「理想の年間貯蓄額」と「貯蓄する額を捻出する」方法

「大体いくら貯蓄したら良いですか?」「みんなどれくらい貯金していますか?」という質問は日常業務の中でとても多いです。そこで今回は、その疑問を解決スべく、「理想の年間貯蓄額の目安を知る方法」と「その過程における注意点」そして、「貯蓄額の捻出方法」を一気にまとめました。具体的には、今後の人生において、必要なお金を、必要なときに、必要なだけ、手元にある、準備できているためにはどうしたらよいか?ということです。ご自身にマッチしそうな方法は取り入れていただければ幸いです。

この記事の執筆者
阿久津 和宏
栃木県生まれ、埼玉県在住、妻、子供2人の4人家族。 群馬県の高崎経済大学を卒業後、2000年、株式会社セブンーイレブン・ジャパンに入社後、2010年大手生命保険会社・東京本社勤務を経て、2013年、独立系ファイナンシャルプランナーとして独立。 「必要なお金を、必要なだけ、必要なときに、手元に残す」ことに焦点をあてた、コンサルティング活動をしています。
家計費の適正化・中小企業経営者の手取り最適化・相続対策の助言業務をメインに活動中。身近で頼れる相談員を目指しています。

理想の年間貯金額とは?

「いったいいくら貯蓄したら不安がないですか?」「理想の年間貯蓄額はあるんですか?」
「いくら貯蓄したら、教育費や老後の生活に不安がなくなりますか?」などなど、このような質問を受けることはよくあります。


この記事では、「理想の年間貯蓄額」がどれくらいなのか?を知るためのお手伝いになれば幸いです。どうぞよろしくおねがいします。 


ところで、今と将来のお金のことを考える上で、


  • 「お金が必要なときに」
  • 「必要なだけ」 
  • 「お金がある(残っている)」

ことは理想的なことではないでしょうか?


「理想の年間貯蓄額」を知る方法と、「理想の年間貯蓄額」を創り出す方法(=捻出する方法)をご紹介していきたいと思います。 

いつ、いくらあったらいいのかを知る

はじめに、その理想に近づけるためには「いつ、いくらのお金があったらいいのか?」を知っておく必要があります。


これからの人生計画に沿って、お金の流れを知っておく必要があります。ライフプラン表やキャッシュフロー表というお話をお聞きになったことはあるかもしれません。


「いつ、いくらのお金が必要か?」を知るためには、ライフプランシミュレーションによって、知ることができます。


もちろん、将来の話ですので、そのとおりに行くかどうかは誰にもわかりませんが、目安を知ることはできます。


では、ライフプランシミュレーションはどのようにすればできるのでしょうか?その方法と注意点をお話していきたいと思います。 

ライフプランシミュレーションの方法

ライフプランシミュレーションをするための方法としては、大きく分けて2つです。 


  • 自分でシミュレーションする 
  • FP等の専門家に依頼する 


上記の方法に関する概要とメリットやデメリットをご紹介いたします。


自分でシミュレーションする

自分でシミュレーションする場合、有料(無料)のソフトを活用したり、インターネット上で試算できる場合もあります。意外と手軽にできるので、ご興味ある方はお試しください。 


ついでに、「メリット」と「デメリット」はあります。 


自分でシミュレーションするメリット


何よりも手軽さ、です。自宅でできますし、好きな時間にできます。ちょっと自分に合わないなと思ったら別のものをすることもできます。


自分でシミュレーションするデメリット


メリットは、手軽さであったり、するわけですが、知識不足により、正確さが失われることがあります。 


例えば後述しますが、少しのことで大きくお金の流れが変わることがあります。 


例えば月1万円のズレが発生すると、


  • 1年で12万円
  • 10年で120万円
  • 20年で240万円
  • 30年で360万円
  • 50年で600万円

です。


もちろん、先のことですから、1円単位でシミュレーションすることは不可能といえますが、
できる限り理想と現実のズレは減らしたいと思うでしょう。 


では、どんなことに注意すればよいのでしょうか? 


FPに相談する場合は、知識不足による不正確さは減るかもしれませんが、FPなどの専門家の全員の知識レベルが同じではありません。ですので、ある程度は、ご自身でライフプランのやり方や概要を知っておくことが必要です。 




ところで、 

ライフプランシミュレーションは、あなたの今の情報と先の情報を予測して、またわからないものは一般的な金額に置き換えて、シミュレーションできるものです。結果を左右するのは、家計の状態、収入と支出のバランス、将来の必要な資金の準備などが適正かどうか?はもちろんですが、はじめの設定によって大きく変化してしまいます。


どのような考え方でシミュレーションするのか?はとっても大事だと思います。もちろん概算でいい、という場合は、このお話は、考える必要はありませんが、ここでは少し触れておきたいと思います。

ライフプランシミュレーションの「前提」条件で気をつけること

ライフプラン相談において、お客様に「前提条件」についてお聞きする際には以下のことをお話するようにしています。それを代表するものは以下のものです。


  • 不明確なものは小さめに。
  • いつまで働くか?
  • 年金受取り額をどうするか?
  • インフレ率を加味するか?
  • 給与上昇率を加味するか?

