更新日:2022/07/27
住宅ローン月々10万返済はきつい?失敗例や手取り額についても解説
これまで家賃で10万円支払っていたんだし、住宅ローンの返済額を10万円にしても大丈夫だろう!と月々の返済額を10万円に設定したのに、なぜか支払いがいままでよりもきつくなってしまった…。このような事態に陥るのはなぜなのか?適切なローン返済額設定について解説!
- 住宅ローンを月々10万円返済している人
- 住宅ローンを月々10万円返済するのがきついと感じている人
- 住宅ローンを月々10万円返済するとどのような生活になるかを知りたい人
内容をまとめると
- 現在支払っている家賃=ローン返済額ではない!
- 住宅ローン返済額は手取り年収から割合を考える
- ライフステージの変動を視野に入れて蓄えておく
- ライフプランに不安がある人はマネーキャリアのFP相談がおすすめ!
- 全国どこからでも無料で納得できるまで何度でも相談可能!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 適切な住宅ローン返済額は「返せる額」を基準にして決めよう
- ポイント①:物件タイプごとの平均返済額を知ろう
- ポイント②:毎月の収支をしっかり考えよう
- ポイント③:現在の家賃を基準にしよう
- ポイント④:返済負担率を考慮しよう
- ポイント⑤:頭金として使える金額を押さえておこう
- ランニングコストも忘れないようにしよう
- タイプ①:マンション
- タイプ②:戸建住宅
- 借入額が同じでも月々の返済額は変動する
- 変動要因①:返済期間
- 変動要因②:返済方法
- 変動要因③:金利プラン
- 住宅ローン「月々10万」返済の失敗例
- 失敗例①:無理な借入額を設定していた
- 失敗例②:住宅ローン以外の費用をちゃんと調べてなかった
- 失敗例③:年収や手取り額が上がる前提でローンを組んだ
- 失敗例④:病気のリスクを想定していなかった
- 失敗例⑤:ライフステージを考慮してなかった
- 失敗例⑥:完済時の年齢を考えていなかった
- 失敗例⑦:共働きでの収入を前提にしていた
- 手取りや家族構成なども分かるため、ブログで体験談を調べるのもアリ
- 年収500万の夫婦では毎月10万円ローンはリスキー
- 注意点①:「年収の25%以内が目安」は手取りベースで
- 注意点②:変動金利も注意しよう
- 注意点③:返済試算の鵜呑みはNG
- 注意点④:共働き前提は負担増につながる
- 注意点⑤:35年ローンは危険
- 月々10万円なら、家賃とローン返済どっちがメリットがある?
- 住宅ローンの返済がつらいときに検討すること
- 検討すること①:家計を見直す
- 検討すること②:転職や副業を検討
- 検討すること③:借り換え
- 検討すること④:金融機関に相談
- 検討すること⑤:任意売却
- まとめ:ライフプランの相談はマネーキャリアへ
目次
適切な住宅ローン返済額は「返せる額」を基準にして決めよう
憧れのマイホームを購入するために、「一生に一度の買い物だし、少し無理をしてでも理想の家を購入しよう」と考える人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、理想のマイホームを購入した結果、住宅ローンの返済に追われてしまっては、日々の生活が困難になりかねません。
家計にあった適切な住宅ローンの返済額を割り出すために、まず、何を目安にすれば良いかをみていきましょう。
- 物件タイプで平均返済額が異なる
- 家計の収支で考える
- 賃貸の家賃を目安に考える
- 返済負担率から返済額を考える
- 頭金をいくら抽出できるか計算する
ポイント①:物件タイプごとの平均返済額を知ろう
自身の返せる返済額の参考とするためにまず、物件タイプごとの平均返済額を知っておくと、指針としやすくなります。
