自動車保険の対物賠償保険とは?補償は無制限にした方がいいの?

自動車保険に対物補償が付いていることをご存知の方はたくさんいらっしゃるかと思います。しかし補償されるケースや範囲、免責金額を設定できるなどに関する詳しい知識は知らない方も多いと思います。この記事では自動車保険の対物賠償保険について解説します。

自動車保険の対物賠償保険とはいったい?

今この記事をご覧のあなたは、自動車保険における「対物賠償保険」について調べられていることでしょう。


ドライバーは自動車保険に加入することによって、万が一事故に遭ってしまったときに手厚い補償を受けることができます。
 


しかし、自動車保険における「対物補償」について詳しく知らないまま、加入の可否を決めている方も少なくありません。
 


そこで今回は、 

  • 「対物賠償保険」とは何? 
  • 補償範囲は「無制限」にするべき? 
  • 「対物賠償保険」に免責金額を設定できる? 
  • 車の修理費用を補償してくれる特約は必要? 

以上の点を取り上げていきます。
 


読んでいただければ自動車保険における「対物補償」について、これから自動車保険に加入するという方にとって、参考としていただけるでしょう。 


ぜひ最後までご覧ください。

車の事故で物を壊してしまったときに補償する保険のこと!

自動車保険は「自賠責」と「任意」の2つがありますが、ドライバーが任意で加入することができる保険が「任意保険」です。
 


自賠責保険よりも補償範囲が広く、加入しているなら事故を起こしてしまったときも手厚い補償を受けることができます。
 


その任意保険の補償に含まれるのが「対物賠償保険」です。 

通常は「対物」と略して呼ばれています。  


具体的に、どのような補償を受けられるのでしょうか。



対物賠償で補償される範囲

自動車保険の対物賠償保険において補償される範囲は、以下のとおりです。  

  • 他人の車を損壊させてしまった場合の修理費用 
  • 公共物(ガードレール・電柱等)を損壊させた場合の補償  

強制加入である自賠責保険では、「ヒト」にかかわる点だけが補償されます。


それに対して、自動車保険(任意保険)に加入しているなら、こういった「モノ」に関する賠償も補償されるのです。 

対物賠償はどのようなケースで補償されるか

車両の損害には、「分損」や「全損」があります。  

  • 分損:部分的に修理が必要になり、修理すれば継続して使用は可能な状態 
  • 全損:致命的な損壊があり、修理が不可能なため廃車となる状態  

軽微な事故であれば分損で修理費用を賠償、という場合が多いです。


しかし全損ともなれば被害者は事実上交通手段を失うことになりますので、相応の賠償が必要となります。


ただしこれは、あくまで相手方に対する補償ですので、対物補償では自車の破損に対する補償はなされません。 


その場合は、車両保険が補償することになります。

自動車保険の対物賠償保険は無制限にすべき?

自動車保険における対物賠償保険は、補償額をそれぞれが決めることができます。 


補償の上限額を下げることによって保険料も安くすることは可能です。 


しかし、事故が起きてしまった時にどれくらいの修理費用が発生するかをあらかじめ予測することはできません。 


特に、被害者の車が全損となってしまった場合や、家屋や店舗の一部を損壊させてしまった場合など、賠償が数千万円に及ぶ可能性もあります。 


実際、過去にも高額な賠償金を支払うことなった例がいくつもあります。

  • 損害額:2億6,135万円 被害内容:店舗販売用の積荷損害
  • 損害額:1億1,798万円 被害内容:公共物の損害

ですから、多くの方が対物事故におけるリスクを鑑みて、補償額は「無制限」を選ぶ傾向にあります。

自動車保険の対物賠償保険に免責金額を設定できる?

保険料に関係してくるもう一つの要素として、「免責金額」があります。
 


自動車保険における免責金額とは、有事の際に保険会社が負担してくれる賠償額のうち、加入者が自己負担する金額のことです。
 


これも対物賠償の限度と同じように加入者が決めることができます。


では免責金額の違いによって、保険料にどのような影響があるのでしょうか。

対物賠償保険にも免責金額は設定できる

対物賠償保険にも、免責金額を設定することは可能です。
 


たとえばソニー損保では、以下のように設定することができます。


自己負担額の選択肢1回目の車両事故での
自己負担額
2回目以降の車両事故での
自己負担額
0~10万円0円10万円
5~10万円5万円(対車両の場合は0円)10万円
5~10万円5万円10万円
10~10万円10万円10万円


「自己負担額の選択肢」は、加入者が選ぶことができる4種類の免責金額です。


自己負担額を0から10万円に設定した場合、1回目の車両事故では自己負担がないことが分かります。

免責金額を設定すると保険料はどうなる?

