住宅ローン審査に奨学金が与える影響は?返済負担率や対策方法も解説

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住宅ローンを契約したいけど奨学金の返済が残っているという人もいるのではないでしょうか。住宅ローン審査に奨学金は影響します。しかし影響させない方法もあるのです。ここでは住宅ローン審査に奨学金が与える影響やその対策、奨学金の3つの種類について徹底解説します。

この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローン審査に奨学金がどんな影響を与えるのか知りたい人
  • 奨学金が住宅ローンに影響を与えないための対策方法が知りたい人
  • 奨学金の返済中に住宅ローンを利用できるのか知りたい人

内容をまとめると

  • 奨学金は住宅ローン審査に影響する
  • 奨学金の延滞が続きブラックリストに載ると住宅ローン審査に通過するのは厳しくなる
  • 奨学金を住宅ローン審査に影響させないためには完済すること
  • 奨学金が無い人に比べて奨学金が有る人は住宅ローンの借入額が減額する
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住宅ローン審査に奨学金が与える2つの影響


奨学金の返済中に住宅を購入しようとしている人もいるのではないでしょうか。

住宅を購入する際、多くの人は住宅ローンを契約します。


住宅ローンとは、住宅の購入資金を金融機関から借りることです。奨学金とは、家庭の事情などで経済的な余裕がなく、進学にお金が必要な学生に向けて学費の付与や貸与を行う金銭的サポート制度です。


奨学金の返済が残っていても住宅ローンの契約は可能です。しかし、住宅ローンの審査には収入やその他の借金などの項目が重要視されます。奨学金は住宅ローンの審査に影響はないのでしょうか。


奨学金は住宅ローン審査に影響する可能性があると言えます。奨学金は公的な借り入れの面があるため、審査書類への記入漏れや、あえて申告を隠すケースも少なくないのです。


これらを行うことは大きなリスクであり、金融機関によっては住宅ローンの一括返済を求められる場合もあります。記入漏れや申告漏れのリスク以外にも、奨学金が住宅ローン審査に与える影響がいくつかあります。


ここでは、住宅ローン審査に奨学金が与える影響について2つ解説していきます。

  1. 延滞履歴
  2. 年収に対する返済負担率
  3. 参考:2〜3ヶ月の延滞が続くとブラックリストに入る
  4. 参考:配偶者の奨学金は住宅ローン審査に影響するのか?

影響①:延滞履歴

奨学金を延滞してしまうと延滞履歴が残り、信用情報に悪影響を与えます。そのため、奨学金の延滞を繰り返している場合、住宅ローン審査にも悪影響を与え、落ちる可能性が高くなってしまいます。


奨学金と言えども立派な借金であり、そのため延滞すれば個人信用情報機関に延滞履歴が残ります。奨学金を延滞しているから住宅ローンも延滞するのではないかと判断され、審査に通りにくくなるのです。


一般的には、3か月以上延滞した場合に、個人情報信用機関に情報を提供されることになっています。奨学金の延滞で残った延滞履歴は、完済して5年間にわたって記録が残されます。


この延滞履歴は、奨学金を延滞したという情報が誤りでない限り記録が消されることはありません。そのため、信用情報を回復させるためには一定の期間待ち続けるしかないのです。


住宅ローン審査に影響を与えたくない場合は、奨学金を延滞しないことが何よりも大切になります。

影響②:年収に対する返済負担率

奨学金は、返済負担率にも影響を与えます。返済負担率とは、年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合を表すもので、以下の式で求めることができます。

返済負担率=年間返済額÷年収×100%

奨学金を返済しながら住宅ローン審査に進む場合は、「返済負担率の計算には奨学金返済額も含まれる」という点を覚えておかなければなりません。


住宅ローンの返済だけでなく、奨学金の借り入れがある場合、返済負担率が高くなります。返済負担率が高くなってしまうと、生活が圧迫されることも予想されます。


金融機関の多くは、返済負担率の基準を30~35%以下としています。(返済負担率の適正金額はローン契約者の年収や金融機関によって変動があります。)


