個人年金保険は必要か?入るべき人の必要性といらない人の特徴を解説

年金がもらえない不安もあり、老後資金の準備に加入する方が多い個人年金保険。必要ないという声もあり、本当に個人年金保険は必要なのか気になりますよね。ここでは、個人年金保険と民間年金保険の違いや個人年金保険のメリットとデメリット、加入の必要性について検証します。

個人年金保険は必要かどうかをメリット・デメリットから検証



老後の生活資金はいくらくらい必要になるのか気になりますよね。


公的年金の保険料を未納なく納めているものの、将来年金だけで老後の生活費は足りるのか?そもそも年金制度は存続するのか?不安に感じている人は多いかもしれません。


実は、公的年金制度が破綻する可能性は限りなく低く、公的年金だけで生活するのも不可能ではありません。しかし、公的年金以外に個人年金保険に加入しておくと、年金額が増えて、ゆとりある老後生活を送れるでしょう。


この記事では、

  • 個人年金保険の種類と特徴
  • 個人年金保険の必要性
  • 個人年金保険の5つのメリット
  • 個人年金保険の5つのデメリット
  • 個人年金保険が必要な人・不要な人
  • 個人年金保険以外の老後資金の貯蓄方法

について、解説していきます。


この記事を読んでいただければ、個人年金保険の概要(種類・特徴)やメリット・デメリット、必要性が分かり、実際の保険選びの際にも参考資料として役立つと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。

そもそも個人年金保険とは?種類とそれぞれの特徴



個人年金保険の種類は年金受取期間により、以下のように分類されます。

被保険者と受取人が同一の場合、どのように年金を受取れるのか見てみましょう。

種類年金受取期間受取条件
確定年金定められた一定期間生死に関わらず受取れる
有期年金定められた一定期間生存中のみ受取れる
終身年金定められた年齢から死亡時まで生存中のみ受取れる
夫婦年金定められた年齢から
夫婦2人の死亡時まで
夫婦どちらかが生存中のみ
受取れる

また、運用方法の違いにより、以下のようにも分類できます。

種類運用方法特徴
定額保険低リスク低リターン契約時に将来の年金額が確定する
変額年金高リスク高リターン運用実績により年金額が変動
外貨建て年金保険高リスク高リターン為替相場により年金額が変動

確定年金保険について

確定年金保険は被保険者の生死にかかわらず、一定期間年金を受け取れます。年金受取期間は、5年・10年・15年などが一般的です。


万が一、被保険者が年金受取期間に死亡した場合、遺族は残存期間に対応する年金または一時金を受け取れます。


確定年金は被保険者の生死にかかわらず、決まった金額を受け取れるので、早くに死亡した場合でも、受取年金額が払込保険料を下回ることはありません。年金額の元本割れを避けたい人や遺族にお金を遺したい人には向いているでしょう。


60歳から10年を年金受取期間にして、退職から公的年金支給までのつなぎとして活用する方法もおすすめです。

変額年金保険について

変額年金保険とは、契約者が投資信託などの運用商品の中から選択して運用されるものです。保険料は契約時に一括で支払う一時払が多く、運用実績によって将来の年金額が変動します。


運用実績は株価・金利・為替などの変動に影響され、受取年金額が払込保険料を上回ることもあれば下回ることもあります。上回る場合は得ですが、下回ると元本割れで損になるため、注意が必要です。このような投資リスクがあるため、変動年金は余裕資金で行うようにしましょう。


一般的に、変額年金は元本保証がありませんが、受取年金額や死亡給付金(運用期間中に被保険者が死亡した場合に支給される)に最低保証が設定されているものもあります。

終身年金保険について

終身年金保険は契約時に定めた年齢から被保険者が死亡するまで、一生涯にわたり年金を受け取れます。


長生きをするほど受取年金額は増えるため、長生きリスクに対応できるのがメリットです。一方、早い時期に亡くなると、払込保険料よりも受取年金額が少なくなる可能性があり、損になります。


自分が亡くなった後、遺された家族にお金を遺したい人は、終身保険は不向きですが、その必要がない人や単身者などは、生涯にわたり大きな保障と安心感が得られるのでおすすめです。


