住宅ローンを組むタイミングは?申し込み・審査から融資実行まで解説

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住宅ローンの融資はいつから始まるの?ほしい物件が見つかっても、住宅ローンを探したり、申し込んだりしている間に物件を他の人に取られていた、なんてことにはなりたくないですよね。今回は住宅ローンを申し込む適切なタイミングについて解説していきます。

▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅ローンはいつ組むべきか知りたい方
  • 住宅ローンの流れについて知りたい方
  • 住宅ローンの審査について知りたい方

内容をまとめると

  • 住宅ローンの審査完了までは1ヶ月程度かかる
  • 住宅ローンの融資実行は物件の引き渡し日と同日
  • 住宅ローンの適用金利は申し込み時点ではなく、融資される時点で決定する
  • ライフプランについてわからないことはマネーキャリアのFPに無料相談!
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【住居別】住宅ローンの流れと組むタイミング


住宅ローンを借入できるまでの流れは以下のようになっています。

  1. 申し込み
  2. 事前審査
  3. 本審査
  4. 契約
  5. 融資実行
借入までの流れは金融機関による差はありません。物件を購入する際には上記手順の途中に不動産や工事会社との諸手続きが入ってくる形となります。

ローンの返済は、住宅ローン商品の規定によって異なり、翌月からの返済始まりになることが一般的です。

住宅ローンの流れ自体に違いはありませんが、購入する物件が新築の戸建か、新築マンションかによって不動産仲介会社と行うやりとりが変わってくるため、物件ごとの流れを解説します。

①新築一戸建て・注文住宅

まず、新築一戸建て購入のフローについてです。

  1. 物件情報収集・現地見学
  2. 購入申し込み
  3. 住宅ローン事前審査
  4. 重要事項説明・売買契約
  5. 住宅ローン本審査
  6. 住宅ローン契約
  7. 引き渡し・入居

新築一戸建ての場合、見学や内覧まで行い、物件の購入をしたいと思えば申込みの手続きに移ります。申し込みの際に5万〜10万ほどの申込証拠金が必要となることもあります。


金融機関へ住宅ローンに関する相談をするタイミングは、物件の購入申し込みの前後です。本審査に移るのは物件の管理元と売買契約が成立し、手付金の入金が完了した後となります。


住宅ローンを貸出が始まる前に、仲介会社などに手付金や仲介手数料を支払う必要があることを覚えておきましょう。


次に、注文住宅購入のフローです。

  1. 工事依頼先・土地探し
  2. 住宅ローン事前審査
  3. 工事請負契約・土地売買契約
  4. 住宅プラン・見積もり決定
  5. 住宅ローン本審査・契約
  6. 土地引き渡し・地鎮祭・着工
  7. 上棟・上棟式
  8. 竣工・施主検査
  9. 引き渡し・入居
注文住宅の場合、工事請負契約の前に住宅ローンに関する相談・事前審査の申し込みという順序です。必要となる住宅ローンの総額が確定した時点で本審査を申し込み、住宅ローンの契約を結びます。

土地の購入費や着工金などの費用が手持ちの資金で賄えない場合は、つなぎ融資や申し込みをしている住宅ローンに分割融資が可能かを、相談する必要があります。

②新築マンション

新築マンションの購入フローは以下です。

  1. 物件情報収集・モデルルーム見学
  2. 登録・購入申し込み
  3. 住宅ローン事前審査
  4. 重要事項説明・売買契約
  5. 住宅ローン本審査
  6. 住宅ローン契約
  7. 入居説明会
  8. 内覧会
  9. 引き渡し・入居
新築マンションの場合、モデルルームを内見した後に購入の申し込みを行います。その後、住宅ローンの事前審査を申し込み、後日無事新築マンションの購入が確定したら、住宅ローンの本審査という順序です。

もし、未完成の新築マンションを購入した場合、売買契約から物件の完成までに期間があくため、ともなって住宅ローンの正式な契約も少し先になります。おおよそ完成の1〜3ヶ月ほど前に契約の話が再開されるのが一般的です。

