更新日:2020/08/06
兵庫県では自転車保険加入が義務化!加入すべき保険の種類とは?
兵庫県では、2015年に全国で初めて自転車保険加入を義務化した条例が可決されました。義務化された兵庫県では自転車保険に加入しないと罰則はあるのでしょうか?本記事では、義務化の対象と自転車保険に入るべき理由・加入すべき自転車保険の種類についてお伝えします。
目次を使って気になるところから読みましょう!
兵庫県では自転車保険が義務化!入らないと罰則ある?
自転車は普段見かけない日はないというほど日常にあふれていますよね。
そんな気軽な乗り物である自転車に関して、兵庫県では自転車保険に入ることを義務化した条例が定められたことをご存知でしょうか?
自転車での事故はニュースで見かけることもないですし、なぜ、自動車でもないのに保険加入が義務付けられるんだろうと不思議に思う方もいるのではないでしょうか。
しかも、保険に加入するということは保険料がかかるということです。
できることならお金もかけたくないというのが正直なところですよね。
しかし、そのまま未加入でいると大変なことになる可能性がありますよ!
保険未加入で自転車事故の加害者になった人の全員が「自分は事故を起こさない」と考えていたのに、賠償責任を負うことになったのです。
そこで、この記事では兵庫県の自転車保険加入の義務化について
- 兵庫県の自転車保険義務化に対する罰則はあるのか
- 兵庫県では、本当にみんな自転車保険に加入しているのか
- 加入すべき自転車保険の種類とは
以上のことを中心にお伝えしていきます。
この記事をすべてお読みいただければ「兵庫県で自転車保険に加入しないことが損か得か?」ということがお分かりいただけます。
ぜひ、最後までご覧ください。
全国初!兵庫県の条例で自転車保険加入が義務化
平成27年10月に兵庫県は全国で初めて自転車損害賠償保険等への加入を義務化しました。
以降、滋賀県・大阪府・鹿児島県と、西日本から義務化の波は広まって行くことになります。
まずは、義務化を取り決めている兵庫県の「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の内容と条例の対象者について詳しくお伝えしていきます。
「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」について
「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の内容は、以下のようになっています。
- 兵庫県内で自転車に乗る場合は、必ず自転車保険等に加入する
- 歩行者や自動車等の通行に配慮する
- 自転車の日常の点検や整備を行う
- 幼児や児童だけではなく高齢者もヘルメットを着用する
- 夜間のライト点灯に加えて、後部反射器材・車輪側面反射器材を装着する
国が定めた道路交通法よりも、より安全に配慮した内容となっています。
特に自転車保険義務化は、当時全国で大きな話題となりました。
県民と、兵庫県へ通勤通学する人は義務化の対象
自転車保険の加入義務化の対象者は、兵庫県内で自転車を運転するすべての人です。
兵庫県在住者はもちろん、兵庫県に通勤・通学する人、子供や観光客も対象となります。
自転車販売店やレンタルサイクルの店に対しては、自転車を購入・レンタルする人に対して保険加入状況を確認することも義務化されました。
自転車保険は加入すべき?罰則はある?
