住宅ローンの抵当権とは?設定・抹消方法や費用まで徹底解説

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住宅ローンの抵当権とは、お金を借りた人が返済できなくなった場合に備えて、金融機関が設定する権利のことです。土地や建物を担保とし、競売を行うことで借金を確実に回収するためのしくみです。住宅ローンの抵当権を設定・抹消するための方法と費用について徹底解説します。

▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンの抵当権とは何かを知りたい人
  • 抵当権の設定方法と費用について知りたい方
  • 抵当権の抹消方法と費用について知りたい方

内容をまとめると

  • 住宅ローンの抵当権とは金融機関が設定する権利で、土地や建物を担保として融資を行い返済滞納の場合に弁済を受けることができる
  • 無担保の住宅ローンは借入期間が短い・金利が高い・借入額が低いというデメリットがある
  • 抵当権の設定・抹消は自分でもできるが司法書士に依頼した方が手間なくスムーズ
  • 住宅ローンでお悩みの方は何度でも無料のマネーキャリアのFP相談がおすすめです
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住宅ローンの抵当権とは


抵当権とは、住宅ローンを借りるときに金融機関が設定する権利です。


お金を借りた人が返済できなくなった場合に、金融機関が担保とした土地や建物を競売にかけることによって弁済を受ける権利を指します。


抵当権は住宅ローン契約の締結日に設定登記を行い、ローンを完済すると抵当権の抹消登記を行います。


銀行から抵当権抹消に必要な書類が送られてくるので、自分で法務局に行って手続きするか、司法書士に依頼します。


抵当権に関し、下記のポイントを押さえておきましょう。

  • 抵当権と根抵当権は別物である

抵当権と根抵当権は別物である

根抵当権は抵当権とは異なり、極度額(貸し出せる上限)の範囲内で何度も借り入れと返済を繰り返すことができます。


おもに企業や事業主が利用します。融資を受ける際の手間や登録免許税などの費用を省くことが可能です。


抵当権の場合、借り入れした金額を返済すれば抵当権は消滅します。しかし、根抵当権の場合、極度額の範囲内で何度も借入れができますが、完済しても債権者の合意がないと根抵当権が消滅しません


根抵当権を抹消したい場合、債権者の合意が得られたら「元本確定」をします。根抵当権は抵当権と同じ状態になり、確定した借入金を完済すれば根抵当権を抹消することができます。


完済後、債権者から抹消登記をするために必要な書類を受け取り、法務局へ提出すると根抵当権が抹消されます。

抵当権の「設定なし」には条件がある


多くの住宅ローンは、家を購入するためのお金を金融機関から借りる代わりに、家を担保にして抵当権を設定する「有担保ローン」です。


担保とは、お金を借りた人がお金を返せない場合に備えて、お金を貸した人が預かり受ける「保証となる財産」のことです。


無担保住宅ローンは、家などの担保無しで借りることができるローンです。 金融機関にとっては返済が滞った場合に備えるための担保が無いので、利用条件が厳しくなります。


抵当権の「設定なし」には下記のような条件があります。

  • 借入期間が短い
  • 金利が高くなる
  • 借り入れ金額が低くなる

状態①:借入期間が短い

抵当権の設定がない無担保の住宅ローンは借入期間が短いというデメリットがあります。


一般的な有担保の住宅ローンは最長返済期間が30~35年ですが、無担保の住宅ローン借入期間が10~15年に設定されている場合が多いです。


頭金を多めに用意でき、短い期間で住宅ローンを完済できる経済的余裕のある方に向いています。

状態②:金利が高くなる

無担保の住宅ローンは、諸経費が安いというメリットがあります。


抵当権の設定がないので、登記にかかる登録免許税や司法書士報酬などが不要です。保証料や融資事務手数料が不要なところも多く、諸経費が安くなります。


しかし、無担保ローンは金利が高くなるというデメリットがあります。


一般的な住宅ローンの金利は0.5~1.5%程度ですが、無担保住宅ローンの金利は3~5%程度のものが多いです。金利が高いと、総返済額が高くなります。

状態③:借り入れ金額が低くなる

無担保の住宅ローンは、マイホームの購入資金以外にリフォーム資金などの幅広い用途で融資を受けることができます。


土地や建物に抵当権が設定されないので、万が一ローンの支払いが滞った場合、強制的に担保の不動産を競売にかけられて売却される心配がありません。


しかし、無担保の住宅ローンは借り入れ金額が低くなるというデメリットがあります。


無担保の住宅ローンの場合、融資限度額は500万~2,000万円であることが多いです。上限が1億円程度の一般的な住宅ローンに比べて低く設定されています。たくさんの融資が必要な場合、無担保の住宅ローンは不向きです。