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査2020年度」のデータによると、それぞれの物件タイプ返済平均額は以下です。
物件タイプ | 月々の平均返済額 |
---|---|
新築マンション | 123,100円 |
土地付注文住宅 | 119,500円 |
新築建売住宅 | 100,300円 |
中古マンション | 85,600円 |
中古戸建住宅 | 74,100円 |
表を見ると住宅ローンの平均返済額は、高いもので、新築マンションの12万3100円で、低い物件は中古戸建てマンションの7万4100円となっています。
伴い、物件タイプ別の所要資金の全国平均も確認してみましょう。
物件タイプ | 平均物件価格 |
---|---|
新築マンション | 4,545万円 |
土地付注文住宅 | 4,397万円 |
新築建売住宅 | 3,495万円 |
中古マンション | 2,971万円 |
中古戸建住宅 | 2,480万円 |
平均物件価格も平均返済額と同じ料金順位となっていることがわかります。
自身がどのタイプの物件を購入したいかによって、月々の返済額が異なってくるのです。
ポイント②:毎月の収支をしっかり考えよう
次に、家計の収支からいくら住宅ローンの返済額に充てられるかを計算することも大切です。
住宅ローンによって月々の返済で生活費を圧迫し過ぎたり、老後資金や教育資金の貯蓄額を確保できなくなったりという住宅ローン貧乏になることは避けなければなりません。
現在の収入から、必要となる生活費や貯蓄額を差し引き、いくらなら住宅ローンの返済に充てても問題ないかを確認します。
ただし、家計の収支を考える際は将来ずっと同じ収支とは限らないことを認識しておくことも必要です。
病気やけがで突然働けなくなる可能性や、物価の高騰により支出の割合が高くなる可能性もあります。
住宅ローンは長期返済となるため、家計に起こりうるリスクも含めて収支を計算し、無理なく返済できる額を設定するようにしましょう。
ポイント③:現在の家賃を基準にしよう
現在、賃貸住宅家賃を支払っている場合は、現在の家賃額を基準にして住宅ローン返済額を考える方法もあります。
家賃も住宅ローンも居住費として支払うことに変わりはありません。
支払っている家賃が、住宅ローンの月返済額と替わると想定すると、イメージがつきやすくなります。
ただし、注意が必要な点は住宅を取得した場合、月々のローン返済額に加えて、年に一度、固定資産税等の税金の支払いが必要です。
他にも、火災保険などの保険加入、修繕費の積み立て等のランニングコストが発生することになります。
そのため、現在支払っている賃料と同額の住宅ローンで想定することはおすすめできません。
少なくとも毎年どれくらいのランニングコストが発生するかを見積もり、無理なく支払える住宅ローン額を求めるとリスクが低くなります。
現在の賃料ー(毎年のランニングコスト÷12ヶ月)=理想の住宅ローン額
ポイント④:返済負担率を考慮しよう
返済負担率とは、年収に対して住宅ローンの年間返済額が何割を占めいているか、という割合のことを指します。
例えば、年収500万円の人が、毎月10万円(年間120万円)の返済をした場合の返済負担率は、24%です。
120万円÷500万円×100=24%
フラット35利用者調査(2020年度)では、返済負担率の平均は、22.2%でした。
住宅ローンの返済負担率目安は、年収400万円以上なら35%まで、400万円未満なら30%までと言われています。
しかし、この割合はあくまで上限のため、実際には返済負担率は20%未満にしておくほうが安心できるといわれています。
返済負担率は家計によって負担にならない割合が異なるため、ひとつの目安として考えてみましょう。
ポイント⑤:頭金として使える金額を押さえておこう
