更新日:2019/03/21
自動車保険の任意保険とは?自賠責(強制)保険との違いを解説!
自動車保険には自賠責(強制)保険と任意保険が存在しているのをご存知の方は多いかと思います。しかしこの2つの違いや補償範囲はどうなっているのかなど気になることがたくさんありますよね。この記事では自動車保険の自賠責保険、任意保険について解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
自動車保険の任意保険は自賠責保険と何が違う?
- 運転手に加入義務が課されているのはどっち?
- 任意保険における保険料の相場とは?
- 過去に高額な賠償金を支払った人はいる?
この2種類の違いは加入に義務があるかないか
まず知っておきたい点として、免許を保有した運転手が自動車を購入した場合に、「絶対に加入しなければならない」のは、どちらの自動車保険でしょうか。
それは、「自賠責保険」です。
「任意保険」には加入義務は課せられていません。
- 自賠責保険:自動車購入時に加入義務あり・強制
- 任意保険:加入義務なし・自由
この2つの自動車保険には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
自賠責保険とは
自動車保険の一種である「自賠責保険」は、正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といいます。
自賠責保険は法律により定められた自動車保険であり、自家用車を運転する際はドライバー誰もが加入する必要がある公的な保険制度です。
また、会社の車を運転する際にも、車両に自賠責保険が掛けられている必要があります。
※自賠責保険は、人ではなく車に掛ける自動車保険だからです。
この保険に加入していることにより、万が一交通事故により相手に怪我を負わせる、または後遺障害を負わせてしまったり、死亡させてしまう等の人身事故において、加害者側が被害者に対して支払う賠償金が補償されます。
ここから分かる通り、この自賠責保険は被害者を救済することが第一の目的となっています。
ただし、自賠責保険では補償金額に上限があるため、事故の内容によっては自賠責保険だけでは賄いきれない場合があります。
【自賠責保険まとめ】
- 補償対象:人身事故における被害者
- 補償されるもの:被害者側に支払われる賠償金
- 補償金額(上限):死亡時3,000万円・傷害120万円・後遺障害75~4,000万円
- 保険料:安い(地域ごとに一律)
ちなみに、加入時に発行される自賠責保険の証明書は、いつでも提示できるように運転時には必ず携帯している必要があります。
任意保険とは
では次に、「任意保険」です。
「任意」という単語が付されているとおり、任意保険とは加入するかどうかはドライバーに一任されている自動車保険のことです。
なぜ自由なのでしょうか。
それは、自賠責保険によって最低限の補償がなされているからです。
しかし、各保険会社が販売している任意保険に加入することによって、自賠責保険では補償されない広い範囲が補償されます。
たとえば、以下のような場合にも補償を受けられます。
- 交通事故によって車の一部分または全体が破損した
- 交通事故によって自分自身が怪我・入院をした
- 運転中、ガードレール等の公共物にぶつかり破損させてしまった
任意保険では、「対人」だけでなく「対物」や「物損」等も補償されるのです。
【任意保険まとめ】
- 補償対象:被害者だけでなく被保険者や車両等も対象
- 補償されるもの:賠償金・対人賠償責任・対物賠償責任・車両など
- 補償金額(上限):なし(保険によって異なる)
- 保険料:自賠責保険よりも高額(それぞれの保険会社が設定)
保険証をなくすとどうなる?
ドライバーは、マイカーの運転を行うなら必ず加入しなければならない自賠責保険。
運転中は必ず自賠責の保険証を車検証と一緒に携帯(車載)している必要がある、というのは既に取り上げた通りです。
では、その保険証をもし紛失してしまったらどうすればよいのでしょうか。
もし、紛失してもそのまま運転しているなら、法律違反となり「30万円以下の罰金」が課される可能性があります。
ですから紛失した場合は、迅速に自賠責保険を掛けた保険会社に連絡し、再発行手続きを行う必要があります。
一般的に、自賠責保険の保険証に必要な書類は以下の通りです。
- 印鑑(本人のもの)
- 身分証明書(運転免許証など)
自賠責保険には法的な強制力があり、スピード違反と同様に罰則が設けられていますから、こういった点にも注意を払う必要があります。
任意保険の加入率は?
現代において、実際にどのくらいの方が任意保険へ加入しているのでしょうか。
損害保険料率算出機構によると、以下のような加入率になっています。
【2017年3月末統計】
- 対人賠償:74.3%
- 対物賠償:74.4%
自動車保険の任意保険の相場は?