終身年金の保険料は他の年金保険よりも割高に設定されています。例えば、確定年金の保険料は月額1万円程度が多いのに対し、終身年金は月額2~3万円が多いです。

外貨建て年金保険について

外貨建て年金保険は米ドルなどの外貨で保険料を支払い、運用していく商品です。予定利率や返戻率は円ベースよりも高く設定されているのがメリットですが、外貨での運用のため、為替変動リスクがある点には注意が必要です。


将来の年金の受取時、円安では為替差益により利益が出ますが、円高では為替差損により元本割れになる可能性があります。年金の積立期間は長く、年金受取時の為替相場を予測するのは難しいため、ハイリスク・ハイリターンな特徴があります。


外貨建て個人年金は元本保証されていることが多いですが、円ベースではなく、外貨ベースでの保証になります。また、保険料の支払いや年金の受取りの際は通貨の交換が必要になり、その都度為替手数料が発生するため、コストもかかります。



夫婦年金保険について

夫婦年金は夫婦2人が被保険者となり、夫婦2人または片方が生存している場合に年金が受け取れます。夫婦どちらかが亡くなった場合でも、残された配偶者の老後資金を確保できるのがメリットです。


一般的に、最初は確定年金や終身年金などとして契約し、年金開始時に夫婦年金へと変更する取り扱いが多いですが、最初から夫婦年金として契約できるケースもあります。


受取年金額は夫婦2人とも生きている場合と、片方が生きている場合で金額が変わらないタイプと変わるタイプ(1人期間の年金額は2人期間の70%など)があります。商品内容を確認してニーズに合うものを選びましょう。

個人年金の必要性を解説!老後の資金はいくら必要?



日本では老後の生活を支えるものとして、公的年金制度が設けられています。公的年金には国民年金と厚生年金の2種類があり、原則65歳から受給できます。


一方、個人が老後の資産形成を目的として任意で加入するのが私的年金であり、将来、公的年金の上乗せとして年金額を増やすことができます。


私的年金には以下のようなものがあります。

  • 小規模企業共済
  • 国民年金基金 
  • 企業年金
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)
  • 個人年金保険(民間保険)

ここでは、以下の内容について説明し、

  • 老後の生活費はいくらくらい必要か
  • 公的年金はどれくらいもらえるのか
私的年金の一つである個人年金保険の必要性について解説していきます。

夫婦2人の場合、老後の生活費は最低でも22万円

生命保険文化センターが2019年に行った「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人が老後生活を送る上で、必要と考える最低日常生活費の月額平均は22.1万円です。


老後の最低日常生活費(N=4,014人)

日常生活費
15万円未満5.9
15~20万円未満13.0
20~25万円未満29.4
25~30万円未満13.1
30~40万円未満 17.0
40万円以上1.9
わからない19.6

「20~25万円未満」の割合が29.4%と最も多くなっています。


また、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費に上乗せする額は平均14.0万円です。


したがって、ゆとりある老後生活費の月額平均は以下のように計算できます。

最低日常生活費22.1万円+上乗せ額14.0万円=36.1万円

上乗せ額の使い道は、以下のようなものが挙げられています。

  • 旅行やレジャー
  • 趣味や教養
  • 日常生活費の充実
  • 身内とのつきあい
  • 子供や孫への資金援助

公的年金はどのくらいもらえる?破綻しないの?

金融庁の2,000万円レポート「高齢社会における資産形成・管理」に端を発した年金に対する不信感と老後の生活に対する不安。


今の日本の年金制度は一体どういう状況なのでしょうか?「近い将来破綻する?」「2,000万円も年金が足りないから既に年金制度は破綻している!」


このような声を耳にしますが、本当に年金制度は破綻するのでしょうか?現状の公的年金制度について今一度正しく把握して、その上で必要な個人年金保険やiDeCoと言った、私的年金への加入を検討し、老後の生活に必要な資金作りを行いましょう。


公的年金の現状は以下のようになっています。

  • 年金破綻の可能性は限りなく低い
  • 2,000万円無くても公的年金だけでの生活は可能
  • しかし十分な生活水準を維持するには年金以外の資金が必要
上記のように年金の破綻という事態が起こる可能性は低いです、かつ公的年金の受給だけでも生活していく事は可能です。

