別居の未婚の子が親名義の車で事故を起こしたら自動車保険はおりる?

別居の未婚の子が帰省して実家の車を運転することは良くある話ではないでしょうか。しかしその時、親の自動車保険で子供が事故を起こした際に補償されるのか非常に気になりますよね。この記事では別居の未婚の子が事故を起こしたとき補償されるかどうかを中心に解説します。

親名義の車で帰省した別居の未婚の子が事故を起こすとどうなる?

親としては、車の免許を取って間もない子供が久しぶりに帰省して、「車借りていい?」なんて言われると、心配にはなるものの、なかなか「ダメ」とはいえないものだと思います。


別居の未婚の子に車を運転させるなら、自動車保険の補償は何があれば安心できるでしょうか。


今回は親名義の車を帰省した別居の未婚の子が運転した場合の自動車保険の補償について、紹介します。


内容は


  • 運転者限定特約の範囲
  • 自動車保険の年齢条件運転者限定特約の関係
  • 親族が車に乗った時の注意点


これらをわかりやすくご説明しています。


どうぞ最後までご覧ください。

自動車保険の運転者限定特約を確認しよう!

保険契約開始日が2018年12月31日までの保険では、運転者限定特約として「家族限定」という特約をほとんどの損害保険会社で扱っていました。


この保険の対象は記名被保険者およびその配偶者の同居の親族、記名被保険者および配偶者の別居の未婚の子です。


つまり、保険契約期間開始日が2018年12月31日までの険に入っており、運転者につき「家族限定」の特約をつけていれば、別居の未婚の子が車に乗り、事故を起こしても、補償の対象となります。


ところが、2019年1月1日より、大手の損害保険会社で「家族限定」特約が廃止となり、特約は、従来までの「本人・配偶者」限定と、新設された「本人限定」のみ付与可能になりました。


保険契約開始日が2019年1月1日以降だと、「本人限定」および「本人・配偶者限定」の特約をつけていた場合は、帰省中の別居の未婚の子は事故を起こしても自動車保険の補償の対象になりません。


一方、保険契約開始日が2019年1月1日以降でも、運転者限定特約をつけていなければ、どなたが運転しても補償を受けることができます。


お子さんに車のキーを渡す前に、保険証券の契約内容はしっかり確認をしておいた方が良さそうです。


契約の内容と補償の範囲


契約の内容補償の範囲
本人・配偶者限定記名被保険者および配偶者以外は補償されない
家族限定(2018年12月31日開始まで)記名被保険者および配偶者の同居の家族および記名被保険者および配偶者の別居の未婚の子供以外は補償されない
限定なし記名被保険者以外のものでも補償される
本人限定(2019年1月1より新設)記名被保険者のみ

別居の未婚の子とは?独身だから未婚というわけではない?

上記の条件に合致したら、別居の未婚の子は必ず補償されるのでしょうか。


実は別居の未婚の子とは「現在未婚」と言うことではなく、婚姻歴がないということを指します。


つまり、「以前に結婚していて現在は離婚している」未婚であるが、婚姻歴のある別居の未婚の子は補償の対象とはなりません。


誤解されがちな事項ですので、注意が必要です。

家族限定の場合は補償の対象になる

家族限定特約をつけていれば、別居の未婚の子は補償の対象になります


つまり、親名義の車を運転しても、事故を起こしたときに親の自動車保険で補償されるわけです。


前述したように、2019年1月1日保険期間開始日の自動車保険より家族限定特約が廃止となっている損害保険会社がほとんどです。


更新時に同条件程度の内容で更新をしていて、補償の内容等をご存じない方は、ご自身の証券の補償内容と、契約開始日を確認しておいた方がいいでしょう。

本人限定・配偶者限定の場合は補償されない

2019年1月1日より保険期間開始日の保険契約より、運転者限定特約は本人限定または本人・配偶者限定の特約しかつけられなくなる損害保険会社が多いです。


そうなると、2019年1月1日保険期間開始日より別居の未婚の子はいずれの運転者限定特約をつけていても補償の対象にはなりません。


しかしながら、運転者限定特約をつけなければ補償の対象にはなりますが、特約をつけた時に比べると、保険金の割引がなく、割高になります。


(新設された本人限定特約をつけると通常保険料の7~8%ほど割引になります。)

自動車保険の年齢条件はどうなの?

自動車保険に家族限定特約がついていて、年齢条件もついていると、条件に満たない別居の未婚の子はせっかく特約をつけているのに補償されないのでしょうか。


下記にて自動車保険の年齢条件の仕組みを確認してみましょう。

自動車保険の年齢条件とは?

