更新日:2022/06/28
地震保険の請求期限はいつまで?申請の流れと5つのコツも解説
地震保険の請求期限は3年です。保険会社によって請求期限は異なるので、約款を確認しておきましょう。また、実際に被害にあったときにどのように申請すればよいのかを把握しておくことが大切です。この記事では、保険金申請の流れと請求する際のコツもご紹介しています。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 地震保険の請求期限はいつまで?
- 地震保険の請求期限は3年まで!
- 地震保険の請求の流れ
- まずは保険会社に連絡
- 損害保険協会の鑑定人が現地調査へ
- 保険金の支払い
- 支払われる保険金額は被害の程度による
- 全損
- 大半損
- 小半損
- 一部損
- 地震保険の請求のコツ
- 被害状況の写真を撮影する
- 余震も一つの地震として数えることがある
- 専門業者への依頼も視野に入れる
- 早めに保険会社に連絡する
- 支払われた保険金に不満がある場合は相談する
- 参考:災害時に「保険証券」「身分証明書」が手元にない場合の対処法
- 災害時に加入している地震保険が分からない場合の対処法
- 災害時に身分証明書を紛失した場合の対処法
- まとめ:地震保険の請求期限には気を付けよう
目次
地震保険の請求期限はいつまで?
地震や地震が原因となる火災、津波などの被害にあったときに補償してくれる地震保険。「地震の被害にあったけど、どのような流れで請求すればいいのか分からない」「地震保険に入っているけど、請求し忘れていた…」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回、この記事では地震保険について、
- 地震保険の請求期限はいつまで?
- 地震保険の請求の流れ
- 支払われる保険金額について
- 地震保険の請求のコツ
- 参考:災害時に「保険証券」「身分証明書」が手元にない場合の対処法
地震保険の請求期限は3年まで!
地震保険は保険金の請求期限があり、保険法で3年と定められているためそれまでに手続きを行わなくてはいけません。
ただし、3年という期間はあくまでも保険法に基づいての期限です。加入している保険会社によっては、それよりも短い請求期限となっている可能性もあります。
いま一度、ご自分が加入している地震保険の約款を確認してみてください。すぐに確認できない場合は、直接請求期限を問い合わせてみるのも良いでしょう。
また、地震による被害があり、保険金の請求ができる状況であれば、後回しにしないですぐに保険会社に連絡することも大切です。
震災が起こった直後は、まずは自分や家族の身の安全を守ることが第一優先となるため、地震保険の請求をしなくてはいけないことまで頭が回らないかもしれません。
ですが、請求するタイミングを逃すと、あっという間に請求期限が来てしまいますので注意が必要ですよ。
地震保険の請求の流れ
地震による被害で保険金の請求ができる状況にあるとき、一体どのようにして請求をしたら良いのでしょうか。
地震による被害が大きければ、あとで調べることも困難になる可能性があります。何よりもタイミングを逃すと、あっという間に請求期限もきてしまうため注意が必要です。
今のうちに請求の流れをきちんと理解しておけば、いざという時でも慌てないで済むでしょう。
ここでは、地震保険の請求の流れについて、
- 保険会社への連絡
- 鑑定人の現地調査
- 保険金の支払い
まずは保険会社に連絡
まず、地震が起こったら保険会社へ被害の連絡をしてください。
大規模な震災が起こったからといって、保険会社からアクションをかけてくれることはありません。必ず、ご自身で請求期限がくる前に保険会社に連絡をすることが大切です。
ただし、震災直後は保険に加入している方からの連絡が混雑して、電話ですとなかなか繋がらない恐れがあります。
インターネットが使える環境にあれば、ネットから受付をしたほうがスムーズに手続きができる可能性があります。慌てずに、保険会社のホームページをチェックしてみてください。
また、代理店を経由して地震保険に加入している方は、直接保険会社に連絡をするのではなく代理店を通じても良いでしょう。
損害保険協会の鑑定人が現地調査へ
地震保険は、被害の連絡を保険会社にしただけでは保険金が支払われることはありません。連絡をしたあと、日本損害保険協会の鑑定人が実際に現地に赴き調査を行います。
スケジュールを調整して、訪問日時の確認をしましょう。
現地調査を行うときに、鑑定人が請求に必要な書類を持ってきてくれますので、わからないことがあればその時に確認しましょう。
ほとんどの場合は、必要事項をその場で書類に記入しますので、安心してください。また、現地調査の段階で保険金の支払いが可能かもわかるでしょう。
保険金の支払い
一般的な火災保険の場合、損害の修理費用に応じて保険金の支払額が決定します。
ところが、地震保険の場合は、どれくらいの被害かによって保険金が変わりますので、金額も一定の割合となるのです。
損害程度の認定に関しては、地震保険損害認定基準に従って行われます。地震保険損害認定基準に関しては次の見出しで詳しく解説しますね。
支払われる保険金額は被害の程度による
地震保険の保険金支払額はそれぞれの家屋の損害額ではなく、損害の程度によって決まります。
損害の程度は、下記の4段階の区分に分けられます。
- 全損
- 大半損
- 小半損
- 一部損
全損
建物の全損の認定基準は、下記のどちらかとなっています。
- 主要構造部の損害額が時価の50%以上
- 焼失・流失した部分の床面積が建物の70%以上
大半損
建物の大半損の認定基準は、下記のどちらかとなっています。
- 主要構造部の損害額が時価の40~50%未満
- 焼失・流失した部分の床面積が建物の50~70%未満
小半損
建物の小半損の認定基準は、下記のどちらかとなっています。
- 主要構造部の損害額が時価の20~40%未満
- 焼失・流失した部分の床面積が建物の20~50%未満
一部損
