医療保険の保険料、月払いより年払いが割引でお得?途中解約のデメリットとは

医療保険の保険料の支払い方法を月払か年払いにするか迷う方も多いでしょう。今回、医療保険の保険料を年払いにするメリット・デメリット、年払いと月払いはどちらが割引されるか、年払いで途中解約すると損なのか解説します。医療保険の保険料支払い方法で迷う方必見です。

医療保険の保険料は年払い?月払い?それぞれのメリット・デメリット


医療保険の保険料は月払いにしているけれど、年払いにした方がお得なのではないか?と見直しを考えている方もいるのではないでしょうか。


保険料は年払いにした方がお得になると単純に考えてしまいがちですが、契約した時期や契約内容によっては逆に損をしてしまう場合もあります。


そこでこの記事では、「医療保険の保険料を年払いにした時のメリットとデメリット」について

  • 年払い、月払い以外にもある保険料の5つの支払い方法
  • 保険料を年払いにすることのメリットとデメリット
  • 年払いを途中解約した場合の未経過保険料についての注意点
  • 年払いの保険料が月払いの保険料より高くなる場合がある
  • 貯蓄型保険と掛け捨て型保険は年払いと月払いのどちらがいいか
  • 途中から年払いに変更するにはどうすればいいか
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、あなたの加入している医療保険が本当に年払いをする方がお得なのか判断するときに役立つかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

保険料の支払い方法をおさらい!年払い、月払いだけではない

保険料の支払い方法には次の5つがあります。
  1. 月払い…月に1回、1か月分の保険料を支払う方法
  2. 半年払い…半年に1回、半年分の保険料を支払う方法
  3. 年払い…1年に1回、1年分の保険料を支払う方法
  4. 一時払い…最初にすべての保険料を支払う方法
  5. 前納…保険料をある程度まとめて払い、保険会社に預ける方法

今回は、月払いと年払いについて説明します。


医療保険の保険料を年払いにするメリット

さて、まずは年払いにすることのメリットとデメリットをみていきましょう。

医療保険の支払方法を年払いにすると、割引など金銭的メリットもある反面デメリットもあります。

デメリットとは、まとまった金額を用意する必要があるため家計の負担になるということです。

それでは次に詳しくみていきましょう。

メリット①:保険料が割引になる

医療保険の保険料支払い方法を年払いすることのメリットは、なんといっても保険料が割引になるということです。

保険料は、保険会社が将来の支払いに備えて積み立てる「純保険料」と保険事業の維持・管理に必要な経費に充てる「付加保険料」で構成されています。

年払いは年1回の支払いなので、月払いに比べて保険会社の事務手続きの負担やコストが少なくなります。

そのため、付加保険料を安く抑えることができるようになり、保険料全体が安くなるのです。

半年払いでも割引はありますが、一般的に年払いの方が割引率が高くなっています。

しかし半年払いの取り扱いがない商品もありますので注意しましょう。

どれぐらいの割引率になるかは、保険商品や保険料によって違います。


気になったら加入している保険会社に見積もりを依頼しましょう。すぐに回答が得られるはずです。


月払いの保険を年払いに変えた場合の保険料について、一例を紹介します。


<契約内容>

  • 36歳女性
  • 入院給付日額5000円、その他特約なし
  • 保険料払い込み期間は終身
月払い月払い×12か月年払い差額
掛け捨て型医療保険1,852円22,224円21,611円613円