公的年金の破綻の可能性についてもっと詳しく知りたい方は「年金破綻は嘘?年金が破綻しない理由と保険料を払うメリットを解説!」こちらの記事もご覧ください。

しかし、公的年金というのは基本的に現役世代に受け取っていた給料の約半額程の金額を給付する制度なので、それだけでは十分な生活水準を維持できません。

そこで長寿命化する老後の生活をある一定以上の水準で保つために必要な資金の額が2,000万円という金額なのです。

では、その2,000万円はどのようにして用意すればよいのか?ここでは老後資金確保のための資産運用方法として個人年金保険について解説します。

個人年金保険の5つのメリットから必要なのか考える



個人年金保険に加入するメリットはどんな点が挙げられるでしょうか。


ここでは、個人年金保険における5つのメリットをご紹介します。

  1. 保険料の自動引落しにより確実に老後資金を準備できる
  2. 低リスクで安全性が高い上に、銀行預金よりも利回りが良い
  3. 生命保険料控除の適用により所得税と住民税を軽減できる
  4. 生前贈与の手段として利用でき相続税対策になる
  5. 払込免除特約により病気やケガのリスクに備えられる

以降の章で、それぞれの内容を説明していきます。

メリット1:毎月自動で引き落とされるので確実に老後資金を準備できる

個人年金保険は、毎月の年金保険料の支払いとして、ご自分の金融機関の口座より強制的に引き落とされて積み立てられます。

そのため、貯金が必要と思っていても、自分の趣味などで散財しがちな方には確実な積立方法と言え流でしょう。


積み立てたお金は、他の目的に使用することが困難であるため、貯金が苦手な方でも、確実にお金を貯蓄できる方法と言えます。

メリット2:リスクが低く、銀行の普通預金よりも利回りがお得

個人年金保険には、「円建て個人年金保険」という商品があります。この個人年金保険は、年金保険料を日本円で支払い、年金も日本円で受け取る商品です。 


日本円で積み立てるので、円レートに連動して運用されることになります。そのため、為替変動の影響を受けることなく安定しており、将来の見通しが立てやすいことが特徴です。


また、いつ解約すれば返戻率の高いお金(解約返戻金)を取得できるかを判断することも容易です。手堅く老後の資金対策を行いたい方に、必要性が高い商品と言えます。


一方、「外貨建て個人年金保険」という商品もあります。こちらは、主に米ドルを中心とした外国の通貨により運用される保険商品です。


円建て個人年金保険よりも利率が高く、支払う保険料が安いために、効率的に貯蓄する必要性を強く感じている方には魅力的な保険です。ただし、為替変動に影響される一面もあります。

メリット3:個人年金保険料控除で所得税と住民税が節税できる

生命保険の支払保険料は必要な条件を満たすと、生命保険料控除の適用が受けられて、所得税・住民税を軽減できます。個人年金保険も控除の対象であり、個人年金保険料控除枠を利用できます。そのため、節税を目的として、個人年金保険に加入することも有効です。

生命保険料控除を受けるためには、年末調整や確定申告を行う必要があります。会社員や公務員などの給与所得者は年末調整にて、自営業やフリーランスなどは確定申告にて申告してください。


生命保険料控除は保険加入日により、対象となる保険や控除額の計算方法が異なります。


加入日対象
旧契約2011年12月31日迄①一般生命保険料
②個人年金保険料
新契約2012年1月1日以降①一般生命保険料
②介護医療保険料
③個人年金保険料

新契約と新契約における控除額の上限を見ていきましょう。

旧契約所得税住民税
年間払込保険料10万円超7万円超
控除額一律5万円一律3万5千円
2種類受けた場合10万円7万円
新契約所得税
住民税
年間払込保険料
8万円超5万6千円超
控除額一律4万円 一律2万8千円
3種類受けた場合12万円7万円

参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除


旧契約・新契約の両方で個人年金保険に加入している場合、それぞれで計算し、控除額が高い方の適用が受けられます。控除額が高い程、節税効果も大きくなるため、上記の表を参考に保険料および保険金額を決めるのも良いでしょう。

メリット4:生前贈与の手段として相続税対策にも

相続税を軽減する対策として、個人年金保険を活用した生前贈与という方法があります。

生前贈与とは自身の生存中に子供や孫へ財産を一定額に分けて贈与することで資産を減らし、死亡時に遺族に課される相続税を引き下げる方法です。生前贈与の額は年間110万円以下であれば、贈与税もかかりません。

個人年金保険を活用して生前贈与を行う手順は、以下のようになります。
  1. 子供を契約者および被保険者にして個人年金保険に加入する
  2. 親から子供へ年間110万円以下を毎年贈与する
  3. 子供は贈与額から保険料を支払っていく

