更新日:2022/11/21
住宅ローンの連帯保証人はデメリットのみ!(配偶者の場合は例外)
頼む側も頼まれる側もデメリットが多い住宅ローンの連帯保証人。住宅ローンで連帯保証人を立てるデメリットについて、配偶者のケースも合わせて徹底解説します。住宅ローンと連帯保証人についてきちんと理解して安心安全な住宅ローン計画を立てましょう。
- 住宅ローンで連帯保証人を立てるデメリットを知りたい人
- 住宅ローンの審査で連帯保証人を求められた人
- 住宅ローンの借入れを多くしたい人
- 配偶者の連帯保証人になるデメリットを知りたい人
内容をまとめると
- 住宅ローンの連帯保証人の責任は債務者とまったく同じ
- 連帯保証人になっても住宅ローン控除を受けられず、団信に加入できない
- 配偶者の連帯保証人になると離婚したとき抜けるのが難しい
- 連帯保証人なしで無理なく組めるよう購入物件、ローン計画を見直すことも大事
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 住宅ローンで連帯保証人を立てる大きすぎる3つのデメリット
- デメリット①:連帯保証人にかける迷惑が大きい
- デメリット②:連帯保証人の責任は債務者と同じ
- デメリット③:連帯保証人を辞めることは難しい
- 住宅ローンの連帯保証人は原則不要!2つ理由を解説
- 連帯保証人が不要な理由①:土地や建物が担保になる
- 連帯保証人が不要な理由②:保証会社に保証を頼む
- 住宅ローンで連帯保証人を立てる2つのメリット
- メリット①:保証料がかからない
- メリット②:借入れを増額できる
- 住宅ローンで配偶者を連帯保証人にするケース2選
- ケース①:ペアローンを組む場合
- ケース②:収入合算をする場合
- 配偶者と連帯保証型のローンを組むデメリット3つ
- デメリット①:控除や団信の保障を受けられない可能性がある
- デメリット②:贈与税が課税される場合がある
- デメリット③:離婚しても連帯保証人をやめられない
- ペアローンや収入合算以外で連帯保証人を求められるケース3つ
- ケース①:子ども名義で親の土地に家を立てる場合
- ケース②:主債務者の収入が安定しない場合
- ケース③:その他金融機関が要求してきた場合
- 保証人にあって連帯保証人に無いもの3選!それぞれの違いとは?
- 連帯保証人に無いもの①:催告の抗弁権
- 連帯保証人に無いもの②:検索の抗弁権
- 連帯保証人に無いもの③:分別の利益
- 連帯保証人を立てずに住宅ローンの借入れを増やす4つの方法!
- 借入れを増やす方法①:期間を長くする
- 借入れを増やす方法②:他の負債を返す
- 借入れを増やす方法③:ボーナス払いを利用する
- 借入れを増やす方法④:頭金を増やす
- 連帯保証人を立てずに住宅ローンの審査を通過するポイント5つ
- ポイント①:親子でリレーローンを組む
- ポイント②:太陽光発電設備を設置する
- ポイント③:希望額を減らす
- ポイント④:安い物件に変える
- ポイント⑤:他の銀行に申し込む
- 知り合いに連帯保証人を頼まれた⁉納得してもらえる断り方4選
- 断り方①:配偶者が許してくれない
- 断り方②:(配偶者の)両親が許さない
- 断り方③:ブラックリストに載っている
- 断り方④:既に保証人をやっている
- まとめ:住宅ローンの連帯保証人の相談ならマネーキャリアへ!
目次
住宅ローンで連帯保証人を立てる大きすぎる3つのデメリット
「連帯保証人」という言葉の響きにどんな印象を持っていますか?