建物の小半損の認定基準は、下記のどちらかとなっています。
- 主要構造部の損害額が時価の3~20%未満
- 建物が床上浸水した、もしくは地盤面よりも45cmをこえる浸水を受けて損害が生じた場合
地震保険の請求のコツ
地震保険の保険金は損害区分によって金額が決まりますが、4区分しかありません。
鑑定人の調査の結果、思っていたよりも損害の程度が小さいと判断されてしまった場合、支払われる保険金も大きく下がってしまいます。できるだけ正しく保険金が支払われるために、請求時に気を付けるべき5つのコツを押さえておきましょう。
ここでは、地震保険を請求するときに抑えておくべきポイントとして、
- 被害状況の写真を撮影する
- 余震も一つの地震として数えることがある
- 専門業者への依頼も視野に入れる
- 早めに保険会社に連絡する
- 支払われた保険金に不満がある場合は相談する
被害状況の写真を撮影する
大規模な地震の場合、地震が発生してかなり時間がたってから鑑定人が調査に来ることがあります。
保険金の支払金額は、被害状況などによって決定されますが、鑑定人が調査に来るまで倒れたものなどをそのままにはできないですよね。
地震が発生して、安全が確認できたら、片づける前に必ず被害状況を写真や動画に残しておきましょう。
写真を撮る際は、
- 被害を受けたところをアップで様々な角度から撮影した写真
- 被害を受けたところの全体が分かるように少し遠くから撮影した写真
の2種類を撮影しておくとよいでしょう。
余震も一つの地震として数えることがある
地震は1回で終わりではなく、さらに余震が起こる可能性も十分に考えられます。
また、余震が起こることで被害がさらに拡大する恐れもありますよね。
地震後の余震については、最初の地震発生日から3日(72時間)経過しているかがポイントとなります。
例えば、「最初の地震で一部損となり、2日後に余震が起こり全損となった」場合、1回の地震とみなされますので全損として保険金が支払われます。
一方、「最初の地震で一部損となり、5日後に余震が起こり全損となった」場合、1回目と2回目の地震が3日以上あいているため、別の地震として扱われます。つまり、1回目は一部損で2回目は全損としてそれぞれ保険金が支払われるということです。
専門業者への依頼も視野に入れる
基礎にひびが入っていたり、液状化現象の被害で家屋が微妙に傾いてしまっていたりする場合、自分では気づかなかったことがあります。
また、大規模な地震の場合、鑑定人の人数が足りず、鑑定までに時間がかかってしまったり、ちゃんと調査してもらえなかったりすることもあります。
鑑定人が気づかなければ、損害認定されず、保険金の支払金額が少なくなる可能性もあります。
申請に不安がある場合は、専門業者に家屋への被害がないか確認してもらうことも視野に入れておくとよいでしょう。
早めに保険会社に連絡する
基本的に保険請求期限は3年となっていますが、災害にあった場合はできるだけ早めに保険会社に連絡をするようにしましょう。
建物などは経年劣化によりひびなどが入ることがあります。連絡が遅くなってしまうと、地震によって生じた被害なのか、経年劣化によって生じたものなのかが判断しづらくなり、審査が厳しくなってしまう場合があります。
地震による被害に気づいたときには、すぐに保険会社に連絡することで被害の状況をできるだけ正しく判断してもらえるでしょう。
支払われた保険金に不満がある場合は相談する
地震保険の保険金は、4つの損害区分しかないため査定に対して不満を感じるケースもあると思います。
特に大規模な地震が起こった場合、被害連絡が膨大になるため保険会社も慌ただしくなるでしょう。見落としがまったく無いとは言いきれませんので、不服があれば再度被害状況を見てもらえないか交渉してみてください。
交渉後の再調査で、さらに不満があるという場合は、日本損害保険協会のそんぽADRセンターに相談してみましょう。
そんぽADRセンターは、専門の相談員が損害保険に関する相談に乗ってくれる専門のセンターです。保険会社とのトラブルが解決しない場合の苦情受付や和解案の提示などを行っていますよ。
参考:災害時に「保険証券」「身分証明書」が手元にない場合の対処法
実際に地震が発生して被害にあい、保険の請求をしようと思った際に、「保険証券」や「身分証明書」が手元にない場合があります。
「保険証券」や「身分証明書」が手元にない場合でも、対処法を知っていれば保険金を請求できるので安心してくださいね。
災害時に、
- 「保険証券がなくて、どこの保険会社に加入しているのか分からない」
- 「身分証明書がなくなってしまった」
という時の対処法をご紹介します。
災害時に加入している地震保険が分からない場合の対処法
災害時に契約が分からなくなってしまった時は、「自然災害等損保契約照会センター」に照会することで契約の有無に関する調査を行ってもらえます。
ただし、「自然災害等損保契約照会センター」での照会は、災害救助法が適用された地域あるいは金融庁国民保護計画に基づく対応要請があった地域のためのものです。災害時以外には利用できないので、注意してください。
また、問い合わせは被災者とその親族(配偶者、親、子、兄弟姉妹)しかできないようになっているので注意しましょう。
災害時に身分証明書を紛失した場合の対処法
災害時に身分証明書を紛失してしまった場合でも、契約者本人であることを確認できれば、保険金を請求が可能です。
各保険会社で個々の状況に応じた対応を行っているので、身分証明書が手元にない場合でも加入先の保険会社に連絡しましょう。
まとめ:地震保険の請求期限には気を付けよう
地震保険の請求期限や地震保険の請求の流れ、損害区分についてなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 地震保険の請求期限は3年まで
- 損害保険協会の鑑定人が現地調査を行い、損害区分を決める
- 被害状況を撮影しておく
- 地震後の余震は3日間(72時間)がポイントとなる
- 支払われた保険金に不満がある場合は、そんぽADRセンターに相談するべき