っていた場合は、一括返済を求められるのが一般的です。

②固定金利型

固定金利型借り入れ当初から返済期間が終了するまで、金利が変わらないタイプです。


固定金利型のメリットはこちらです。

  • 借入時に総返済額が確定し、毎月の返済額が一定
  • 金利変動に左右されないので、精神的な不安がない


デメリットはこちらです。

  • 他の金利タイプと比べて、金利が高めに設定されている


固定金利型の魅力は、金利も返済額もずっと一定という「分かりやすさ」と「安心感」です。貯蓄計画や返済計画の見通しが立てやすいので、教育費などまとまった出費にも対応しやすいというメリットがあります。

③固定金利選択型

借入から一定期間だけ金利が固定されるタイプが、固定金利期間選択型です。


固定金利期間選択型のメリットはこちらです。

  • 固定期間がはっきりしているため、「子どもに教育費がかかる期間を固定金利にして支出を抑えたい」等、ライフプランに合わせた返済が可能


デメリットはこちらです。

  • 固定期間終了後は金利タイプを選び直さなければいけない(変動金利or固定金利期間選択型)
  • 5年ルールや125%ルールは適用されない


固定金利期間選択型は、変動金利と固定金利の良いところを掛け合わせた金利タイプです。金利の固定期間は2年、3年、5年、10年などがあり、自分のライフプランに合わせて選ぶことができます。


しかし固定金利期間選択型には、契約者の返済負担を抑える「5年ルール」や「125%ルール」が適用されません。固定期間が終了した後、金利上昇に伴って返済額が上昇したとしても対処できるよう、計画的に返済していくことが大切です。

参考:低金利だからと安易に借り換えをするのは危険

近年、金利が低く推移しています。住宅ローンは返済期間が長いため、借り入れた時と比べて金利が低くなっているという方もいるでしょう。


借入時より低金利だと、住宅ローンを借り換えすることで総返済額や月々の返済額を抑えることもできます。


しかし、低金利だからと安易に借り換えをすると、損をしてしまう場合もあるので注意が必要です。


住宅ローンを借り換えをした方が得になるパターンはこちらです。

  • ローン残高が1,000万円以上
  • 残年数10年以上
  • 金利差

借り換えで得をするために金利差を考えるのは大切ですが、借り換えには借り換え先の金融機関に支払う事務取扱手数料や保証料が新たに必要になります。


また、これらに加えて登記手数料が掛かる場合もあります。


これらの費用は決して小さい額ではないため、総合的に考慮しながら検討しましょう。

住宅ローンの支払方法2つ


住宅ローンは元金と利息の合計額を毎月少しずつ返済していきます。この元金と利息の支払方法には2種類あります。


  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

どちらを選ぶかによって、毎月の返済額総返済額が変わります。ここではそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

①毎月一定額を払う「元利均等返済」

元利均等返済は、毎月同じ額を返済していきますが、返済額内の元金と利息の割合が変化していく支払方法です。


毎月の返済額が一定なので、返済計画が立てやすく安心感がありますが、返済当初は利息の割合が高く、元金が減りにくいというデメリットがあります。そのため結果として支払い総額が高くなります。


毎月の返済額が変わらず家計の見通しが立てやすいため、元利均等返済を選ぶ方が大半です。金融機関側も利息が多くなるため、元利均等返済を前提に話を進める傾向にあります。


返済額に余裕がある場合は、次に説明する元金均等返済も検討するといいでしょう。

②毎月同じだけ払う「元金均等返済」

元金均等返済は、毎月同じ額の元金を返済する方法です。


元金均等返済では徐々に元金が減っていき、元金の残高に応じて利息が変わっていくので、毎月の返済額は少しずつ減っていきます。


支払う利息が減るので支払総額は安くなるメリットがありますが、返済当初は元金の金額が大きいため利息額も高く、月々の返済額が高いというデメリットもあります。


また、変動金利にあった「5年ルール」や「125%ルール」など、返済額の負担を抑える仕組みがないというデメリットもあります。


総返済額の差額がどれくらいなのかを確認し、デメリットとのバランスを見ながら検討していきましょう。

住宅ローンの保険3種類


住宅ローンを組むにあたって、保険に加入する必要がある場合があります。

  • 団体信用生命保険
  • 火災保険
  • 地震保険

団体信用生命保険はローンの借主に万が一のことがあった場合、代わりにローンを返済してくれる保険です。


住宅ローンは住宅を担保にローンを組んでいるので、火災保険は原則として住宅ローンとセットで加入する必要があります。また、同じ理由で地震保険の加入を義務付けている金融機関もあります。