住宅ローンの手続きのタイミング


住宅ローンは申し込みから実際に融資が実行されるまで1ヶ月〜2ヶ月ほど期間を要します。 


事前審査に3日〜1週間程度、本審査には早くて1週間、長い時には2〜3週間ほどかかるようです。


本審査が承認されるといよいよ契約となり、融資のタイミングについてすり合わせをし、融資実行日は基本的に物件の引き渡しと同日となります。


では、住宅ローンの申し込みタイミングから融資を受けるタイミングについてのポイントを確認していきましょう。

  1. 住宅ローンの申し込みタイミング
  2. 審査に移るタイミング
  3. 融資が実行されるタイミング

①住宅ローンを申し込むタイミング

住宅ローン申し込みのタイミングは、物件の購入申し込みをする同時期に住宅ローンの事前審査を申し込みます。


理由としては、物件の正式な売買契約に進むにあたり、金融機関から事前審査の承認を得ないと、契約が無効になるといった条項があるためです。


そのため、一般的には購入予定の物件の「購入申込」までに住宅ローンを決め、事前審査の申し込みを行う流れとなります。


住宅ローンを申し込む前までには商品についてリサーチを済ませておきます。わからないことはコールセンターに問い合わせをしたり、窓口相談へ訪問したり、疑問を解消してから申し込みへ進むのがおすすめです。


事前審査を申し込む際に必要となる書類は以下のようなものがあります。


本人確認書類

  • 運転免許証
  • 健康保険証など

収入確認書類

  • 給与所得者…前年の源泉徴収票・住民税決定通知書・課税証明書など
  • 個人事業主…確定申告書や納税証明書など
  • 法人代表者…決算報告書など

物件確認書類

  • 購入予定物件の販売チラシ資金計画表 間取図など

上記以外には金融機関が準備する「事前審査申込書」に必要事項を記載し提出します。


会社に勤めている方で前年度の源泉徴収を紛失しており、会社にあらためて再発行してもらう際は、再発行までに時間がかかることもあるため、所持しているか事前にチェックしておくと良いです。

②住宅ローンの審査を受けるタイミング

先述のとおり、住宅ローンの審査は事前審査と本審査のふたつあります。


住宅ローンの申し込みをすると、スライドして事前審査となり、事前審査に通過すれば本審査へと移ります。


注意すべきなのは、事前審査通過後に融資額の変更や申告内容の変更があると、再度事前審査から受けなくてはならなくなり、また時間がかかってしまいます。事前審査時には借入したい金額や申告する情報に誤りがないか提出前に見直しをしましょう。


本審査は事前審査よりさらに厳密に内容を審査されるため、結果の通知までに数週間かかることもあります。

③住宅ローン融資実行を受けるタイミング

本審査に通過するといよいよ融資が実行されます。実行されるタイミングは基本的に、物件引き渡しの同日に設定されます。


これは、引き渡された土地や物件を担保として、金融機関側が抵当権を設定できるためです。


原則融資実行日には、物件の売買代金の全額を支払って引き渡しが行われ、不動産の所有権の移転や、抵当権設定などを同時に行うことになります。これらは司法書士同席のもと、法務局にて手続きを進めることが一般的です。

住宅ローン審査で必要な書類や注意点

住宅ローンの事前審査を通過し、本審査を受けた結果、本審査に落ちてしまうというケースもありえます。


審査に落ちたとしてもその理由を公表する金融機関はありません。しかし、審査の項目について確認しておくと、審査に落ちた原因もある程度絞ることができます。


ストレートに事前審査から本審査まで通るのが、一番理想ではありますが、実際に落ちる可能性についても考慮しておかなければいけません。


ここからは事前審査や本審査について、注意点や必要書類について確認していきます。

  1. 事前審査
  2. 本審査
  3. 融資実行
  4. 必要書類
  5. 融資実行に必要な費用

①事前審査の注意点

住宅ローンの融資を受けるまでに2回の審査が必要となり、まずこの事前審査に通る必要があります。スムーズに通過できるように審査の対策をとって臨みましょう。


事前審査のポイント4つ

  1. 複数の金融機関に申し込む
  2. 信用情報で不安な点は事前に確認しておく
  3. 正しい情報を申告する
  4. 他の借入(ローンなど)は完済しておく
ひとつの住宅ローン審査に落ちたから別の住宅ローンも落ちるとは限りません。それは、金融機関にはそれぞれの審査基準が設けられているためです。