では免責金額によって、保険料の増減はあるのでしょうか。


さきほどの表からも分かる通り、免責金額を設定すると、保険会社が負担する賠償額が変わります。  

  • 免責金額:大 → 自己負担額が増えるが、保険料は安くなる
  • 免責金額:小 → 自己負担額を0にできる
免責金額が多いほど自己負担額が高くなるので、その分保険会社が負担する分が減るので、保険料が下がります。

実際に保険料をシミュレートしてみると、以下のようになります。

【保険:そんぽ24 車両:トヨタ・ヴィッツ ※どちらも同条件で比較】
  • 免責金額なし:417,370円
  • 免責金額10万円:375,910円
この場合は、年額で4万円ほど免責金額を設定した方が安くなりました。

対物超過修理費用補償特約は必要?

一見すると、対物賠償保険に加入していれば、相手の車を全損させてしまっても、補償額を無制限にしていれば、全額補償されるように思えるかもしれません。
 


しかし、自動車には「時価」という価値基準があります。
 


この「時価」が、対物賠償保険では補償しきれない部分を生み出す場合があるのですが、それはどのような場合でしょうか。
 


そのようなときに、「対物超過修理費用保証特約」(保険によって名称は異なります)に加入していると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

対物超過修理費用補償特約をつけるとさらに安心

たとえば野菜などの生ものは、時間が経過することによって普通は鮮度が落ちていくので、比例して素材としての価値も低くなっていきます。
 


同様に自動車も、初度登録年月から月日が経過すればするほど、時価(その時点での価値)は低くなっていきます。
 


そのため、相手の車両の年式が古い、などの理由で車両の時価が修理費を下回っている場合、その差額が補償されない場合があります。
 


しかし、対物超過修理費用補償特約へ加入していれば、対物補償だけでは補えない分の修理費用が、特約によって補償されます。

保険料はいくらあがる?

本来の自動車保険の補償内容に、さらに補償範囲を広げる目的で付帯させるのが、自動車保険における「特約」です。
 


ですから本来は特約を付帯することによって、保険料は高くなります。
 


では「対物超過修理費用補償特約」を付帯した場合、どのくらい自動車保険の保険料は高くなるのでしょうか。
 


どの保険会社も、多くの場合保険料年額に月々換算で数百円プラスするだけで加入することができます。
 


さきほどと同条件で、今度は特約を付ける場合と付けない場合で比較すると保険料は以下のようになります。

  • 特約あり:417,370円
  • 特約なし:412,900円

年額では、未加入と加入では3千円弱の差となりました。


事故時に自己負担額が増えてしまうリスクを考えても、「対物超過修理費用補償特約」には加入しておくことをおすすめします。    

1万円以上保険料を節約する方法をご存知ですか?

皆さんは自動車保険をどの頻度で見直していますか?


もしかしたら、加入してから一度も見直していない人も多いのではないでしょうか。


  • 加入してから一度も自動車保険を見直していない
  • 車を購入する代理店で加入した
  • 会社の団体割引で自動車保険に加入している

が1つでも当てはまる方は要注意!
高すぎる保険料を払っている可能性が高いです。

心当たりのある方は、一度保険料をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。


以下のボタンから簡単にシミュレーションできるので、ぜひどうぞ!

まとめ:自動車保険の対物賠償保険は無制限にするのが吉!

ここまで、自動車保険における対物賠償保険について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
 


今回の記事のポイントは、 

  • 対物賠償保険とは、自動車(任意)保険に含まれる、被害者の車の修理費用を補償する保険 
  • 補償範囲を「無制限」にしておいた方が補償額が高くなるので安心 
  • 対物賠償保険にも免責金額を設定でき、保険料を下げることが可能 
  • 「対物釣果修理費用補償特約」を付帯しておくと、被害車両の時価が低い場合も差額が補償されるので安心 

以上の点です。
 


自動車保険の対物賠償保険に加入しているなら、事故を起こしてしまった際に「修理費用が自己負担になって支払えない」というリスクを避けることができます。
 


自動車保険(任意保険)におけるメリットを最大限享受するためにも、対物賠償保険(無制限)と、時価との差額を補償してくれる特約には加入しておきましょう。
 


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