ここではそれぞれの保険について解説していきます。

①団体信用生命保険

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンを返済中に契約者に万が一のことがあった時に、住宅ローン残高がゼロになる保険のことです。


住宅ローン借入時に団信に加入し、死亡などにより住宅ローン契約者が支払いができなくなった場合、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を銀行に支払う仕組みになっています。これによって住宅ローン残高がゼロになります。


最近では万が一の場合だけではなく、特定の病気に罹患したり、それによって働けなくなってしまったときにも保険金が支払われる団信もあります。金融機関によっては団信の費用が0円だったり、格安な場合もあるのでしっかり確認しましょう。


団信の加入は借入時か借り換えをする時しかできません。


また、団信は保険なので健康状態の告知が必要になります。そのため、持病があるなど健康状態によっては加入出来ないこともあります。その場合は加入条件が緩和された「ワイド団信」がある保険会社もあります。持病や病歴があっても加入できる場合もあるので、ローンを組む金融機関に確認してみましょう。

②火災保険

火災保険は、火災や落雷、風災など突発的な出来事や、盗難によって、対象の建物や家財に損害が生じたときに支払われる保険です。


火災保険ではこのような事故による損害が補償されます

  • 火災・落雷・破裂・爆発
  • 風災・ひょう災・雪災
  • 水災
  • 水漏れ
  • 盗難
  • 破損・汚損等

どの事故に対して補償がされるかは加入している保険の内容によって変わります。特約を付けることで補償されるものもあるので、注意が必要です。


火災保険は、保険金額を限度として損害額が保険金として支払われます。火災など万が一の

時にローンだけが残ってしまわないよう、しっかり検討しましょう。


火災保険料は長期間で契約するほど保険料がお得になります。現在は最長10年契約が可能ですが、2022年10月より最長5年契約に変更となります。


保険料も大切ですが、補償内容や補償の対象をきちんと理解して加入しましょう。火災保険をどのように加入したら分からない方はマネーキャリアのFPへ相談することをおすすめします。様々な保険会社の商品を比較し、あなたの考えに合った商品を提案してくれます。悩んでいる方は是非相談してみましょう。

③地震保険

地震保険は地震や噴火、またはこれらによる津波を原因として、居住用建物や家財に損害が生じた場合等に保険金が払われます。


住宅の補償は火災保険で充分では?と思うかもしれませんが、地震を原因とする火災事故が起きた時は、火災保険から保険金が支払われません。


地震保険は火災保険とセットで契約する必要があり、地震保険のみ加入するということはできません。また現在、火災保険は最長10年契約が可能ですが、地震保険は最長5年契約となっています。


地震保険料は保険料を所得控除することができるので、実質の保険料負担を軽減できます。万が一の時に後悔しないように加入を検討しましょう。

住宅ローンの負担を抑えるコツ5選


住宅ローンは長期間、少なくはない金額を払い続けます。そのため、家計への負担は少しでも軽い方がいいですよね。


ここでは住宅ローンの負担を抑えるコツを5つ紹介します

  1. 銀行が独自に設定する割引金利を利用する
  2. 融資手数料と保証料の少ない金融機関を選ぶ
  3. 住宅ローン控除を活用する
  4. 減税制度「すまい給付金」を利用する
  5. 返済開始から10年後に繰り上げ返済をする


無理なく住宅ローンを払っていくため、参考にしてください。

①銀行が独自に設定する割引金利を利用する

住宅ローンの負担を抑えるコツの一つ目は「銀行が独自に設定する割引金利を利用する」です。


店頭表示金利というのは「金融機関がもともと設定している金利」のことを指します。割引金利は、住宅ローンを借りる人の条件に応じて、店頭表示金利よりも低い金利が設定されているものをいいます。


例えばりそな銀行では5年固定選択型の店頭表示金利は年3.100%です。(2022年4月現在)

金利プランは2種類から選ぶことができます。

  • 借入れ期間中は、ずーっと割引がある「全期間型」金利プラン
  • はじめに金利がぐっと安くなる、「当初型」金利プラン

全期間型は店頭表示金利から最大、年▲2.005%の割引が受けられます。(融資手数料型の場合)一方当初型は選択した固定期間中は最大で年▲2.055%〜▲2.655%の割引が受けられます。