A社では審査に落ちたが、B社では通った!というケースも十分ありえます。

ひとつ落ちてから次の金融機関へ申し込み、としていると融資を受けられるまでにどんどん時間がかかってしまうため、いくつかの金融機関へまとめて申し込みするのがおすすめです。

また、信用情報については必ず審査の対象となります。過去に延滞を起こしていたり、個人情報に問題がある場合、審査に通るのは難しくなると考えてください。

個人の信用情報は信用情報機関へ開示を求めることができます。自身の信用情報に不安があれば一度信用情報を開示請求し、事故情報が残っている場合は、その情報が消えるまでは、申し込みを避けた方が無難です。

これにともない、他に借入がある場合はなるべく完済しておいた方が審査に通る確率も上がります。融資金額を決める際に金融機関は返済負担率を重視するためです。

返済負担率は、他の返済すべき借入やローンと申し込みされた住宅ローンを合わせて審査されます。返済負担率を高くしないためには他のローンなどがない状態が理想です。

なお、理想の返済負担率は年収の20%以下といわれています。目安としてみてください。

②本審査の注意点

本審査は以下の内容を審査されているといわれています。

  • 健康状態
  • 完済時年齢
  • 借入時年齢
  • 担保評価
  • 年収
  • 勤続年数
  • 連帯保証
  • 金融機関の営業エリア

本審査は、事前審査より入念に審査をします。


金融機関がなによりも警戒しているのは「途中で返済が滞ってしまう」ことや「最後まで貸し出しした額を回収できない」ということです。


そのため、申込者の健康状態や完済時の年齢は特に注意深く見られていると考えるべきです。


事前審査の際には落ちないための対策をご説明しましたが、本審査で落ちた場合、理由としては以下のような点が考えられます。

  • 提出書類の不備
  • 事前審査後にほかの借り入れを行った
  • 団体信用生命保険へ加入ができなかった
  • 購入する住宅の担保価値が低い
  • 信用情報に事故記録があった
すぐに対策できる「書類の不備」などは改めれば良いですが、そのほかは時間が経つのを待たなければならないものもあります。

また、事前審査後にほかの借り入れを行うなどは一度得た信用を下げる行為となるため、控えましょう。

③融資実行の注意点

本審査にも通過するといよいよ次は融資です。


融資されるまでに注意すべきなのは、以下のような点です。

  1. 住宅ローンが実行されるまでに必要な諸費用を把握する
  2. 信用に傷がつくことをしない
  3. 適用金利を把握する

物件を購入する際には融資実行日までにさまざまな諸経費がかかります。例としては以下のような諸経費名目です。

  • 収入印紙代
  • 登記費用
  • 仲介手数料
  • ローン関係諸費用
  • 固定資産税
  • 火災・地震保険料

これらの費用は住宅ローンの融資実行前に必要となります。


また何度も言うように、信用を落とす、傷つける行為と取られるような各支払いの遅延や新たなローンの申し込みはタブーです。


信用を傷つけてしまうと最悪、融資条件を変更されてしまったり、最悪融資のキャンセルを打診されることにつながります。


信用情報は審査が終わっても細かく確認されていることがあるため、融資を実行されるまで慎重に行動することが重要です。


適用金利については、本審査後に実際に適用される金利がわかります。金利は景気によっても左右されるため、申込時点から変動する可能性も考慮しておきましょう。


物件の引き渡しと同時期に融資が実行されれば、ローンの返済は翌月以降から始まることになります。


融資実行日には提出しなければいけない書類や、実行に必要な諸費用もあるため、こちらについても確認していきましょう。

参考:必要書類

住宅ローン融資実行日は物件の引き渡し日でもあるため、登記関係の手続きを進める必要があります。


必要な書類を当日に忘れてしまうと、手続きを行えない可能性があるため注意が必要です。


融資実行日に必要な書類

  • 権利書(登記識別情報)
  • 委任状
  • 住民票
  • 印鑑証明書
融資実行日には手続きを行う銀行に売主、買主(あなた)、それぞれの仲介業者、司法書士などが集まり、手続きを進めることになります。

