地震保険料は高い?その理由と保険料を抑える方法について解説!

地震保険料は補償に対して高いと言われています。しかし、いつ来てもおかしくない大地震には備えておきたいものです。そのためには地震保険の仕組みと保険料に関する正しい知識を持つことが大切です。今回の記事では、高いと言われる地震保険について様々な角度から解説します。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

地震保険の保険料はどうして高いの?

地震保険は、補償内容に対して保険料が高いと言われます。


同じように災害に備える火災保険と比べて、保険料に2倍以上も差が出ることもあるようです。


そのため、「地震には備えておきたいけど、保険料もできる限り抑えたい」と思っている方も多いでしょう。


実は、保険料が高いことには正当な理由があります。また、保険料を抑える方法もいくつか存在しているのです。


この記事では地震保険料が高い理由と安くする方法について、

  • 保険料と補償のバランス
  • 保険料が決まる仕組み
  • 保険料が高い地域について
  • 保険料を抑える方法
  • 地震保険に入った方がいい人と入らなくてもいい人の違い

以上のことを中心にお伝えしていきます。


この記事を読んでいただけたら、地震保険の保険料が高い理由や保険料を抑える方法を理解できるため、現在保険料の高さに悩んでいる方の参考になると思います。


ぜひ、最後までご覧ください。

地震保険料が高いことには理由がある!保険料と補償金のバランス


地震保険は補償内容と保険料が割に合わないと言われます。他の災害に備える保険と比べても保険料は高いです。


しかし、地震保険の保険料が高いことには他の保険にはない正当な理由があります。


ここからは地震保険料が高い理由について、

  • 掛け金と補償範囲
  • 補償額
  • 補償額が低くなってしまう理由

上記を具体例を挙げながら、解説していきます。保険料がなぜ高いのか気になっている方はぜひご覧ください。

地震保険の掛け金と補償範囲

地震保険は火災保険で補償されない、地震・噴火による津波や火災などの被害をカバーしてくれます。しかし、地震・噴火による被害をすべて補償するわけではありません。


地震保険の補償対象は、住居となる建物と家財のみです。事務所や車などは補償対象外となります。


ここで、地震保険の保険料補償範囲を具体的な例を挙げて見ていきます。

A社の地震保険
所在地東京都
建物の構造木造一戸建て
延床面積100㎡
建築年月2019年1月
保険金額建物2,000万円/家財1,000万円
保険期間1年
払込方法一時払

以上の条件で、保険料は年額11万6,700円です。


同じ条件でA社の火災保険の保険料は年額5万7,030円(保険期間5年・長期年払)なので、その2倍以上の料金がかかることが分かります。

地震保険の補償額

地震はいつ起こるか、また被害規模もどの程度になるか予想できません。


そのため、万が一のときでも自宅を建て直すなどできるように、保険金額を高く設定しておこうと思う方も多いでしょう。


しかし、保険金額を高く設定するのは難しいです。なぜなら、地震保険は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内でしか設定できないからです。