ここまでは、兵庫県の自転車保険に関する条例の内容と対象者について解説してきました。
京都でサイクリングをしていて知らないうちにうっかり県境を越えてしまっても、自転車保険未加入なられっきとした条例違反になってしまうのですね。
ここからは、この条例に違反したときの罰則と、兵庫県での実際の自転車保険加入率についてお伝えしていきます。
現時点では罰則はない
実は2018年12月現在、兵庫県の自転車保険加入義務違反の罰則はありません。
後述しますが、自転車保険加入義務化は他の保険に賠償責任の特約を付帯することでも満たすことができます。
よって、県がすべて人の加入状況を把握することが難しいのです。
しかし、罰則がないからといって油断してはいけません。
もしも自分が事故の加害者となったとき、この義務化への違反が悪影響を及ぼして民事裁判でかなり不利になることが考えられます。
「この人は条例違反をするような人だから、走行時の安全義務も果たしていない可能性がある」と判断されても仕方がありません。
自転車保険への加入は「自分が安全義務を守って走行していた」という根拠にもなります。
現状、県民の加入率は7割弱にとどまっている
兵庫県が実施したアンケートによると、2018年6月時点での兵庫県民の自転車保険加入率は67.9%にとどまっています。
30~40代の加入率は高く、70代以上は低くなる傾向がありました。
未加入の理由として、
- 自転車に乗る回数が少ない…67.5%
- 費用がかかる…9.0%
- 加害者になることがほとんどない…8.7%
ということが挙げられました。
「あまり自転車に乗らないし、お金がもったいないし、事故を起こさない自信がある」
ということになりますが、この考え方は極めて危険です。
事故を起こした時の補償のために加入すべき
兵庫県の自転車保険義務化は、2008年9月に神戸市で発生した、ある自転車事故がきっかけとなっています。
- 小学5年生の少年がマウンテンバイクで坂を下っている途中、62歳の女性に正面衝突した。
- 女性は頭を強打し、意識が戻らず寝たきりの状態となった。
- 2013年、神戸地裁は少年の母親に9,521万円の損害賠償を命じた。
子供の自転車といえども自動車と同等、それ以上のケガを負わせる可能性は十分にあります。
たかが自転車と甘く考えず、自分や自分の家族が加害者になったときに備えて、ぜひ自転車保険に加入しておきましょう。
加入すべき自転車保険の種類とは?
ここまでは、兵庫県の自転車保険加入率や実際の高額賠償例についてお伝えしてきました。
罰則が科せられないことが災いし、意外にも加入率は伸び悩んでいるようです。
もしあなたがまだ加入していないなら、ここから解説する加入すべき自転車保険の種類をよくご覧になって検討していただきたいと思います。
自転車保険は、対人補償のあるものを選ぼう
自転車保険の中には対人補償がないものもありますので、必ず対人補償のついているプランを選択しましょう。
たとえば 東京海上日動「eサイクル保険」はAプランなら個人賠償責任保険が上限1億円ですが、Cプランは加入者の死亡や入院補償のみで個人賠償責任保険はついていません。
「自動車」保険の賠償は対人賠償と対物賠償に分かれていますが、自転車保険は賠償金額の中に対人対物両方が含まれています。
中には上限が1000万円程度の個人賠償責任保険もありますが、少しの保険料の違いで上限1億円を補償するプランもあります。
また、示談交渉サービスがあると相手への連絡から事故の解決まですべて保険会社が行ってくれるので心強いですね。
すでに自転車保険に加入している場合もあります
ただし、本人も知らないうちにすでに自転車保険に加入できている場合もあるのでご注意ください。
兵庫県が義務化した「自転車保険」は、以下の保険で対応できます。
- 損害保険会社の自転車保険
- 自動車保険などの損害保険に付帯できる個人賠償責任特約
- クレジットカード保有者が加入できる個人賠償責任保険
- 自転車関連団体の自動付帯保険(TSマークなど)
特に自動車保険・火災保険・ゴルファー保険に加入しているのであれば、個人賠償責任特約が付帯されていないかを確認しましょう。
一般的に個人賠償責任特約は家族全員を補償対象としているため、もし付帯しているなら自転車保険加入義務は家族全員が満たせていることになります。
まとめ:自転車保険に未加入の場合は加入を検討しましょう!
兵庫県の自転車保険加入の義務化についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回この記事のポイントは、
- 兵庫県在住者だけではなく県内に通勤・通学する人も義務化の対象だが、現時点で未加入の罰則はない
- 自転車保険は、対人補償のあるものを選ぶべき
- 自転車保険だけではなく、自動車保険や火災保険に付帯できる個人賠償責任特約でも義務化に対応できる
以上の3つのことでした。
なお、兵庫県では幼児・児童・高齢者にヘルメット着用義務をもうけていますが、交通事故総合分析センターの調査で中高生の事故率がもっとも高いということが分かっています。
中高生の自転車事故率は55歳以上に比べて約4~5倍も高く、うち約7割が自転車側の法令違反によるものということです。
特に中学生・高校生がいるご家庭では、自転車保険義務化を厳守することをおすすめします。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載されています。
ぜひご覧ください。