委任状については担当の司法書士が準備してくれると思いますが、印鑑証明書や住民票などは役所などであらかじめ取得しておきましょう。

これらの必要書類を忘れてしまうと、書類を取りに帰るか、日を改めなければいけなくなります。

そうなると、その場に集まった担当者の人たちの時間が無駄となってしまうため、当日の書類忘れだけは注意しましょう。書類以外に必要な持ち物についても後ほどご説明します。

参考:融資実行の諸費用

住宅ローンを融資されるまでに必要な諸経費は合計で数十万〜数百万円ほどといわれます。


住宅ローンの諸経費目安

  • 融資手数料…約3万〜5万円
  • ローン保証料…約3万〜30万円(借入額や返済期間により変動)
  • 仲介手数料…不動産会社により変動
  • 火災保険料…約15万〜40万
  • 地震保険料…1,000万円あたり約1万〜3万円
  • 団体信用生命保険料…10万〜12万円
目安として金額を設定しましたが、実際のところ住宅ローンや仲介会社によって大きく変わるため、確定的な金額を出すのは難しいです。

手早く諸経費の目安を算するには、購入物件の価格を参考にするとよいといわれています。

中古住宅や新築一戸建て(建売住宅)の場合で6~9%新築マンションや注文住宅の場合は3~6%で計算し、概算を見込みます。

4,000万円の新築物件を購入する場合
  • 6%で計算した場合…4,000万円×6%=240万円
  • 9%で計算した場合…4,000万円×9%=360万円
新築物件を購入し、4,000万円の借入額であった場合は、およそ240万円〜360万円の諸経費がかかる目安となります。

住宅ローン返済のタイミングはいつから?3ステップで解説


先述したとおり、住宅ローンは申し込みを行ってから、審査を終えて融資を実行されるまで、1〜2ヶ月かかります。


本審査も通過し、物件受け渡し日に融資を受けると、一般的に返済が始まるタイミングは翌月から、または翌々月からとなります。


では、実際に融資を受ける際に交わす契約書や返済までの流れを見ていきしょう。

  1. 金銭消費貸借契約とは
  2. 住宅ローンの融資タイミング
  3. 返済開始タイミング
  4. 返済に関する注意点

ステップ①金銭消費貸借契約を交わす

金銭消費貸借契約とは「これから借りるお金を、◯年で返済します」と約束することです。


ざっと、契約の中に盛り込まれている内容は以下のような項目が記載されています。

  • 借入金額
  • 金利タイプ、利率
  • 借入期間
  • 返済を滞納した場合の遅延損害金
  • 繰り上げ返済の手続き、手数料
金銭消費貸借契約には「この内容で双方納得して契約をする」という最終的な要件がすべて記載されているため、内容についてはよく確認をしてください。

契約時にかかる諸費用はおおよそ30万〜50万円です。
  • 印紙税代…2万円〜6万円
  • 抵当権登録費用+司法書士手数料…約12万円
  • 火災保険料…23万円
  • 保証料・手数料…6,000円〜2万円   など
借入する金額や年数によって変動する費用もあるため、契約する人の内容に応じて費用が異なります。

契約時に持っていかなければいけない持ち物は以下です。
  • 本人確認書類(運転免許証、保険証、パスポートなど)
  • 住民票(世帯全員分)
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 預金通帳
  • 金融機関取引印
  • 収入印紙
先のお話で必要書類についてお話ししましたが、実印や金融機関に登録している印鑑も必ず必要となります。書類と合わせて準備しておきましょう。

