更新日:2022/08/30
住宅ローンのがん団信加入は必要?条件やがん保険との違いを比較
住宅ローンを組む際には団信へ加入することになりますが、がん団信へ加入する必要性はあるのか疑問に感じるかもしれません。がん団信は死亡・高度障害時以外にがんと診断された際にも住宅ローンがカバーされる保険です。がん保険との違いや必要性の判断ポイントをご紹介します。
- 住宅ローンを組むが、団信とがん団信どちらに加入するべきか悩んでいる人
- がん保険とがん団信、どちらが自分に必要なのか知りたい人
- がん団信がどのような保険なのか、特徴などを知りたい人
内容をまとめると
- がん団信は死亡・高度障害時の他にがん診断時にも保障が受けられる保険
- がんになった際に住宅ローンが完済され治療に専念できるが、金利の上乗せや全てのがんが対象になっていないなどのデメリットがある
- がん保険とは加入目的や加入条件、保険料、契約・変更の可不可など多くの点で違いがある
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- がん団信はがんと診断された時住宅ローンを代わりに払ってくれる保険
- がん団信の仕組み
- がんと診断された時保障が受けられるがん団信の種類
- がん団信のメリット
- がん団信のデメリット
- がん団信とがん保険を6つの視点から比較
- その①:加入目的の比較
- その②:保険金の比較
- その③:加入条件の比較
- その④:加入・契約変更できるタイミングの比較
- その⑤:保険料の比較
- その⑥:保険終了条件の比較
- がん団信とがん保険の共通点
- がん団信とがん保険どちらが必要かを判断するポイント3つ
- その①:いつどれだけの期間保証が欲しいのか
- その②:保険料と保険金のバランスを考える
- その③:いろいろな商品を比較する
- まとめ:ライフプランの相談はマネーキャリアへ!
目次
がん団信はがんと診断された時住宅ローンを代わりに払ってくれる保険
がん団信はがんと診断された際に、住宅ローンを保険会社が代わりに支払ってくれる保険です。
生命保険の一種となっているため、万一の際に保障を受けることができます。
残高が0になるものから減額してもらえるものまで、保険会社によって保障内容に違いがあります。
がん団信は
- がん保障特約付団信
- がん診断特約付団信
などが正式名称となります。通常の団信に特約を付帯することでがんに対する保障が得られる仕組みです。
がんになってしまうと高額な治療費や長期間の治療が必要になるケースもあります。その後通常通りに働けなくなる可能性もあることから、がんに対しての備えを付けておきたい場合には特約の利用がおすすめです。
以下では
- がん団信の仕組み
- がんと診断された時保障が受けられるがん団信の種類
- がん団信のメリット
- がん団信のデメリット
についてご紹介していきます。
がん団信の仕組み
がん団信は
- 死亡
- 高度障害
- 所定のがん
の際に住宅ローンの残りが保険金として支給される保険です。
通常の団信は死亡・高度障害時のみが対象ですが、がん団信は特約を付帯しているため対象範囲が広がっています。
死亡・高度障害時は残りのローン全額が保障されますが、がん診断時は商品によって違いがあります。
- ローン残高50%保障
- ローン残高100%保障
など、割合が違うため、加入を検討している場合にはこの割合をしっかり確認しておくことが重要です。
がん特約にはがんに対する保障だけでなく、
- 月次返済保障
- 全疾病保障
といった内容も付帯されている場合が多くなります。
加入を検討する際にはどのような内容となっているのかをしっかりとチェックしておくことがおすすめです。
がんと診断された時保障が受けられるがん団信の種類
がんと診断された際に保障が受けられるがん団信は、
- がん保障特約
- 三大疾病保障特約
- 生活習慣病特約
などが挙げられます。
がんはどの保障内容にも含まれているため、それぞれの特約を付帯することで保障が得られますが、それぞれ保障が受けられる条件が違っている事に注意が必要です。
通常のがん保障特約や三大疾病保障特約ではがん(悪性新生物)と診断されることが条件です。
しかし、生活習慣病特約では入院期間が所定に日数以上など診断以外にも条件があることに注意が必要です。
最近では長期入院を伴わないケースも増えているため、治療方法によっては保障が受けられなくなる可能性もあることに気をつけましょう。
がん団信のメリット
メリットとしては、
- がん診断確定で住宅ローンが無くなる
- 治療に専念できる
などがあげられます。
がんと診断されることで住宅ローンの支払いが無くなることが一番のメリットです。がんと診断されてしまうと今後の治療や病状に対して不安を抱えてしまいます。住宅ローンの金銭的負担が無くなるため、今まで住宅ローンの支払いに使っていた金額を治療にあてることが可能です。
また、住宅ローンの金銭的負担が無くなることから、治療に専念しやすくなります。がんは治療中や治療後、通常通りに働くことが難しくなることもある病気です。収入が減少してしまっても住宅ローンは無くなっているため金銭的負担が少ないことから、治療に専念できることがメリットです。
がん団信のデメリット
がん団信のデメリットとしては、
- 金利が上乗せされる
- 必ず加入できるわけではない
- 全てのがんに適用されるわけではない
- 加入や契約内容変更が自由にできない
などが挙げられます。
