自動車保険ALL

自賠責保険ってどんな保険?自賠責保険の全てを徹底解説!

自賠責保険って強制加入の保険でしょ?自賠責保険は、任意の自動車保険と比べて軽視されがちだと思います。しかし、その制度主旨は非常に深いものなのです。この記事では、自賠責保険について保険料や加入方法、保険金の受け取り方まで徹底解説します。

自賠責保険とは?詳しくご紹介

今回この記事をご覧のあなたは、『自賠責保険』について関心をお持ちのことでしょう。 


私達の生活には、いわゆる『なくてはならないもの』がありますが、多くの人にとって『自動車』もそうかもしれません。


ある統計によると、平成29年度の車の普及率は、全国の世帯数に対して100.7%と、一世帯一台以上、車を保有していることになっています。 


そして、その車を保有し使用している方の全てが、原則的に『自賠責保険』に加入しているという事実があります。 


ほぼ強制加入であることについてあまりよく思っていない方もおられるかもしれませんが、実際この保険は私たちを「守る」ためのしくみです。


しかし、そう言われても運転手なのでなんとなく加入しているだけ…という方も多いのも事実です。 


そこで、今回はその『自賠責保険』について、


  • 自賠責保険とは、具体的にどのような仕組み? 
  • 未加入のまま運転するとどうなるの? 
  • 保険料が一律ってどういうこと? 
  • 加入・更新をするにはどうすれば良いの? 
  • 事故に遭ったとき、保険金を受け取るためにはどうすれば良いの? 
  • 任意保険との違いとは?

これらの点を取り上げていきます。 

この記事を読んでいただければ、自賠責保険があなたにとって「なんとなく加入させられているもの」ではなく、「加入することによって守られているもの」である実感が湧くことでしょう。 


ぜひ、最後までご覧ください。

自賠責保険とは、自動車や原付を運転する全ての人に加入義務がある

今現在、車を保有しており、日常的な交通手段として使用している方は、自賠責保険に加入する義務があります。


自賠責保険は… 

  • 加入したくなければしなくても良い × 
  • 加入が法律で義務付けられている ○

自動車だけではなく、原付やバイクなどの二輪自動車であっても加入が義務付けられています。

…ということは必然的に、無保険での公道運転は、無免許と同様、違法となり、処罰の対象となるのです。

補償内容は「対人賠償」のみで、交通事故の被害者の救済が目的

自賠責保険が、補償してくれる内容は、次の通り「人」にかかわるものです。


自賠責保険が補償してくれるのは…

  • 対人事故(人に対して事故を起こした場合) ○ 
  • 対物事故(物に対して事故を起こした場合) × 


いわゆる、「運転により他人を死傷させてしまった」場合、または「他人の運転により死傷してしまった」場合にのみ適用されます。 


補償範囲が対人のみで限定されているのは、自賠責保険が交通事故の被害者を救済する、という目的で制定されているからです。 


その分、保険料も安く設定されています。

自賠責保険へ未加入の場合、懲役1年以下または50万円以下の罰金となる

自賠責保険はほぼ強制加入ですが、もし「保険料を支払いたくない」等の理由で、加入しなければどうなるのでしょうか。


自賠責保険に未加入の場合… 

  1. 1年以下の懲役または50万円以下の罰金 
  2. 点数6点加算(免許停止

このように、保険に未加入であるだけで重い処分が下されます。

また、事故は起こしていないし、自賠責にも加入していたけれど、保険の証明書を携帯していなかった場合も、30万円の罰金対象となります。

「入りたくないから加入しない!」が原則通用しない、ということが分かりますね。

自賠責保険を解約するには、自動車を廃車にする必要がある

このことを考える上で理解しておきたいこととして、自賠責保険が【人】と【車】、どちらに掛かっている保険なのか、という点です。


自賠責保険は… 

  • 【人】に掛かっているもの × 
  • 【車】に掛かっているもの ○


そうです、自賠責保険は私たちが保有しているそれぞれの【車】に掛かっているものなので、その車が廃車などにより無くなれば、自賠責保険は解約することができます。


逆を言えば、自賠責保険に加入している車がある限り、保険の解約を行うことはできません。


ちなみに保険を解約した場合、まとめて支払っている分の保険料が、返戻金として戻ってくる場合があります。

自賠責保険へ未加入で事故を起こした場合について

自賠責保険は対人の事故を補償してくれるものであり、運転手であれば誰もが加入する必要がある、ということが分かりましたね。


…では、あまり考えたくはないですが、もし強制加入である自賠責保険に加入していないまま、公道で事故を起こしてしまったら、どうなるのでしょうか。


『交通事故の加害者(自分または相手)が自賠責に未加入だったら』というケースを想定して、考えてみましょう。

健康保険の利用が拒否される?自己負担となることもある

交通事故で怪我を負った場合、症状の重さにかかわらず、当然ながら被害者は適切な治療を受けることを希望します。


そしてごく自然なこととして、健康保険を適用させたうえで治療を受けようとするでしょう。


しかし稀に、交通事故による怪我において、健康保険が適用にならない、という事態が発生します。


交通事故で健康保険適用での治療が適用にならない理由とは…? 