上限も定められており、建物は5,000万円、家財は1,000万円までとなっています。


また、地震による被害をうけても保険金額が必ず満額支給されるとは限りません。補償額は被害状況によっても大きく異なります。


以下、被害状況と補償額をまとめたものです。

被害区分補償額
全損満額支給
大半損60%支給
小半損30%支給
一部損5%支給

全損であれば保険金額が全額支給されますが、全損と認められなければ補償額は一気に保険金額の60%以下まで落ちてしまうことが分かりますね。


地震保険の補償額は上記のように複雑であるため、自身が最低でもどの程度の補償を受けられるようにしたいかを考えたうえで、保険金額を設定しましょう。

補償金が小さくなってしまう理由

地震保険では補償範囲や補償額に制限があるため、地震などで被害にあっても場合によっては補償金額が小さくなってしまいます。


では、なぜ地震保険はこのような補償になっているのでしょうか。


地震は通常の火災や水災に比べて被害規模が甚大になる可能性があり、そうなれば民間の保険会社では対応しきれません。


よって、地震保険は「国がリスクの95%以上を引き受ける」「保険会社は利益なし」という形で成り立っています。


地震保険の保険料は災害リスクを考えた緻密な計算から決まり、必要経費の他は「責任準備金」として積み立てられます。


地震の被害に備えた準備金が保険料であるため、地震保険料は高くせざるをえません。


また、1回の地震で支払われる保険金の限度額も11兆3,000億円までと決められており、地震の規模によってはすべての損害を補うことは不可能です。


実際、東日本大震災の損害額は約16兆9000億円と限度額を超えています。そのため、すべての被害を補償できたわけではないことが分かります。


地震保険では責任準備金として積み立てることや、保険金の支払い限度額もあり補償が十分にされないこともあるため、保険料が高く補償は小さいと言われることになってしまっているといえます。

地震保険の保険料が決まる仕組み


地震保険料は、どこの保険会社で契約しても一律の料金となっています。これは地震保険が国と民間の保険会社の連携により成り立っている保険だからです。


しかし、個々が支払う保険料は住んでいる建物の構造所在地によって差が出てきます。


ここで、地震保険料の決め手となっている建物の構造や所在地について、具体的な例を挙げながら解説していきます。

建物の構造と所在地

地震保険料は、住んでいる建物の構造所在地によって異なります。以下で順に説明していきます。

建物の構造

地震保険料を決める建物には、イ構造ロ構造の2種類があります。

イ構造とは、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物のことです。火災保険では、M構造、T構造とされています。

ロ構造は、木造の建物のことで火災保険でいうH構造にあたります。

ここで実際に、構造が違うだけで保険料にどの程度影響がでてくるのか見ていきましょう。

下記は、東京都にある建物の構造別の保険料の違いです。

建物保険料
イ構造25,000円
ロ構造
38,900円
建物が違うだけで、13,900円もの差が出てしまうことが分かりますね。

所在地

建物に加え、保険料を決める上で重要となっているのが所在地です。所在地とは住所地がある都道府県を指しています。

ここで、所在地が違うだけで金額にどの程度の差が出てくるのか見ていきたいと思います。

以下のような条件で、所在地が東京と北海道の場合を比較してみましょう。
  • 保険金額1,000万円
  • 保険期間:1年
  • 建物:イ構造
所在地保険料
東京25,000円
北海道7,800円
東京と北海道では、17,200円もの差が生じていることが分かりますね。

他の県も料金は異なってくるため、地域によってかなり差が出ることになります。

地震保険の保険料が高い県は?


さて、所在地によって保険料が変動することをお伝えしましたが、保険料の高い県はどこなのか気になる方も多いでしょう。


ここで、保険料の高い上位10県を紹介していきます。

順位都道府県保険料(イ構造/ロ構造)
1位静岡県25,000円/38,900円
1位東京都25,000円/38,900円
1位千葉県25,000円/38,900円
1位神奈川県25,000円/38,900円
5位埼玉県17,800円/32,000円
6位徳島県15,500円/36,500円
6位高知県15,500円/36,500円
8位茨城県15,500円/32,000円
9位愛媛14,400円/24,700円
9位三重14,400円/24,700円

保険料は都道府県それぞれ違うのではなく、同じ金額のところもあることが分かりますね。


1位と9位では、保険料に1万円以上も差が出ています。


しかし、上記はあくまでも保険料の高い上位10県です。他の県には更に安いところもあるため、保険料の差は更に広がっていることが考えられます。

地震保険料が値上げ!保険料を抑えるには?