住宅を購入する際、頭金は多ければ多いほど月々の返済額が低くなり、返済の負担が軽くなります。
しかし、そうは言っても、これまでの貯金をすべて頭金にしてはいけません。
予備資金を手元に残しておこなければケガや病気による休職、不足の事態が起こった際に対応することができなくなります。
近い将来使うかもしれない「車の買い替え」や「教育資金」なども考えて、多少の予備資金を手元に残しておきましょう。
実際に住宅の頭金を抽出するには、
- 貯蓄ー(購入諸費用+生活予備費+将来への貯蓄)
ランニングコストも忘れないようにしよう
住宅を購入すると、物件購入代金だけでなく、住宅に住み続けるためにランニングコストがかかることになります。
物件を購入する際はつい本体価格のみを考えてしまいがちで、後にかかるランニングコストを忘れてしまうと家計を圧迫する大きな負担になりかねません。
次に、物件タイプによってどれくらいランニングコストがかかるかを確認しましょう。
- マンションのランニングコスト
- 戸建住宅のランニングコスト
タイプ①:マンション
マンションの年間維持費は約73万円といわれています。
マンションを購入した際にかかるランニングコストには、以下のような項目があります。
- 管理費
- 修繕積立金
- 駐車場使用料
- 解体積立金
- 固定資産税・都市計画税
- その他
- 給排水やガス設備工事
- 建物の屋根防水塗装
- 鉄部塗装(サビ止め)
- 外壁塗装工事
- 床防水工事
- 建具、サッシなどの取り換え
外構、付属施設等の工事 - 空調設備工事
- 消防設備工事
タイプ②:戸建住宅
戸建住宅の年間維持費は約40万円です。
戸建住宅のランニングコストには以下のような項目があります。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険など各種保険
- 修繕、メンテナンス費用
戸建住宅はマンションに比べるとランニングコストの項目が少ない印象です。
しかし、マンションと大きく異なる点は、建物全体の老化防止や修繕をすべて自分で賄わなければいけないことだといえます。
マンションのように修繕積立金の制度があるわけではないため、メンテナンスが必要な際は貯蓄から出さなければいけません。
また、防犯対策としてホームセキュリティの契約も取り入れるべき費目です。戸建ての住宅を購入する際は、このようなランニングコストを日頃から蓄えておく必要があります。
借入額が同じでも月々の返済額は変動する
住宅ローンの借入額が同額であっても、借入する商品や金利タイプによって月々の返済額は変動します。
また、返済期間が同じでも総返済額が異なるケースもあるのです。
返済額がなぜ同額でも変動するのか、3つの要因についてお話しします。
- 返済期間
- 返済方法
- 金利タイプ
変動要因①:返済期間
一般的に住宅ローンの返済期間は最長35年です。
ただし、多くの金融機関では「○歳までに完済する」という年齢制限を設けており、満75歳や満80歳を上限年齢としています。
返済期間は長ければ長いほど、月々の返済額が低くなるため家計を圧迫せずに済みます。
しかし、返済期間を長くすると元金にかかる金利の影響で、返済の総額は多くなることになるのです。
また、返済期間を退職後の老後まで設定する場合、退職後に住宅ローンをどうやって払うのか返済するお金の準備をしておく必要があります。
反対に、返済期間を短めに組むと月々の返済額が大きくなり、家計の負担が多くなります。
一旦住宅ローンを組んだら、返済期間を長くすることはできません。そのため、無理のない返済期間を設定し、家計に余裕があれば繰り上げ返済をして返済期間を短縮するとよいです。
住宅ローンを組む際は、繰上げ返済にかかる手数料も確認しておくとよいでしょう。
変動要因②:返済方法
