高卒と大卒で生涯年収(賃金)はどれほど違う?中央値や平均値で比較

高卒と大卒結局どっちが生涯年収(賃金)多いの?と気になる人は多いかと思います。実際のところは数字上では大卒の方が生涯年収は多いですが、高卒でも社長などになる人もいます。そこで今回の記事では、高卒と大卒の生涯年収はどちらが多いか具体的な数値で比較していきます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

高卒と大卒で生涯年収はどれほど違う?

学歴社会といわれる日本では良い大学へ進学することが良いとされていますが、高卒ではどれくらいの生涯年収を得られるのか。

大学進学を選択した場合は学費や仕送りという費用もかかりますし、それを考えると高卒の方が結果的に多く稼げるのではないのか。

高卒の方が大卒よりも早く社会人としてスタートするのだから、その分多く稼ぐことができるのでないか。

といったような疑問があるでしょう。

実は、高卒と大卒では生涯年収や初任給、退職金まで大きな差があるのです。高卒で大卒以上の収入を得られるのはほんの一握りの人だけなのです。

この記事では
  • 高卒と大卒の生涯年収や賃金の違い
  • 高卒は本当に大卒よりも損をするのか?
  • 大卒は本当に高卒よりも得なのか?
について詳しく解説していきます。

この記事を読んでいただけたら、高卒と大卒どっちが多く稼げるのか、年収にどのくらいの差が出るのかが良く分かります。是非最後までご覧ください。

サラリーマンの方の生涯年収女性の一般的な生涯年収についても他の記事でより詳しくまとめているため、是非参考にしてください。

高卒と大卒の生涯年収の違いについて解説!高卒の平均年収は?

高卒と大卒の生涯年収ではどのくらいの違いが出るのでしょうか。


その額は、およそ4000万円ほどの差があると言われています。具体的に高卒男性が19歳~60歳までに受け取る給与の総額と大卒の男性が23歳~60歳までに受け取る給与の総額を比べてみましょう。働いている期間は高卒のほうが4年も長いにもかかわらず、どこでそのような差がつくのでしょう。


さらに、生涯年収の差は年齢が上がるごとに開きます。しかも女性よりも男性の場合のほうが、その差は明確になります。


気になる退職金や大学別にもご紹介いたします。これを見ると学歴で給料がこれだけ違うのかと驚くことになりますよ。

大卒と高卒で生涯年収はおよそ4000万円ほど差が出る

最も気になるのが高卒と大卒で将来的に生涯年収がどうなるか?という部分です。


生涯年収とは、個人が一生のうちに受け取る収入の総額です。


高卒と大卒の生涯年収を比較してみます。


生涯年収の平均は、高卒の男性(19歳〜60歳)43年間で1億4964万円。ボーナスをプラスすると2億円前後となります。


一方大卒の男性(23歳〜60歳)の生涯年収は39年間で1億8626万円。ボーナスをプラスして2億4000万円です。


高卒の男性と大卒の男性では、生涯年収約4000万円ほどの差になります。

生涯年収だけを比べると、大卒の方が圧倒的に得だということが分かりますね。

年齢が上がるごとに高卒と大卒の給料・賃金の差が開く

生涯年収の差が分かったところで次は、年齢が上がるにつれて、高卒と大卒の給料がどのように変化していくのかをまとめてみます。下の表は、年齢別男性の正規社員年収を中央値で表しています。


年齢高卒大卒
20~24歳338万円330万円
25~29歳390万円451万円
30~34歳435万円551万円
35~39歳480万円639万円
40~44歳539万円727万円
45~49歳570万円855万円
50~54歳596万円910万円
55~59歳584万円861万円
60~64歳402万円705万円

中央値は、データを小さい順もしくは大きい順に並べたときにちょうど真ん中にくる値です。

20~24歳の区分では、高卒者が18歳から働いている事もあり、中古値で見ると高卒者の方が8万円高いです。しかし25~29歳では年収の差が61万円、30~34歳では116万円にも広がります。30歳以降、どんどんと年収の差が大きくなり、50~54歳では高卒と大卒の差が314万円という最も差が大きい結果になります。


年齢に伴って年収の差が広がっていく理由は、高卒者に比べ大卒者の方が専門的知識が豊富で、基礎学力が高い傾向がある為、将来的には大卒者の方が管理職など上の位に就くことが多いからなのです。

高卒女性の年収はいくら?女性と男性の年収の差は大きい

では、女性の場合はどうでしょうか?女性の年齢別年収の中央値をまとめてみました。高卒と大卒の年収の差を中央値で見てみましょう。

年齢高卒大卒
20~24歳277万円316万円
25~29歳300万円400万円
30~34歳317万円456万円
35~39歳335万円506万円
40~44歳370万円587万円
45~49歳377万円670万円
50~54歳389万円703万円
55~59歳383万円650万円
60~64歳322万円707万円

女性の場合は、20~24歳で差が39万円、30~34歳で139万円と、30歳以降から年収の差が大きくなっていきます。最も差が開くのが50~54歳の区分で314万円です。