上記の方法は、自身の相続税対策と子供の老後資金確保という2つのメリットがあります。

メリット5:払込免除特約を使えば、働けなくなるリスクに対応できる

個人年金保険の契約で保険料払込免除特約を付加すると、病気やケガで所定の状態になった場合、以後の保険料の払込みは免除されるものの、保障は継続し、満額の年金を受け取れます。


保険料の払込みが免除される要件は、保険会社や保険種類によって異なりますが、例として以下のような状態が挙げられます。

  • 3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)
  • 高度障害状態
  • 身体障害状態 
  • 就労不能状態
  • 要介護状態

病気やケガで所定の状態になった場合、医療費がかかる上に、治療のために働けなくなる可能性もあり、保険料の支払いが困難になるかもしれません。保険料払込免除特約はそれらのリスクに対応し、経済的負担を軽くできるので、安心感を得られるでしょう。


ただし、保険料払込免除特約を付加すると、保険契約時から免除が適用されるまでの間、特約保険料の支払いが発生します。特約保険料は内容が充実しているものや保険期間が長いものほど、高額になります。

個人年金保険が必要な人は?


貯蓄が苦手な人には必要です。

公的年金の受給開始年齢は、原則65歳からです。


老後の生活を公的年金だけで賄うことに不安がある人は個人年金保険が必要と言えます。 


個人年金保険は以下のような方法で活用できます。 


  • 55~60歳位から個人年金を受取り、公的年金受取までのつなぎとする 
  • 65歳から個人年金を受取り、公的年金と合わせて余裕ある老後生活を送る 
  • 70歳から個人年金を受取り、孫との生活を充実させる 


保険料の払込みは銀行口座振替やクレジットカード払いなど自動で引き落とされる方法を選べて、途中で解約することが容易にできないため、確実に貯蓄できます。


計画的な貯蓄が苦手な人にはおすすめですが、保険料の払込みが生活費を圧迫しないように無理のない範囲で行いましょう。

個人年金保険の6つのデメリットからいらない・不要なのか考える



個人年金保険におけるメリットについて説明してきましたが、デメリットについてもチェックしておきましょう。


個人年金保険におけるデメリットは以下の5つが挙げられます。

  1. 途中解約や保険会社の破綻により損をする可能性がある
  2. 終身年金の場合、早期に死亡すると元本割れになる
  3. 返戻率が低く、年金額を大きく増やすことはできない
  4. 確定年金はインフレリスクに対応できない
  5. 年金保険料控除の適用条件を満たさないと控除が受けられない

以降の章で、それぞれの内容を説明していきます。

デメリット1:途中で解約したり、保険会社が破綻すると損する

個人年金保険を解約すると、これまで支払った保険料が全額戻ってくるわけではありません。解約の時期により、解約返戻金(戻ってくるお金)が戻らないおそれもあります。


ご自分が解約を希望する際には、加入時に受け取った解約返戻金の算出表を参考に、返戻金額を確認して、「この位のお金が戻ってきたら解約しよう。」と、事前に決定してから解約を行いましょう。


また、実際に生命保険会社が破綻するリスクは小さいため、過剰に気にする必要はありません。生命保険会社が破綻すると「生命保険契約者保護機構」が救済してくれるので、保険契約は維持されることになります。


ただし、保険会社の資金運用は、加入者ごとの個人単位で管理していないために、個々人が受け取る年金額に大きな影響を及ぼす場合があります。 


つまり、個人年金保険の場合、元本割れしてしまうリスクが高くなります。

デメリット2:終身年金の場合、早く死亡すると元本割れしてしまう

終身年金保険は被保険者が死亡するまでの一生涯にわたり年金を受け取れるのがメリットですが、年金受取開始後の早い時期に亡くなると、払込保険料よりも受取年金額が少なくなり、元本割れを起こす可能性があります。

また、終身年金の保険料は他の年金保険よりも割高であり、確定年金の保険料に比べると2~3倍高くなることがあります。

単身者で遺族にお金を遺す必要がない人には良いですが、自分の亡き後、配偶者や家族にお金を遺したい人は、生死にかかわらず受取年金額が保証されている確定年金を選ぶのが良いでしょう。