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。同じ返済期間でローンを組んだ場合、元利均等返済のほうが総支払額が多くなることになります。
ふたつの返済方法のメリットとデメリットは以下です。
元利均等返済メリット
- 返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画が立てやすい
- 元金均等返済に比べて、返済開始当初の返済額を少なくできる
- 同じ借入期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる
- 借入金残高の減り方が遅い
- 返済額(元金+利息)は返済が進むにつれ少なくなる
- 元利均等返済に比べて、元金の減少が早い
- 同じ借入期間の場合、元利均等返済よりも総返済額は少なくなる
- 返済開始当初の返済額が最も高い
- 借入時に必要な収入が高い
変動要因③:金利プラン
住宅ローンの金利タイプは全部で3種類あります。
- 固定金利型
- 変動金利型
- 固定金利選択型
最も金利が低い傾向にあるのは変動金利型です。しかし、変動金利は市場の動きが反映されるため、景気が悪い期間が続くと高い金利で返済をしなければいけなくなります。
固定金利は変動金利のように金利が市場に左右されることはありませんが、その分金利が低くなることもありません。一般的には変動金利よりも高めに金利設定されていることが多いです。
固定金利選択型は金利の固定期間を3年・5年・10年など好きな年数で決めることができます。ただし、期間が終了後、市場の金利が上昇していた場合、影響受けこれまでより金利が上昇することも。
基本的には固定金利より変動金利のほうが契約初めに金利を低く設定されていることが多く、基本的には同じ返済期間でも固定金利のほうが総返済額が多くなります。
住宅ローン「月々10万」返済の失敗例
「毎月の住宅ローン10万円の返済が苦しい…」と月々の返済が家計を圧迫している家庭もあるでしょう。
なぜ、家計を圧迫するほど住宅ローンの返済がきついのか、失敗する7つの理由について確認しましょう。
- 収入に見合っていない借入額の設定
- 住宅購入以外にかかる費用の見落とし
- 年収や手取り額が昇給すると見込んだ借入額設定
- 病気やケガのリスク想定ができていなかった
- ライフステージについて考えていなかった
- 完済時の年齢を想定していなかった
- 夫婦共働きの収入で考えていた
失敗例①:無理な借入額を設定していた
冒頭でも例に出しましたが、一生に一度のマイホームだから、とはりきって自身の収入に見合わない額の住宅ローンを設定してしまうパターンです。
つまり、現実を見ずに背伸びした額の住宅ローンを組み、後々の返済に響いているということですね。
また、不動産会社では購入者獲得のために、聞こえの良い内容を述べ、営業トークしてくる担当者も少なくありません。
具体的には
- 節税になるのでおすすめですよ
- 計算するとこれくらいの利回りが見込めます
- 将来、○○円で売却できます
- 頭金がなくても住宅ローンを組めば購入できますよ
失敗例②:住宅ローン以外の費用をちゃんと調べてなかった
住宅を購入する際にはつい物件の価格のみを考えてしまいがちですが、物件代以外にかかる費用も把握しておかなければいけません。
住宅ローンを組む際にかかる諸費用には以下のような費用があります。
不動産購入時に必要な諸費用
- 申込証拠金
- 手付金
- 印紙税
- 仲介手数料
- 不動産取得税
- 固定資産税・都市計画税
- 登記費用
- 印紙税
- ローン借入費用
- 引越し費用
- 家具購入費用
- 各種保険費用
失敗例③:年収や手取り額が上がる前提でローンを組んだ
「今の会社にずっと勤めていれば、キャリアアップして年収は増えていくに違いない」と将来的に給与が上がる前提で住宅ローンを組むと、想定どおりにいかない場合に、返済が苦しくなってしまうかもしれません。
