火災保険における家財の明記物件とは?補償金額や注意点を解説!

家財の中でも高価な骨董品や美術品など価値の曖昧なものは、火災や盗難で被害にあった際に火災保険で十分な補償がもらえないため、明記物件として申告が必要です。火災保険会社によって明記物件の補償金額が異なるので、それぞれいくら貰えるのかもこの記事を機に確認しましょう。

火災保険においての明記物件とは?

火災保険に加入する際に、家財道具一式として保険に加入することはあっても、明記物件については加入していない、という方は案外多いかもしれません。


また、明記物件の意味自体がよくわからなかったり、家財道具に保険が付いていれば大丈夫だと考えている方もいることでしょう。


しかし、一般の家財道具とは別に、明記物件を申告していなければ、もしもの時に補償されない可能性があることはご存知でしょうか。


実は、明記物件は一般の家財道具とは別個の補償対象とされています。


そのため、家財の保険に加入していても、明記物件となるものについては補償を受けられないことがあるのです。


そこで、この記事では「火災保険の明記物件」について、

  • 明記物件とされる家財
  • 明記物件として申告した家財の補償内容
  • 明記物件の注意点
  • 保険会社ごとの補償額の違い
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、火災保険に加入する際の明記物件の扱いについて正しい判断ができるようになります。

是非最後までご覧ください。

補償には申告が必要な明記物件について

火災保険には家財道具を補償の対象とする保険があります。


しかし、加入の際には一般の家財道具とはに申告をしなければ補償の対象とならない家財道具があります。


これらの家財道具を明記物件と呼びます。


補償の対象となる事故は、火災、落雷、破裂、爆発など、一般の家財道具に対するものと変わりません。


しかし、補償金額に一定の上限が設けられている点が、一般の火災保険に付保される家財道具と異なります。


ここからは、

  • 明記物件として申告が必要な家財
  • 明記物件の保険料例
  • 損害時に支払われる保険金
  • 明記物件を申告し忘れた時の保険会社の対応の違い
について解説していきます。

明記物件として申告が必要な家財

明記物件として申告が必要な家財は、次の通りです。

  • 1個または1組が30万円を超える宝石、貴金属類や書画、骨董、彫刻といった美術品
  • 稿本、設計書、図案、証書、帳簿など
これらの家財は価格の評価が定まっていないため、火災保険の保険金額のなかに含めることが難しいのですね。

たとえば、絵画や彫刻といった美術品は値段があってないようなものです。

有名な芸術家の制作した作品であれば、億単位の価値になるでしょうし、そうでなければほとんど市場価値はないでしょう。

また、今は無名の芸術家であっても、才能が認められれば、その人が制作した作品の価値は大きく値上がりします。

このように、市場における価値が定まらない家財については、一般の家財と一緒にしていくら、といった評価をすることができません。

そのため、そのような家財については、明記するという形で一般の家財とは分けて申告をするものとされているのです。

美術品の他に明記物件とされている家財には、宝石などが全体に使われている30万円以上の高級腕時計があります。

また、骨董品的な価値や美術品としての価値が高く、他に代替できるものがない30万円以上の楽器も明記物件とされています。

明記物件の保険料の例

明記物件の保険料については、保険会社ごとに異なります。


ちなみに、京都府にある物件で保険期間を10年、明記物件のみの保険金額を200万円とした場合、明記物件のみの10年一括払い保険料は、3,120円となります。


ただし、この保険料はあくまでも例示です。


くわしくは火災保険に加入する際に保険会社に確認してください。

損害で支払われる保険金

火災事故によって明記物件が損害を被った場合には、明記物件の種類によって保険金の支払方法が異なります。


1個もしくは1組の価格が30万円を超える宝石や美術品といった明記物件については、鑑定書や領収書をもとにして保険金が支払われます。


これに対して、稿本や設計書などは、それらを再度作成するためにかかる費用をもとにして保険金が支払われることとなります。


注意しなければならないのは、明記物件の評価は時価額によって行われる点です。


通常、物件の価値は購入してから年月が経つにつれて下がってきます。


時価額とは、年月とともに下がる価値を金額に換算したものです。


ある特定の時点における評価額を時価額と言い換えることができるでしょう。


事故が発生した時点における評価額での保険金支払いとなるため、当初の価格よりも保険金が少なくなる可能性があります。


また、美術品などの場合には、年月が経つにつれて価値が上がる可能性がありますが、支払われる保険金は契約時に設定した額が限度となります。


さらに、時価額による評価を行なうため、火災保険に加入する際に、明記物件として申告したい物件の価値が年月の経過によって30万円以下となっている場合には、明記することができない可能性があります。

明記物件を申告し忘れた場合は補償されない?

