共済の短期掛金ってなに?【お金のプロが分かりやすく解説】

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共済の短期掛金とは?短期掛金を詳しく解説



共済とは組合位の相互扶助によって成り立っている保険制度ですが、その掛金の仕組みのなかに「短期掛金」という仕組みがあります。

共済への加入を考えている方も、共済における掛金についてよく理解していないという方も多いのでないでしょうか。

そこで今回は、
  • 短期掛金とは?
  • 短期掛金の金額はどのように決まる?
  • 短期掛金の種類とは?
  • 退職後の医療保険制度とは?
以上の点について取り上げていきます。

この記事を読んでいただければ、共済における短期掛金のしくみについてさらに理解を深めることができるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

「短期掛金」は助け合いの財源!

まずは、共済における短期掛金について説明していきます。


たとえば、私達が加入する民間の「保険」は加入者より支払われる保険料によって成り立っていますが、それは「共済」においても同じことが言えます。


共済組合が行う様々な事業は、組合員が支払う保険料、いわゆる「掛金」と地方公共団体の負担によって成り立っています。


そして、その共済に支払われる掛金の種類の1つが、「短期掛金」です。

短期掛金の金額は収入によって決まる



では、その短期掛金の金額はどのように決まるのでしょうか。


組合員が共済組合に対して負担する掛金は、月々の収入によって決まる「標準報酬月額」に、一定の割合を乗算して計算されます。


掛金計算に用いられる「標準報酬月額」には基本給だけではなく、

  • 通勤手当
  • 扶養手当
  • 時間外勤務手当
  • 休日勤務手当

このような「諸手当」であるものも含めて計算されます。


計算する場合は基本的に3カ月分の「報酬月額」合計を3で割ったときの平均値を「平均報酬月額」として、次に紹介する表に当てはめた時の金額が「標準報酬月額」となります。


一例として、令和2年度の福島県における等級・掛金早見表の数字を見てみましょう。

標準報酬等級報酬月額標準報酬月額
19級310,000~330,000円未満320,000円
20級330,000~350,000円未満340,000円
21級350,000~370,000円未満360,000円
22級370,000~395,000円未満380,000円
23級395,000~425,000円未満410,000円

参照:福島県の県民共済


基本的に報酬月額は3カ月間の給料や手当における平均額を出しますが、その金額を「報酬月額」に当てはめた場合の「標準報酬月額」の金額を掛金計算に用います。


例えばAさんの3カ月間の平均報酬月額が「390,000円」である場合、上の表から標準報酬等級が「22級」、標準報酬月額が「380,000円」ということになります。

掛金の計算は掛金早見表をチェックしよう



では次に、実際に標準報酬月額に応じた掛金がどのくらいの金額になるのかを見てみましょう。


次の表をご覧ください。

報酬月額標準報酬月額短期給付掛金
93,000円未満88,000円4,507円
93,000~101,000円未満98,000円4,507円
101,000~107,000円未満104,000円4,783円
107,000~114,000円未満110,000円5,059円
114,000~122,000円未満118,000円5,427円

参照:福島県の県民共済


このように、標準報酬月額に比例して、短期給付の掛金も高くなっていきます。


本来は、標準報酬月額が4~6月の3カ月間から算定したものを用いる(定時改定)ため、もし何らかの原因で固定給が減るなどした場合でも、掛金は高いままになってしまいます。


しかし、固定給が変動しさらに2等級以上の差が出てしまっているなどの条件を満たす場合は、算定期間の翌月からすぐに標準報酬月額を改定随時改定)し、掛金を減らすことが出来るようになっています。