抵当権は「土地のみ」「建物のみ」の設定はおすすめできない


抵当権を「土地のみ」と「建物のみ」で分けるのはおすすめできません。


抵当権の実行により土地と建物がそれぞれ別々の持ち主になった場合、発生するのが法定地上権です。


法定地上権が認められないと、「建物の所有者」は建物を有効活用することができません。土地の所有権を持っていないからです。


しかし、法定地上権が認められると、「建物の所有者」は建物の譲渡や賃貸改築などが可能となります。


法定地上権とは、借地権のようなものです。債権者は土地を更地にする権利がないので、土地の価値が大幅に下がります。土地だけが競売にかけられた場合、損する可能性があります。


損しないためには、土地と建物の両方で抵当権を設定することが大切です。


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住宅ローンの抵当権の順位とは?


担保となる不動産の価値が高く、複数の金融機関から借入を行っても返済可能と判断された場合、融資を受けられます。


返済が滞った場合、担保である不動産が競売にかけられ、金融機関は弁済を受けます。


1つの不動産で2つの抵当権が設定されている場合、最初に設定されたものが第1抵当権です。次に設定されたものが第2抵当権となります。


順位が高い方の債権者はしっかりと回収ができますが、第2抵当権は満額回収できないリスクがあります。


抵当権に関し、下記のポイントを押さえておきましょう。

  • 2つ以上の抵当権の登記設定における注意点

2つ以上の抵当権の登記設定における注意点

複数の借り入れを有担保で行うと、複数抵当権が発生します。


第1抵当権は借金を確実に回収できます。しかし、第2抵当権以降は満額回収できないリスクが高まるため、融資の審査が厳しくなります


金利も第1抵当権の金融機関より高くなる点に注意が必要です。金利が高いと総返済額が増えるので、家計を圧迫しがちです。


多くの銀行は第2抵当権の設定を避ける傾向があります。複数の融資を受ける場合にはノンバンクの金融機関を検討しましょう。


2番目以降の融資は、第1抵当の借入残高を差し引いても担保価値がまだ残っている場合に限られます。


返済比率(年収に対する返済額の割合)が30%以上の場合、融資が下りない場合もありますので注意が必要です。

住宅ローン利用時の抵当権の設定登記の方法


住宅ローン利用時の抵当権設定登記手続きは、以下の流れで進めていきます。

  1. 住宅ローンを契約する
  2. 抵当権設定を契約する
  3. 必要書類を揃える
  4. 抵当権設定登記を申請する
  5. 登記事項証明書を取得し、金融機関に提出する

抵当権設定登記には、下記の3つの方法があります。

  • 司法書士に代行を依頼する
  • オンライン申請をする
  • 不動産会社に相談する

方法①:司法書士に代行を依頼する

住宅ローンの抵当権設定手続きは、一般的に司法書士に代行を依頼します。法律で定められた資格は必要ないため、抵当権設定登記の手続きを自分で行うことも可能です。 


しかし、登記申請手続きは専門的な知識が求められ、手続きも煩雑です。自分で手続きをした場合、登記完了までに相当の時間と労力を費やすことになります。


司法書士に代行を依頼せず、抵当権設定登記が正式にできていない場合、無担保融資となります。返済が滞った場合、損害賠償請求が求められる可能性もあります。


手間やリスクを回避するためにも、自分では手続きをせず司法書士へ依頼しましょう。複数の司法書士事務所から見積もりを取ることで、司法書士報酬を比較することができます。

方法②:オンライン申請をする

抵当権設定登記手続きは、法務局で行います。
「申請用総合ソフト」をインストールすれば、オンラインで手続きできます。


手続きを行う際には、下記のものが必要です。 

  • 抵当権設定契約書
  • 不動産の権利証
  • 不動産所有者の印鑑証明書(3ヶ月以内)
  • 不動産所有者の実印
  • 登記申請書

登記申請書は法務局で受け取れますが、法務局のウェブサイトでダウンロードもできます。事前に記入してから提出することが可能です。


抵当権設定登記手続きが完了すると、登記事項証明書を取得できます。法務局で所定の手数料を支払い、受け取った登記事項証明書をローン契約をした金融機関に提出します。

方法③:不動産会社に相談する

司法書士に抵当権設定登記の手続きを依頼する場合、5~10万円程度の報酬を支払います。司法書士報酬を節約したい方は、自分で手続きすることも可能です。


しかし、金融機関によっては、債務者本人の手続きを認めない場合もあります。 抵当権設定登記手続きには専門的な知識が必要なので、債務者自身で手続きした場合、不備が生じる可能性があるからです。