それぞれのパターンでシミュレーションをして、自分に合ったプランを選びましょう。

②融資手数料と保証料の少ない金融機関を選ぶ

住宅ローンの手続きを進める中で様々な諸費用が必要になります。その中で最も大きな割合を占めているのは、融資手数料保証料です。


この融資手数料や保証料などの諸費用は金融機関によって変わります。


主な諸費用はこちらです。

地方銀行
都市銀行
フラット35
ネット銀行
融資手数料
(事務手数料)
3万円+消費税借入金額×2%+消費税
保証料借入金額によって変動する
物件検査手数料
(フラット35のみ)
検査機関や物件によって変動するが
3万円~10万円程度

これは一例なので、金融機関によって諸費用は変わってきます。地方銀行や都市銀行でもネット銀行のような諸費用の形態をとっているところもあります。


住宅ローンを選ぶ際には金利の低さも大切ですが、諸費用が高額な場合、総返済額が割高になる可能性もあります。


借入金額によってどちらの費用タイプがお得なのかは変わってきます。様々な金融機関を比較し、自分に合った本当にお得なローンかを判断しましょう。

③住宅ローン控除を活用する

住宅ローンを検討している方は「住宅ローン控除」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。住宅ローン控除はローン残高に応じて減税が受けられる制度です。


住宅ローン控除のポイントはこちらです。

  • 住宅ローン残高に応じて、契約者の所得税と住民税が10年~13年間軽減される
  • 毎年の年末時点の住宅ローン残高を基準に計算されるため、節税効果が高い
  • 住宅ローンの借入金額や税金額が高い方ほど、節税額は大きくなる

住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%(10年目まで)を税額控除してもらえる制度です。住宅ローン控除は所得から割り出した税額から控除することができるので、節税効果が大きくなっています。


年末のローン残高が3,000万円の場合、0.7%の21万円を所得税から控除することができます。所得税が21万円に満たない場合は、控除しきれなかった分を住民税から控除することができます。

④すまい給付金を利用する

すまい給付金は、消費税率の引き上げによって住宅取得者の負担が大きくなってしまった状況を緩和するために創設された制度です。


住宅ローン控除は支払っている所得税などから控除する仕組みなので、収入が低い人は所得税額も低く、効果が小さくなってしまいます。


すまい給付金制度は住宅ローン減税の負担軽減効果があまり及ばない収入層に対して、負担の軽減をはかるための制度です。


そのため、給付額は住宅取得者の収入によって10~50万円になります。所得が低いほど給付額は高くなり、所得が基準より高い場合は給付対象外になってしまうので、注意が必要です。


すまい給付金の対象物件には床面積や施工中の検査など要件がいくつかあります。収入要件と併せて、対象になるかをしっかり確認しましょう。

⑤返済開始から13年後に繰り上げ返済をする

5つ目のコツは、返済開始から13年後に繰り上げ返済をすることです。

なぜ13年後かというと、13年間は住宅ローン控除の適用を受けることが出来るからです。


融資額や返済期間によりますが、借入時の返済期間をできるだけ長く設定し、毎月の返済額を少なく設定します。住宅ローンの返済とは別に貯蓄ができるくらいの金額が理想です。


住宅ローン控除の適用期間中は低い返済額で返済し、当初の予定返済額との差額を貯蓄します。住宅ローン控除で減税された分も貯蓄に回せるといいですね。


そして住宅ローン控除の適用期間が終わったら、貯蓄していた分で繰り上げ返済をします。返済期間を延ばすと返済額は同じでも元本の減りは遅くなりますが、まとまった金額を繰り上げ返済すると、元本と利息の両方を減らすことができます。


繰り上げ返済には月々の支払額を下げる方法と返済期間を短くする方法があります。返済総額を減らすには返済期間を短くする方が効果的なのでおすすめです。


住宅ローンは借入金額が大きく期間も長いため、利息の負担も大きくなります。そのため、出来るだけ低い金利の住宅ローンを組み、返済期間を短くすることが利息負担の軽減には有効です。

住宅ローンの手続きの流れ

住宅ローンを組んで家を購入する場合、どのような手続きの流れになるのでしょうか。


住宅ローンの手続きは

  1. 事前審査
  2. 本申し込み
  3. 金銭消費賃借契約
  4. 融資実行

の流れで行われます。


ここでは各ステップでのポイントを解説します。

①事前審査

欲しい物件が見つかったら、購入の申し込みをし、金融機関にローンの事前審査の申し込みを行います。注文住宅の場合は図面とおおよその費用が必要なので、ハウスメーカーと相談しながら進めましょう。