男性と同じくらいの差があります。また、高卒者の女性の年収は男性に比べて全体的に低い傾向があります。これは、やはり女性より男性のほうがキャリアアップが多いためと考えられます。ですが女性でも高卒と大卒でこれほど大きな年収の差があるので、やはり大卒の方が得だということがわかりますね。

初任給や退職金は高卒より大卒の方が多い

初任給は、高卒と大卒でどの位の違いがあるのか、高卒と大卒の平均初任給についてまとめてみます。


平成29年度賃金構造基本統計調査結果

学歴・男女別平均初任給
大卒(男女計)20.6万円
高卒(男女計)17.9万円
大卒(男性)20.7万円
高卒(男性)18万円
大卒(女性)20.4万円
高卒(女性)17.8万円


高卒と大卒では、男性で2.7万円の差があります。女性でも2.6万円の差があることが分かります。社会人としてのスタート地点で、すでに高卒と大卒の給与の違いが明らかです。

次に、退職金についてまとめてみます。

学歴大企業中小企業
大卒2489万円1139万円
高卒2268万円1083万円

退職金に関しては、大企業の場合は約2020万円、中小企業で約60万円ほどの差があります。


そもそも退職金は受け取れるのか?という疑問もあるかと思いますが、実際、退職金制度は全体の75.5%の企業が導入しています。


企業規模別にみても、大企業で93.6%、中小企業で72.0%の企業が退職金制度を整えています。退職金を受け取れる企業の割合が多くなっていることが分かります。

参考:大学別年収ランキング

大卒といっても、全ての大卒が同じ年収ではありません。

参考として、大学別の年収ランキングをみてみましょう。

順位大学名平均年収
1東京大学729万円
2京都大学677万円
3慶応義塾大学632万円
4東北大学623万円
5名古屋大学600万円
6大阪大学599万円
7神戸大学590万円
7北海道大学590万円
9横浜国立大学573万円
10早稲田大学572万円
11九州大学569万円
12東京理科大学563万円


順位大学名平均年収
92拓殖大学435万円
92順天堂大学435万円
94城西大学435万円
94明星大学435万円
96福山大学434万円
96三重大学434万円
98亜細亜大学433万円
99神戸学院大学432万円


こちらのランキング結果を参考にしてみると、大学によって平均年収にかなりの差が見られます。1位と99位の大学の年収の差は297万円もあります。東京大学や慶応義塾大学など、やはり難関大学は平均年収も高いことが分かります。大卒といえど、卒業する大学によっても平均年収は異なるのです。

なぜ企業は採用時に学歴を見るの?

就職活動やキャリアアップに学歴は関係ないなどと言われていますが、なぜ収入にこれだけの差があって、企業は採用時に学歴を見るのでしょうか。


これは、実は学歴だけを見ているのではないのです。


企業が採用時に学歴を見る理由は大きく分けて2つの理由があると言われています。

  • 一つのものに打ち込む能力があると考えられる。
  • コストをかけずにいい人材を探すため。
大学名だけを見ているわけではなく統計的にみた今までの採用実績や、大学に入ってからの自由な時間、大学に入るまでの道のりや努力を考慮した結果なのです。

では、詳しく解説していきます。

理由①:一つのものに打ち込む能力があると考えられるから

大学に入るためには高校のときから自分を自制し周りに流されず、目標をもって計画的に勉強をしなくてはいけません。大卒は大学受験という一つのものに打ち込んできた実績として考えられます。


会社でのプロジェクトを成功に導くため、一つのものに打ち込む能力があるということは大切なことです。また、大学での4年間の生活について聞かれることもこの何かに打ち込み能力があるかどうかを知るためです。大学の4年間で自分のしたいことや将来について考える時間もあるでしょう。


面接官に学生時代に打ち込んできたものがあるとしっかり伝えられるようにするとプラスの評価になるはずです。

理由②:コストをかけずにいい人材を探すため

仕事における能力と学歴は必ずしも比例はしません。もちろん人事担当の人もそれくらいわかっています。しかし、統計的に見ると高学歴の人のほうが仕事能力が高い傾向にあります。


しかも、学歴不問としてしまうと例えば10人の採用のところに10倍以上の面接希望者が殺到してしまい、面接をするだけで時間と手間がかかってしまうケースも多々あります。エントリーシートに目を通し、選考し、次の面接の連絡をし、不採用の人に通知をするだけでもとても多くの時間と労力がかかります。


そのため、コストをかけずにいい人材を探すためには、最終学歴である程度人数を絞ってから面接を始めたほうが効率が良くなります。

大卒でなければいけないということはない!

これまでご説明したデータ上では、高卒より大卒の収入が多くなる結果にはなっているが、本当に高卒者は大卒者以上の収入を得ることができないのでしょうか?