明記物件を申告し忘れた場合には、基本的に補償は受けられないと考えるのがよいでしょう。


しかし、保険会社によっては補償されるとしているところもあります。


たとえば、損保ジャパン日本興亜では、貴金属宝石等については保険期間を通じて1回の事故に限って補償するとしています。


その代わり、1個または1組の損害額が30万円を超える場合には、その損害額を30万円とみなして支払います。


しかし、支払われる金額は、300万円または保険の対象となっている家財の保険金額のいずれか低いほうが限度となります。


ちなみに、上記の保険金額は対象となる物件1個ごとではなく、被害に遭った物件すべての金額を合算した額となるので注意しましょう。


なお、保険会社によっては明記物件という考え方自体をなくし、申告していなくても高額な貴金属類については100万円を限度に補償するとしているところもあります。

火災保険においての明記物件の注意ポイント

ここからは、火災保険の明記物件について注意すべきポイントについて

  • 評価額がはっきりしているものは申告する必要がない
  • 明記物件は地震保険では補償されない
  • 保険会社によって保険金支払いに差がある
の3点を中心に解説していきます。

時計や楽器など、評価額がはっきりしているものは申請不要

高級腕時計や楽器のように1個あたりの金額が30万円を超えている物件であっても、評価額がはっきりしているものは、明記物件として申告する必要はありません。


これらの物件は一般的な家財道具に含めて契約すれば、保険金額を限度に補償されます。


明記物件は、基本的に市場での評価額が定まらないものを対象にしています。


そのため、30万円を超す高額な家財であっても値段が決まっているものについては対象とならないのです。

地震保険では補償の対象外

明記物件は地震保険による補償の対象外となっています。


地震保険では家財道具一式が補償の対象となりますが、次の物件は補償の対象となりません。

  • 通貨、有価証券、預貯金証書、切手、印紙、その他これに類するもの
  • 自動車(125cc以下の原付バイクを除く)
  • 1個の価格が30万円を超える宝石、貴金属類、書画、骨董、彫刻などの美術品
  • 稿本、設計書、図案、証書、帳簿など、これに類するもの
これらの除外物件のうち、下段2列に記載されているのが明記物件です。

地震による災害では、加入している火災保険に明記物件として申告していても、補償されないのです。

保険会社によって支払い限度額に差がある

明記物件の保険金支払額は保険会社によって異なります。


火災保険に加入する際に設定した保険金額の範囲内は補償される保険会社から、500万円または1000万円までを限度としている保険会社まで様々です。


ただし、この限度額は申告した明記物件の保険金額を合算したものです。


1個もしくは1組ごとの保険金額ではないので、ご注意ください。


また、明記物件とされている稿本、設計書、図案、証書、帳簿などは一切補償しない保険会社もあります。


さらに、盗難の被害に対する支払限度額も保険会社によって異なります。


1回の事故につき、1個または1組ごとの損害について100万円を限度としている保険会社があります。


その一方で、盗難被害については、100万円もしくは家財の保険金額のいずれか低いほうを限度に支払うとしている保険会社もあるのです。


くわしくは火災保険に加入する際に保険会社に確認しましょう。

各保険会社の補償金額を紹介

ここでは、保険会社によって異なる明記物件の補償金額を三井住友海上、損保ジャパン、東京海上日動3社の火災保険を例に紹介します。

保険会社名明記物件の補償金額
三井住友海上1個もしくは1組100万円までは明記物件として申告しなくても補償。100万円を超える物件については、「家財明記物件特約」を付けることで、明記物件全体を合算して1000万円を限度に再調達価額で補償。また、明記物件の対象とされている稿本、設計書、図案などは補償されない。
損保ジャパン1個もしくは1組30万円を超える明記物件は火災保険契約時に時価額で評価。その金額が限度となるが、保険金の支払いは時価額に基づいてなされる。
東京海上日動1事故あたりの損害額が100万円までは明記物件として申告しなくても補償。100万円を超える明記物件については特約を付けることで最高で1000万円まで補償される。ただし、保険金の支払いは時価額による。また、明記物件の対象とされている稿本、設計書、図案などは補償されない。

三井住友海上と東京海上日動の2社については、100万円までは明記しなくても補償されます。


また特約を付けることで、1000万円を上限に補償されることとなります。


しかし、両社ともに補償される明記物件のなかには稿本、設計書、図案などは含まれません。


さらに、保険金の支払い方法が異なり、三井住友海上では再調達価額を基準する一方、東京海上日動では時価額を基準にして保険金が支払われます。


これに対して、損保ジャパンでは、30万円を超える明記物件については契約時に申告しないと、保険期間を通じて1回目の事故を除き補償されません。


しかし、他の2社のように補償額の上限は決まっておらず、また、稿本、設計書、図案なども補償の対象となります。


さらに、保険金の支払い基準は東京海上日動と同じく時価額です。

まとめ:火災保険の明記物件は申告漏れがないように

火災保険の明記物件について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 明記物件となる家財は、基本的に火災保険契約時に申告しないと補償されない
  • 保険会社によっては明記物件として申告しなくても一定の限度額まで補償するところもある
  • 地震保険では明記物件は補償の対象とならない
  • 明記物件の保険金支払額は保険会社によって異なる
です。

火災保険は大切な財産を守るために付保するものです。

その際には漏れがあってはいけません。

お持ちの家財のなかに高価な美術品や貴金属類がある場合には明記物件として申告漏れがないように注意しましょう。

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