虚構の世界だけではありません。連帯保証人は実際、そのイメージ通り怖いものです。
住宅ローンの連帯保証人となると、借入額も大きいため、そのリスクは非常に大きなものとなります。
住宅ローンの連帯保証人になることのデメリットは3点。
- 連帯保証人にかける迷惑が甚大
- 連帯保証人の責任は債務者と同等
- 連帯保証人はなかなか辞められない
この記事を読んで、具体的にそのデメリットと怖さをイメージしていただきたいと思います。それではひとつずつ解説していきましょう。
デメリット①:連帯保証人にかける迷惑が大きい
住宅ローンで連帯保証人を立てた場合、当然ながら連帯保証人にかける迷惑が非常に大きくなります。
住宅ローンは連帯保証人が原則不要です。購入した住宅が担保として融資がおこなわれ、さらに近年は保証会社が利用されるためです。
そのような前提の中、連帯保証人が必要であると銀行にジャッジされた時点で、返済能力が低いと判断されたわけです。将来的に返済が滞る可能性は十分にあります。まずそのことを十分肝に命じましょう。
もしあなたが契約者で、誰かを連帯保証人に立てた場合、あなたが亡くなった場合や自己破産した場合、住宅ローンの残債がそっくり連帯保証人に引き継がれ、支払い義務が生じます。連帯保証人は全額肩代わりしなければなりません。
自分は元気だしずっと働ける。住宅ローンを完済する自信がある…というのは過信です。
病気、事故、リストラ…生きていれば何が起きるかわかりません。とりわけ住宅ローンは多額の融資です。もしものことがあれば連帯保証人に多大な迷惑をかけることになります。
デメリット②:連帯保証人の責任は債務者と同じ
デメリット③:連帯保証人を辞めることは難しい
住宅ローンの連帯保証人は原則不要!2つ理由を解説
1人で融資を受ける通常の住宅ローンは、特に問題がない限り連帯保証人は不要です。かつて住宅ローンで連帯保証人が必要だった時代もありますが、今は原則不要となっています。
- 土地や建物が担保になるから
- 保証会社の保証システム
連帯保証人が不要な理由①:土地や建物が担保になる
担保の種類 | 内容 | 住宅ローンの場合 |
---|---|---|
物的担保 | ある財産を担保にして 返済不能になったときは それを売却して貸付金を回収する | 土地や住宅 |
人的担保 | 保証人を立て、 返済不能になったときは 保証人から貸付金を回収する | 連帯保証人 |
連帯保証人が不要な理由②:保証会社に保証を頼む
- 債務者:保証料を保証会社に払う(ローン返済の保証を受ける)
- 保証会社:債務者が返済を延滞した場合、債務者に代わって支払う
- 債権者:保証会社の保証があるため、貸し倒れリスクを回避できる
住宅ローンで連帯保証人を立てる2つのメリット
住宅ローンの連帯保証人には悪いイメージがあり、実際デメリットばかりです。しかし、住宅ローンに連帯保証人を立てるメリットもないわけではありません。
- 保証料がかからない
- 借入れ枠を増やせる
しかし、住宅ローンの連帯保証人については、そのメリットに対してデメリット、リスクが甚大です。
「メリット < デメリット」
住宅ローンの連帯保証人になることは、このような図式をイメージしてください。メリットの何倍ものリスクが潜んでいますので十分注意しましょう。
ではひとつずつ解説していきます。
メリット①:保証料がかからない
住宅ローンでは、通常は保証会社を使います。保証会社に保証料を支払うことで、債務者に何かあったとしても、銀行は貸付金を回収することができます。
一方、連帯保証人を立てる場合は保証会社を利用しないため、保証料を支払わなくてすみます。これは連帯保証人を立てることのひとつのメリットです。
しかし、住宅ローンでは実状、保証会社を利用しますので、銀行から言われない限り連帯保証人は立てないという前提だと理解しておいたほうがよいでしょう。
メリット②:借入れを増額できる
住宅ローンで配偶者を連帯保証人にするケース2選
住宅ローンは通常、1人で契約しますが、2人でローンを組む場合は連帯保証人が必要となる場合があります。
2人でローンを組む場合、1物件に対して収入を足してローン審査を受けることになります。どちらかに何かがあった場合の貸し倒れリスクを防ぐため、連帯保証が必要になるのです。
