個人賠償責任保険の重複はどうなるの?個人賠償責任保険はどれくらい必要?

個人賠償責任保険で重複した場合重複した保険金を請求して受け取ることは可能なのでしょうか。また、複数加入することでお得なことはあるのでしょうか。また、どのくらいあれば足りるのでしょうか。生命保険や医療保険は個人賠償責任保険とは違うのでしょうか。TSマークなどでは何が補償されるのかなど様々ご紹介します。

個人賠償責任保険の重複はどちらも請求できるの?


火災保険や自動車保険に加入する際、特約である個人賠償責任保険を付帯すべきかどうか迷ったことがある人は多いかもしれません。


個人賠償責任保険は偶然の事故や自転車事故に遭った時に補償が適用されますが、重複加入している場合、どのように保険金が受取れるのか気になりますよね。


実は、この保険は実損額しか補償されないため、高額な補償が重複していると、無駄になってしまうのです。


この記事では、

  • 個人賠償責任保険の重複が無駄になるケース
  • 保険金の請求方法と手順
  • 裁判所から下された賠償額の事例
  • 適切な保険金額
  • 自転車保険との違い
  • 付加したい示談交渉サービス
  • TSマークとの比較

について、解説していきます。


この記事を読んでいただければ、個人賠償責任保険が重複している場合の問題点が把握でき、適切な加入方法が分かると思います。


また、自転車保険と比較して、どちらが手厚い補償が受けられるかも考察していきます。


ぜひ、最後までご覧ください。

自転車保険のおすすめを知りたい方は以下の記事をご覧ください。


 【2021年保存版】自転車保険おすすめ比較総合ランキング

複数の個人賠償責任保険や重複しても請求額は変わらない

自動車保険や火災保険等に契約していると、付帯される個人賠償責任保険(特約)にうっかり重複加入していることがあるかもしれません。


この保険は重複していると、保険金額は合算されますが、実際の損害額しか補償されないため、1億円以上の高額補償を複数確保するのは無駄と言えます。


ただし、保険金額が1千万円程度と少額の場合は複数の補償を活用できるかもしれません。


例として、2つの傷害保険に加入する人が二重請求をして、保険金をいくら受取れるのかシミュレーションしてみましょう。

個人賠償責任保険の重複加入は保険金の無駄

個人賠償責任保険(特約)は一般的に単独で加入するのではなく、火災保険・自動車保険・傷害保険・生命保険などの主契約に付加する形で加入します。


この保険は重複加入していても実損分しか補償されず、複数の保険から保険金が全額支払われることはありません。


例えば、保険金が1億円と2億円の2つの保険に加入していて、9,000万円の賠償金を負った場合、いずれかの保険から9,000万円の保険金を受取ることになります。となると、片方の保険金は無駄と言えます。


保険料は保険金額により違いはありますが、年間で千円を超える程度と安く、気づかぬうちに複数加入していることもあるかもしれません。その場合は保険料も無駄になるため、補償内容を確認して有利な保険のみ残し、他は解約するのが良いでしょう。

複数の傷害保険での重複加入はあり

傷害保険に複数加入し、個人賠償責任保険も重複している場合でも、保険料が無駄にならないケースがあります。


以下のように2つの傷害保険に加入しているシミュレーションで、偶然の事故により他人にケガをさせて2,200万円の賠償金を負い、自身は入院4日+手術を伴うケガをした場合に受取れる保険金額を見てみましょう。

A傷害保険
B傷害保険
個人賠償責任保険金1,000万円1,500万円
入院保険金日額5千円日額1万円
手術保険金2.5万円
5万円
受取れる賠償金700万円
1,500万円
自身の保険金4.5万円9万円

他人のケガに対しては、個人賠償責任保険が適用され、保険金の上限は合算して2,500万になります。A・B両社に二重請求すると、上記のような例で保険金を受取れます。


また、自分のケガに対してもA・Bから入院・手術保険金を受取れるため、忘れずに請求を行いましょう。

個人賠償責任保険を請求するには?