例外として、高卒者のほうが多い収入を得るケースもあります。それは一部の特殊な職種に就いた場合です。例えば、プロスポーツ選手や企業家などが挙げられます。企業家では、zozoの前澤社長は高卒者です。プロスポーツ選手として活躍し、多くの収入を得ることができるのも稀なことです。


また、大学へ進学したいと考えても、家庭状況などにより進学を諦め、働かなければならない事情もあるでしょう。大学進学を選択した場合の費用を考えると、個々の状況によっては大卒の方がいいとは一概に言えないのです。

理由①:高卒でも多く稼ぐ人はいる

一部の特殊な職業に就いた場合、高卒者でも大卒者以上の生涯年収を稼ぐ人もいるのは事実です。しかしそれは、ほんの一部の高卒者です。多くの高卒者がプロスポーツ選手になれるわけではありませんし、高卒でzozoの前澤社長のようになれる人がどの位いるのかを考えてみてください。


自分のやりたいことが既に決まっている人と、そうでない人がいます。手に職をつけるような職人やある専門的知識が豊富で、自ら企業する場合などは、わざわざ大学へ行かなくてもいい人もいます。


大学に進学しても、自分のやりたいことや目標を決められず、ただ漠然と通う人も少なくありません。


しかし、大学在学中に様々な経験を経て、色々な人と出会い、新たな方向を見出す可能性もあるのです。また、大学へ進学し、自分の持つ専門的知識をより深く学ぶことは、将来の生涯年収に大きくプラスに影響します。大学在学中にでも、自分のやりたいことはできるます。

より多くの可能性と、一般的な給与の差から考えると、まずは大学へ進学し大卒者として社会人をスタートした方が無難だといえます。

理由②:家庭の経済的状況がある人もいる

大卒が無難と分かっても、皆が大学へ行けるわけではありません。家庭状況によってはお金が必要なため、高卒ですぐに働かなければならない場合だってあります。


先の将来を考えたら、大学へ行ったほうが高い生涯年収を稼ぐことができるのは分かっていても、大学進学の費用が準備できない状況や、すぐに働いて自分の家族を助けなければならない状況だってあります。このような経済的な状況が理由で大学進学を諦める人も多くいるのが現実です。


しかし、高卒での就職は職種が限られたり、大卒者よりも数年も長く働いているのに高卒というだけで給料に差が出たり、多くのデメリットがあります。


そのため、高卒者は、働きながらスキルアップする努力をしなければなりません。例えば、働きながら資格を取得したり、社会人になってから通信制で大卒資格を取得できる通信大学を検討するのもいいでしょう。


このように、高卒でもより高い賃金を貰えるような努力が必要になってくるのです。

参考:機会費用の観点から大学進学を考えてみよう

機会費用とは、大学に通っている期間に稼げたであろう収入のことです。


高卒者の場合は、18歳や19歳から社会人として収入を得るため、大卒者よりも数年早く収入を得られるのですが、実際にどちらが結果的に得なのかご説明します。


大学にかかる学費は、国立や私立で違いがありますが250~500万円ほどです。

さらに仕送りなどの生活費として毎月15万円×12ヶ月×4年間=720万円とします。

合計で1千数百万円になります。


また、高卒男性の初任給を参考にして、18万円×4年間=72万円です。大学在学中に稼げたであろう機会費用は72万円です。


しかし、高卒と大卒の生涯年収の差は4000万円もありますので、大学費用と機会費用を差し引いたとしても大卒の方が3000万円も多く収入を得る結果となります。


高卒者は、大卒者よりも長い年数働いても、大卒以上の生涯年収を得ることは難しいのです。

さらに、大学進学費用が1000万円ほどかかっても、その後の将来に影響する多くの専門知識や人脈が広がります。

結論は、機会費用を投げてでも大学へ行ったほうが得です。

まとめ:高卒より大卒の方が生涯年収は多い!

高卒と大卒の生涯年収について詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?


今回の記事のポイントは、

  • 高卒と大卒では生涯の収入が4000万も差がある。
  • 年齢が上がると高卒と大卒の収入の差が開く。
  • 女性より男性のほうが学歴での収入さが大きい。
  • 学歴は初任給や退職金に差が出る。
  • 大卒でも大学によって収入に差がでる。
  • 企業が学歴を見るのには理由がある。
  • 高卒でも稼いでいる人はいる。
でした。

大学に入学するのもお金がかかるし、高卒で働き始めたほうが4年も早く働けるし稼げるのでは?と思っていた方には驚きの結果でしたね。

いまは学歴を重視しない会社も増えていますし、最終的に人事担当者は本当に見ているのは学歴そのものではなく、受験を通して培われたその人の能力です。

だから、高卒よりも絶対大卒でなければならないといったことはありません。

しかし、家庭に経済的な事情があるわけでもないけど、高卒で就職をするのか、大学に進学するのか進路に悩んでいるのであれば、大卒のほうが就職の時期が遅くなったとしても生涯賃金に4000万もの差があることを知っておくべきです。

ほけんROOMではほかにも読んでおきたい初任給や退職金などマネーライフに関する記事も多数掲載されています。

ぜひご覧ください。

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