【参考①】短期給付の種類を紹介



共済では一般的な保険と同様に、加入している組合員に有事が発生した場合に、給付金が支払われることになります。



それがいわゆる「短期給付」です。


そして、短期給付はその給付理由に応じて
  1. 保険給付
  2. 休業給付
  3. 災害給付
以上3つの分類となります。

1つ目の「保険給付」には、
  • 療養費
  • 高額療養費
  • 出産費
  • 埋葬料
  • 移送費
一例としてこのような種類の給付が含まれます。

胃腸費が高額になった場合には「高額療養費」が支給対象となりますが、基準は次の通りとなります。
所得区分
(標準報酬月額)
月ごとの医療費上限額
非課税者35,400円
多数該当:24,600円
28万円未満57,600円
多数該当:44,400円
28~53万円未満80,100円+(医療費-267,000円)×1%
多数該当:44,400円
53~83万円未満167,400円+(医療費-558,000円)×1%
多数該当:93,000円
83万円以上252,600円+(医療費-842,000円)×1%
多数該当:140,100円
ちなみに「多数該当」とはすでに高額医療費の支給が過去に行われている場合の金額であり、過去12カ月以内に同一世帯で3カ月(3回)以上高額療養費を受給していた場合に対象となります。

2つ目の「休業給付」には、
  • 傷病手当金
  • 出産手当金
  • 休業手当金
  • 育児休業手当金
  • 介護休業手当金
このような種類の給付が含まれます。

組合員が仕事以外のけがや病気、出産などの理由で働けなくなり休職し、収入が一時的になくなるような状況においては、傷病手当金や出産手当金などの対象となります。

また、出産に伴って「育児休業が必要な場合」も同様であり、「育児休業手当金」の対象となります。

3つ目の「災害給付」には、
  • 弔慰金
  • 家族弔慰金
  • 災害見舞金
このような種類の給付が含まれます。

組合員が、地震や火災、津波や台風などの予測できない自然災害により死亡した場合に、弔慰金として標準報酬月額の1カ月分が「弔慰金」として支給対象となります。

これは組合員の被扶養者となっている家族にも適用され、被扶養者である家族が亡くなった場合には標準報酬月額1カ月分のうち70%が支払われることになります。

【参考②】退職後の医療保険制度について

共済への加入者が退職する場合は、大前提として原則的に共済の組合員ではなくなります。


では組合員ではなくなったあとの保障はどうすれば良いのかというと、大きく分けて4つの方法があります。


その方法とは、

  1. 再就職した場合は、再就職先の健康保険に加入する
  2. 国民健康保険に自分で加入する
  3. 家族のうちだれかの被扶養者となる
  4. 任意継続組合員になり、共済を継続する
本来退職し組合員ではなくなった場合は、再就職するならば再就職先の仕組みに従うのが自然ですし、そうでない場合は自分で国民健康保険に加入する必要があります。

また、もし家族の被扶養者に入れるのであれば収入が低い場合でも国民健康保険に加入する必要はなくなります。

しかし、退職日から20日以内であれば同共済の「任意継続組合員」となることで短期給付の受給資格を継続させることが可能です。

そうすることで、療養費や家族療養費などに関してはいままでと同様の給付を受けることができます。

国民健康保険と比較して、医療費の負担が一定額を超えた場合に還付される(附加給付制度)という共済だけのメリットがあります。

ただし任意継続組合員には制約もあり、
  • 傷病手当金
  • 出産手当金
  • 休業手当金
  • 育児休業手当金
  • 介護休業手当金
これらの手当金はあくまで労働者に対して支払われる「休業給付」であるため、支給されなくなります。

また、任意継続組合員が健康保険や後期高齢者医療制度の被保険者となった場合、当日から資格を喪失することになります。

共済の短期掛金についてのまとめ

今回は共済の「短期掛金」について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 短期掛金とは共済における短期給付にかかる掛金のこと
  • 短期掛金の金額は標準報酬月額を算定し、掛金早見表においてその金額が当てはまる「掛金」の部分が短期掛金となる
  • 短期掛金には大まかに分けて「保険給付」・「休業給付」・「災害給付」の3つがある
  • 退職後は「任意継続組合員」になることで一定の条件下で継続することができる
以上の点です。

共済の制度である短期掛金に伴う給付を賢く活用することで、突然のけがや病気にも十分対応できる保障を受け続けることができます。

ぜひこの短期掛金のしくみについて理解し、手続き忘れなどで本来受け取れるはずの給付金が受け取れないなどのトラブルにならないようにしましょう。

ほけんROOMではこの記事以外にも役に立つ共済に関する記事が多数掲載されているので、ぜひご覧ください。

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