このケースでは、保険料を年払いにすると月払いで1年分支払うよりも613円安くなることがわかります。 


保険の加入期間は長期にわたります。


1年分の差額は大きな金額ではありませんが、長期間払い続けることを考えるとその差額は大きくなり、ばかにはできません。

メリット②:年末に医療保険に加入した場合、控除額が増える

年末に医療保険に加入する場合は、月払いよりも年払いのほうが保険料控除額が増えるメリットがあります。


生命保険料控除とは、年末調整または確定申告で1年間に支払った保険料に応じて所得税と住民税を減らすことができる制度です。


医療保険の保険料は「介護医療保険料」に分類され、控除される金額は所得税が最高で4万円、住民税が2.8万円となっています。


月払い1万円、年払いなら12万円の医療保険に12月に加入した場合、月払いなら1万円しか控除対象になりません。


しかし、年払いなら保険料が12万円となり4万円が控除対象となります。

医療保険の保険料を年払いにするデメリット

保険料を年払いにする一番大きなデメリットは、年に一度高額な保険料を支払わなくてはいけないことです


ボーナスを保険料の支払いに充当すれば家計への負担は軽減されますが、ボーナスがない人などは計画的に毎月コツコツとお金を貯めなければいけません。


また、ボーナスがある人でも突然病気になったり、子どもの教育費に予想以上の出費がかかったり、倒産やリストラなどで収入が減少するかもしれません。


そのため、安易に年払いを選択するのにもリスクがあります。以下に、医療保険の保険料を年払いにするデメリットについて詳しく解説します。

デメリット①:年に一度、多くのお金を支払う必要がある

年払いにすると月々の保険料負担はなくなりますが、年に一度まとまった金額を支払う必要があります。

そのため、支払い時に負担を感じることがあるのが年払いのデメリットです。

特に貯蓄型の医療保険の場合、掛け捨て型(または解約返戻金が少ない)の医療保険と比べて月々の保険料が高いため、年払いにするとかなりまとまった金額になります。


ただこのようなデメリットは、ボーナス支給月や児童手当支給月のあとに保険料の支払月を設定することで解消できるのではないでしょうか。

デメリット②:途中解約すると損になることも

何らかの理由で、年の途中に解約することもあるかと思いますが、その場合保険料はどうなるのでしょうか。


2010年4月の法改正で未経過分の保険料は返還されるようになりましたが、場合によっては途中解約すると損になることがあります。


保険は見直しをすることでより良い設計を作ることができますが、途中解約した時のデメリットも合わせて考えないと失敗することになります。


そのことについて、次で詳しく解説します。

年払いは医療保険を途中解約した場合の「未経過保険料」に注意

年払いの医療保険を途中解約した場合は、払い込まれた保険料のうち、未経過の月数に対応して「未経過保険料」が返還されますが、注意しなければいけない点があります。


それは、

  • 被保険者が死亡した場合には月払いより割高になる
  • 保険法が改正される前の契約には適用されない
ことです。

以上の2点について、以下で詳しくみていきましょう。

月払いの場合よりも支払う保険料が高くなってしまう可能性も

通常、年払いにすると月払いよりも保険料は安くなります。

しかし被保険者が死亡した場合は、月払いよりも年払いの方が保険料が高くなってしまう可能性があります。

たとえば保険加入時に年払いで1年分の保険料を支払い、1か月後に被保険者が亡くなった場合、11か月分の保険料は戻ってこないということです。


もし月払いにしていれば11か月分の保険料を支払う必要がなかった(1か月分の保険料でよい)ということなので、このようなケースの場合は月払い時よりも保険料が高くなってしまいます。

2010年3月以前に契約した医療保険は未経過保険料が返ってこない

2010年4月以降に契約した医療保険であれば、解約した時に、まだ経過していない月分の保険料相当額が返還されます


たとえば、1月1日に契約して1月25日に保険料を年払いで払い込んで、6月27日に解約したとします。


その場合、解約の翌日以降最初に到来する「月ごとの応当日」である7月1日から12月31日までの6ヶ月分の保険料相当額が返還されます。


しかし、2010年3月以前に契約した医療保険では、未経過分の保険料は返還されないので注意が必要です。

加入者の意見:医療保険の保険料を月払いと年払い、どちらがいい?

30代女性

医療保険の保険料は結局月払いにしました。

年払いの方がお得ということは担当者の方からも説明があったのですが、子育てしていて授業料や習い事のお金など何かと物入りなので月払いにしました。

30代男性

年払いの方が断然安いなので年払いで加入しました。

トータルで見れば払い込む保険料は少ないので、迷いましたが年払いにしました。一回の負担額は大きいですが、あらかじめわかっている出費なので問題ないと思います。

保険料を年払いにするか月払いにするかは、それぞれのライフスタイルに合わせることが大事です。


月払いに比べてメリットの大きい年払いですが、向いている人と向いてない人がいます。


年払いのメリットを充分に活かすためには、次のような方にオススメです。

  • 生活資金に余裕がある人
  • ボーナスなど年に1回以上まとまった収入がある人
  • 計画的にコツコツ貯蓄できる人

逆に、年払いは1回の出費額が大きいので、次のような方にはオススメできません。
  • 子育てや教育費などに負担がかかっている人
  • ボーナスがない人
  • お金の管理ができない人

