更新日:2022/12/27
家計における理想の支出の割合は?家計の支出割合の見直しをしよう
家計の理想の支出割合は、夫婦2人で暮らす家庭や4人家族の場合などの世帯や家族構成によって異なるものの、基本生活費・予備費・貯蓄(貯金)の割合が6:6:2であることが理想です。理想の支出割合を計算するシミュレーションツールがあるので、支出割合の見直しをしましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
理想の家計の支出割合はどのくらい?支出割合の目安とは
この記事を読んでいる方の中には、家計を見直したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
家計は自分たちで管理をしていくものですので、参考となる具体的な数字があると比較しやすいですよね。
そのためには、理想の支出割合を知っておかなければなりません。
理想の家計の支出割合には黄金比と呼ばれるものがありますので、まずはそれを参考にしてみると、具体的な割合や金額も見えてきます。
そこで、この記事では「理想の家計の支出割合はどのくらいなのか」について
- 理想の家計の支出割合の内訳
- 家計の割合で削減しない方が良い3つの項目
- 家計の見直し方法
理想の家計の支出割合の内訳とは
現在の家計を見直したいと考えているあなたは、節約管理をどのように心がけているでしょうか。
毎月家計簿をつけて支出を把握するなど、さまざまな方法がありますよね。
しかし、家計簿で管理していても、急な出費が重なり気づけば予算を大幅にオーバーしてしまった経験もあるのではないでしょうか。
節約は簡単なようでなかなかスムーズにはいきません。
そこで、まず押さえておきたいことは、支出割合を「6:2:2」の黄金比率にすることです。
黄金比率「6:2:2」の内訳は、「基本生活費・予備費・貯金」です。
この割合を意識するだけでも、年収の2割を貯めることができるので、ぜひ今からでも実践をしてみましょう。
これによって、月々の収入を上記のように分類をして管理することで、自然とお金が貯まる仕組みになっています。
固定費や食費などの基本生活費は、誰しもがお金をかける部分です。
そのため、その部分は支出をしても問題がないように予算を立て、娯楽費などの予備費、貯金に回す費用はしっかり残しておきましょう。
このように、黄金比率を守りながら家計を管理すると分かりやすいですし、毎月の積立で貯金もできるようになります。
世帯別の家計の理想の支出割合
家計の出費を項目ごとに細かく見ていくことで、どの項目にどれくらいの割合でお金を使っているのかを明確にすることが可能になります。
家計の出費の内訳を明確にすることにより、本来もっと抑えることのできる項目を知ることができるので、貯蓄へと繋がります。
家族構成によって家計の支出割合が異なりますので、ここからは世帯別の家計の理想の支出割合を記載していきますので、是非、自分の家計の支出割合と比較をして、参考にしてみてください。
家計の理想の支出割合に近ければ近いほど、無駄がなく、上手に家計のやりくりができていると言えます。
一人暮らしの場合
一人暮らしの場合の家計の理想の支出割合は次の通りです。
【一人暮らし単身者の家計の理想の支出割合】
支出割合 | |
---|---|
食費 | 18% |
住居費 | 28% |
水道光熱費 | 6% |
通信費 | 6% |
保険料 | 4% |
趣味・娯楽費 | 4% |
貯蓄 | 17% |
家へ | 0% |
交通費 | 5% |
日用雑貨・被服費 | 6% |
交際費 | 5% |
その他 | 6% |
一人暮らしの方は住居費を3分の1以内に収めることが理想的です。これから一人暮らしをする予定のある方は、物件を探すときに家賃が月収の3分の1以内になる所を基準に探すことがおすすめです。
例えば、月収が手取り20万円の方の場合、家賃は6万6000円以内の物件を選ぶことが理想的です。
水道光熱費は季節によって料金の差はでてきますが、「出しっぱなし」や「つけっぱなし」をしないように、節約を心がけて、全体の支出の6%以内に抑えることが理想的です。
夫婦で2人暮らしの場合
夫婦で2人暮らしの場合の家計の理想の支出割合は次の通りです。
【夫婦2人暮らしの家計の理想の支出割合】
支出割合 | |
---|---|
食費 | 15% |
住居費 | 25% |
水道光熱費 | 5% |
通信費 | 6% |
保険料 | 4% |
趣味・娯楽費 | 3% |
貯蓄 | 20% |
こづかい | 12% |
日用雑貨・被服費 | 5% |
交際費 | 2% |
その他 | 3% |
夫婦で2人方の場合、現在の家計の支出割合と理想の家計の支出割合を比べるにあたって、まずは夫婦2人の収支をお互いオープンにすることが必要になります。
2人分の家計をまとめたうえで、こちらの表と見比べてみましょう。
上の表では、住居費が全体の25%となっていますが、やはり住居費にかかるお金は月収の3分の1以内に収めることが理想的だと言えます。
現在の住居費がこれ以上にかかっている家庭で、マイホームをローンを組んで購入している場合は、住宅ローンの組み直しを考えてみることがおすすめです。
親と同居の単身者の場合
親と同居の単身者の場合の家計の理想の支出割合は次の通りです。
【親と同居の単身者の家計の理想の支出割合】
支出割合 | |
---|---|
食費 | 15% |
住居費 | 0% |
水道光熱費 | 0% |
通信費 | 5% |
保険料 | 4% |
趣味・娯楽費 | 5% |
貯蓄 | 35% |
家へ | 20% |
日用雑貨・被服費 | 6% |
交際費 | 5% |