  • 治療(診療)を受けた病院側の意向により、適用外になってしまった
  • 被害者が自ら『自由診療』を希望した

法律上、「第三者から受けた負傷」に関しては保険適用外になる…ということにはなっていますが、その負傷が交通事故による場合は適用になることがほとんどです。

ただし、利用した病院が個人病院であるなど、病院側の意向によって、交通事故では健康保険が適用にならない、という事態が生じる場合が稀にあるのです。

国が損害賠償責任者へ求償する場合も

『ひき逃げ』事故の場合もこれに含まれますが、加害者が故意に自賠責保険に加入しておらず事故を起こした場合、国が加害者に対して請求を行うことになります。


自賠責保険が適用にならない場合… 

  • 国土交通省が被害者に代わって加害者に請求を行う 
  • 加害者が賠償を行わない場合、訴訟・差し押さえなどの処置がなされる

上記のような処置がなされるのは、自賠責保険適用外となる事態において、被害者を救済するために国が定めた『政府保障事業』というしくみによるものです。

この場合、本来、被害者が請求するはずの請求先が存在しません。

そこで、救済措置として加害者は公的に賠償金の支払いを命令されることになり、従わない場合は資産を差し押さえられる場合もあります。

自賠責保険の保険料は一律!?2018年度の自賠責保険料の金額早見表

では次に、私たちが実際に支払う必要のある、『自賠責保険の保険料』について考えてみましょう。


自賠責保険の保険料は、各保険会社が提供しているいわゆる任意保険とは異なり、地域により安価に、そして一律に設定されています。


こちらをご覧ください。


【24か月契約の場合(単位:円)】

http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/ryouritsuhyo.pdf

車種沖縄県沖縄県の離島沖縄県以外の離島それ以外の地域
普通自動車12,5408,7508,75025,830
軽自動車12,5406,0607,94025,070
原動機付自転車5,2805,2805,2809,950
小型二輪自動車5,3105,3107,00011,520


このように、自賠責保険の保険料は、『沖縄県(の離島)』・『沖縄県以外の離島』・『それ以外』で分かれています。


表を見ていただければ一目瞭然の通り、自賠責保険の保険料は沖縄県や離島が安くなっています。


自賠責保険の加入方法とは?必要書類や加入場所について

ではここからは、実際に私たちが自賠責保険へ加入する際、必要なものは何か、という点を取り上げていきます。 


加入に必要な書類と手順を把握しておきましょう。

自賠責保険の加入に必要な書類

自賠責保険に加入するために必要な、代表的な書類は、以下の通りです。


  • 各保険会社が用意する申込書(窓口や販売店等でも申し込み可) 
  • 自動車検査証

自動車に関してはいわゆる「車検証」で良いのですが、車検が無い原動機付き自転車や250cc以下のバイクに関しては、標識交付証明書や軽自動車届出済証が必要となります。

自賠責保険は保険会社窓口の他に、代理店や自動車販売店などで加入できる

必要な書類が分かったら、次はどのようにして加入するか、という点です。 


自賠責保険の加入が行えるのは… 


  • 保険会社の窓口(ネットで書類申請) 
  • 保険代理店 
  • 自動車販売店

これらで自賠責保険の加入手続きを行うことが可能です。

自賠責保険は、車の購入時に、販売店でほぼ自動的に加入することがほとんどです。

原付バイクなど車検が不要な自動車はコンビニで加入・更新ができる

では、原動機付自転車や125~250ccのバイクなど、車検を行わない車両に関しては、加入や更新の仕方がどのように異なるのでしょうか。


車検不要の車両は… 

  • コンビニで加入・更新手続きが可能 
  • インターネットで直接加入手続きが可能(保険会社による)

このように、車検が不必要な車両に関しては、自動車よりもかんたんに加入、更新を行うことができ、とても便利です。

自賠責保険の請求から保険金の受け取りまでの流れ

では次に、実際に事故を起こしてしまった、または巻き込まれた際に、どのように自賠責保険を利用することができるのか、という点について取り上げます。


加害者の場合、被害者の場合、それぞれの立場から考えてみましょう。

自賠責保険の加害者請求とは?

まず、事故の加害者となってしまった方が行う自賠責保険への請求を、『加害者請求』と言います。 


  • 請求をする側:交通事故の加害者 
  • 請求を受ける側:加害者が加入している保険会社 
  • 何を請求するか:すでに支払った賠償金 


加害者は被害者に対して、過失割合に応じて慰謝料などの賠償金を支払う義務があります。 


加害者側に過失の認められない『無責』認定を受けることもありますが、たいていの場合は加害者は被害者に対して、負わせた被害相応の賠償を行うことが求められます。 


そこで、示談等で決まり被害者に対して実際に支払ったお金を、自身が加入している損保へ請求し、受け取ることができるのです。

自賠責保険の被害者請求とは?