個人賠償責任保険の基本的な請求手順は以下のようになります。


①保険会社へ事故発生の連絡

  • 保険会社に事故の日時・状況・契約内容等を伝える
  • 他人にケガをさせたり、他人の物を壊した場合は相手方の情報も伝える
  • 保険会社から保険金の説明、事故対応のアドバイスなどを受ける

②賠償内容の確定

  • 保険会社の指示に従い、保険金請求に必要な書類を揃える
  • 他人に損害を与えた場合は、お見舞いと損害立証書類の提出を行う
  • 保険会社より保険金額が提示され、示談等のアドバイスを受ける

③示談の締結

  • 相手方との示談交渉・締結
  • 保険金請求書類の作成・提出
  • 保険金額の確認
④保険金の受取り
  • 保険金の受領
  • 相手方へ賠償金を支払う

個人賠償責任保険は重複なしでどのくらいあれば足りる?

個人賠償責任保険はどれくらいの保険金額であれば良いのでしょうか。


過去に裁判所から下された賠償額の事例を見て、必要とされる保険金額を考察してみましょう。


全体的に保険金額は1億円が多く見られますが、3億円無制限のものもあります。代表的な損保会社における保険金額もご紹介します。


ここでは、以下の内容について説明していきます。

  • 個人賠償責任保険での支払い事例は9,000万円を超えるものも
  • 1億円あれば安心だが足りない場合は無制限のものを選ぶ

個人賠償責任保険での支払い事例は9000万円を超えるものも

個人賠償責任保険の保険金額はいくらくらい必要なのでしょうか。過去に裁判所から下された賠償額の事例を見てみましょう。


9,521万円(2013年神戸地裁)

小学生が自転車で坂を下っている時に女性と正面衝突し、被害女性は寝たきりの状態になった。


9,266万円(2008年 東京地裁)

男子高校生が自転車走行中、車道を横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性と衝突した。被害男性には後遺障害が残った。


約6,000万円(2005年 仙台地裁)

子供がキャッチボールしていて、公園にいた他の子供にボールが当たり死亡した。


近年、賠償金は高額化する傾向があり、特に自転車事故では9,000万円を超えるケースも見られます。

一億円あれば安心だが足りない場合は無制限のものもあり

前章で説明した通り、法律上の損害賠償責任を負った場合、9,000万円を超える賠償額を命じられることがあります。そのため、保険金は最低でも1億円は確保しておくと安心です。


さらに手厚い補償を得たいのであれば、無制限のものを選ぶと良いでしょう。自動車保険の特約は保険金が無制限のものが多いです。


参考として、以下に挙げる保険に付帯できる個人賠償責任特約の保険金額を見てみましょう(国内の事故の場合)。


自動車保険

  • 三井住友海上:無制限
  • 東京海上日動:無制限
  • ソニー損保:3億円
  • チューリッヒ:1億円

火災保険

  • 三井住友海上:1億円
  • 東京海上日動:1億円、無制限(保険期間5年以下)

傷害保険

  • 三井住友海上:3億円
  • 東京海上日動:1億円

自転車保険と個人賠償責任保険の違いは?

自転車保険は以下2つの保険がセットされています。


①傷害保険

交通事故等により保険の対象になる人が死亡・後遺障害を負ったり、入院・手術した場合に保険金が支払われます。


②個人賠償責任保険

自転車による事故をはじめ、日常生活で他人にケガをさせたり、他人の物を壊して法律上の損害賠償責任を負った時に実損分の保険金額が支払われます。


いずれも保険料は安く、個人賠償責任保険は年1,000円程度、上記2つの保険が含まれている自転車保険は一番安いプランで年4,000円程度で済みます。


自転車保険は自分が被害者・加害者になった時、いずれも補償が適用されます。加えて、後述する示談交渉サービスも付帯されているため、手厚いサポートが受けられます。

自転車保険や個人賠償責任保険に入る際の重複などの注意点

自転車保険や個人賠償責任保険へ加入する際、どんな点に注意して商品選びをしたら良いでしょうか。


まずは、個人賠償責任保険の重複加入を避けるため、自動車保険や火災保険などに付帯する形で加入していないか確認することが大切です。


補償内容を比較検討する際は、保険金額が1億円以上であるか、示談交渉サービスが付帯されているかをチェックして、充実しているものを選びましょう。


ここでは以下の内容について説明していきます。

  • 家族ですでに加入している自動車保険などの特約の重複
  • 示談交渉付きであるか
  • 補償内容が充実しているか

家族ですでに加入している自動車保険などの特約の重複

家庭で自動車保険や火災保険などに加入している場合、主契約に付帯する形で既に個人賠償責任保険(特約)に加入しているかもしれません。


お伝えした通り、個人賠償責任保険は実損分しか補償されないため、1億円以上の高額補償があれば一つで十分です。重複加入している場合は有利な補償内容のものを生かして、他は解約するのが良いでしょう。