親と同居の単身者の場合、毎月個人で支払う住居費と水道光熱費がかかりません。しかし、親と同居をしているからといって親に負担をかけることのないように、住居費や水道光熱費を含めた分として、家に月収の20%を入れることが理想的です。
親と同居の単身者の場合は、この表を参考にすることで、毎月月収の35%を貯金することが可能になります。
例えば、月収が手取り20万円の方の場合、毎月7万円も貯金することができるのです。結婚や出産、マイホーム購入などのライフイベントに備えて貯蓄を増やしておきましょう。
参考①家計に占める「学費」の理想の割合は5~10%
子供のいる家庭では、基本となる支出の項目に「学費」があります。学費の支出割合は、全体の5~10%であることが理想的です。
子供が公立の学校へ進学するか、私立の学校へ進学するかによって、学費に200万円以上の差がでてきます。
例えば、子供が幼稚園から大学までオール公立へ進学した場合にかかる費用が約1000万円なのに対して、オール私立へ進学し、大学で医歯科系へ進んだ場合にかかる費用は約3000万円です。
しかしお金がかかるからと言って、子供のやりたい事を反対するのではなく、学費に関しては、学生を援助するための貸与型や給付型の「奨学金制度」というものがありますので、国の制度を上手く活用していくことで毎月の学費を抑えることが可能になります。
参考②家計に占める「住宅ローン」の割合は20%以内がベスト
家計に占める「住宅ローン」の支出割合は20%以内が理想的です。以下は総務省統計局による家計調査結果をもとにした、年代ごとの住宅ローンの返済割合です。
【30代未満の住宅ローンの返済割合】
30代未満 | |
---|---|
※可処分所得 | 37万9699円 |
住宅ローンの返済額 | 6万5935円 |
住宅ローンの返済割合 | 17.4% |
【30代の住宅ローンの返済割合】
30代 | |
---|---|
※可処分所得 | 40万3449円 |
住宅ローンの返済額 | 7万4921円 |
住宅ローンの返済割合 | 18.6% |
【40代の住宅ローンの返済割合】
40代 | |
---|---|
※可処分所得 | 47万6488円 |
住宅ローンの返済額 | 7万2953円 |
住宅ローンの返済割合 | 15.3% |
(※可処分所得とは、給与から税金や社会保険料などを差し引いた手取りのことをいいます。)
住宅ローンの返済割合を可処分所得の20%以内に収めることができれば、他の家計の支出割合を理想の割合に近づけることができるようになります。
家計の割合で削減しない方が良い3つの項目
家計の割合を見直していく際に、削減しない方が良い項目が3つあります。その項目が「貯蓄」「食費」「保険料」です。
この3つの項目のどれかにかかる家計の割合をを削減してしまうと、生活のバランスを崩してしまいやすくなりますので気を付けなければいけません。
無理な削減をして、これから先、お金が必要になった時に対応することができなくなったり、体調を崩すようなことだけはあってはいけません。
貯蓄・貯金
貯蓄・貯金は、結婚や出産、子育てや退職後など、これから先のことを考えると少ないよりも多く貯蓄できていた方が安心です。
万が一病気や事故で医療費がかかるようなことが起きたとしても、きちんと貯蓄をしていればそれに対応することができます。
私たちは将来受け取ることのできる年金に関しても、大きな不安がありますよね。年金の支給額が今より少ない割合になっているかもしれませんし、もしかしたら年金自体受け取ることができなくなっている可能性だってあります。
今からコツコツと貯蓄をしていくことは、自分の将来の為になりますので、できるだけ貯蓄しておきましょう。
食費
保険料
保険料に関しては、今加入している保険と同じような内容の保障が付く保険で、今よりも月々の保険料が安くなるものに加入し直す方法で削減することができます。
ただし、削減のために今ついている保障を外してしまうことによって、万が一何かが起きた時に、必要な保障がつかなくなっていては困ります。保険はこれから先のことを考えて、必要なものに加入しましょう。
自分や自分の家族に一番合ったものに加入しておくために、保険の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談をすることもおすすめです。
家計の支出割合が理想から遠い場合の家計の見直し方法
まず、黄金比を参考にして家計が厳しい場合についてです。
貯金は大事ですが、黄金比を参考にすることによって基本生活費を抑えることになったら生活が逼迫してしまいますよね。
それでも毎月一定額を貯金に回すとしては、出ていく支出を減らすことです。
たとえば、
- 住居費
- 新聞代
- NHK受信料(月払い)
- インターネットのプロバイダ料金
- 車などのローン
などに加えて、子供がいる場合は
- 学校の給食費
- 習い事代
家計の支出割合の理想が計算できるシミュレーションツール
一人ひとり、家族構成や収入は異なりますので、当然理想の家計の支出割合も人によって違います。
自分の家族構成や毎月の月収(ボーナスを除く)を入力するだけで、自分に合った理想の家計の支出割合を出すことができるシミュレーションツールがありますのでご紹介します。
ここで計算された結果と、現在の家計の支出割合を比較して、家計の内訳ごとにどのような割合にしていけば良いのか家計を見直してみましょう。
現在の家計の支出割合を把握しておくために、あらかじめ1ヶ月家計簿をつけることからはじめると良いでしょう。
まとめ:家計の支出割合の理想・目安は世帯によって異なる
この記事では、「理想の家計の支出割合はどのくらいなのか」をご紹介させていただきましたが、いかがでしたか。
記事の要点は、
- 「基本生活費・予備費・貯金」を「6:2:2」の黄金比率にする
- 学費の支出割合は、全体の5~10%であることが理想的
- 「住宅ローン」の支出割合は20%以内が理想的