通常の団信は基本的には無料で加入することができます。金利が上がることはありませんが、がん特約を付帯する場合には0.1~0.2%金利が上乗せされるため、支払う住宅ローンが増えてしまう事がデメリットです。
必ず加入できるわけではないこともデメリットに挙げられます。通常の団信も同じですが、健康状態や告知内容によっては加入が断られてしまいます。
がんと診断されても保険金が支給されないケースもあります。上皮内新生物と診断された場合です。がん団信の保障対象は悪性新生物となっている事がほとんどなため、上皮内新生物など対象とならないがんもあることに注意が必要です。
加入や内容変更も自由にできません。加入できるのは住宅ローン契約時と限られているためです。また、家計への負担が思ったよりも大きかったなどで途中解約するにしても、多くの金融機関では途中解約や契約変更も自由にできないことに気をつけましょう。
がん団信とがん保険を6つの視点から比較
ここまでがん団信についてご紹介してきましたが、がん保険と何が違うのか気になる方も多いと思います。
どちらもがんに対する備えになることは同じと言えますが、目的や加入・終了条件など
意外と多くの違いが見られます。
以下ではそれぞれを比較するために、
- 加入目的の比較
- 保険金の比較
- 加入条件の比較
- 加入・契約変更できるタイミングの比較
- 保険料の比較
- 保険終了条件の比較
について解説していきます。
その①:加入目的の比較
がん団信とがん保険では加入の目的が違います。
がん団信は家を守るため、がん保険は自分を守るために加入するためです。
がん団信はがんに備える保険のひとつと言えますが、保障されるのは住宅ローンの残りの金額です。そのため、収入が増えることはありませんが支出が減るため、金銭的負担は減ることになります。
一方のがん保険は治療費や入院費をカバーするための保険です。収入が増えることになり、この増えた分で治療費などをカバーします。
万一の際の支出を減らしたいのならばがん団信を、収入を増やして治療費などをカバーしたい場合にはがん保険に加入するなど、目的に合わせて加入を検討するようにしましょう。
その②:保険金の比較
がん団信とがん保険の違い2つ目は保険金額です。
がん団信は保険金額は数千万円となる可能性があるのに対し、がん保険ではここまで高額な支払いとなることはほぼありません。
がん団信で支払われる金額は、対象となった時点での住宅ローン額です。保障割合に応じて支払われる金額は変わりますが、タイミングによっては数千万円の支払いとなることもあります。
一方がん保険では契約時の内容に沿った保険金が支払われます。入院日数に応じた金額や手術に対応した金額など様々です。大きな金額が支給される診断診断一時給付金でも数百万円が一般的です。
がん団信では年数経過とともに金額が減少するのに対し、がん保険では定額となることも保険金額の違いとして挙げられます。
その③:加入条件の比較
がん団信とがん保険の違い3つ目は、加入条件が挙げられます。上限年齢に大きな違いがあります。
がん団信は通常の団信よりも保障範囲が広くなっているため、上限年齢が低く設定されています。
50歳前後に設定されている事が多く、この年齢以上になってしまうとがん団信でがんに備えることはできなくなってしまいます。(参考:楽天銀行・100%保障がん団信)通常の団信は70歳前後まで加入ができるため、かなり引き下げられている事が分かります。
一方がん保険は保険会社にもよりますが85歳まで加入ができる商品も多く見られます。
がん団信の年齢制限は若く、年齢によっては加入ができない可能性もあることを覚えておきましょう。
その④:加入・契約変更できるタイミングの比較
がん団信とがん保険では加入・契約変更できるタイミングにも大きな違いが見られます。
がん団信への加入は住宅ローン契約時に限られてしまうためです。
さらに、がん団信の契約変更も契約途中で行うことは難しくなっています。解約もできないことが多くなっています。
一方がん保険では審査にさえ通過できれば自分の好きなタイミングで加入することが可能です。契約変更や解約も自分のタイミングで行うことができるため、これらのタイミングが違うことは大きな違いとして挙げられます。
その⑤:保険料の比較
がん団信の方が保険金額が大きくなりやすいため、保険料は高いのではと考えるかもしれませんが、意外なことにがん団信の保険料は安いと言えます。
特に最近は低金利のため、保険料を安く抑えつつがんに備えることが可能です。
あるがん団信・がん保険のそれぞれの保険料を見てみましょう。契約内容は以下のようになっています。
がん団信例
- 借入金額:2,000万円
- 借入期間:35年
- 年利:1.5%
- 上乗せ金利:0.2%
がん保険例
- 保障内容:診断給付金300万円
- 保険期間・保険料払込期間:終身
以上の二つの保険料は以下のようになります。
保険料(月) | |
---|---|
がん団信 | 約2,000円 |
がん保険 | 約8,700円 |
その⑥:保険終了条件の比較
違い6つ目は保険終了条件です。
がん団信は完済時点で保障が終わってしまうためです。
がん団信の保障対象は住宅ローンです。完済することでがんに対する保障が無くなることになります。
また、保険会社によっては保障に年齢制限が設けられている場合もあり、完済していなくても80歳になった時点でがんに対する保障が無くなるケースもあります。完済までか年齢で終了するか多少違いはありますが、保障が生涯続くことなく無くなることが前提です。
