更新日:2022/12/06
海外旅行保険の勘定科目の取り扱いについて現場から解説!
普段会計処理を行っている方もなかなか海外旅行保険の費用処理を経験する機会が少ないかと思いますので、勘定科目は何になるのか悩みますよね。この記事では、実際に海外旅行保険の勘定科目の取り扱いと行っていた私が自分が当時悩んだ経験を思い出しつつ解説いたします。
目次を使って気になるところから読みましょう!
海外旅行保険の勘定科目は何に分けられるか
事業を運営する上で、非常に多くの費用処理を経験します。
しっかりと費用処理のルールや勘定科目の定義をしていないと正直迷うことがたくさんあります。
もし仮に誤った会計処理をしてしまうと、営業停止となる最悪ケースもあり得ます。
では、海外旅行保険の会計処理はどうすれば良いのか?
私が入社3年目の頃に体験したエピソードを交えて海外旅行保険の費用処理方法についてご説明させて頂きます。
経理が伝票を起票する際に必要となるのが勘定科目です。
海外旅行保険は一体何の勘定科目となるのでしょうか。
そして、そもそも海外旅行保険とは何なのでしょうか。
一つ一つ丁寧に紐解いていきます。
まず、海外旅行保険とは海外渡航時の損害保険です。
怪我をしたり携行品をなくしてしまったり、死亡してしまったりなどの万が一のリスクに対応した保険です。
会社業務の一環として出張などへ行く際は、こうした海外旅行保険は必須となります。
私は以前、営業部長が海外へ営業出張へ行かれた際の費用処理を任されたことがあります。
飛行機代やタクシー代、飲食代など多種多様な伝票を起票していました。
会社宛名はちゃんとあるのか、報告書は添付されているのかなど、確認すべき事項は多くありました。
その一つに海外旅行保険がありました。
営業部長は、短期の海外旅行保険を契約して保険料を立替払いしていました。
ここで私はこの勘定科目は何になるかとても迷いました。
保険料だから損害保険料?いや、出張中に必要となる費用だから旅費交通費?
心配になった私は、上司へ相談することにしました。
経費の損害保険料か旅費交通費の2つに分けられる場合がある
上司に教わったのは、海外旅行保険は損害保険料や旅費交通費どちらでも処理可能という答えでした。
簿記の規程では、保険料とは以下のように定められているとのこと。
「保険対象期間が1年以下であり、役員や従業員を被保険者として掛け捨てで支払う生命保険や損害保険などの保険料を処理する費用勘定である」
つまり、簿記の観点からみれば勘定科目は損害保険料となります。
但し、個人事業主が同じ状況に陥った場合は処理の簡便化を図るために海外旅費交通費で一括して処理することも可能となります。
そのため、今回の立場で言えば損害保険料という勘定科目で費用処理することが適切であろうと教わりました。
会社組織の場合は主に海外旅行保険を経費の損害保険料に分けられている
そもそも勘定科目とは、財務諸表の簡単にするため、見やすくするための一つとして生まれたものです。
そして、勘定科目の付け方は会社によって独自に決めて構いません。
その透明性とルールが明確であれば問題はありません。
そのため、一度決めたルール(定義)はよっぽどのことがない限り変更することはできません。
なぜなら過去からのトレンド比較ができなくなるからです。
さらに、会社決算を良く見せようとしているのではないかと疑いを書けられるケースもあります。
海外旅行保険の勘定科目も同じです。
損害保険料にするか旅費交通費にするかは自由となっているのです。
個人企業の場合は海外旅行保険の勘定科目を旅費交通費として分ける場合がある
経理ルールは対外にも説明できるように、ルールさえしっかりしていれば良いのです。
あなたが個人事業主であった場合はその処理の簡便さから旅費交通費とすることをお勧めいたします。
海外旅行保険の勘定科目を分けるときの注意点
海外旅行保険の勘定科目は自由であると言ってまいりましたが、注意すべき点があることもぜひ知っておいて下さい。
保険料は基本的に非課税となります。
旅費交通費も基本的には非課税なのですが、その距離や費用の金額には上限があります。
どこまでを旅費交通費にするのかはきちんと考えた上で判断しましょう。
詳しい上限金額は国税用のWEBサイトをご参照ください。
会社組織の場合は経費削減のため海外旅行保険を勘定科目に入れてないこともあるので確認が必要
私の会社では、海外旅行保険は損害保険料という勘定科目で処理していました。
ただ、他の会社では経費削減のため保険料を期間費用とみなしてPLに含めない場合もあります。
企業に勤める経理担当の方であれば自身の会社がどういうルールとしているのかきちんと確認しておくことが大事です。
個人企業の場合は海外旅行保険の勘定科目を商売に合うように経費を検討すること
なぜなら、収支計算に大きな影響があると考えるからです。
個人と企業では、その資本金や借入金に大きな差があることは明白であり、その保険料負担は個人の方が圧倒的に収支に与えるインパクトが大きいです。
まとめ:海外旅行保険は会社や事業など目的によって勘定科目が損害保険料や旅費交通費として分けられる
さて、ここまで学んできたことを皆さん理解できたでしょうか。
経理部門ではない方が読まれた場合は少し難しかったかもしれません、
会社の経理決算とは、非常に大切なものです。
会社を数字で評価するものであり、会社の動向を客観的に確認できる指標にもなります。
だからこそ、勘定科目や費用処理の方法はきちんと学んでおかなければいけません。
今回は海外旅行保険の勘定科目について取り上げてみましたが、経理の世界は奥が深いので
まだまだ掘り下げられる所は大いにあります。
これから先、海外旅行保険の勘定科目以外についてお悩みの際はぜひ別の記事も読んでみてください。