地震保険を知ろう!ひび割れはどこまで地震保険の補償対象?

地震保険に加入されている方であれば、もし地震による被害がでたら、小さなひび割れなどでもなるべく保険を活用して補償金をもらいたいですよね。今回の記事では、ひび割れをどのように計算して地震保険の補償対象とするのかを徹底解説します。

ひび割れはどこまで地震保険で補償される?

地震に遭い、建物が倒壊を免れても壁面に無数のひび割れが発生することもあるでしょう。


建物の雨漏りや二次被害を避けるために、地震保険で修理費用が賄われればありがたいですよね。


しかし、地震保険の損害認定基準や建物の工法によって、補償が制約されることはご存知でしょうか。


地震保険の補償条件や、その基準を把握していないと、肝心な時に保険が下りず困惑することもあるでしょう。


そこで今回は、「建物のひび割れ被害の補償と、その注意点」について

  • 地震保険の認定基準である「一部損」とは?
  • 内壁のひび割れは補償対象?
  • 基礎のひび割れの注意点
以上のことを中心に解説していきます。   
 

この記事を読めば、建物のひび割れ被害の補償内容と、その制約部分について知ることができるはずです。 
                                                               

ぜひ、最後までご覧ください。


最低でも認定基準の「一部損」の基準を満たす必要がある

建物が地震による倒壊や流出を免れ、一安心ではありますが、確認しなければならないこともあります。


それが建物の「ひび割れ」です。


放置すると、余震等が発生した時に被害を大きくしたり、雨漏りが生じたりすることがあります。


そうなると、ひび割れが更に拡大し、2回目以降の地震発生で倒壊する危険も増していくことでしょう。


こちらでは、

  • 一部損の認定基準とは?
  • ひび割れで重要な点
について解説します。

地震保険の損害認定基準について!一部損の認定基準

「建物の倒壊や一目でわかる損害が無いと地震保険は下りない。」と思う人もいるかもしれませんね。


しかし、建物に多数のひび割れが発生している時、「一部損」として損害認定されることもあります。


この一部損とは地震保険における損害認定の一つです。


ひび割れによる一部損の認定を含め、各損害の基準となるのは次に該当する場合です(焼失・流出除く)。

  • 全損:主要構造部に建物時価額50%以上の損害が発生した場合
  • 大半損:主要構造部に建物時価額40~50%未満の損害が発生した場合
  • 小半損:主要構造部に建物時価額20~40%未満の損害が発生した場合
  • 一部損:主要構造部に建物時価額3~20%未満の損害が発生した場合
全壊の場合や大半損、小半損ほど補償金額はおりませんが、確実に地震保険金が受け取れます。

なお、主要構造部とは、壁や柱、床、梁、屋根および階段を指します(建築基準法第2条5号)。

また、時価額とは、被害建物の再調達価額から使用・経過等による消耗分を引いた金額です。

つまり、全壊しても地震保険の契約時に設定した保険金が、満額下りるわけではありません。

あくまで、設定した保険金を上限として、時価額で算出された金額が受け取れることになります。

当然、時価額が契約時に設定した保険金を下回れば、大半損以下の場合に下りる保険金額も縮減されます。

ひび割れの大きさではなく数が重要

地震が起き建物の倒壊は免れたものの、外壁に目立つ大きなひび割れができる場合もあることでしょう。


「結構な地震保険金が下りて、修理費が賄われるかもしれない。」と、期待する人もいるかもしれませんね。


しかし、その期待は裏切られることがあります。


そもそも地震保険の損害割合は、被害の大きさではなく「何ヶ所か」という個数で算定されます。


大きいひび割れが一か所より、小さいひび割れが数十ヶ所あれば、損害割合により多くカウントされます。

内壁のひび割れは地震保険の補償対象?