ちょっと意味がわからない、と思うかもしれませんが、少しだけ解説したいと思います。 


不明確なものは小さめに

例えば、退職金。各FPや保険営業パーソンは、ライフプランソフトを活用していますが、退職金について、平均値または、実際に金額を入力するか、で前提条件を入力していくことが多いです。ちなみに平均値も今の平均値と10年前の平均値では異なります。よって、不明確な場合が多いでしょう。その場合は、大目に設定して安心することもできますが、できる限り少なめに設定して現実的なライフプランを組むことをおすすめします。


その他、よくあるお話が、「夏と冬のボーナス」や「決算賞与」など。あるかないかわからないものはなしで試算したほうが、その後に生きてくる気がします。がこれは個人の性格の問題かもしれませんね。 


いつまで働くか?

これはとても重要な話題です。多くのライフプランにいては、60歳退職、65歳退職などと設定したりしますが、それ以降はどうか?というお話です。人生100年時代と言われている中で、60歳や65歳で退職したとすると100歳まで生きると仮に仮定したとしても、残り35年~40年あるわけです。


仮に65歳から、5年間「年収100万円」と仮定すると(税金等は考慮しない)500万円の生涯年収が増えることになります。夫婦がそれぞれ「年収100万円」であれば、1000万円の収入アップです。
ですからこれはとても大事なことです。パート・アルバイトのような働き方もあるでしょうし、趣味や好きなことを活かした職業を始めることも可能でしょう。 


年金受取り額をどうするか?

年金の受取額に関するお話は、賛否両論あります。普段の会話の中では、 

「どうせ俺たち(私たち)の年代では年金なんかもらえない・・・」 

こういう話はよく聞きます。ライフプランのヒアリングをしている際もそのようなお話をされる方は多いです。しかしながら、お金の流れをキャッシュフロー表(ライフプラン表)で見たら意見を変えたくなった、という方は結構多いです。 


あまりここで悩む必要はありませんが、ライフプランソフトによっては、「年金受取り開始年齢」や「今の年金受取り額の90%」などと設定できるものもあります。あまり悩むことはありませんが、参考にしてくだされば幸いです。 


インフレ率を加味するか?

インフレ率って何?というお話ですが、簡単に言いますと「物価の上昇率」です。  

と言ってもピンとこないでしょうが、日本銀行のサイトに「教えてにちぎん」というコーナーが有るのですが、そこの記載によると、昭和40年の1万円は今のお金にすると約2.1万円、または約4.2万円に匹敵するそうです。


つまり物価が2倍になっているということで、違う言い方をしますと、お金の価値が半分になったということです。バブル崩壊以降デフレ経済が続き、このような考え方が薄れているのは事実ですが将来のお金のことを考えるのでしたら、加味する必要はあるかもしれません。




参考:教えてにちぎんHP 


給与上昇率を加味するか?

給与上昇率もありますが、あまりこれを考慮される方は多くないです。「わからないです」の一言です。

が、公務員の方はそうではないです。職種等によってある程度は分かるでしょう。退職まで完璧に約束されているわけではないでしょうが、念の為、ライフプランに役立てるかどうかは別として確認しておいても損はないのではないかと思います。 

いつ、いくらあったらいいのか?

少し長くなってしまいましたが、これらを通していつ、いくらあったら良いのか?を確認していきましょう。では、どういう考え方で確認していけばよいのでしょう?


「キャッシュフロー表」というものがあります。


金融資産の推移をグラフ化したものです。例えばこのようなものです。 




このグラフによって、金融資産の残高が危機に陥る時期がわかります。 


多くの場合、お子様が高校・大学に入学したあとや、仕事を退職・引退したあとです。 


つまり、収入が激減することが明確な場合や、支出が大きく増加するときです。ライフプランによって確認するまでもないでしょう。しかしそれが、いくらか?については、キャッシュフロー表で知ることができます。


例えば15年後に300万円足りない予測が立つ、ということであれば、 

15年間の間に300万円を作るために今以上の貯蓄をしていく必要がある、ということになります。
また、それに加えて75歳になったときに、金融資産が0になる、ということであれば、それ以降の必要な資金を貯蓄しなければなりません。 


このように、必要となる金額、を明確にすることができます。ここから逆算して年間貯蓄額を決めることができる、ということになります。 


しかしながら、この必要となる金額から逆算した年間貯蓄額は、金利0%で計算したものです。ですので、賢く運用することができるのであれば、もっと少ない金額で良い、ということになりますね。または、貯蓄するお金が作り出せない、という場合もあるでしょう。そのための方法をご紹介したいと思います。その方法としては、大きく分けて3つあると思われます。