抵当権設定登記の手続きには、印鑑証明書の取り寄せや申請書類作成などの手間がかかります。内容に不備があれば、何度も書類の提出をやり直さなければいけません。


登記手続きに慣れていない方は司法書士に任せる方がおすすめです。不動産会社や金融機関が紹介する司法書士への依頼が一般的です。

住宅ローン利用時の抵当権設定の費用と必要書類


住宅ローン利用時の抵当権設定について、下記のポイントを押さえておきましょう。

  • 抵当権設定にかかる費用は「登録免税額」と「司法書士への報酬」
  • 抵当権設定に必要な書類

抵当権設定登記は、銀行などの金融機関から住宅ローンの利用や借換えをする場合に必要となる登記です。


登録免許税は借入額によって異なるので、計算式を利用して求める必要があります。

抵当権設定にかかる費用は「登録免税額」と「司法書士への報酬」

抵当権設定にかかる費用は、おもに登録免許税と司法書士報酬です。


登録免許税は、必ずかかる税金などの実費です。司法書士報酬は、抵当権設定登記を委任した場合にかかります。


抵当権設定登記の実費の内訳は下記の通りです。

登録免許税借入額×0.4%
調査用登記情報代不動産の数×335円
完了後登記簿謄本代不動産の数×600円
交通費通信費手続に要した交通費や郵便代

登録免許税は次の計算式で求めます。登録免許税額=住宅ローンの借入額✕0.4%


住宅ローンの借入額が3,000万円のときは、登録免許税額は12万円となります。


司法書士報酬は5~10万円程度です。抵当権設定登記に加え、必要に応じて書類作成や調査・付随手続などの費用がかかります。

抵当権設定に必要な書類

抵当権設定登記に必要な書類や印鑑は、金融機関と住宅ローン契約者がそれぞれ用意します。


金融機関が用意する書類・印鑑は下記の通りです。

  • 登記原因証明情報(または抵当権設定契約証書) 
  • 登記委任状 
  • 印鑑(認印で可) 
  • 本人確認書類(運転免許証など)

住宅ローン契約者が用意する書類・印鑑は下記の通りです。

  • 権利証(登記済証または登記識別情報通知)
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内のもの) 
  • 実印 
  • 本人確認書類(運転免許証など)