事前審査を行うことで、物件契約後に希望の額を借りられなかったという事態を防ぐことができるので、出来る限り事前審査を行いましょう。


審査されるポイントはこちらの4点です。

  • 返済比率:年収に占める返済額の割合
  • 属性:年齢・年収・勤務先・勤続年数・健康状態・家族構成など
  • 他の借り入れ状況:オートローンや教育ローン、クレジットカードなどの支払い状況
  • 物件の担保価額:購入物件が融資額に見合う価値を有しているかどうか

返済比率が高いと、借入金額が年収に対して過剰であるとみなされ審査が通りにくくなります。ほとんどの金融機関で上限は25~35%以内と定められているので、返済比率がこの範囲内に収まるように調整しましょう。


属性は、申込者の信用力を量るための材料となります。大企業に勤めるサラリーマンや、収入が安定している公務員などは属性が良いと判断され、審査が通りやすくなります。逆に非正規雇用者は安定性が無いとみなされ、属性が悪いと判断されがちです。


また、正社員でも勤続年数が短いと審査が厳しくなります。審査を通るためには勤続3年以上が目安になると思っておきましょう。


自営業の場合、事業の継続が3年以上で、さらに過去3年間の収入が安定していることが基準になります。


他の借り入れ状況も審査に含まれます。他のローンと併せた返済比率で審査されることを覚えておきましょう。


最後に物件の担保価額です。住宅ローンは購入物件を担保に融資を行います。希望の融資額に見合う価値があるかどうかは審査の大切なポイントになります。

②本申し込み

事前審査に通り、物件の売買契約が終わると、住宅ローンの本申し込みへと進みます。


本申し込みには様々な書類が必要になります。

  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 課税証明書
  • 売買契約書の写し

などです。


必要な書類は申し込む金融機関や物件によって変わるので、事前にしっかり確認をして不足の無いように準備しましょう。


本申し込み後、最終的な融資承認がおります。正式な返答が来るまで緊張すると思いますが、事前審査の内容と相違が無ければ否決されることは、まずありません。

③金銭消費賃借契約

融資承認が下りたら、今度はローンの金銭消費賃借契約の手続きを行います。一般的に「金消契約」と言われる手続きです。


金消契約は、金融機関とのお金の貸し借りに関する契約で、この手続きの際に実際の借入期間や借入金利について決めることになります。借入金利は本申し込み時の金利ではなく、金消契約時の金利になるということを覚えておきましょう。


この手続きは原則として、ローン申込人本人が、決済の10日~1週間前までに行うものとされています。


金融機関によっては営業日の兼ね合いや休業日があって前後することもあるので、金融機関の担当者にしっかり確認して日程を調整しましょう。


融資を受ける金融機関の口座を持っていない場合は、金消契約日までに口座を作る必要があります。直前に慌て無いよう、余裕をもって手続きを行いましょう。

④融資実行

金消契約が終わると、融資実行となります。


決済当日には、借入金がローン申込人の口座へ振り込まれます。


その借入金はそのまま融資実行とともに、購入物件の売主やハウスメーカーへ送金されます。フラット35の場合は金融機関の指定はありませんが、自分自身で売主やハウスメーカーへ振り込む必要があるので注意しましょう。


売主やハウスメーカーの方で融資金の着金が確認できれば、物件の引き渡しになります。


融資日によって初回返済日が変わるので、金消契約時にしっかりと確認しておきましょう。フラット35は初回の返済が2回分の返済額になるので注意が必要です。

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!


いかがでしたでしょうか。この記事では住宅ローンについて一から解説しました。


住宅購入は人生最大の買い物とも言われ、住宅ローンの支払いは長期間にわたります。どのようなタイプの商品があるか知り、それぞれのメリット・デメリットを把握することで、納得いくローンを組めるといいですね。


人生の中で一番大きなお金が動く住宅購入のタイミングには、お金のプロであるFPに相談することをおすすめします。


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また、火災保険や地震保険を取り扱っているFPも多いので、住宅購入に関する様々な相談が出来ます。


不動産屋やハウスメーカー提携のFPに相談すると、少し無理な金額でも背中を押されるという話もよく耳にします。マネーキャリアのFPに相談して、住宅ローンの不安を解決しましょう。

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