住宅ローンは現在の年収と手取り額から無理のない返済額を設定するようにしましょう。
仮に、将来的に年収が増え、家計に余裕ができたらそのときに、繰上げ返済で返済期間を短くすることができます。
はじめから、のちに収入が上がることを想定した返済額を設定するのはやめましょう。
失敗例④:病気のリスクを想定していなかった
人生の中で一度や二度は大きな病気やケガを患うこともあり得ます。長引く病気にかかるとその間収入が減少、または収入自体が入ってこないことになるかもしれません。
住宅ローン返済中もこのようなイレギュラーが起きないとは限りません。貯蓄の中にはリスクに備えた予備資金も準備しておくことがおすすめです。
大きな病気やケガには団体信用生命保険に入って備えることも有効といえます。
失敗例⑤:ライフステージを考慮してなかった
人生の中にはいくつかのライフイベントが発生します。大きなイベントとは結婚、出産、子供の学校入学、離婚などです。
このライフイベントが発生するタイミングは、多額の費用がかかるタイミングでもあります。また、結婚、出産というイベントを経て人生のライフステージが変わってきます。
ライフステージによって、生活にかかる費用は変わってきます。
生活している今の状態だけでなく、少し先の未来も想像しながら、資金計画をすることが大切です。
失敗例⑥:完済時の年齢を考えていなかった
自分が何歳になるまでに住宅ローンを完済する、という完済計画も大切です。返済期間を老後まで設定していると、どこから返済資金を抽出するかという問題も出てきます。
理想としては、定年の歳までに完済できるように返済期間を設定しておくと、老後の支出が少なくて済みます。
返済期間の組み方を誤ってしまうと、定年した後まで返済が続き、家計を圧迫する原因となりかねません。
最終的な完済年齢についても検討して返済期間を設定しましょう。
失敗例⑦:共働きでの収入を前提にしていた
夫婦共働きの世帯年収を前提に住宅ローンの返済額を決めることも問題です。
なぜなら、どちらか一方が働けない状態となった際に返済が苦しくなることがあるからです。
どちらか一方が働けなくなる事態とは、ケガや病気になることもありますが、子供を出産し、託児施設に預けられないなどの問題もあり得ます。
出産・育児休暇でまかなえない場合は、職場を退職することも視野に入れる必要があります。
返済額を決める際は世帯年収のみを前提にするのではなく、一方が働けなくなるリスクも考えることが必要です。
住宅ローンの返済で悩んでいる場合は、以下のURLからも相談可能ができます。
手取りや家族構成なども分かるため、ブログで体験談を調べるのもアリ
マイホーム購入は人生の中でも一大イベントです。
しかし、マイホームを何度も購入する人はそうそういないですよね。
一生に一度のマイホームなら後悔しない住宅購入をしたいと思うのは当然です。
失敗しないために必要なのは、これまで住宅ローンを組んで住宅を購入した人たちの声を聞くことです。
月々の返済額はいくらにするべきなのかを知るために、自分と近い年収や家族形態の人の体験談を探すと参考にしやすいです。
すでに現在、住宅ローンを組んでおり、毎月の返済が苦しくなっている状態なのであればブログやYahoo!知恵袋でローンを組んだ人の意見や質問を見てみると打開案のヒントがあるかもしれません。
SNSを使って情報収集するのもひとつの手段です。
年収500万の夫婦では毎月10万円ローンはリスキー
年収500万円の夫婦が月々10万円の返済をしていくのは、生活支出やイレギュラー支出を考えるとリスキーな金額です。
住宅ローンを組む際は何に注意して借入額を決めるべきか注意点について確認していきましょう。
- 年収25%以内が目安?年収ではなく手取りベースで考えよう
- 変動金利の変動を考える
- 試算された返済額を鵜呑みにしない