奨学金の返済中に住宅ローン契約を考えている人は、返済負担率が上限でないか注意して見てみましょう。

参考:2〜3ヶ月の延滞が続くとブラックリストに入る

奨学金も借金の一種です。そのため、一定期間の延滞が続くとブラックリストに入ります。


ブラックリストとは、金融機関の個人信用情報に事故情報や延滞情報が記載されることを指します。住宅ローンの借り入れには、個人信用情報も重視されるのです。


奨学金の場合は、2~3ヵ月の延滞が続くとブラックリストに登録されてしまいます。ブラックリストに載り、信用情報に傷がついたまま住宅ローンの借り入れをするのは難しいと言えます。クレジットカードなどの他の借入と同じように扱われるため、住宅ローン審査の通過が厳しくなるのです。


しかし、永遠にブラックリストへ登録されているわけではありません。通常、延滞情報や事故情報などは登録から約5~10年が経過すると削除されます。


そのため、ブラックリスが原因で住宅ローンの審査に通らない場合は少なくとも5年間は待ってみましょう。

参考:配偶者の奨学金は住宅ローン審査に影響するのか?

自身の奨学金は住宅ローン審査に影響を与えます。では、配偶者が奨学金の返済途中の場合は住宅ローン審査に影響するのでしょうか。


結論から言うと、住宅ローン審査で判断されるのは契約者本人の借り入れ状況のみです。そのため、配偶者が住宅ローンの返済中であっても住宅ローン審査に影響することはありません。


しかし、以下の場合は例外で配偶者の奨学金でも住宅ローン審査に影響する場合があります。

  • 夫婦2人で収入を合算する場合(配偶者が連帯債務者や連帯債務者)
  • ペアローンを利用の場合

夫婦で収入を合算したりペアローンを利用したりする場合は、配偶者の信用情報も審査の対象になるため住宅ローン審査の通過が難しくなる可能性が高いです。 

住宅ローン審査に奨学金を影響させない2つの対策方法


奨学金は住宅ローン審査に影響します。しかしそれは、奨学金の借り入れがあるかどうかではなく、延滞していないか、住宅ローンをきちんと返済してくれるかという点を重視されているのです。


住宅ローンも奨学金も両方問題なく返済できる安定した収入であれば、住宅ローン審査は通る可能性が高いと言えるでしょう。ただし、住宅ローンと奨学金の​2つの借金を背負うことになるためその分審査は厳しく行われます。


​そのため、奨学金をなるべく住宅ローン審査に影響させないよう対策することが大切です。


ここでは、住宅ローン審査に奨学金を影響させない対策方法を2つ紹介します。

  1. 奨学金を完済する
  2. 返済負担率を下げる
  3. 参考:奨学金を完済しなくてもメリットはあるのか?

方法①:奨学金を完済する

奨学金を借り入れしていたとしても、すべて完済している状態であれば住宅ローン審査には影響しません。住宅ローン審査に少しでも通りやすくしたい人は、奨学金を早めに返済する計画を立てるのも良いでしょう。


特に頭金を多めに支払えるくらいの資金に余力がある人は、奨学金へまわすこともひとつの手です。奨学金の残高は利用開始直後にもらえる返済計画書や定期的な振替案内で確認ができます。


資金的に余裕がある場合は、奨学金を早めに完済することも検討してみましょう。 

方法②:返済負担率を下げる

奨学金の返済中に住宅ローンの契約をする場合、返済負担率が高くなります。そのため、奨学金があっても住宅ローンに影響させにくくするためには、返済負担率が低くなるようにローンを組む必要があります。


各金融機関や住宅ローン契約者の年収により違いはありますが、一般的には返済負担率の上限は30%~35%以下となっています。


返済負担率を下げるには主に以下のような方法があります。

  • 住宅の購入金額や頭金を見直し
  • 住宅ローンの借入額を減らす
  • 奨学金を早めに返済して残高を減らす
  • 低金利の住宅ローンを利用する
返済負担率が高くなると家計も苦しくなってきます。そのため、返済負担率はできる限り25%以内にするのがおすすめです。

参考:奨学金を完済しなくてもメリットはあるのか?