一方がん保険は保険期間を自分で選ぶことができます。終身タイプならば生涯がんに対する保障を得ることができるため、完済することで保障がなくなってしまう事はがん団信のデメリットとも言えます。
がん団信とがん保険の共通点
がん団信とがん保険には多くの違いがありましたが、共通点もあります。免責期間がある点です。
がんは自覚症状が無くても発病している可能性があるためです。
また、自覚症状が出始めた方が急いでがん保険に加入し、保険金を受け取ることを防ぐ目的もあります。
このようながんの特性から、免責期間として約90日の間、発症しても保障が受けられない期間が設定されています。
加入後すぐに保険金が受け取れるようになってしまうと、加入前のがんも保障対象ということになってしまいます。さらに、しこりなどの症状に気付いてから加入し、そのまま保険金を受け取れるようになってしまうと健康な状態で加入した人と公平な仕組みではなくなってしまいます。
加入前のがんを保障しないようにするため一定期間保障対象外となることは、がん団信・がん保険の共通点です。
がん団信とがん保険どちらが必要かを判断するポイント3つ
がん団信とがん保険、それぞれ違いやメリットがあるため、どちらに加入しておくべきなのか悩む方は多いと思います。
中には両方への加入を検討する方もいらっしゃるかもしれませんが、保険料の負担を考えると両方利用することを躊躇してしまうかもしれません。
どちらに加入するべきかは人それぞれ違います。まずは自分にとってどちらが必要なのか、判断するポイントを確認していきましょう。
- いつどれだけの期間保障が欲しいのか
- 保険料と保険金のバランスを考える
- いろいろな商品を比較する
などが判断する際のポイントとして挙げられます。それぞれのポイントを確認し、自分にとって必要性の高いのはどちらなのかを判断していきましょう。
その①:いつどれだけの期間保証が欲しいのか
判断ポイント1つ目は、いつどれだけの期間保障が欲しいのかです。
それぞれ保障対象としているものが違うため、金額や期間に違った特徴があるためです。
がん団信は住宅ローンの残りを保険金で賄うことができます。また、がんへの備えとしては完済までと期間が限定されています。
期間は限定されていますが、タイミングによっては数千万といった高額な保障が期待できることはがん団信の大きな特徴です。そのため、
- 働き盛りの時期に収入減に対する保障が欲しい
- 万一の際には高額な住宅ローンを完済したい
と考えている場合にはがん団信が向いています。
一方、がん保険はがんの治療に対する保障で、期間は自分の好きなように選ぶことが可能です。そのため、
- がんの治療費に備えたい
- 生涯がんに対する保障が欲しい
などの場合にはがん保険の方が向いています。
その②:保険料と保険金のバランスを考える
判断ポイント2つ目は、保険料と保険金のバランスを考えることです。
がん団信はタイミングによって受け取れる保険金額が変わってくるためです。
がん団信 | がん保険 | |
---|---|---|
保険料 | 安め | 高め |
保険金 | 徐々に減少 | 定額 |
がん団信が保障するのは、がんと診断された際に残っている住宅ローンになります。住宅ローンを組んで間もなくがんと診断された場合などではかなり高額な保障を受けることが可能です。しかし、完済間近での保障はかなり少額になることもあります。
一方がん保険は保険料は高めに感じますが、どのタイミングでがんと診断されても受け取れる金額は変わりません。
受け取るタイミングによって金額が変わるがん団信にするのか、定額で受け取れるがん保険を選ぶのか、どちらが自分に合っているのかを見極めましょう。
その③:いろいろな商品を比較する
判断ポイント3つ目は、いろいろな商品を比較することです。
がん団信・がん保険ともに多数の商品が出されており、それぞれ内容や特徴に違いがあるためです。
がん団信は1種類ではありません。保険会社ごとに数多くの商品が出されており、万一の際の住宅ローンの保障から、給付金など他の保障が付いているものまで様々です。
がん保険も商品数が豊富で、自分の欲しい保障に合わせてカスタマイズすることも可能です。
どちらも多数の商品が出されているため、どれが自分に最適なのか、商品ごとの特徴や免責事項を確認してい加入の判断をするようにしましょう。
まとめ:ライフプランの相談はマネーキャリアへ!
ここではがん団信についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
通常の団信は契約者が死亡または高度障害となった際に住宅ローンの残りが保険金として支払われる保険です。がん団信はそれにプラスしてがんと診断された際にも住宅ローンの残りがカバーされることになります。
がんへの罹患率は高いと言えるため、住宅ローンを組む際にはがん団信を検討する方も多いと思います。しかし、がんでも住宅ローンが完済できるメリットはありますが、がん保険とは違って自由に契約・変更などはできません。また、保障されるのも住宅ローン完済までと期間が決まっていることに注意が必要です。
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ほけんROOMでは他にも保険やお金に関する記事を多数掲載しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。