ただし、主契約と特約が1つの契約としてセットされている場合は、その契約を解約すると補償がなくなってしまうので注意が必要です。


補償内容の比較では、保険金額のほか、次章で説明する示談交渉サービスが付帯されているものを選ぶのがおすすめです。

示談交渉付帯のものか

示談交渉サービスとは自転車事故などの加害者になり、法律上の損害賠償責任が発生した場合に保険会社が被保険者の代わりに折衝・示談、調停または訴訟の手続きを行うことです。


示談交渉では自転車事故の加害者と被害者の間に立ち、裁判ではなく話し合いにより損害賠償額や支払方法などを決めていきます。また、口頭での示談交渉は後でトラブルになることがあるので、示談内容を明確にする示談書も作成します。


示談で双方の合意を得られない場合は、訴訟を起こし、裁判所の判断を仰ぐことになります。


事故発生時はパニック状態になり、落ち着いた判断・対応をするのは難しいため、示談交渉サービスが付帯されたものを選ぶのがおすすめです。

個人賠償責任保険の補償は充実しているか

個人賠償責任保険を選ぶ際は、補償内容を確認し、充実しているものを選びましょう。特に保険金額は重視すべきポイントになります。


お伝えした通り、自転車事故を起こした際の賠償額は9,000万円を超えるケースがあるため、保険金額は最低でも1億円は確保しておきたいところです。


中には、保険金額が3億円・無制限のものもあります。自動車保険に付帯するタイプでは無制限のものが多いので、そちらで加入するのも良いでしょう。


一方、保険金額が少額で保険期間が1~2年の少額短期保険では、個人賠償責任保険金額は1,000万円・3,000万円などと少額に設定されています。この保険では1億円近い高額賠償に対応できないため、避けた方が良いでしょう。

補足:TSマークは重複しても大丈夫?

TSマークとは自転車の整備点検を受けると、自転車事故を起こした際に補償が受けられる自転車向け付帯保険です。


安い値段で効率よく補償を得られるのがメリットですが、補償が適用される条件は厳しく、保険金が下りないケースが多いです。


例えば、自転車事故で第三者を死亡または重度障害を負わせた場合に適用される賠償責任補償は以下のようになります。


死亡または重度後遺障害1~7級

  • 青色:1,000万円
  • 赤色:1億円

参考:日本交通管理技術協会「TSマーク


TSマークの賠償責任補償には障害等級の要件があるため、保険金が下りにくいのが実情です。


一方、自転車保険は1億円以上の個人賠償責任補償と示談交渉サービスが付帯されています。保険料も一番安いプランで月額300円程度で済むため、TSマークよりおすすめです。

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※一定の条件下とは、個人賠償責任保険の補償額1億円と傷害保険が付帯していることです。詳しくは記事をご覧ください。

まとめ:個人賠償責任保険の重複は注意しましょう

個人賠償責任保険の重複加入の問題点について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 個人賠償責任保険の重複は無駄になる
  • 保険金請求は保険会社の指示に従い、必要書類を揃えたり示談交渉を行う
  • 自転車事故の賠償金で9,000万円超の事例がある
  • 保険金額は最低でも1億円は必要、無制限だとさらに安心
  • 自転車保険は傷害保険と個人賠償責任保険がセットされている
  • 自転車保険の示談交渉サービスは有益
でした。

個人賠償責任保険に重複加入している場合、実損額しか補償されないため、無駄になる可能性が高いです。そのため、他の保険で既に加入していないかを確認し、保険金額が大きいものや補償内容が充実しているものを残すと良いでしょう。

また、自転車保険は傷害保険と個人賠償責任保険が含まれるため、自分と相手への補償を両方確保でき、示談交渉も依頼できるのでおすすめです。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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