デメリット3:大きく増やすことはできない

個人年金保険に加入して、将来の年金額がどれくらい増えるかについては、返戻率から判断できます。返戻率とは払込保険料総額に対して、将来の受取年金総額の割合を表したもので、100%を上回ればプラス、下回れば元本割れとなります。


個人年金保険の返戻率の相場は以下のようになります。

払込期間返戻率
10年102.8%
20年106.7%
30年107%

10年の払込(積立)で2.8%、30年では7%しか増えていないことになります。


一方、投資信託のトータルリターン(総収益率)はどうでしょうか。


ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)」を例に見てみましょう。

(評価基準日:2020年2月29日)

期間トータルリターン
1年17.20%
3年(年率)9.65%
5年(年率)4.08% 
10年(年率)7.59%

1年で17.2%、10年(年率)で7.59%という高いパフォーマンスを発揮しています。


ただし、投資信託は価格変動リスクがあり、元本保証がないため、売却のタイミングによっては元本割れを起こす可能性がある点には注意してください。

デメリット4:確定年金の場合、インフレに対応できない

個人年保険で受け取る年金の額が決まっている年金保険のことを、「定額個人年金保険と呼びます。


こちらは、元本が保証されているので、安定的な貯蓄の必要性を感じている方に向いている保険です。


しかし、低金利の時に加入してしまうと、預貯金と変わらないか、逆に不利になってしまうリスクがあります。


また、年金を受け取る時に物価が上昇してしまうと、年金額が決まっているために、受け取る年金の価値が下がってしまうことになります。

デメリット5:個人年金保険料控除の適用条件には注意が必要

個人年金保険に加入すれば、無条件で個人年金保険料控除の対象となるわけではありません。個人年金保険料控除に該当するには「個人年金保険料税制適格特約」が付いていることが必要です。


この特約の条件として次の3つ(確定年金の場合は4つ)全てを満たす必要があります。

  • 年金を受け取る方が契約者本人か、配偶者であること
  • 年金を受け取る方が被保険者であること
  • 年金保険料を払う期間が10年以上であること
  • (確定年金の場合)年金の受取開始時が60歳以降であり、年金の受取期間が10年以上であること

上記の必要条件を満たさない個人年金保険の場合は、個人年金保険料控除の対象にはならず、生命保険や学資保険等と共に「一般の生命保険料控除」の枠で、税制上の優遇措置を受けることになります。

個人年金保険がいらない・不要な人



個人年金保険の目的は老後の生活資金を確保することです。そのため、既に老後の資産形成ができているのであれば、あえて個人年金保険に加入する必要はありません。


余裕資金が潤沢にあり、リスクを取りながら積極的な投資をしたい人は、個人年金保険よりも高いリターンを期待できる株・投資信託・外貨などで運用する方法もあります。NISA・つみたてNISA・iDecoなどの投資優遇措置を組み合わせると、節税の恩恵も受けられるでしょう。


また、老後の住環境や健康状態に大きな心配がなく、公的年金のみでも生活していけると考える人も個人年金保険への加入は必要ないと言えます。高齢になり、生活を小さくすると、出費も小さくなる傾向があります。物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを重視する人は多額なお金がなくても、質素でコンパクトな生活を楽しめるでしょう。


とはいえ、高齢になると、病気やケガのリスクが高まり、医療費がかかったり、住宅のリフォームなどでお金が必要になる局面も多いです。老後資金がどれくらい必要かは、住環境・健康状態・家族構成などにより異なるので、将来必要になるお金を試算して、貯蓄しておくことが大切です。

個人年金保険以外の老後のための貯蓄方法



個人年金保険はメリットが多いものの、デメリットもあります。他の方法で公的年金に加えて老後の備えになるものはないか、とお考えの方々もいらっしゃるでしょう。

こちらでは、老後の生活を支える貯蓄方法を紹介します。

安定的にお金を貯めたいだけなら、定期預金

定期預金とは、預入期間に払い戻しをしないことを条件に、普通預金よりも金利が高くなる預金商品です。 

 

例えば、定期預金の期間を1年として100万円を定期預金にすると、その100万円は1年間払い戻しできないことになります。ただし中途解約はできます。


また1年間で金利が0.2%(税引前)になる場合は、2,000円得をすることになります。高い利率を期待できませんが、リスクを負わず、安定的にお金を貯めたいならば定期預金がおすすめです。