奨学金を完済してから住宅ローンを契約すると、審査に影響しなくなることや返済負担率が高くならずに済むというメリットがあります。しかし、奨学金を借りたまま住宅ローン契約をするほうが良いというケースもあるのです。


以下のような場合は奨学金を完済しなくてもメリットがあると言えます。

  • 手元の資産を減らさずに済む
  • 奨学金が無金利または低金利の場合 

奨学金を完済せず借りたままであれば、手元の資産を減らさずに済みます。そのため、ライフイベントでの出費や万が一の病気やケガなどの出費のための資金を残すことが可能です。


また、奨学金は低金利なことが多く一括返済しても利息の軽減効果が少ないです。奨学金の完済をする前に、奨学金の金利を確認してみましょう。無金利または低金利の場合は借りたままの方が良いと言えます。

奨学金の有無によって住宅ローンを組んだ時の借入額を計算!


奨学金の有無によって借入額が変わってきます。具体的にはどのくらい借入額が変わる可能性があるのでしょうか。


実際に、奨学金の返済が有る場合と無い場合で住宅ローンを組んだ際の借入額を計算してみましょう。


借入期間や金利は以下の場合を仮定します。

  • 借入期間30年
  • 金利1.5%

奨学金が無い場合:年収500万円で返済負担率が15%

奨学金が無い場合の住宅ローンを組んだ時の借入額を計算します。


以下の場合で借り入れると仮定します。

  • 借入期間30年
  • 金利1.5%
  • 年収500万円
  • 返済負担率15%
まず、年収500万円で返済負担率を15%であれば、年間の返済額は500万円×15%で、75万円となります。

月々になおして75万円÷12ヵ月で約6.3万円としてシミュレーションすると、奨学金が無い場合の返済負担率15%の借入金額は1,825万円となります。
※住宅ローンのみで月々6.3万円の返済として計算。

奨学金が有る場合:年収500万円で返済負担率が15%

奨学金が有る場合の住宅ローンを組んだ時の借入額を計算します。


以下の場合で借り入れると仮定します。

  • 借入期間30年
  • 金利1.5%
  • 年収500万円
  • 返済負担率15%
  • 奨学金を毎月1.3万円返済

奨学金無しの場合と同じように、年収500万円で返済負担率を15%であれば、年間の返済額は500万円×15%で、75万円となります。


月々になおして75万円÷12ヵ月で約6.3万円となり、ここに奨学金が1.3万円必要となるため毎月5万円としてシミュレーションします。


奨学金が有る場合の返済負担率15%の借入金額は1,449万円となります。
※奨学金月1.3万円の返済を含めて月々6.3万円の返済として計算。

参考:奨学金が有る場合の方が借入額が減額

前述の奨学金が有る場合と無い場合の計算では、奨学金が有る場合は無い場合に比べ、借入額は約376万円減額になります。


一般的に返済負担率の上限は30%~35%以下となっていますが、20%を超える住宅ローンの契約はあまりおすすめできないと言えるでしょう。


ローンの負担が増えれば増えるほど生活が圧迫されていくため、いざ資金が必要になった場合に足りなくなる可能性があります。奨学金が有る場合も無い場合もライフプランなどを見据えて余裕を持った住宅ローンの契約をするのが良いでしょう。

奨学金制度は大きく3つの種類がある


奨学金は、 家庭の事情などで経済的な余裕がなく進学にお金が必要な学生に向けて学費の付与や貸与を行う金銭的サポート制度です。奨学金は借りるというイメージがありますが、貰える奨学金も存在します。


奨学金の種類では、「貸与型奨学金」や「給付型奨学金」をよく目にする人も多いのではないでしょうか。奨学金を借りる際には何が違うのか、どんな種類があるのかを知っておくことも大切です。


知識がないまま利用すると、将来返済で困ったり大変な思いをしたりする可能性もあります。そのため、後悔せずに充実した学生生活や将来を過ごせるよう奨学金の基礎的な知識は押さえておきたいです。


ここでは、奨学金の3つの種類について詳しく解説していきます。

  1. 給与型奨学金
  2. 貸与型第一種奨学金
  3. 貸与型第二種奨学金
  4. 参考:給与型と貸与型の違いとは?