貯蓄型医療保険と掛け捨て型医療保険における年払い

■貯蓄型医療保険
貯蓄型医療保険とは、満期金やお祝い金がある医療保険のことです。

また、解約した際に解約返戻金を受け取ることができます。

保険本来の保障」のほかに「貯蓄」の機能も併せもった保険です。


■掛け捨て型医療保険


掛け捨て型医療保険とは、満期金や解約返戻金のない医療保険のことです。


保険本来の「保障」機能に重点を置いています。


貯蓄型の医療保険よりも商品の種類が多いこと、満期金や解約返戻金がないため保険料が安いことが特長です。


貯蓄型医療保険と掛け捨て型医療保険において年払いをしたときの違いはあるのでしょうか?

貯蓄型なら返戻率をあげるため年払いがおすすめ

貯蓄型医療保険は、満期やお祝い金などで支払った保険料(の一部かそれ以上)が戻ってくる保険です。


保険料の支払い方法が月払いであっても年払いであっても受け取る金額は同じですので、支払う保険料が少ない方がお得になります。


つまり月払いよりも年払いの方が支払う保険料が安くなるので、貯蓄型の医療保険は年払いにした方が得だと言えます。



掛け捨て型なら見直ししやすいように月払いの方が良い?

掛け捨て型医療保険は貯蓄型医療保険に比べて、加入後により良い商品が見つかれば見直しがしやすいというメリットがあります。 


貯蓄型医療保険は、途中で解約をしてしまうと支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなりますので、新しい保険に乗り換えづらいこともあるでしょう。


しかし掛け捨て型医療保険にはそもそも解約返戻金や満期金などがないため、途中で解約したとしてもデメリットはありません。

  

また、保険料を年払いにしてしまうと、一年に一回しか保険料の支払いを実感することがありません。

月払いの場合は毎月一回保険料の支払いが必要になるため、自然と保険のことを意識します。

掛け捨て型医療保険の支払方法は月払いにして、見直しの機会を増やす方がいいと言えるかもしれません。


※新しい保険に乗り換える際、年齢が高くなっていることで保険料があがるケースが多くあります。


 また健康状態によっては加入できないこともありますので保険を解約する前に必ず詳しく確認しましょう。

途中から医療保険の保険料を月払いから年払いに変更することは可能

保険料の年払いと月払いについて、契約時期や保険のタイプからおすすめの支払い方法を紹介してきました。

それでは、現在の月払いにしている方が年払いに変更することは可能なのでしょうか。

医療保険加入時に保険料の支払い方法を月払いに設定していても、契約期間の途中で年払いに変更することは可能です。

しかし月払いから年払いへの変更は、いつでも自由にできるわけではありません。

次の契約応当月まで待つ必要がある

原則、月払いから年払いへの変更は毎年の契約応当月から可能になります。

たとえば、今加入している保険の契約日が2018年3月1日の場合、契約応当月は毎年3月になります。


12月に保険の払い込み方法を年払いに変更したいと思った場合、次の3月まで待ってから変更するか、2月までの月払い保険料をまとめて支払ったうえで変更するかどちらかになります。

まとめ:保険料を年払いにすることのメリット・デメリット

「保険料を年払いにすることのメリットとデメリット」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 年払いのメリットは割引があること、デメリットはまとまったお金が必要なこと
  • 年払いで途中解約したとき、2010年3月以前の契約の場合は未経過分の保険料は払い戻しされない
  • 2010年3月以前契約の保険で被保険者が死亡した場合は、年払いの方が保険料が高くなる
  • 貯蓄型医療保険は年払い、掛け捨て型医療保険は月払いがお得
  • 契約の途中で年払いに変更するには契約応当月まで待つ必要がある
でした。

契約した時期や契約している医療保険のタイプによってメリットやデメリット、またリスクなども考慮して年払いへの変更を検討してみてください。

そのうえで年払いに興味が傾いた場合は、現在契約中の保険の契約日等を確認し、早めに保険会社に問い合わせをして、年払いの料金を確認することからはじめてみてはいかがでしょうか。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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