長期での運用はiDeCo(個人型確定拠出年金)がおすすめ



個人型確定拠出年金は、任意で加入するという面では個人年金保険と同様ですが、こちらは保険会社ではなく証券会社が中心となって運用されます。なお、「iDeCo(イデコ)」とは個人型確定拠出年金の愛称のことです。

この年金の特徴としては、運用は投資信託、定期預金等で行われ、この運用の良し悪しによって将来に受け取ることができる年金額は変動します。 


○個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリット


1.税金面で非常に有利


掛け金を積み立てている時は、その全額が「小規模企業共済等掛け金」として扱われ、全額所得控除の対象になります。また、運用期間中の運用益は非課税です。年金を受け取っている時は退職所得、年金所得として扱われ、税金がかかりにくい仕組みとなっています。


2.預けている証券会社・銀行が破綻しても影響が無い


個人年金保険と異なり、年金の資金運用は加入者ごと個人単位で管理しているので、万が一にも預けている証券会社、銀行が破綻しても個人の運用資産に影響はありません。


○個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット


1.月額手数料かかる


運用コストとして管理費が毎月170円~600円程度と、運用する投資信託の信託報酬がかかります。この月額手数料は取扱う証券会社によってそれぞれ異なります。各証券会社の手数料の内容をしっかりと確認した上で、加入するかどうかを決めましょう。


2.中途解約はできない


個人型確定拠出年金は途中で解約してお金を受け取ることはできません。ただし、掛け金の積み立てが負担になってきた時、掛け金を変更して減らす対応は可能です。

資産運用のプロに任せたいなら、投資信託がおすすめ

投資信託とは、投資家から集めたお金をもとに資産運用のプロ(ファンドマネジャー)が、株や債券等の複数の商品に投資・運用する金融商品です。

投資・運用の流れは次のようになります。

  1. 投資家が投資信託にお金を預ける
  2. 資産運用のプロが株や債券等に投資
  3. (投資が成功すれば)収益が入る
  4. 投資信託のお金が増加し、投資家のお金も増加する

○投資信託のメリット


1.少額で買える


投資信託は1万円や1000円から買うことができますが、金融商品の中には100円から買える商品が増えています。


2.運用はプロ任せ


運用はファンドマネジャーに任せるので、ご自分は投資の知識がなくても問題ありません。


3.分散投資


投資信託は複数の投資対象に分散投資されているので、極端な値下がりを防ぎ、大きな損害を避ける効果が期待できます。


○投資信託のデメリット


1.元本が保証されない


プロに任せるといっても、100%運用がうまくいく保証はどこにもありません。運用に失敗すれば値下がりしたり、元本が減ったりすることも想定されます。


2.手数料がある


投資信託を買う時や、持っている時に手数料がかかります。投資信託の購入金額の1~3%を払うのが一般的と言われています。支払う費用にも相応の注意を払うことが必要です。

まとめ:個人年金が不要な人・いらない人を解説



個人年金保険について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは、
  • 個人年金保険は確定年金・終身年金・変額年金など様々な種類がある
  • 個人年金保険は公的年金の上乗せとして老後資金を増やせる
  • 夫婦2人の老後生活では最低でも月22.1万円の生活費が必要
  • 公的年金制度が破綻する可能性は限りなく低い
  • 個人年金保険のメリットは確実性・低リスク・節税効果など
  • 個人年金保険のデメリットは元本割れの可能性、返戻率の低さなど
  • 公的年金だけでは老後資金が足りないと考える人は個人年金保険が必要
  • 既に老後の資産形成ができている人は個人年金保険は不要
  • 定期保険・iDeCo・投資信託などでも老後資金を貯蓄できる
でした。必要か必要ない

個人年金保険は年金受取期間や運用方法により、様々な種類・特徴があります。公的年金の支給額や老後の生活費について確認し、個人年金保険への加入が必要か、必要ないかを検討して、ニーズに合う保険を選ぶと良いでしょう。

既に老後の資産形成ができている人には個人年金保険は不要と考えられますが、安全性の高さや節税効果などのメリットもあるので、それらを目的に加入することも有効です。

一方、途中解約すると元本割れの可能性があることや積立期間が長い割に年金額が大きく増えないなどのデメリットがあることも理解しておきましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
個人年金保険の必要性が知りたい方はこちらの記事もご覧ください
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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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