住宅ローン契約者の登記簿に記載されている住所・氏名が現在のものと異なる場合は、抵当権設定登記と同時に手続きを行います。


住所変更登記の場合は住所変更証明書、 氏名変更登記の場合は戸籍謄本と住民票が必要です。

住宅ローン完済後の抵当権の抹消方法


抵当権抹消とは、住宅ローンを完済したあとに抵当権を抹消する手続きのことです。 


抵当権は住宅ローンを完済しただけでは登記が抹消されません。必要な書類をそろえて法務局に申請する必要があります。


登記が残っていると物件を売却する際に面倒なことになる場合があります。完済後はできるだけ早く抹消手続きを済ませましょう。


抵当権の抹消方法には下記の2つがあります。

  • 司法書士に代行を依頼する
  • 自分で手続きをする

方法①:司法書士に代行を依頼する

抵当権抹消登記は、住宅ローンの契約者と金融機関が共同で行います。しかし、一般的に、契約者が金融機関から委任状を受け取って手続きを進めます。


住宅ローンを完済すると、金融機関から債務者に抵当権抹消のための書類が送られてきます。 


自分で登記の手続きを行うこともでき、司法書士に登記を依頼することもできます。


司法書士に依頼することで下記のようなメリットが得られます。

  • 時間と手間がかからない
  • 書類の不備をなくせる
  • イレギュラーなケースでも対応できる

抵当権抹消登記自体は大変な手続きではありません。しかし、住所変更が必要な場合などは手続きが増えるので、負担が増えてしまいます。


司法書士に依頼すれば、手間なくスムーズに手続きすることができます。

方法②:自分で手続きをする

自分で抵当権の抹消手続きをする場合、住宅ローン完済後に金融機関から受け取る書類が必要です。抵当権抹消申請書を準備したら、法務局に行って申請することができます。


自分で抵当権抹消手続きをおこなうメリットは、登記費用を安くできることです。


登記費用には、登記に際して税金として納める「登録免許税」や各種実費と、司法書士に依頼する場合に発生する「司法書士報酬」があります。


自分で抵当権の抹消手続きを行えば、司法書士報酬(1~2万円)を支払う必要がなくなります。


登記に慣れていない人の場合、書類の準備から提出まで数時間から半日かかります。手間や労力が惜しい人は司法書士に依頼するとよいでしょう。


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住宅ローン完済後の抵当権抹消の費用と必要書類


住宅ローンを完済した後は、抵当権抹消登記が必要です。抹消登記の手続きは自分でもできますが、司法書士に依頼する方が手間なくスムーズです。


抵当権は、住宅ローンを利用する際に設定されます。


住宅ローンを完済すると抹消することができますが、住宅ローンを完済すれば「自動的に抵当権がなくなる」というわけではありません。抵当権抹消の手続きが必要です。


抵当権抹消登記に関して、下記のポイントを押さえておきましょう。

  • 抵当権抹消にかかる費用は司法書士によって異なる
  • 抵当権抹消に必要な書類

抵当権抹消にかかる費用は司法書士によって異なる

抵当権抹消登記にかかる実費の相場は2,000~5,000円程度といわれています。内訳は下記の通りです(不動産1件あたり)。

  • 登録免許税:1,000円 
  • 事前調査費用:332円〜600円 
  • 抵当権抹消確認費用:332円〜600円

実費は、自分で手続きした場合と司法書士に依頼した場合で違いはありません。


司法書士に依頼した場合には、実費以外に司法書士報酬がかかります。相場は1~2万円程度です。


少しでも節約したい方は、抵当権抹消登記の手続きを自分で行うとよいでしょう。しかし、手続きには時間と手間がかかります。


結婚などで氏名が変わった場合には、別の手続きも必要です。お金はかかりますが、司法書士に依頼すると不備がなくなるので安心です。

抵当権抹消に必要な書類

抵当権抹消登記の手続きは、金融機関からの委任状を用いて住宅ローンの契約者が行います


住宅ローンを完済すると、金融機関から下記の書類が送られてきます。

  • 登記済証または登記識別情報
  • 弁済証書
  • 抵当権抹消の委任状
  • 銀行の資格証明書

抵当権抹消登記の申請には、上記の書類と自分で作成した登記申請書を提出します。登記申請書は法務局のホームページからダウンロードできます。


登記申請書とは、住宅ローン完済による抵当権抹消などで不動産の情報が更新されたときに提出する書類のことです。


申請方法は、オンラインと書面による方法があります。いずれの場合も法務局に提出します。

住宅ローン利用時の抵当権は変更もできる


住宅ローン利用時の抵当権は変更もできます。住宅ローンの借り換えを行う際には、下記の2つの登記を行います。

  • 既存の住宅ローンの抵当権を抹消する
  • 新規の住宅ローンの抵当権を設定する

借り換えの際は抵当権の抹消と設定を行うので、両方の手数料がかかります。


住宅ローン借り換え時の登記費用見積例は下記の通りです。(ローン借換額は2,000万円・戸建・抹消する抵当権は1件 ・住所氏名の変更登記は不要)

報酬登録免許税等実費
抵当権抹消登記10,000円2,000円
抵当権設定登記25,000円80,000円
調査8,000円-
登記情報代1,000円1,340円
完了後登記簿謄本代1,000円2,400円
交通費通信費-3,000円
小 計45,000円88,740円
消費税3,600円-

登記費用合計額は13万7,340円です。

まとめ:抵当権についての疑問や不安はマネーキャリアへ!


抵当権についての疑問や不安は、マネーキャリアFP相談がおすすめです。何度でも無料でご利用いただけます。


抵当権とは金融機関が設定する権利です。住宅ローンが返済不能となった場合に、担保である土地や建物を競売にかけることによって借金を回収します。


設定方法だけでなく、抹消方法について理解することも大切です。住宅ローン完済後に抵当権の抹消をしておかないと、物件を売却する際に不都合が生じます。


手続きを司法書士に依頼する場合でも、事前にライフプランに関する疑問や不安を解消しておく方がよいでしょう。


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