加害者が行うのが『加害者請求』であるならば、事故の被害者が行うのは『被害者請求』です。 


  • 請求をする側:交通事故の被害者 
  • 請求を受ける側:加害者が加入している保険会社 
  • 何を請求するか:賠償金 


そもそも、なぜ被害者側が自主的に保険会社へ請求を行わなければならない自体が発生するのでしょうか。 


それは、加害者側が故意に被害者への賠償を行わない、ということが理由として挙げられます。 


そのような場合に被害者の権利を守るため、加害者が行わなくても、被害者が加害者が加入している保険会社を相手に直接請求を行うことができる救済措置なのです。

仮渡金の制度もあります

被害者請求において一つのポイントと言えるのが、『仮渡金』という制度です。 


  • 仮渡金…被害者が受ける、すぐに必要な治療を賄うための費用 


当然ながら交通事故の被害者は、たとえ怪我が軽いものだったとしても、すぐに必要な治療を受けることを望みます。 


もし後遺障害が見つかった場合は、治療期間が長期化し、さらに多くの治療費が必要となります。 


突然事故に遭ってしまったので、治療に充てるための必要な費用が用意できない…


そんなときのために、当面必要となる費用を、保険会社から『仮渡金』として受け取ることができるのです。

任意の自動車保険と自賠責保険は何が違うの?

では最後に、これまで考えてきた自賠責保険に加えて、強制加入ではない「任意の自動車保険」について考えてみましょう。


自賠責保険に加入しているのであれば最低限の補償は受けられるはずです。 


では、なぜそれでも任意保険に加入することを、多くの方が選んでいるのでしょうか。 


それは、補償を受けられる『範囲』が大きなポイントとなります。

補償内容・範囲が違う!任意保険で保障される損害とは?

冒頭で挙げたとおり、自賠責保険には、私たち誰もが強制加入となります。


そして、その補償範囲はあくまで『対人』に限られます。


しかし、事故が発生した際に被害者が負う被害は、必ずしも自分の身体に関わるものだけ、というわけではありません。


以下の点への補償が、追加で必要となる場合があります。


  • 対物(車が損傷、全損したことへの補償) 
  • 搭乗者(同乗していた人が受けた損害への補償) 
  • 人身傷害(過失割合ではなく実際の損害額に応じた補償) 
  • 自損(運転手自身が単独で起こした、事故相手がいない場合の補償)
  • 車両(自身の車に対する補償)


これらは、自賠責保険では補償の対象外となりますが、保険会社が提供する任意保険に加入することによって、補償の対象とすることができるのです。

さらに、自賠責保険では死亡時に3000万円まで、傷害時には120万円まで…というように保障の限度額が決まっていましたが、任意保険はその限度を超えて補償を受けることができる、という点も異なっています。


任意保険の特約とは?さらなる補償内容の充実

任意保険では、補償の範囲が広いことに加えて、いくつかの特約を付与することが可能です。


任意保険の「特約」内容とは… 

  • 運転者限定特約:補償の対象となる運転者を自分だけ(または家族)に限定することにより、保険料を抑えられる特約 
  • 弁護士費用補償特約:弁護士に交渉や訴訟を行ってもらう際に必要な費用を賄える特約

このような特約が各保険会社により用意されており、補償範囲を限定して保険料を安くしたり、逆に保険料を少し上げてでも、保障内容をさらに充実させることが可能です。

いわば任意保険によって、自賠責保険では全く融通の利かなかった、かゆい部分にまで手が届くようになるのです。


任意保険のロードサービスでもしもの事故でも安心

任意保険には、各保険会社によりロードサービスが付帯できる場合があります。 


たとえば、事故によって車が動かなくなったとき、ロードサービスを呼び、車をレッカー移動してもらうことが可能です。


また、道中バッテリーが上がってしまった、タイヤがパンクしてしまった、等のトラブルにも対応できるので、安心して運転が行えます。 


これも、任意保険にしかないサービスと言えるでしょう。

まとめ

今回は、『自賠責保険』について、非常にたくさんのことを取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回、この記事でポイントとなるのは、 


  1. 自賠責保険とは、交通事故被害者を救済するための「対人補償」に限定した、運転者強制加入の保険である 
  2. 自賠責保険には、未加入なだけで法的処罰の対象となり、未加入で事故を起こした場合は国から求償を受ける可能性もある 
  3. 自賠責保険の保険料は、全国(沖縄・離島別)で一律に設定されている 
  4. 自賠責保険に加入するタイミングは、車両購入時窓口での新規受付時などであり、原付などはコンビニでの申し込み、更新が可能 
  5. 交通事故の被害者となった場合は、加害者の加入している損保に対して『被害者請求』により直接請求を行い、賠償を受けることができる 
  6. 自賠責保険が対人補償限定であるのに対して、任意保険では対物、搭乗者など広い範囲が補償対象となり、必要に応じて特約をプラスすることが可能である

これらの点です。

自賠責保険は、ただ加入しているだけでは、必要なときに補償を受けることはできません。

事故の当事者となっていないうちはまだ、実感が湧かないかもしれません。

しかし、将来起こり得る「万が一」に備えて私達誰もが知り、準備をしておくことは、自分や家族、他人の命を尊重し、救うことにもつながるのです。





保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

ランキング