自賠責保険の他に任意保険にも加入しているなら、万が一に備えて良い準備ができます。
しかし、多くの方が任意保険の加入を渋ってしまう理由として「保険料が高い(高そう)」という理由があります。
※ちなみに、自賠責保険の保険料は統一されており、加入する保険会社によって変わることはありません。
では、実際に任意保険の支払う保険料における相場は、どのくらいなのでしょうか。
ソニー損保のサービスにおいて算出された、年代別の相場をこれから紹介していきます。
なお、以下の条件に統一して算出を行っています。
- 車種:トヨタ・ヴィッツ
- 等級:20等級
免許証:ゴールド免許 - 年間走行距離:3,000km以下
算出される保険料は、月々ではなく1年間トータルでの金額です。
20代前半の自動車保険の相場
まずは、20代前半にける自動車保険の相場です。
このような結果になりました。
- 車両保険なし:19,410円
- 車両保険(一般型)あり:40,670円
車両保険がないタイプの任意保険の場合、保険料の相場は2万円以下に抑えられています。
20代後半の自動車保険の相場
次は、20代後半です。
このような結果になりました。
- 車両保険なし:10,920円
- 車両保険(一般型)あり:26,650円
車両保険が付帯されている任意保険でも、年間で2万円から3万円台が保険料の相場となっています。
30代の自動車保険の相場
次は、30代の自動車保険料相場です。
このような結果になりました。
- 車両保険なし:9,510円
- 車両保険(一般型)あり:26,140円
相場だけで見れば、20代後半よりも少しだけ安くなっています。
40代の自動車保険の相場
次は、40代における自動車保険の相場です。
- 車両保険なし:10,620円
- 車両保険(一般型)あり:28,820円
20代、30代と比較すると保険料の相場が少し高くなっていますが、ほぼ変わりません。
統計上では事故率が低くなるとされる、40代という年代ですが、任意保険にある程度安く加入することは可能であることが分かります。
過去に起きた自動車事故の例
自賠責保険だけでも最低限の保障がなされるとはいえ、多くの方が保険料を納めながら任意保険へ加入されています。
その理由の一つに、万が一人身事故を起こしてしまった際に発生しうる、「高額な賠償金支払い」のリスクがある、という点です。
実際に、過去において普通なら支払うことは不可能にも思える、高額な賠償金支払いが発生したことはあるのでしょうか。
過去には、このような事例があります。
【事例①】
- 種類:人身事故
- 詳細:平成23年 眼科開業医の男性が事故により死亡
- 賠償額:5億2853万円
- 事由:被害者の年収が高かったため、逸失利益(事故が無ければ本来は得られていたはずの収入)が高額に。
【事例②】
- 種類:物損事故
- 詳細:平成6年
- 賠償額:2億6135万円
- 事由:事故を受けた車両に積載していた販売商品が使い物にならなくなり、高額賠償に。
5億を超えるの賠償額は歴代最高額ですが、その他にも億を超える賠償命令が出されたことが過去に何度も発生しているのです。
任意保険では、人身事故における保障額を無制限に設定することができますが、もし未加入ならば内容次第で自賠責保険では賄えず到底支払えない金額にもなってしまう、交通事故における賠償金。
あとになってから「加入しておけば良かった…」と後悔しないようにしましょう。
1万円以上保険料を節約する方法をご存知ですか?
皆さんは自動車保険をどの頻度で見直していますか?
もしかしたら、加入してから一度も見直していない人も多いのではないでしょうか。
- 加入してから一度も自動車保険を見直していない
- 車を購入する代理店で加入した
- 会社の団体割引で自動車保険に加入している
が1つでも当てはまる方は要注意!
高すぎる保険料を払っている可能性が高いです。
心当たりのある方は、一度保険料をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
以下のボタンから簡単にシミュレーションできるので、ぜひどうぞ!
まとめ:自動車保険の任意保険に加入しよう!
ここまで、自動車保険の「自賠責保険」と「任意保険」の違いや、任意保険に加入するメリット等を取り上げてきました。
今回の記事のポイントは、
- 自賠責保険は強制保険であり、車を保有している運転手は必ず加入する必要がある
- 任意保険における保険料の相場は車両保険を付帯する場合、2万円から3万円台である
- 過去には1億円以上の賠償額支払命令が下された人身事故が多数ある
以上の点です。
今現在、任意保険には加入していないという方も加入することによって、発生しうる保険料の支払いよりもずっと大きなリスクに備えることができます。
この機会に、保険会社が提供する様々な任意保険を比較考慮してみることをおすすめします。
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