ステップ②住宅ローンが振り込まれる

金銭消費貸借契約の前後には不動産の登記申請手続きが進められます。


知っている人も多いかもしれませんが、あらためて不動産登記とはその物件の所有者が誰のものなのかをはっきりさせるための手続きです。


登記にもいくつか種類が以下のような名目の登記手続きを行います。

  • 建物表題登記…家屋番号、種類・建物の構造が記載
  • 所有権保存登記…住所や氏名、不動産の取得日、その原因や経緯を記載
  • 所有権移転登記…不動産を売買・贈与・相続したなど所有者の変更が記載
  • 抵当権設定登記…借入人が返済不能となった場合、担保の不動産を売却し、その売却代金を回収できる権利について記載
所有権抵当権設定登記は、家の権利者や担保として売却ができる旨を記載した内容となっているため、とても重要です。

なお、住宅ローンを完済すると、抵当権設定登記を抹消する手続きが行われることとなります。

ここまでの登記手続きを終えると、住宅ローンの融資が実行され、次月からのローン返済が始まることになります。

ステップ③住宅ローン返済が始まる

金銭消費貸借契約を交わし、融資が実行されたら、次の月から返済が始まります。


しかし、定められた約定返済日が金融機関によって異なり、融資実行日との兼ね合いで翌々月となることもあります。

実行日のタイミング返済開始の月
実行日が約定返済日より前翌月から実行日1月15日、約定返済日毎月27日の場合

⇒初回返済日2月27日
実行日が約定返済日より後翌々月から実行日1月15日、約定返済日毎月12日の場合
⇒初回返済日3月12日
実行日が約定日と同じ翌月から実行日1月15日、約定返済日毎月15日の場合
⇒初回返済日2月15日

返済が始まる前に返済日を確認しておき、滞りなく返済が始められるようにしておきましょう。

参考:住宅ローン返済の注意点

返済が始まる際の注意点としては、適用される金利について把握しておくことです。


住宅ローンの金利は申込みをしたタイミングではなく、融資実行のタイミングで適用されます。


住宅ローンを申し込んでから半年〜1年ほど経ってから融資を受ける場合は金利の変動が大きくなっていることもあります。


また、融資が実行されるまでには購入した物件にかかる複数の支払いが必要です。


特に、注文住宅の場合は工事請負会社へ手付金や、土地の引き渡し代などがかかってきます。これらの諸費用が住宅ローンに含まれていることもありますが、そうでない場合は自己資金支払いを行います。


自己資金に余裕のない人はつなぎ融資などの検討が必要となりますが、つなぎ融資については次項で解説します。

【新築一戸建て、注文住宅】複数回支払いが生じた場合の対処法


これまでもお話ししているとおり、物件を購入する際、さまざまな費用が複数回にわたり必要となってきます。

  1. 初回…申込証拠金
  2. 2回目…手付金・仲介手数料一部または半額・印紙税
  3. 3回目…工事着手金・土地代
  4. 4回目…仲介手数料残金・着工費用・不動産取得税
  5. 最終…竣工費用・固定資産税・登記費用・ローン借入にかかる諸費用
工事にかかる代金は注文住宅や、リフォームを行う際に発生するものです。

自己資金でまかなうことが難しい場合は、つなぎ融資や土地先行融資を利用して一時的に資金を調達することも可能です。

しかし、これらの融資を利用すると結果的に後の負担費用が増えるため、利用する際はよく検討することが大切です。

①つなぎ融資

注文住宅や土地を購入する際には他の物件よりも多額の諸費用が必要とされるため、住宅ローンが実行されるまでの間、つなぎ融資を受けることもあります。


しかし、金融機関によっては、つなぎ融資の取り扱いがない場合もあるため、確認をしておきましょう。


つなぎ融資のメリット

  • 自己資金が少なくても、諸費用を支払えるため、購入したい物件を逃さずに済む

つなぎ融資のデメリット

  • 住宅ローンに比べて金利が高めな設定が多い
  • 金融機関が限られている
  • 借りる期間が長引けば利息が高くなっていく
基本的につなぎ融資は融資実行時に一括返済するケースが多いですが、完済までの期間は利息を支払うこととなります。