地震によって、内壁のひび割れが発生することは、もちろんあります。


この場合も、地震保険の損害割合へカウントされると思う人もいることでしょう。


しかし、木造住宅の場合は、その工法によって損害割合へカウントされ難いケースもあります。


こちらでは、

  • 内壁のひび割れが枠組壁工法の建物で起きた場合
  • 内壁のひび割れが在来軸組工法の建物で起きた場合
について解説します。

枠組壁工法建物の場合は一部損でも対象内

枠組壁工法とは皆さんにとってナカナカ聞き慣れない工法ではないでしょうか?


この工法は、木材で組まれた枠組に構造用合板等を打ちつけた、床・壁により建物をたてるやり方です。


使用製材で最も多用される断面が2インチ×4インチなため、「ツーバイフォー工法」とも呼称されます。


在来の木材で組まれた構造と異なり柱がないので、施工が単純かつ工事期間は短期間で済みます。


この工法の場合、主要構造部分となるのは基礎や屋根はもちろんですが外壁、そして内壁も含まれます。


つまり、内壁のひびも主要構造部分の被害項目に該当し、損害割合としてカウントされます。


枠組壁工法の内壁のひびならば、一部損として地震保険金が下りることになります。

在来軸組工法建物の場合は一部損において対象外

在来軸組工法とは日本の伝統的な工法のことです。


柱や梁、柱と柱の間へ斜めに入れる筋交い等、木の軸が組まれ建物を支える方法となります。


日本ではこの工法が主流なので、ほとんどの木造建築がこちらに該当することでしょう。


この工法の場合、主要構造部分となるのは基礎や屋根・軸組はもちろんですが、壁は外壁のみです。


つまり、内壁だけでは主要構造部分の被害項目に該当しません。


こちら工法だと、内壁は軸組に含まれ、更に小半損以上と判定されないと地震保険金が下りません。

クロス・石膏ボードも内壁と同じ扱い

クロスは室内の壁面・天井へ貼る布・紙、石膏ボードは石膏を主成分とした板状の建材です。


こちらの被害も地震保険の対象になるか気になりますよね。


クロス・石膏ボードの被害は内壁の場合と同様に扱われます。


枠組壁工法の損害査定の場合でも、クロス・石膏ボードの破損は基本的に考慮しないようです。


内部の査定では、まず部屋の四隅に破損箇所がないか調査されます。


つまり、内壁の被害だけだと地震保険金は非常に下りにくいと考えられます。

基礎のひび割れは木材建物の場合のみ対象

枠組壁工法や在来軸組工法いずれの場合も、基礎は主要構造部分として地震保険の対象となります。


基礎は文字通り、ご自分の建物全体を支える大切な基ですよね。


地震で起こったひび割れを放置すれば、風雨等で浸食され更に被害が広がる可能性もあります。


ただし、地盤の補強よりは処置が簡単といわれています。


修理業者等へ被害状況を見せる等して、耐震面で不安を指摘されたら直ちに補強することが大切です。


基礎の微細なひび割れならば、樹脂を注入する等して耐震性能を取り戻します。


最初から鉄筋が無い耐震性の低い基礎の場合なら、鉄筋コンクリート基礎を増設し強度を増すことが賢明です。

まとめ:内壁はなかなか補償対象にならない

建物のひび割れ被害の補償と、その注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。                                     


今回の記事のポイントは

  • 建物が地震による倒壊や流出を免れても、建物の「ひび割れ」がないかを必ず確認する
  • 建物に多数のひび割れがあれば「一部損」として認定され、地震保険金が下りることもある
  • 内壁のひび割れの補償は工法によって対象になる場合とならない場合がある
  • 基礎は建物全体を支える大切な基盤なので、そのひび割れで地震保険金が下りる
でした。
 

建物のひび割れは、ナカナカ隠れた部分まで目が届きません。

正確な損害を知るために、修理業者からチェックくしてもらいましょう。

その場合には、忘れずに証拠となる写真等で記録した後、保険金請求を保険会社へ行いましょう。

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この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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