  • 生涯収入を増やして、お金を残すこと
  • 支出を減らして、お金を残すこと
  • 有利に貯蓄して、お金を残すこと


です。これは、年間貯蓄額を圧縮することにも繋がりますし、理想の年間貯蓄額を年シュルすることもできます。または、将来資金を増やす方法にもつながります。これらを解説していきたいと思います。

年間貯蓄額を圧縮する方法・将来資金を増やす方法

繰り返しになりますが、「収入を増やす」「支出を減らす」「有利に貯蓄すること」の3点と言えるでしょう。


これらをチョイスして実践することで、貯蓄できる額を捻出することができます。


それぞれ簡単に解説していきます。

生涯収入を増やす

生涯収入を増やすためには、4つの方法があると言えます。期間を伸ばす・人数を増やす・時間を増やす・スキルアップで収入アップする方法の4つです。


期間を伸ばす

前述しましたが、いつまで働くか、が重要だという話をしました。つまり退職後の収入計画をたてることで無理なく、必要なときに必要なお金を残すことに繋がります。特に、老後の資金対策としては、とても重要なことと言えるでしょう。


人数を増やす

『ダブルインカム』体制を作るということです。ダブルインカムって何?と思われると思いますが、シンプルに言いますと、夫婦共働きということです。といっても、もし奥様が専業主婦なんだとしたら、パートなどでも少ない時間でも、少ない金額でも収入を得ることでプラスになります。 


仮に月3万円を30年間貯蓄できますと、 3万円×12ヶ月×30年間=1,080万円です。


使わずに蓄えておいたら、のお話ではあるのですが、「チリも積もれば山となる」ですね。


時間を増やす・スキルアップ

お仕事をしながら、プラスで収入を得ることは、時間的にも体力的にもとても大変なことかもしれませんが、サラリーマンでもプラスで収入をとっている方もいます。


ご自身の趣味や好きなことが収入にならないか?を考えてみてはいかがでしょうか?
  

支出を減らす

インターネットでも書籍でも、たくさんの家計支出を減らす方法、はあると思います。が効果の有りそうなお話をご紹介したいと思います。ここでは、4つの方法をご紹介したいと思います。


固定支出を減らす方法 

家計において、大きな支出を減らすことができれば、負担も減り、将来のお金を残すことにも繋がります。例えば住宅ローンの借換えがあります。低金利の時代ですから、効果がある可能性があります。フラット35を例に取りますと、平成26年4月の最低金利は1.75%でした。

5年後の平成31年4月の段階では、1.27%となっています。 (借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)

0.48%減少していることになります。

これを見ただけでも一目瞭然、月々の返済額や総返済額を削減できることは言うまでもないでしょう。

月々の支出を減らす方法

月々の些細な金額と思っているものでも、そこに着目して見ることで支出削減の効果に繋がる場合も多いです。具体的ではありませんが、月額課金制のものに登録しているがほとんど使っていない、などあると思います。または、スマートホンであったり、生命保険であったり同じサービス(全く同じということはないかもしれませんが)でも料金が変化することは多々あるでしょう。

ちなみに、格安スマホを例に取ると、家族4人でスマートホンの料金が2万円だったご家族が半分になるなどの例は結構あるものです。仮に1万円の支出を削減できれば 

1万円×12ヶ月×10年で120万円

10年で120万円支出を減らすことができるということになり、120万円貯蓄していることと同等の価値を作り出すことが可能になるということです。

マインドチェンジで支出を減らす方法

または、考え方を変えて支出を減らすことができた、という事例を少しご紹介したいと思います。

  • マイカー 
  • タクシー 
  • レンタカー 
  • カーリース 
  • カーシェア 
  • 家族や知人に借りる
などの方法がありますが、「家族や知人に借りる」は、別として、それぞれお金がかかります。
本当に今の状態が良いのかどうか?を見極める上で少し情報を提供したいと思います。 

シミュレーションをしてみましたので、下記をご覧ください。「カレコ・カーシェアリングクラブ」の料金シミュレーションをもとにまとめてみました。


前提:月6回、1回あたり12時間、1回あたりの距離数30kmとして比較しますと、 




節税するして支出を減らす

会社員の方などですと、ピンとこないかもしれませんが、会社員でも新たに節税することも可能になります。例えば、「確定拠出年金(選択性確定拠出年金)」や「ふるさと納税」があります。

支出を削減というお話をしましたが、参考になりそうなものがありましたら、取り入れてみてはいかがでしょうか? 

『年間貯蓄額の目安を知る』まとめ

ライフプランシミュレーションと、支出の削減を通して、「年間貯蓄額」を明確にすることができます。一般論でこれらの額を算出することは可能ですが、人生の中で何度も機会があることではないと思いますので、ご自身に当てはめて試算し、将来の不安解決となれば幸いです。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 

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