- 共働き前提で返済額を考えない
- 最長返済期間で組むべきか考える
注意点①:「年収の25%以内が目安」は手取りベースで
住宅ローンの借入額を決める上で「年収の25%」目安にするといわれることがあります。しかし、目安にする金額を年収ベースで考えると危険です。
なぜなら、年収は実際に自分の手元に入る金額ではないからです。割合で考える場合は、手取りベースで考える必要があります。
また、年収400万円の人と800万円の人では、同じ割合で算出することは難しいです。
生活水準の問題もありますが、同じ割合で計算してしまうと、年収400万円の人の方が圧倒的に生活に負担がかかってしまう可能性が高いためです。
手取りの割合から住宅ローン借入額を算出する場合は、あくまで目安として考えてみましょう。
注意点②:変動金利も注意しよう
近年のネット銀行などでは1%を切った変動金利のキャンペーンも打ち出しています。
変動金利を選択する際には収入に対して「借りすぎ」とならないように注意が必要です。
毎月返済額を10万円弱とすると、金利0.410%の変動金利型だと約4000万円借りることができます。世帯年収500万円前後の家庭なら4000万円は借りすぎです。
毎月の返済額だけでローンを組むのは危険といえます。住宅ローンを組む際は全体の借入額、最終的な返済総額も考慮しましょう。
注意点③:返済試算の鵜呑みはNG
物件の仲介会社である不動産の担当者に返済試算を提示されたときには「本当に全てを含んで計算しているのか?」と注意が必要です。
欲しい物件が見つかった際はその物件を扱う不動産会社へ連絡を取りますね。あなたは当然、不動産会社で購入したい旨を相談すると思いますが、不動産会社としては是非ともあなたに物件を購入して欲しいと考えます。
そうすると、営業担当者の方は住宅ローンを組んだ際の返済試算を提示してきます。このとき提示された返済試算には諸費用やランニングコストなどが考慮されていないことがあるのです。
不動産会社で、「共働きなら大丈夫ですよ」「節税できるのでその分支出が浮きますよ」とお得感のあるセリフを言われたら、本当にそうなのか?を一度持ち帰って検討する必要があります。
住宅は大きな買い物になることは間違いないので、言われたまま勢いで購入することはやめておきましょう。
注意点④:共働き前提は負担増につながる
失敗例の中にもありましたが、夫婦共働きの年収を前提とするのは危険です。
理由は、どちらか一方が働けなくなった際の保険がないことにあります。たしかに住宅ローンの種類の中にはペアローンのように夫婦二人の収入で借入額が決まる商品もあります。
しかし、ふたりの収入で借りられるギリギリの借入額にするのは、一方が働けない状態になった際に返済が困難になる可能性が高いです。
また、子供が生まれた時のライフステージのことも視野に入れ、世帯で借りられるギリギリの借入額を設定することはやめましょう。
注意点⑤:35年ローンは危険
住宅ローンの組める最長期間は35年です。基本的には返済期間を長くすればするほど月々の返済額は少なくて済みます。
しかし、だからといって「じゃあ一番最長の35年で組めば返済が楽だ」とはいえません。
ポイントとなるのは完済年齢です。
35歳のときに35年ローンを組むとすると完済年齢が70歳ということになります。
現在は65歳が定年ですので、定年から5年過ぎてもまだローンの残債があることになります。
この場合、ローンの返済は老後資金から捻出する必要があり、定年前にそのことも視野に入れて資金の準備しておくこと必要があります。
住宅ローンの残債を退職金で相殺しようと考える人もいますが、あまり退職金を当てにしすぎることもNGです。
月々の返済額を軽くしたいために、安易に35年でローンを組むのではなく、自身の完済年齢を意識して設定するようにしましょう。
月々10万円なら、家賃とローン返済どっちがメリットがある?