- ペアローン
- 収入合算
収入を合わせるという点では同じですが、契約方式など少しずつ異なる部分があります。
ひとつずつ解説していきましょう。
ケース①:ペアローンを組む場合
項目 | 単独ローン | ペアローン |
---|---|---|
契約者 (債務者) | 夫 | 夫、妻 |
契約の本数 | 1本 | 2本 |
連帯保証人 | 不要 | 夫、妻 (互いに連帯保証) |
ローン返済 | 夫 | 夫、妻が それぞれ返済 |
住宅ローン控除 | 夫 | 夫、妻の税金から それぞれ控除される |
ケース②:収入合算をする場合
項目 | 単独ローン | 収入合算 |
---|---|---|
契約者 (債務者) | 夫 | 夫 |
契約の本数 | 1本 | 1本 |
連帯保証人 | 不要 | 妻 |
ローン返済 | 夫 | 夫 |
住宅ローン控除 | 夫 | 夫 |
項目 | ペアローン | 収入合算 連帯保証型 | 収入合算 連帯債務型 |
---|---|---|---|
契約者 | 夫、妻 | 夫 | 夫 |
債務者 | 夫、妻 | 夫 | 夫、妻 |
契約の本数 | 2本 | 1本 | 1本 |
連帯保証人 | 夫、妻 (互いに連帯保証) | 妻 | 不要 |
配偶者と連帯保証型のローンを組むデメリット3つ
しかし、あらためて連帯保証人のデメリットを思い出してください。相手が夫であろうが妻であろうが、連帯保証人のリスクは変わりません。
- 控除や団信の保障を受けられない可能性あり
- 贈与税が課税されるケースも
- 離婚しても連帯保証人をやめられない
配偶者を連帯保証人にすることのデメリットは3点あります。
夫婦で住宅ローンを組むうえで非常に重要な内容になりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
デメリット①:控除や団信の保障を受けられない可能性がある
- 住宅ローンが10年以上
- 所得が2000万円以下
- 広さ50m2以上
デメリット②:贈与税が課税される場合がある
項目 | ペアローン | 収入合算 連帯保証型 |
---|---|---|
契約者 | 夫、妻 | 夫 |
債務者 | 夫、妻 | 夫 |
連帯保証人 | 夫、妻 (互いに連帯保証) | 妻 |
名義 | 夫、妻 | 夫 |
持分 | 通常は 出資額の比率で按分 | 夫:100% 妻:0% |
連帯保証型では、名義、持分ともに夫のみですが、ペアローンでは支払った金額に応じて持分を分ける必要があります。
たとえば、住宅面積60m2、3000万円のローンを夫が2000万円、妻が1000万円で分担した場合、
ローン金額 | 共有持分 | 持分 |
---|---|---|
夫:2000万円 | 2000÷3000 =1/3 | 60m2×1/3 =40m2 |
妻:1000万円 | 1000÷3000 =2/3 | 60m2×2/3 =20m2 |
通常は、このように持分が割り当てられます。
しかし、実際の支払い以上の持分が割り当てられると、贈与とみなされ贈与税を納めなければならないため、持分の分け方には注意しましょう。
デメリット③:離婚しても連帯保証人をやめられない
ペアローンや収入合算以外で連帯保証人を求められるケース3つ
住宅ローンと連帯保証人について、一旦ここでまとめると、
住宅ローンの種類 | 連帯保証人 |
---|---|
通常の住宅ローン | 原則不要 |
ペアローン | 必要 (互いに連帯保証) |
収入合算 (連帯保証型) | 必要 |
収入合算 (連帯債務型) | 不要 |
- 親の土地に子ども名義で家を立てる
- 主債務者の収入が安定しない
- 金融機関が要求してきた場合
ひとつずつ解説していきましょう。
ケース①:子ども名義で親の土地に家を立てる場合
項目 | 内容 |
---|---|
契約者 | 子ども |
担保 | 住宅(建物) 親の土地 |
連帯保証人 | 親 |
ケース②:主債務者の収入が安定しない場合
ケース③:その他金融機関が要求してきた場合
- 収入が低い
- 勤続年数が短い
保証人にあって連帯保証人に無いもの3選!それぞれの違いとは?