期間が開けば開くほど、負担する費用が大きくなることに注意が必要です。

⓶土地先行融資

土地先行融資とは、住宅ローンの中から土地の購入代金分のローンを先に受け取ることです。分割融資ともいいます。


金融機関によっては、注文住宅などでは工事が始まった際も着工金や中間金など、工事にかかる費用を融資してくれることもあります。


土地先行融資メリット

  • あらたに別の融資を受ける必要がない
  • 金利は住宅ローンの金利が適用される

土地先行融資デメリット

  • 返済期間が前倒しで早まる

土地先行融資は契約している住宅ローンの中から融資されるため、金利が低めに設定されることが魅力です。


デメリットとしては、融資された分のローンは次月から返済が始まるため、返済が始まるまでの期間に余裕がなくなることです。


つなぎ融資より土地先行融資(分割融資)の方がおすすめな人は、住宅ローンを申し込んでから融資まで、1年前後間が空いてしまうような人です。


返済までの期間が長いことを考えると、少しでも金利の安い土地先行融資のほうが負担が軽くなります。

住宅ローンの金利はこのタイミングで決まる


住宅ローンの適用金利が決定するタイミングは融資が実行日です。


金融機関の中には申込時金利が適用されるタイプや、申込時金利と実行時金利のうち、低い方の金利を選べるタイプの住宅ローンを取り扱うところもあります。


ただし、このふたつの適用タイミングの金融機関は少数で、ほとんどは融資実行日に決まります。

住宅ローン金利は月末決定、月始公表

肝心の住宅ローン金利がいつ時点で決定するかというと、適用される月の前月末です。


多くの金融機関は月末に市場動向によって適用金利が決め、次月1日にその月の適用金利として公表します。


適用金利は金融機関ごとに異なるため、各金融機関ホームページで確認が必要です。

金利別でメリットデメリットを解説


住宅ローンには3つのタイプの金利があります。

  1. 固定金利
  2. 変動金利
  3. フラット35
人によってはこれら3つのうち2つを掛け合わせて契約する「ミックスタイプ」を選択する人もいます。

自分にはどの金利タイプが合っているのかを確認するために、3つの異なる金利タイプのメリットデメリットについて知っておきましょう。

①固定金利

固定金利は一定期間、適用金利が変動しないため、返済していくローン額が一定となります。


メリット

  • 一定期間の返済額が確定するため変動金利より返済計画が立てやすくなる
  • 一定期間が終了すると、変動・固定で金利を再選択できる

デメリット

  • 変動金利よりも金利が高め
  • 時期によっては期間中ずっと高金利のままになる
固定金利は金利の変動がない分、返済の金額も変わらず、返済の予定を立てやすくなります。

その分、変動金利に比べると金利はやや高めに設定している金融機関が多いです。

②変動金利

変動金利と、返済期間中に適用金利が上昇・下落の可能性があります。見直される時期は金融機関によっても異なりますが、半年に一度ほどのペースで変動する機関が多いです。


メリット

  • 固定金利よりも金利が低め

デメリット

  • 途中で金利が上昇するリスクがある
  • 資産形成に影響する
変動金利のメリットはなんといっても、金利の低さです。最近ではネット銀行が1%を切る変動金利の商品を打ち出しており、変動金利の商品はほかの金利タイプに比べて圧倒的に人気です。

しかし、変動金利は途中で金利の変動があるため、返済するローン額が高くなる可能性があり、借入期間が長い人ほど影響を受けやすいことになります。

住宅ローンの返済額が変動することによって、支出も読みづらく、貯蓄の予定を立てづらいところがデメリットといえます。

③フラット35

フラット35は期限なしの固定金利のタイプのことです。「フラット=一定」「35=最長借入期間35年」からこのような金利タイプ名となっています。


メリット

  • 借入時点の金利で固定されるため返済予定が立てやすい
  • 保証料が不要
  • 所得制限が明確
  • 団体信用生命保険が選べる
  • ほか二つのタイプより比較的審査に通りやすい

デメリット

  • 借入金利の設定が高め
  • 契約後に金利が低下しても借入金利は変わらない
  • 購入する物件に対して独自の基準がある
フラット35には最低所得金額の制限がないため、返済負担割合などの条件を満たせば申し込みが可能です。

住宅ローンにかかる事務手数料や繰上げ返済費用などの保証料も無料設定している機関が多いため、安心できます。

デメリットとしてはやはり固定金利同様、設定金利が高めなことが挙げられます。

また購入する物件に対して、技術基準を設けており、水準を満たしていない物件にはこの金利タイプを選ぶことができません。水準を満たしているかどうかも検査費用が必要となります。

住宅ローン減税がコロナで延長!2つの条件とは?