2019年に地震保険料が値上げとなりましたね。上がり続ける保険料にうんざりしてしまいますが、これは保険料支払の可能性が高い、つまり災害リスクが高まっているということに他なりません。


しかし、災害リスクが高まっているとはいえ、保険料は安く抑えたいという方も多いことでしょう。


そこで、ここからは

  • 保険料の値上げ内容
  • 保険料を抑える方法

上記を解説していきます。

地震保険料が2019年1月に値上げ

地震保険は2019年1月に改定され、保険料が全国平均で約3.8%値上げされました。


なぜ急に上げたのかと不満に思っている方もいるかもしれませんが、これは2015年の時点で決まっていたことです。


地震保険料が値上げされ始めたのは、2011年に起こった東日本大震災の地震がきっかけとされています。


地震保険料は3段階を踏んで値上げすることになっており、今回は2度目の引き上げです。


最終的には全国平均として19%引き上げられる予定となっており、今後さらに保険料の負担は大きくなることが予想されます。

保険料を抑える方法①:長期契約する

地震保険料を安くするには、まず契約を長期にするとよいです。地震保険は契約期間を1年から5年までの期間で設定することが可能となっています。


契約期間が長期の場合、一度に支払う金額は高いですが、1年契約で支払っているときに比べて、払込保険料の総額は安くなります。


これは、長期係数というものが関係してくるためです。長期係数は契約期間によって値が異なります。以下で契約期間と長期係数の関係をみていきましょう。

契約期間長期係数
2年1.90%
3年2.80%
4年3.70%
5年4.60%

ここで、上記の表をもとに、東京都でイ構造の建物を所有している方が地震保険を1年契約で5年継続する場合と、5年契約の場合の保険料を比較していきたいと思います。


1年契約で5年間継続する場合の保険料は、以下になります。

25000円×5年=125,000円


5年契約の場合の保険料は、以下の値段です。

25000円×4.6%=115,000円

両者を比較すると、1年契約よりも5年契約の方が、支払い総額は1万円も安くなることが分かりますね。


長期契約は一度の出費が大きいため、損をした気分になる方もいるでしょう。しかし、結果的には長期契約の方が保険料は安く済むのです。


保険料を抑えたい方はまず、契約を長期にすることを検討してみましょう。

保険料を抑える方法②:割引制度を利用する

地震保険の保険料にはさまざまな割引制度があります。この割引制度を利用すれば最大50%もの値引きが可能です。


以下で、それぞれの割引制度について解説していきます。


建築年割引

1981年6月1日以降に建てられた建物であれば、保険料が10%割引になるという制度です。


免震建築物割引

住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物にあたる建物が対象となっています。当てはまる場合、保険料は50%割引となります。


耐震等級割引

品確法又は国土交通省が定めた「耐震等級」を満たす建物であれば、保険料が割引となります。


割引率は等級によって異なり、等級3で50%・等級2で30%・等級1で10%となります。



耐震診断割引

耐震診断や耐震改修の結果、改正建築基準法の基準を満たす建物であると認められれば、保険料が10%引かれます。


上記のうち複数に該当した場合は、最も割引率の高いもののうち1つだけが適用されます。


当てはまる項目があった方は割引を受けることが可能であるため、保険料を抑えるためにも利用するとよいでしょう。

地震保険をそのまま継続すべき理由を解説!


地震保険に加入している方のなかには、保険料が高いことを理由に解約を検討中の方もいるでしょう。


しかし、保険料が高いという理由だけで地震保険を解約するのはおすすめできません。


なぜなら、地震保険は地震の被害を受けた際に、生活再建への大きな助けになるものだからです。


ここからは、地震保険に加入していた方が良い方とそうでない方の違いを解説していきます。


地震保険の解約を検討中の方は、万が一の際、地震保険に頼らなくても大丈夫なのか確認してみてくださいね。

地震保険に入っていた方がいい人

地震保険に入っていた方がいい人は、地震で被害を受けた後の生活再建が困難なことが予想される方です。


具体的な特徴は以下の通りとなります。

  • 貯蓄が少ない方
  • 住宅ローンが残っている方
  • 新築を購入したばかりの方
  • 今後地震が発生する可能性が高い地域に住んでいる方
貯金が100万円未満の方は地震の被害を受けた後、貯金だけで生活を立て直すのは非常に困難だと言えます。