連帯保証人とは、連帯して保証する人のことです。連帯のつかない「保証人」とどう違うのでしょうか。その違いは民法で規定されています。
- 催告の抗弁権
- 検索の抗弁権
- 分別の利益
連帯保証人に重責があり、厳しく取り立てられる訳には、実はこのような法律の裏付けがあるからです。
ひとつずつ見ていきましょう。
連帯保証人に無いもの①:催告の抗弁権
民法452条(催告の抗弁)債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる
連帯保証人に無いもの②:検索の抗弁権
民法453条(検索の抗弁)債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない
検索の抗弁権とは、借金している人に返済できる財産があるのなら、まずそちらから回収してください、という意味です。連帯保証人に無いもの③:分別の利益
民法456条(数人の保証人がある場合)数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する
民法427条(分割債権及び分割債務)数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う
保証人が2人いる場合、借金100万円は50万円ずつ分けることができますが、連帯保証人が2人いたとしても、債務の分割が認められていないため、1人で100万円を返す義務があります。このように法律の条文からも、連帯保証人に重責があることがわかっていただけたと思います。連帯保証人が借金の取り立てに遭うと非常に厳しい状況になりますので、その点をよく理解しておきましょう。
連帯保証人を立てずに住宅ローンの借入れを増やす4つの方法!
住宅ローンで連帯保証人を立てるリスクについてご説明してきました。
- 借入期間を長く
- 他の負債を完済してから
- ボーナス払いを利用
- 頭金を増額
借入れを増やす方法は、連帯保証人を立てる以外にもあります。
ではひとつずつ解説していきましょう。
借入れを増やす方法①:期間を長くする
借入れを増やす方法②:他の負債を返す
- クレジットカードのキャッシング枠
- カードローン
- 車のローン
- フリーローン
借入れを増やす方法③:ボーナス払いを利用する
借入れを増やす方法④:頭金を増やす
連帯保証人を立てずに住宅ローンの審査を通過するポイント5つ
前の項では、借入期間を延ばす、ボーナス払いを使うなど、連帯保証人を立てずに融資枠を増やす方法を解説しました。
- 親子でリレーローンを組む
- 太陽光発電設備を設置
- 借入希望額を減らす
- 安い物件に変更
- 他の銀行を検討
借入枠を増やすこと以外に考えるポイントがあります。ではひとつずつ解説していきます。
ポイント①:親子でリレーローンを組む
ポイント②:太陽光発電設備を設置する
ポイント③:希望額を減らす
- 「そこまでの借入額は必要か」
- 「連帯保証人を立てるリスクを抱えてまで借入額を増やしたいか」
この点についてあらためて自問自答してみてください。
希望する借入額が減ると、月々の返済額が減り、十分な返済能力があるとみなされ、審査にも通りやすくなります。
借入れの希望額を減らすには、先述しましたが頭金を多めに入れることも有効です。
身の丈に合った無理のない計画をすることが、住宅ローンでは最優先に考えなければいけないポイントです。
ポイント④:安い物件に変える
ポイント⑤:他の銀行に申し込む
項目 | 年収400万円未満 | 年収400万円以上 |
---|---|---|
返済比率 | 30%以下 | 35%以下 |
知り合いに連帯保証人を頼まれた⁉納得してもらえる断り方4選
これまで連帯保証人のデメリットについてご説明してきました。
- 夫(妻)が許してくれない
- (配偶者の)両親の許可が出ない
- ブラックリストに載っている
- 既に保証人をやっている
ではひとつずつ見ていきましょう。
断り方①:配偶者が許してくれない
断り方②:(配偶者の)両親が許さない
断り方③:ブラックリストに載っている
断り方④:既に保証人をやっている
まとめ:住宅ローンの連帯保証人の相談ならマネーキャリアへ!
今回は住宅ローンで連帯保証人を立てるデメリットについてお届けしました。
- 連帯保証人の責任は債務者とまったく同じ、一旦なると辞めることは難しい
- 連帯保証人が必要になるのはペアローンや収入合算、親の土地に家を建てる場合など
- 審査で厳しく見積もられた場合、連帯保証人が必要になることも
- 連帯保証人を立てたくない場合、借入期間を長くし、他のローンを完済、ボーナス払い、頭金増額を検討