2019年から蔓延し始めた新型コロナウィルスによって、住宅ローンにも減税の処置が施されました。

居住開始時期平成26年4月〜令和3年12月令和元年10月〜令和4年12月
控除期間10年間13年間
控除率1%1%
最大控除額4000万円×1%×10年=400万円【10年】
4000万円×1%×10年=400万円
【11年〜13年】
80万円
住民税からの控除上限額13.65万円/年
(前年度課税所得×7%)
13.65万円/年
(前年度課税所得×7%)

減税条件一覧

  • 自分が入居するマイホームである
  • 床面積が50㎥以上
  • 10年以上のローン契約
  • 所得が3,000万円以下
  • 中古住宅の場合は耐震性能を満たしている
  • リフォームの場合は工事費用が100万円以上

コロナの影響によって、入居が遅延しても減税が適用されることになりました。適用住居期間について詳しくご説明します。
  1. 適用住居期間2022年12月31日
  2. 入居遅延が認められる

①適用居住期間は2022年12月31日

通常、住宅ローン控除期間は10年間ですが、2019年10月~2022年12月末日までに入居すれば控除期間が13年となります。


前項の表で居住開始時期の期間が重なっているなと感じると思いますが、令和元年の10月に消費税10%に変動したため、消費税10%のときに住居を取得したかどうか控除期間の分かれ目です。


また控除期間が13年に延長したなっていますが、10年目までと11年目以降は条件が異なります。


【1~10年目】

  • 10年間で最大400万円
  • 年末時点のローン残高または住宅取得額(どちらも上限4,000万円)× 1%、1年で最大40万円。

※長期優良住宅の場合は上限5,000万円、1年で最大50万円


【11~13年目】 下記のうち、いずれか少ない方の金額

  • ローン残高(上限4,000万円)×1%
  • 建物の取得価格(上限4,000万円)×2%÷3 

※最大控除額は3年間で80万円

⓶入居遅延は2022年12月31日まで

ご説明した、減税特例措置は2020年12月までに入居が条件でしたが、コロナの影響により入居が遅延してしまう事態を想定し、2022年12月31日までに期間が延長されました。

この延長の特例を受けるために設けられた条件が3点あります。

  • 新築住宅は2021年9月末まで、マンションや中古住宅は2021年11月末までに契約、2022年12月末までに入居を開始する
  • 住宅面積条件を現行の50㎥から40㎥に緩和
  • 50㎥以下の小規模物件については1,000万円以下の所得制限
入居期間の緩和だけでなく、住宅面積や、所得制限についても条件の緩和がみられ、減税対象となる人の入口が広がった印象です。

購入する物件のタイプによって入居延長期間が異なる点については注意が必要です。

まとめ:ライフプランに関する相談はマネーキャリアへ!


いかがでしたでしょうか。今回は住宅ローンの流れとそれぞれの流れについて解説しました。


住宅ローン開始までにかかる期間が長いことや、住宅ローン以外にもかかる費用が多いため、あらかじめ確認しておくほうがよいですね。

  • 住宅ローンを申し込む前に商品についてリサーチしておく
  • 購入したい物件の目星がついた時点で、金融機関へ相談する
  • 住宅ローンは複数申し込んでおく
  • 住宅ローンと不動産、工事会社や登記などにかかる諸費用について把握しておく
  • つなぎ融資や分割融資についても検討しておく
家の購入は人生の中でも大きな買い物と呼ばれるだけあり、購入までの期間や費用、事務的な手続きも多くなります。

ライフプランについて少しでも不安があるなら、お金のプロであるマネーキャリアFP相談の利用がおすすめです。

全国どこからでもオンラインで無料相談でき、顧客満足度も93%と高い評価を得ています。納得するまで何度でも相談可能なので、この機会に是非ご利用ください。

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