また、住宅ローンは地震の被害にあっても免除になるわけではありません

地震後も会社員として働ければよいですが、解雇される可能性も十分考えられます。その場合、生活の立て直しどころか住宅ローンの支払いに苦しむことになってしまいます。

貯蓄が少ない方や住宅ローンが残っている方は、とくに地震保険に加入していた方が良いといえます。

また、新築を購入したばかりの方や今後地震が発生する可能性が高い地域に住んでいる方も、地震後の生活再建に備えて保険に加入しておくことをおすすめします。

地震保険に入らなくてもいい人

地震保険に入らなくてもいいのは以下のような方です。

  • ローンの返済がない
  • 貯蓄が十分にある
  • 耐震が万全な家に住んでいる
上記のように地震が来ても最小限の被害で済む方や、貯蓄が十分にあり、かつローンの返済もない方は地震保険に入らなくてもよいといえます。

地震保険を辞めるときのベストなやめどき


地震保険はいつでも解約が可能です。貯蓄が十分にありローンなどの返済も終わっている方のなかには地震保険の解約を検討中の方もいるでしょう。


ただ、長期契約の方は解約のタイミングに気を付ける必要があります。


長期契約で契約満了日を迎えずに解約する際、解約日以降の保険料は返戻金としてもらうことができます。


しかし、この解約するタイミングを間違えると返戻金はもらえません


返戻金を受け取れるのは、契約満了日の2か月前までとなっています。また、返戻率は解約の時期が早ければ早いほど高いです。


地震保険をやめる際は、できる限り早めに保険会社に連絡することをおすすめします。

参考①:マンションなら加入しないほうが得?


「分譲マンションは地震保険に加入しない方がいい」という意見を聞いたことはありませんか?


自分だけが地震保険に加入していても、マンションの修繕や建て替えをするには所有者の4/5以上の賛成が必要なため、難航しがちという問題があります。


またマンションは木造建築に比べて丈夫ゆえに、実際には建て替えが必要でも半損扱いになるなど、保険金が低くなる傾向もあります。


とはいえ共有部分については管理組合が負担するため、新しくマンションを購入するのに比べれば再建の方がずっと費用は抑えられるはずです。


熊本地震の際は被災したマンションが、管理組合の結束力と住民の絆によって1年半というスピード決議で建替えを実現した例もあるようです。


万が一の際の負担を軽減するため、地震保険に加入しておくことは決して無駄ではありません。


マンションに住まれている方は、こういった面も考慮して地震保険の必要性を改めて考えてみるとよいでしょう。


参考②日本で今後30年以内に大地震の起きる確率


地震調査委員会の発表では、今後30年以内に大地震が起こる確率について、以下のように説明されています。

  • 宮城県の沖合でM7.4クラスの地震:60%
  • 青森~岩手沖北部でM7.9クラスの地震:30%
  • 南海トラフでM8~9クラスの大地震:70~80%
  • 首都直下地震:70%
南海トラフ地震については、以前から起こるのではないかと言われていますが、他のところでも高い確率で起こる可能性はあるようです。

いつ起こるか分からない地震に備えて、地震保険への加入はしておいた方がよいといえます。

まとめ:地震保険を高いと考えるかどうかはあなた次第!

ここまで、地震保険料が高い理由と保険料を抑える対処法について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは

  • 地震保険の補償額には上限が設定されている
  • 被害の状況によってもらえる保険金額は変動する
  • 保険料は建物の構造と所在地によって大きな差がある
  • 長期契約や割引制度を利用すれば保険料は抑えられる
  • 貯蓄が少ない方やローンが残っている方は地震保険に加入していた方がよい
以上のことでした。

地震保険は受けられる補償内容に対し保険料が高いイメージがあると思います。しかし、地震保険はあくまでも生活再建のための資金です。

保険料が高いという点だけに注目するのではなく、先を見据えたうえで地震保険の必要性を考えてみてくださいね。

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