①給与型奨学金

これまで日本学生支援機構の奨学金には貸与型しか存在しませんでしたが、2017年に給付型の奨学金が始まりました。給与型奨学金とは、返済の義務がない貰える奨学金のことを指します。


返さなくて良いということが最大のメリットの制度です。2020年4月には給付型奨学金の対象が拡大しましたが、返済の義務がないという好条件のため採用人数が少なく、受給資格が厳しくもあります


給与の条件は以下になります。

  • 「家計支持者が住民税非課税」(夫婦と子供2人の家庭なら年収255万円以下)又は「社会的擁護を必要とする人」(生活保護を受けているなど)のいずれか
  • 「高等学校での成績が優秀」又は「部活動などで優れた成績を収めた」のいずれか
  • 一般常識があり、健康であるか

家計や学力、資質、人物、健康などの基準があります。


学力や資質の方は明確に示されているものではないため、やや抽象的な基準と言えます。学力や資質の部分は、応募の段階で学校側が判断しています。


給与型奨学金の給付金額は、高額な給付ではないためあくまで少し経済的に楽になると考える方がいいと言えます。具体的な金額は、各大学の通学形式や設置により変わります

②貸与型第一種奨学金

貸与型奨学金とは学費や生活費を借りる奨学金のことを指します。この奨学金制度は、在学中には返済の必要がないですが、卒業後は自分自身で借りたお金を返済していかなければなりません


貸与型奨学金には、有利子のものと無利子のものがあり、この貸与型第一種奨学金は無利子の奨学金になります。


貸与型第一種奨学金の採用条件には、主に以下のものがあります。

  • 生計維持者の収入・所得(3人世帯の場合は給与所得657万円未満、給与所得以外286万円未満)
  • 高等学校または専修学校高等課程の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上。
  • 高等学校卒業程度認定試験に合格した人または科目合格者で機構の定める基準に該当する人
  • 生計維持者(父母など、2人いる場合は2人とも)の住民税(所得割)が非課税で、以下のいずれかに該当し学校長の推薦を得られる人。 )
  • 特定の分野において特に優れた資質能力を有し、進学先の学校において特に優れた学習成績を修める見込みがあること。
  • 進学先の学校における学修に意欲があり、進学先の学校において特に優れた学習成績を修める見込みがあること。
出典:第一種奨学金|独立行政法人日本学生支援機構

基準が厳しく、仮に満たしていても予算の関係などで必ず採用の候補者になれるわけではありません

③貸与型第二種奨学金

貸与型第二種奨学金は、無利子の貸与型第一種奨学金とは違い有利子になります。この利子の上限は3%と定めれていますが、実際の利率は経済状況などにより変動します。


貸与型第二種奨学金の利用資格は以下の4つのいずれかに該当することとなっています。貸与型第二種奨学金の基準は、貸与型第一種奨学金の基準よりも緩やかです。

  • 出身学校または在籍する学校における成績が平均水準以上と認められること
  • 特定の分野において、特に優れた資質能力を有すると認められること
  • 学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められること
  • 高等学校卒業程度認定試験合格者で、上記のいずれかに準ずると認められること
出典:日本学生支援機構 大学での申込資格

貸与型第二種奨学金は、主に学力と家計が基準になります。学習の意欲があればほとんどの場合で借りられるようになっています。

参考:給与型と貸与型の違いとは?

給与型貸与型の奨学金には、それぞれ以下のような特徴があります。


<給与型奨学金>

  • 給付のため返済する必要がなく、100慢円以上貰えるものもある
  •  採用の基準が厳しい
  • 採用の人数が少ない

<貸与型奨学金>

  • 貸与のため返済する必要がある
  • 給与型よりも採用基準が優しい
  • 給与型よりも採用の人数が多い

一番大きな違いは、返済の有無です。また、貸与型奨学金はさらに無利子の第一種と有利子の第二種に分かれます。


採用基準や支給額などが異なるため、自分にはどの奨学金を合っているか知っておくといいでしょう。貸与型奨学金の場合は、返済の期間が長いため、借りる前から計画を立てておくことが大切です。 

まとめ:住宅ローンの相談はマネーキャリアへ!

今回は住宅ローン審査奨学金が与える影響について知りたい人に向けて、奨学金が住宅ローン審査に与える影響や影響させない方法について解説しました。


住宅ローン審査に奨学金は影響を与えますが、奨学金の返済中でも住宅ローンを契約することは可能です。奨学金返済中の住宅ローン契約を検討する際は、どのくらいなら負担なく払えるかシミュレーションをしてみましょう。


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