自動車保険の年齢条件とは補償される対象の年齢を限定することで、保険料がお得になる制度です、保険会社により、多少内容に違いがありますが、一般的には以下のような区分になっています。


  • 全年齢補償
  • 21才以上補償
  • 26才以上補償


上記の区分に当てはまる年齢にあるものが補償の対象になります。

年齢条件は気にしなくて大丈夫!

そこで気になるのが、自動車保険に家族限定特約をつけているのに別居の未婚の子で、年齢条件があり、条件に当てはまらない場合です。


例えば、親の自動車保険が家族限定特約の対象で、さらに26才以上補償の年齢条件をつけている保険契約で、別居の未婚の子が21才だった場合、は補償されないのでしょうか。


保証されるというのが結論で、年齢条件は「別居の親族」には影響しないのです。


ただし、別居していて婚姻歴のある子および婚姻している子は対象外です。

親族に関する自動車保険の注意点

それでは、同じように自動車保険の補償は、親族に関してはどうでしょうか。


家族限定特約の場合、記名被保険者および配偶者の同居の親族は補償されます。


しかしながら、同居の親族の年齢条件はその条件に当てはまらないと補償されません。


例えば、自動車保険契約で、家族限定特約をつけており、26才以上補償の年齢条件があった場合、同居の子が21才だった場合、補償されません。


また、自動車保険契約で、本人・配偶者限定特約をつけていて、26才以上の年齢条件があった場合、妻が25才だったら、補償されません。


運転者限定特約と年齢条件については相互の関係をよく理解して契約する必要があります。

結婚していても同居していたら補償される

自動車保険で家族限定特約をつけている場合、同居で結婚している子は補償されます。

家族限定特約の補償対象者は下記の通りです

  1. 記名被保険者
  2. 記名被保険者の配偶者
  3. 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
  4. 記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
同居で結婚している子は上の表の3番に当たりますので、補償の対象となります。

なお、3番の同居の親族とは、配偶者、6親等以内の血族および3親等以内の親族のことを指します。

6親等以内の血族とは、本人から見て血縁関係がある方で、またいとこや曾祖父母などまで含まれます。

3親等以内の姻族とは、本人から見て配偶者側の親族で、伯父、伯母、甥、姪などまでを含まれます。

具体的な対象の範囲については、ご参考に以下に家系図のリンクをご用意しました。


子供の自動車保険に他車運転特約が付いていれば補償される

親名義の車を子供が運転していて、親の保険が補償対象外だった場合、その子供の自動車保険に他車運転特約がついていた場合は、無条件に補償されるのでしょうか。


他車運転特約は、他の人の車を借りているときに事故を起こした場合に補償してくれるものですが、走行時の事故のみ補償の対象となります。


駐車、停車時は対象外です。


また、補償の対象は、記名被保険者、その配偶者、同居の親族が所有する車でないこととされています。


補償の内容について、詳しくはご加入の保険会社にご確認されることをおすすめします。

別居の未婚の子に等級は引き継げる?


初めて自動車保険を契約するときは、6等級から始まるため、同居をしている親が安全運転を心がけていて等級が高い場合などにより有利な親の等級を引き継ぐことを検討するご家庭も多いかと思います。


別居の未婚の子は同じように親の等級を引き継ぐことはできるのでしょうか。


早速等級を引き継げる条件を確認してみましょう。


等級を引き継げるのは

  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者の同居の親族
  • 記名被保険者の配偶者の同居の親族

上記のこれらです。


つまり、別居の未婚の子は等級を引き継ぐことができません。

コラム:自動車保険の保険料が3万円も安くなる?

皆さんは自動車保険の一括比較見積もりサービスをご存知ですか?


普通、自動車保険の見積もりは各保険会社でそれぞれ行わなければなりませんが、一括見積もりを使えば、20社近くの保険会社を一気に見積もることができるのです。


その上、自動車保険の保険料が年間にしておよそ3万円以上も安くなる可能性もあります。 


無料で見積もることができるので、契約しなくてはならないことは全くありません。


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まとめ:別居の未婚の子が運転するときは運転者限定特約に注意!

いかがでしたか?


2019年1月1日より多くの損害保険会社が自動車保険の改定を行っており、事故をしたときのリスクを考えると、別居の未婚の子が親の自動車を運転することがより難しくなった印象です。


ですが、ご紹介したとおり、ご自身の自動車保険に他車運転特約をつけるというような方法もあります。


自動車保険契約時にはご自身のライフスタイルに合わせて特約などを組み入れることを検討することが大事だと思います。


今回は


  • 自動車保険の家族限定特約について
  • 自動車保険の改定に伴う運転者限定特約について
  • 自動車保険の年齢制限と家族限定特約の関係について
  • 自動車保険の他車運転特約について
  • 別居の未婚の子の親の自動車保険等級引き継ぎについて

以上をご紹介しました。


保険ROOMでは、この他にもお役に立つ情報を多数掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

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