賃貸と持ち家のどちらがよいのかというのは、ずっと言われてきた問題です。
先に答えをお伝えすると、「正解がない」ということになります。
それは、賃貸と持ち家どちらもメリットデメリットがあるため、人によっても利便性が異なるためです。
持ち家のメリット
- 内装や設備などのグレードが賃貸よりも高い
- 賃貸よりもファミリー層向けの物件が豊富
- 間取り変更やリフォームが自由にできる
- 完済すれば住居費の負担が減る
- 自分の資産として残せる
- 団体信用生命保険に加入していれば、万が一のとき、住宅ローンがゼロになる
- 簡単に住み替えができない
- 税金や補修などのランニングコストがかかる
- 住み替えがいつでも気軽にできる
- 初期費用が持ち家よりもかからない
- 収入に合わせて住居費(家賃)を調整できる
- 家のメンテナンスが不要
- 家賃を払っても資産にはならない
- 老後は賃貸契約を断られる可能性がある
- 物件の選択肢が持ち家よりも少ない
- 間取りや設備のグレードが持ち家よりも低い
- リフォームなどを自由にできない
住宅ローンの返済がつらいときに検討すること
では、実際に今現在住宅ローンの返済がつらい、と感じている場合はどのように対処すべきでしょうか。
検討できる対処策5つについて解説していきます。
- 家計の見直し
- 転職や副業の検討
- ほかローンに借り換え
- 金融機関に相談
- 物件を任意売却
検討すること①:家計を見直す
住宅ローンに限ったことではありませんが、なにかの返済や支払いがきついと感じた際にはまず、家計の見直しを行いましょう。
家計を見直すには固定費を見直してみることがおすすめです。固定費には以下のような項目があります。
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険料
- 教育費
- 車関係費(ローン・駐車場代)
- サブスクリプションサービス料
検討すること②:転職や副業を検討
そもそもの収入額をもっと多くできないか、転職や副業を考えるのもひとつの手段です。転職をして現在の会社よりも収入が上がる可能性は十分にあります。
しかし、この方法は「もう返済ができそうにない…」と危機迫った状態だと実行が難しいです。そのような状態に陥る前のまだ、余裕がある段階で検討するようにしましょう。
副業を行う際は初期投資が少ないものから始め、コツコツ自分のペースでできるものを選ぶのがおすすめです。
検討すること③:借り換え
現在の住宅ローンの金利が高く、返済額に響いているのなら、金利が低いローンに借り換えする検討もアリです。
場合によっては、今よりも月々の負担を軽くすることができるかもしれません。
ただし、ローン借り換えの際は手数料がかかってしまいます。
月々の返済額が少なくなっても、金利や残債によっては借り換えの手数料で全体的に損してしまう危険性もあります。
あらかじめ、どれほど支払額が減少するか、返済総額がいくらになるかをシミュレーションしておくのがおすすめです。
検討すること④:金融機関に相談
上記までのことを検討、実行しても返済が厳しい時は、早めに借り入れをしている金融機関に相談しましょう。
金融機関によっては、一時的な猶予や返済期間のリスケジュール、返済負担を減らしてくれることがあります。
大切なのは、必ず支払いが滞納する前にリスケジュールしてもらうことです。
1度でも滞納してしまうと、金融機関からの信頼が落ち、対応してもらえなくなる危険性があります。
検討すること⑤:任意売却
リスケジュールをしても返済が難しい場合は、任意売却も検討してみましょう。
任意売却は、抵当権が設定された物件を金融機関の許諾を得て、任意の価格で持ち家を売りに出すことを指します。
任意売却をすれば、売却価格をローンの残債を返済可能ですが、ローンの残債よりも売却価格安くなる「オーバーローン」の状態となってしまうこともあります。
しかし、同じ売却でも強制的に執行される「競売」と比べると任意売却のほうが高値で売れる可能性が高いです。
ローン返済が滞り、強制的に競売にかけられる前に任意売却を選択したほうが返済の負担は軽くすることができます。
この売却するという方法は最終手段にはなりますが、どうしても住宅ローンが返済できなくなったときは、金融機関に任意売却の相談をしてみましょう。
まとめ:ライフプランの相談はマネーキャリアへ
いかがでしたでしょうか。今回は月々10万円の住宅ローン返済はきついのか?というテーマで解説をしました。
賃貸の物件にカップルや夫婦で二人暮らしをしている場合は、家賃が10万円以上となることも珍しくありません。
ただし、「今まで家賃として払っていたから大丈夫!」と家賃と同じ金額を住宅ローンにスライドさせるのは危険です。
持ち家は管理費用を自分で支払う必要があることを覚えておかなければいけません。のちに自分のライフステージがどのように変化するのかも考慮する必要があります。
ライフプランについて悩んでいる人はお金のプロであるマネーキャリアのFP相談がおすすめです。
経験豊富なマネーキャリアのFPがあなたのライフプランに合った住宅購入や住宅ローンについてアドバイスします。全国どこからでも相談可能なマネーキャリアのオンライン相談を是非ご活用ください。